電池式多電極挿入型電磁流量計バッテリーメタルマルチマグ MODEL B395P/B394P

メーカー: 日本ハイコン株式会社
英和株式会社
製品カタログ

断水不要、電源工事も不要

電池式多電極挿入型電磁流量計バッテリーメタルマルチマグ MODEL B395P/B394Pは、日本の上水道で多くの実績のある多電極挿入型電磁流量計の姉妹製品です。 設置やメンテナンスに断水やバイパス管を必要とせず、電池で駆動させることができるため電源工事も不要。 変換器画面の表示のほか、ロガの機能と専用ソフトウェアを使用して、瞬時流量、積算流量などのデータをPCにダウンロードすることも可能です。 B394Pは今までできなかった双方向測定が可能になりました。 ◆詳細はカタログをダウンロードしご覧いただくか、お気軽にお問い合わせ下さい。

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ドキュメント名 電池式多電極挿入型電磁流量計バッテリーメタルマルチマグ MODEL B395P/B394P
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このドキュメント(電池式多電極挿入型電磁流量計バッテリーメタルマルチマグ MODEL B395P/B394P)の内容

電池式多電極挿入型電磁流量計 MODEL B395 カタログ目次 ●電池式 B395の特長................................................. 2 ●電池式変換器の便利な機能...........................................3 ●施工例写真.......................................................4-6 ●近年の動向.........................................................7 ●電池式 ModelB395の特徴説明.......................................8-9 ●「バッテリーマルチマグ」の測定原理................................10 ●「従来の挿入型電磁流量計」、「超音波流量計」との比較................11 ●従来の挿入型電磁流量計とのちがい...............................12-13 ●【大型センサ】....................................................14 ●【圧力計やエア弁などとの使用】....................................15 ●メリット事例集....................................................16 ●Q&A 第 1版.................................................17-25 ●変換器設置に必要なスペースについて................................26 ●落雷対策 / 必要直管長について.................................. 27 ●センサの構成と施工時に必要な高さについて.......................28-29 標準センサ 割T字管 / サドル付き分水栓 大型センサ 割T字管 ●仕様確認書.....................................................30-31 ●設置時の注意事項...............................................32-33 ●口径ごとの瞬時流用 ⇔ 流速換算表................................34

断水不要、電源工事も不要 !! 電池式の特長 電池式多電極挿入型電磁流量計、電池式挿入型電磁流量計(小口径用)は、測定原理やセンサの形状、 取付方法、変換器の外形等は従来品と同じですが、下記のような新しい機能があります。 電池駆動 3.6V単一型リチウム電池 4ケを使用。電源工事は不要です。 電池寿命は使用環境、使用方法にもよりますが、概ね 3~5年で、変換器内に収納された電池は 現地での交換も簡単です。 外部電源端子も装備されており、必要な場合には DC12-60V、AC100-240V/44-66Hzのどちら でも使用することができます。 ディスプレイ 変換器のディスプレイに積算流量、瞬時流量、概算の電池残量などを表示します。 積算流量表示にはリセット機能もあり、日常的な現場での確認にも適しています。標準的な電源 セーブモードでは、変換器を操作しない状態が 1分間持続すると自動的にディスプレイが消灯さ れ、電池の消耗を減らします。 データロガ機能 変換器にデータを記録、現場で専用ソフトをインストールしたノートパソコンを使用してダウン ロードすることができます。 このデータはMicrosoftⓇexcelデータとして保存できますので、管理、加工に適しています。 記録できる項目は積算流量、瞬時流量、それぞれの単位、電池残量などです。 それらを 60秒ごとに記録した場合、約 1,200日分の容量がありますが、確実なデータの保存の ため、なるべく短期間で定期的にダウンロードすることをお薦めします。 積算パルス、警報機能 変換器には、積算パルスと警報接点の機能があります。 ただし、外部装置を動作させるために必要な場合は、別途電源をご用意ください。アナログ出力 の機能はありません。 センサケーブル センサケーブルは従来品と同じ 2本 1組で、長さは 7.5mと 15mから選択できます。 電池駆動であるため、それ以上の長さでの使用はできません。 測定は正方向のみ 目下のところ、電池式では逆流の測定はできません。 2

電池式変換器の便利な機能 MODEL B395のデータロガと PC へのダウンロード 電池式=MODEL B395の変換器には「データロガ機能」があり、瞬時流量や積算流量等を記録 することができます。 電池駆動であるため、この変換器にはアナログ出力の機能はありませんが、代わりに時間ごとに 流量の確認ができる便利な機能です。2GBのmicroSDカードを使用し、たとえば記録年月、時 刻、積算流量、瞬時流量などを 1分間隔で記録した場合、約 1,200日分の容量となります。ダウ ンロードには専用のソフトを使用し、現場でノートパソコンと変換器を通信ケーブルでつないで ダウンロードします。 MicrosoftⓇexcel形式で保存する事もできますので、データの加工にも適しています。記録可能 な項目は、積算流量、瞬時流量、それぞれの単位、電池残量などです。 専用ソフトのホーム画面 ダウンロードしたデータの表示画面 3

メタルマルチマグの施工例 変換器 (裏蓋を開けて配線することを考慮してください。) ↑↓ 既設電磁は撤去せず更新 ↑ 割T字管75A使用 ※ 上記事例は電池式ではありませんが、施工要領は同じです。 4

↑↓ピットの高さに余裕がない場合は斜めに挿入↑ T字管使用:大口径新設配管 (真横から挿入) サドル分水栓 50A使用 ※ 上記事例は電池式ではありませんが、施工要領は同じです 5

センサ挿入作業中 φ900mmの 1号マンホール 1000mm×700mmのボックスは最適です (フタはφ600mm) 点検中 : ゼロ点確認も容器を使用して不断水で行います ※ 上記事例は電池式ではありませんが、施工要領は同じです。 6

メタルマルチマグの近年の動向 「多電極挿入型電磁流量計メタルマルチマグ」は近年、下記のような採用事例が増えています。 【新設配管への設置 : 大口径では圧倒的なメリット】 メタルマルチマグは設置、メンテナンスに断水は一切不要、つまり「バイパス管も不要」です。掘削面積も狭 く、材料費、工事費が安価になる上、敷地に余裕がなくても設置が可能です。将来バイパス管を使用する際の 「赤水の心配」をする必要もありません。特に大口径では機器費のメリットも大きく、測定精度も確実です。 そして、測定精度も通常の電磁流量計と同等です。これらを総合的に判断して、新設配管に採用されるケース が増えています。通常、あらかじめセンサ設置部分にT字管を使用します。 新設配管への設置(T字管使用) 【市内配水管網への設置】 メタルマルチマグは、全国で進んでいる配水管網の管理に貢献しています。ここでも「断水不要、バイパス不 要」「ピット~工事規模の小ささ」「工事時間の短さ」「工事費、機器費の安さ」「高精度」「水没対応」といっ たメリットが生かされています。多くの箇所での管理が必要となるこの目的では、トータルのコストメリット は絶大です。センサは完全水没対応で、分岐部分に圧力計などを接続することも可能です。 センサの分岐部に圧力計も接続 手前ボックスがピット、奥に変換器とテレメータ盤 ※ 上記事例は電池式ではありませんが、施工要領は同じです。 7

「“電池式”多電極挿入型電磁流量計」MODEL B395 とは “断水不要” / “電源工事不要” / “データロガ機能“ 多点測定で±1%(RS)の高精度 / トータルコスト縮減 / 大口径にも~ 「メタルマルチマグ」は「多点測定方式」で高精度を実現した、唯一の挿入型流量計です。 全国の上水道で長年ご使用頂いており、2017年、電池駆動式を発売いたしました。 【基本構成】 「 MODEL B395 」は配管に挿入するセンサと、ボックスなどに入れて使用する 変換器のセットになっています。センサと変換器を繋ぐセンサケーブル(2本1組) は標準が 7.5mで、事前のご指定で 15mへの延長も可能です。 変換器 【変換器 / データロガ機能】 変換器は瞬時流量、積算流量、概算の電池残量などを表示するディスプレイ付き。 外部電源のいらない電池駆動で、3.6V 単一型リチウム電池 4ケを使用します。電池の寿命は使用方法や、 環境によって異なりますが3~5年程度で、現地での交換も簡単です。データロガの機能で瞬時流量や積算 流量を記録し、専用ソフトを使用して PC に取り込むこともできます。このデータは MicrosoftⓇexcel 形 式でPCに保存できますので、加工にも適しています。積算パルス接点、警報接点も使用可能です。(※) ※アナログ出力の機能はありません。 ※接続する外部装置に電源が必要な場合は別途ご用意ください。 【センサ】 1)多点測定 =1 点式では困難な確実な測定 一般的な流量計は「 配管内の平均流速 × 配管の断面積 = 瞬時流量 」の演算をするため、正確な測定 のためには、配管全体の平均流速を正しく検知する必要がありますが、配管内の中心部から外側の点では 流速が異なり、流量の変化にともなって流速分布も変化します。 したがって、従来の1点検知式の挿入型流量計では正確な測定は困難です。 マルチマグは 2~8対の電極で配管内の各ポイントの流速を実測。 より正確に平均流速を検知しますので、より正確な流量測定が可能です。 2)材質 電極数 センサ本体、電極部ともに SUS316製で、本体はエポキシ樹脂でコーティグ 100~150A : 2対 され、水道法の浸出試験基準を満たしているため、衛生面でも安全です。 200~250A : 4対 300~600A : 6対 3)形状、太さ 700~3500A : 8対 センサの断面形状は円形です。100~600Aの標準センサはφ28mm、700A以 上の大型センサはφ44mmです。 ※ 50A, 75Aの配管にはMODEL B282をご使用ください。 4)耐水性 (センサは水没対応) 耐水規格は、水中形に相当する「NEMA6P/IP68」ですので、水没して 故障する心配はありません。 長期的な水没、高圧下への水没に関してもご相談ください。 8

【施工上のメリット】 1)不断水で設置、メンテナンス / バイパス管不要 ~ 新設配管にも 通水したままで穿孔工事、設置、調整、メンテナンスなどすべて の作業が行えますので、バイパス管は不要、赤水の心配もありま せん。狭い場所にも設置が可能で、付帯工事のコストも削減。 新設配管への設置もお薦めです。 ゼロ点調整も不断水で簡単 2)特殊な配管材料は不要 既設配管には一般的な不断水バルブを使用し、配管に穿孔して設置します。穿孔径は、標準センサの場合 は最小で 50A、一般的には 75Aです。本管口径 700A以上の大型センサでは 75Aです。新設配管の場合は、 センサ部分にT字管を使用すれば穿孔は不要です。 3)狭い作業スペース 広さ:通常は1人分の作業空間(最小=φ900mm)があれば可能です。 ※必要な高さに関してはご相談ください。 4)工事は簡単、短時間、低コスト センサ取付けのみの作業時間は条件にもよりますが、通常1人で1時間程度です。付属のラチェット、も しくは専用工具(貸出し可)で設置します。従来の電磁流量計のように、クレーンなどは不要です。 5)挿入・固定も確実 センサは先端が反対側の管壁に届くまで挿入。圧力をかけて固定します。圧力ゲージで固定圧力を確認で きるので安心です。 1点式挿入型のような検知位置のズレによる測定誤差もなし。センサの振動も防ぎます。 【大型センサ】 大口径に最適 ~ 8点測定で最大口径 3500A 700~3500Aの配管にはひと回り太く、8対電極の大型センサを使用します。 従来の電磁流量計と比べ、本体価格、工事費用などのメリットは絶大です。 9

「バッテリーメタルマルチマグ」の測定原理 もっとも 重要なこと、それは「平均流速を実測すること」です。 [電磁流量計の基本的な原理] 挿入型電磁流量計も電磁流量計であり、基本的な原理は一般的な電磁流量計と同じです。電磁流 量計は流体の速度を測定し、それを配管内の平均流速として瞬時流量を算出します。 その公式は下記のとおりです。 「 配管内の平均流速×配管の断面積=瞬時流量 」 流速の測定原理は「ファラデイの法則」に基づくものです。「ファラデイの法則」によれば、『磁 界を横切って流れる導電体(水道水を含む)には起電力が発生し、この起電力の大きさは流体の 速さに比例』します。 電磁流量計のセンサにはコイルと電極が装備されています。コイルに電気を流すと配管内部に磁 界が作られます。その磁界を水の流れが横切ると起電力が発生しますのでそれを電極で検知し、 その大きさを変換器で流速~流量に換算します。 [平均流速の測定は容易ではない・・・] 流量をより正確に算出するために重要なことは、配管全体の平均流速をより正確に検知すること です。この値にちがいがあると、算出される流量にも誤差が生じます。しかしながら配管内の各 ポイントの流速にはちがいがあり、また変化もするため、全体の平均流速を正確に検知すること は容易ではありません。これは超音波流量計など、他の流量計にも言えることです。 [バッテリーメタルマルチマグの測定原理:多点測定] バッテリーメタルマルチマグは、配管の上から棒状のセンサを挿入し、管底に付けて固定します。 (※1) このセンサには複数(2~8)のコイルと電極があり、それぞれのポイントの流速を常に 実測し、平均化します。 この多点測定方式でより正確に平均流速を算出するため、正確な流量測定が可能です。 (※1)標準的な設置方法の場合 NOTE:センサの電極数 100~ 150A:2対 200~ 250A:4対 300~ 600A:6対 700~3500A:8対 10

「従来の挿入型流量計」、「 超音波流量計」との比較 バッテリーメタルマルチマグ = 「不断水」 「コスト軽減」 + 多点測定の実測値は「±1%(RS)」 「挿入型流量計」と「超音波流量計」は、「断水不可」「コスト軽減」といった同じような理由で 使用されていますが、もちろん、それぞれに違いがあります。 1点式挿入型流量計 ~ 実測はしない「理論値」 従来の「1 点式挿入型流量計」は、配管内の 1 点のみの流速を測定して平均流速とするため、流 速分布の変化による誤差が生じます。測定ポイントは「理論上、もっとも平均流速に近いと考え られる場所」ですが、実際に平均流速を測定するわけではありません。つまり「実測値」ではな く「理論値」「推測値」にすぎず、専用の設備で調整を行っても条件の異なる現場では、高い確率 で誤差が発生します。 測定精度の仕様は、「±1%(FS)」や、「±2%(FS)」といった、許容誤差範囲の広い「対フルスケ ール」表記が一般的です。配管の途中に宙吊りで設置するため、振動による測定値の乱れや、セ ンサが破損するなどの事例もあったようです。 超音波流量計 ~ 根強い「やっぱり電磁~」の意見 配管工事が不要であることは大きなメリットですが、多くの不確実な要因は、配管の外から測定 するため、配管自体の状態や内面への付着物などに大きく影響を受け、検出器の取付けの微妙な 違いによっても誤差が生じることにあります。まず、流速分布が整っていることが前提であり、 その乱れによって誤差が発生します。低流速に弱い傾向もあり、やはり「できれば電磁を使用し たい~」の意見が一般的です。 口径などの条件にもよりますが、基本的にピットも設置スペースも「挿入型流量計」よりも大き くなります。加えて大口径の場合、測線数を増やすことでコストもアップします。 バッテリーメタルマルチマグ ~ 「実測値」の高精度、電磁の確実さ 「多電極挿入型電磁流量計~バッテリーメタルマルチマグ」は、配管内の複数(2~8箇所)のポ イントを実測して平均流速を算出するため確実で、測定精度は(FS)表記よりも誤差範囲のせまい 「±1%(RS)= 対リーディングスケール(読み値)」です。古い配管でも測定が可能で、取付け状態 による誤差の心配もありません。1~2 号マンホール程度のスペースで、100A~3500A の配管に 確実に対応できます。 11

■ 従来の挿入型電磁流量計とのちがい ■ 多点測定方式で配管内の平均流速を確実に検出。 最多で 8対の電極で、精度のちがいは格別です。 流量を正確に測定するためには、配管全体の平均流速を確実に捕える必要があります。 しかし、配管内の流速分布は頻繁に変化し、各ポイントの流速はそれぞれ異なります。 従来の挿入型流量計は 1 点のみの測定であり、その方式では配管内の平均流速を正確に 割り出すことは困難です。マルチマグは、配管口径に応じて 2~8 対の電極で流速を実 測・平均化するため、誤差を最小限に抑えます。 ---------「挿入型は使い物にならない!?」営業担当者の体験談--------- 「水を止めずにカンタン設置」「低流速でも安定した精度」 1997 年秋、マルチマグは、超音波流量計のような施工面での手軽さと、既存の電磁流量計並みの 安定性という、2 つのセールスポイントのもとに発売されました。当時は、民間だけでなく地方自 治体においても、財政の見直しが本格化し始めた時代です。 そんな中、この製品を紹介することで 「流量計の設置にかかるコストを、大幅に縮減して頂こう!」 というのが私達の目標でした。しかし、発売当時、マルチマグは、なかなか受け入れて頂けなか ったというのが実状です。 その理由の一つは、納入実績の少なさです。売り出したばかりで、国内での実績はほとんどあり ません。更に、これまでにない全く新しい技術ということもあって、採用するご担当者の方にも それなりに信頼性を見極める期間が必要だった、というのも当然です。ただ、多くの事業所様を 訪問していくうちに「どうも原因はそれだけではなさそうだ」と言うことがわかってきました。 なぜなら、 「挿入型は安いけど、精度が悪くて使い物にならないから。」 「使っていたけど、壊れやすいので二度と使う気がないよ。」 12

など、現場のご担当者の中での 「挿入型電磁流量計」 に対する評判が良くないのです。不思議 に思い、実際にそれぞれの事情を詳しく伺ってみることにしました。 真相は、次のようなことだったようです。 * * * * * ある時期、挿入型電磁流量計は不断水で設置ができるという利点から、一部の都道府県で積極 的に採用する動きが盛んな時期がありました。しかし実際に使用してみると 「何度、現場校正を繰り返しても精度がとれない」 「指示が安定しない」 と、運用上問題のある現場が少なくなかったのだとか。結果的に電磁流量計でありながら、超 音波流量計に比べても安定性に劣るという事例もあり、また、耐久性についても、浸水により 故障するなど、あまり思わしくありませんでした。極端な例では、センサの先端部が長期間の 使用のうちに破損して配管内に紛失してしまうなどの事故もあったそうです。 結果的に、地域によっては 「挿入型は使い物にならない」 との印象が強く残ったようです。 これまでの挿入型を見ると、電極は一対しか持っておらず、配管の中心付近という限られたポ イントだけを計測していました。 そのため、生活サイクルに沿って流量が大きく変動すること の多い水道用の流量計として精度を求めるには、原理的にも無理があったのでしょう。 また、センサの構造的にも、パイプの先端に電極部を固定していたため、長年にわたる水圧変 動による衝撃に耐えられなかったのかもしれません。 【結論:挿入型は「多点測定」でなければならない。】 弊社の取り扱う「多電極挿入型電磁流量計マルチマグ」は、その名のとおり、電極を複数設け ています。 各測定ポイントで実測された流速値をもとに、配管全体に流れる流量を計算するた め、少流量から大流量まで安定した精度を維持できるようになりました(特許)。実際に従来の 挿入型電磁流量計でお困りだったお客様に、その機器をマルチマグに交換して試して頂いたと ころ、測定値は安定し、理想的な測定ができるようになったのです。安定した状態はその後も 維持され、非常に高い評価を頂きました。そして他の事業所様でも、従来の挿入型流量計をマ ルチマグに交換して頂く事例が増えて行ったのです。「マルチマグの日本での実績は、従来の挿 入型電磁流量計の交換から始まった」と言っても過言ではありません。 おかげさまで現在、マルチマグは日本全国の多くの水道事業所様にご使用頂いており、2011年、 更に進化を遂げました。グラスファイバー製であったセンサは SUS316に変わり、最多で 5対 だった電極数は 8対となりました。より強く確実になった「メタルマルチマグ」は、最大 3500A の配管まで対応が可能です。従来どおり「完全水没対応」センサもあり、また 1000A以上の大 口径での逆流測定も実現しました。そして 2017 年、多くのお客様の以前からのご要望にお応 えするため、「電池式」の販売に至りました。進化するマルチマグは、ますます日本全国の水道 事業に貢献して行きます。 日本ハイコン㈱ 2017.9 13

【大型センサ】- 新設配管にもメリット大、大口径の大きな悩みを解決。 大口径配管では下流への影響も大きく、断水できない箇所が多いのではないでしょうか? 通常の電磁流量計では、コストが悩みのタネとなることも多いのではないでしょうか? 超音波流量計などでは、測定精度を不安に思われることはないでしょうか? 「多電極挿入型電磁流量計」は、それらの悩みを解決します。 【施工性・施工コスト】 設置やメンテナンスに断水は不要で、バイパス管は不要です。 既設電磁流量計をメタルマルチマグに交換する時、多くの場合 はピットを流用でき、既設機器の撤去の手間を省くことも可能 です。ピットを作る場合でも小さなもので充分です。センサの 設置にクレーンなどを必要とすることもありません。工事期間 も短縮、施工コストを大幅に縮減することができます。 【機器コスト】 メタルマルチマグは、大口径になるほど通常の電磁流量計より も安価になります。超音波流量計では大口径になると測線数を 増やすこともあり、機器の価格は高額になります。メタルマル チマグは機器コストの面からもお薦めです。 大口径センサ挿入前 【測定精度】 大口径配管で超音波流量計を使用する場合、測線数を増やすなどの対策をすることが一般的で、 それでも配管の状態によっては測定困難なケースが多いようです。 また、従来の 1点式挿入型流量計では、大口径での正確な測定は困難です。メタルマルチマグの 大口径用センサは、配管内の 8箇所の流速を実測して平均流速を算出するため、通常の電磁流量 計と同様の測定を実現しています。 【大型センサの材質・構造】 大型センサは、標準センサと同じ SUS316製ですが、太さは 標準センサよりもひと回り太い 2インチ、強度は充分です。 (標準センサは 1インチ)センサの先端を管底に付けて適切な 圧力で固定することにより振動を抑え、破損や測定値のブレが 起こることはありません。この材質、構造で 3500Aまで対応 できるようになっています。 14

【圧力計やエア弁などとの使用】 バッテリーメタルマルチマグのセンサは、75A の補修弁や仕切弁を使用して配管に取付ける時、 そのバルブとセンサを接続するために「専用フランジ」を使用します。この専用フランジには途 中に分岐を設けたタイプ(オプション)の「分岐付きフランジ」もあり、これを使用すれば、ここ に圧力計やエア弁などを接続することができます。流量とともに水圧なども測定したい場合や、 流量計の接続部にエアが溜まる可能性がある場合などに便利です。 ※ エア弁の設置はあくまで補助的な対策です。流体中のエアは正常な流量計の 測定を妨げますので、原則的にセンサはエアのない箇所に設置してください。 ※ 分岐部付きフランジのネジは「RC1/4, 3/8, 1/2」から選択して頂いています が、事前にご相談ください。 ※ 圧力計やエア弁等は別途ご用意ください。 圧力計とともに使用 エア弁を接続 (標準センサ=100~600A の場合) 接 続 用 分 岐 部 15

多電極挿入型電磁流量計メタルマルチマグのメリット事例集 マルチマグは浄水場から管網まで多くの場所で使用されています。 ※ 電池式にはアナログ出力の機能がありませんのでご注意ください。 流量計設置の条件 メタルマルチマグのメリット 配水地や市内配水管など、断水不 ・不断水施工、メンテナンスが可能、断水は不要です。 可の場所に新設したい。 既設電磁流量計を更新したいが ・不断水施工、メンテナンスが可能、バイパス管は不要です。 バイパス管がない。 ・既設ピットにスペースがあればピットを流用可、 新たにピットを作っても、最小で 1号マンホール程度です。 ・既設機器の撤去は基本的に不要。 (異径管等がある場合は設置位置に注意が必要です。) 既設電磁流量計を更新したいが ・通水したままの施工、メンテナンスが可能、 バイパス管使用時の赤水が心配 バイパス管を使用する必要はなく、赤水の心配もありません。 施設内に設置したいが、 ・小ピットで設置ができ、バイパス管も不要なため、 敷地が狭い 設置スペースが節約できます。 大口径の既設電磁流量計を ・機器費、工事費ともに大幅なコストダウンが可能です。 更新したいが予算が厳しい。 ・スペースがあれば既設ピットを流用、既設機器の撤去も不要です。 新たにピットを作っても、一般的には 2号マンホール程度です。 ・多点測定で、精度も安心です。 (異径管等がある場合は設置位置に注意が必要です。) 新たに施設を作るので、 ・小ピットでバイパス管も不要、付帯工事が小規模になります。 新設管に設置したい。 ・大口径になるほど、機器費も含めてコストの差が顕著です。 ・将来のバイパス管使用時の赤水を心配する必要もありません。 ・あらかじめ T字管を用意すれば、穿孔工事不要です。 ピット内に雨水や地下水などが ・センサは IP68:水中形に相当します。 浸水する可能性がある。 長期水没対応の仕様もあります。 公道に設置したい。 ・小ピットでバイパス管も不要、工事が小規模になります。 ・手間のかかる現地調整も不要、工事時間が短縮できます。 ・設置後の調整で、頻繁にピットを開ける必要もありません。 配管が古く、超音波流量計 ・配管内に直接センサを挿入する電磁式ですので測定可能です。 では測定しづらい。 多点測定で精度は安心です。 1 点式挿入型流量計を使用して ・多点測定で流速分布の変化も確実に捕え、正確な測定ができます。 いるが流量の変化あり、 ・設置後の微調整も不要です。 精度が取りづらい。 ・既設のバルブを利用できれば、簡単に交換できます。 市内の配水管網の流量監視を ・設置・メンテナンスに断水は不要です。 行いたい。 ・小ピットでバイパス管も不要、手間のかかる調整もなく、 工事規模と時間を縮減できるため、道路への設置にお薦めです。 ・設置後の調整で、頻繁にピットを開ける必要もありません。 ・水中形センサは想定外の水没にも安心です。 ・逆流測定にも対応します。 ・センサの配管分岐部に圧力計等を接続することも可能です。 ※上記はあくまで参考例です。実際の施工や測定につきましては弊社までお問い合わせください。 ※メタルマルチマグが不向きなところは~ ・センサに汚れが付着するような、原水や工業用水での使用にはお薦めできません。 ・鉄分やマンガンなどが多い水質では、センサの清掃が必要となる場合があります。 ・エアの多い配管や非満水の配管での使用にはお薦めできません。 ・基本的な直管長の確保は必要です。 ※詳細はご相談ください。 16

電池式多電極挿入型電磁流量計 バッテリーメタルマルチマグ MODEL B395 Q&A 第 1 版 2017年 10月 ========================================================================== Q1: 従来の MODEL395L、394L とのちがいは? A:主な違いは下記のとおりです。 外部電源 電池駆動 データロガ 4-20mA 積算パルス 警報出力 逆流測定 駆動 出力 出力 394L 〇 × × 〇 〇 〇 〇 395L 〇 × × 〇 〇 〇 × B395 〇 〇 〇 × 〇 〇 × Q2: 使用できる配管口径は? A:100Aから 3500Aです。 ※ 50A, 75Aには「挿入型電磁流量計 MODEL B282」をご使用ください。 Q3: 小口径配管と大口径配管では、センサの太さは同じ? A:違います。センサの太さは2種類です。 標準センサ(100~600A) 大型センサ(700~3500A) φ 約 28mm φ 約 44mm Q4: 測定精度は? A:正流、逆流ともに「±1%RS(読み値に対する±1%)」です。一般的な挿入型流量計は「RS」 ではなく、許容誤差範囲の広い「FS(対フルスケール)」表記が多く、測定精度に明らかな 違いがあります。再現性は測定レンジの 0.2%です。 Q5: 逆流の測定はできますか? A:電池式では逆流の測定はできません。 Q6: ターンダウンレシオ、ゼロ安定性は? A:ターンダウンレシオは一般的な電磁流量計と同程度の 30 : 1です。 ゼロ安定性は、±0.015m/s以下です。 17

Q7: 測定範囲は? A:対象配管口径によって異なります。流速基準で下記のとおりです。 配管口径 100~600A ~1500A ~3000A ~3500A 測定レンジ 0.005~6.0m/s 0.005~3.0m/s 0.005~2.0m/s 0.005~1.5m/s Q8: 測定に適した流体は? A:センサ部に付着するようなものを含まない清水が対象で、水道水などに最適です。 もちろん水道法の浸出試験の基準も満たしており、衛生面でも安全です。 鉄分やマンガンの非常に多い井戸水、未ろ過の工業用水などでは、センサの清掃が必要とな ることがあります。 河川や湖の原水などでの使用にはお薦めできません。 Q9: 可搬型として使用できますか? A:センサは配管口径に応じて電極数やその位置を決め、バルブなどの材料を考慮して先端が管 底に届くように製作します。したがって同じ配管口径でセンサが配底まで届けば使用できま すが、複数箇所での使用に便利とは言えません。 Q10: 接液部の材質は? A:ステンレススチール(SUS316)、エポキシ樹脂、シリコンゴムです。 Q11: センサが使用中に折れることはありませんか? A:SUS製のセンサの強度は充分で、センサの先端を適度な圧力で管底に付けて固定し、振動も 抑えます。通常の使用で折れることはありません。 Q12: センサによる圧力損失は? A:圧力損失はごくわずかで、配管システムの運用に影響を与えることはありません。 Q13: 流体の導電率はどの程度必要? A:通常の水道水であれば問題ありません。 5 micro mho/cmではノイズの影響を受けやすく、15 micro mho/cm以上の導電率が理想的 です。 ※ 蒸留水や脱イオン水は測定できませんので御注意ください。 Q14: センサと変換器の使用温度の条件は? A:センサ側=0~70℃(流体温度) 変換器側=-10~55℃(外気温)となっています。 直射日光は避けてください。 18

Q15: 電源の仕様は? A:3.6V単一型リチウム電池×4 ケです。 機器の駆動には 2つの電池を使用し、残りの2つはバックアップ用です。 外部電源の端子台も標準装備されており、DC12-60V、AC100-240V/44-66Hzのどちらでも使用 することができます。 (プログラムの都合により外部電源使用時も電池は接続しておく必要があります。) Q16: 電池寿命は? それに関連するモードは? A:使用方法、使用環境によって変わりますが、通常 3~5年です。 変換器のディスプレイにバーグラフ状に電池残量を表示させることができます。 電源セーブモード等、電池寿命をなるべく長くするための機能があり、このモードに設定す ると変換器を操作しない状態が 1 分間続くとディスプレイが消灯し、ボタン 1 つで復旧しま す。このモードを標準設定としています。 Q17: 電池は現場で交換できますか? A:はい。現場でもできる簡単な作業です。 ただし、使用する 3.6V単一型リチウム電池は、一般的に販売されている乾電池とは異なりま すので交換用電池が必要な場合には当社までお問合せください。 Q18: 変換器のディスプレイにはどのような内容が表示できますか? A:瞬時流量、積算流量、流速、警報の内容、おおよその電池残量などが表示でき、ボタン1つで 切替えができます。 Q19: 変換器からの信号出力の種類は? A:積算/警報パルス出力=2点があります。ただしカウンター等を動作させるには、それらの機 器の電源は必要です。 ※アナログ出力の機能はありません。 Q20: 積算パルスの設定は? A:パルス定数は 1パルス=0.1m3, 1m3, 10m3, 100m3のように任意で設定可能です。 パルス幅も 10msec, 100msec, 1000msec.のように設定を変更することができます。 Q21: 積算パルス出力の確認をする場合、変換器には模擬出力の機能はありますか? A:はい。シミュレーションモードで接点の動作を確認することができます。 Q22: データロガの概要は? A:データロガには 2GB の microSD カードが使用されており、たとえば日時、積算流量、瞬時流 量、各単位などを 60秒ごとに記録して、約 1,200日分の容量があります。 データは専用のソフトを使用し、MicrosoftⓇexcel 形式で PC に保存することもできます。 記録可能な項目は、積算流量、瞬時流量、それぞれの単位、電池残量などです。 19

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