イマジオムでは、HarmonyCalcやその他の並列処理技術を応用したソリューションを提供しております。一口に「並列処理」と言っても、その中にはいろいろな技術が含まれています。「並列処理に取り組まなければならないことはわかっているが、どの技術が使えるのかわからない」あるいは「どの技術が優れているのかわからない」という方のために、自社製品にかかわらず最適な並列化の方法をご提案いたします。並列処理はあまり習得しやすい技術ではありません。開発言語や設置場所などの「壁」にあたって並列処理をあきらめようとしている方、最後にぜひご相談いただければと思います。
「並列処理を行うには、場所や電気が必要だ」とお考えの方はいらっしゃいませんか? 少し昔には「ベオウルフ(Beowulf)」と呼ばれるような大掛かりなシステムを使った実装例が多くありました。しかし最近では、驚くほどコンパクトな並列処理環境を用意することができます。「パーソナルクラスタ」と呼ばれる一体型のPCクラスタが市販され、普及型のパソコンに換算して100台分くらいの処理能力をデスクサイドに確保することもできるようになっています。医療現場に設置しても違和感のないデザインのPCクラスタもあります。また組み込み用の小型パソコンの高性能化・低消費電力化も進んでいます。機器の隙間にパソコンをいくつも詰め込み、これらを協調動作させることによって、機器の内部で並列処理を行うこともできるようになってきました。
「マルチスレッドとクラスタリングは別の技術」とお考えの方もおいでではないでしょうか? PCクラスタで動作するアプリケーションを作るには、マルチスレッド技術だけでは足りず、最適化コンパイラに頼ることもできません。どんなに高度なマルチスレッド化を行っていても、1台のパソコンの処理能力では間に合わなくなったとたん、まったく別の取り組みを始めなければならなかったのが従来の並列化でした。しかし今は状況が違います。仮想ノードをサポートするHarmonyCalcは、マルチコアやマルチCPUと、PCクラスタを区別しません。そのため1回の並列化の取り組みで、将来必要になるかもしれないPCクラスタへの移植もすんでしまいます。高度なスキルが必要になりますが、MPIを使って同じような並列化を行うこともできます。
「PCクラスタは信頼性が低い」とお考えの方がいらっしゃるかもしれません。確かに多数のパソコンを使うPCクラスタのハードウェア的な信頼性は、どうしても1台のパソコンより劣ります。しかしそのような動作環境でも、ソフトウェア的に信頼性を確保することはできます。これには大きく二つの方法を採ります。一つはHarmonyCalcのようなPCクラスタ用のミドルウェアではなく、パソコンの障害を前提に設計されたグリッドコンピューティング用のミドルウェアを使うことです。もう一つはOSの障害をリアルタイムに監視し、必要に応じて再起動をかける仕組みを作ることです。Windowsを使っていながら、(大停電でも起こらない限りは)まず停止しない並列処理を実現することもできます。
天然資源に恵まれず、高齢化も進むわが国が、国際経済の中で自立し続けるには、国民一人あたりの生産性を高めることが急務です。急速に進歩するコンピュータは、そのための強力な道具になる可能性を持っています。し...
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