今回は、多品種少量生産において自動化・省力化のボトルネックの一つである「工場内の搬送」について取り上げます。EV開発競争による、自律移動に関する技術の急激な進歩もあいまって、「AGV」は部品やワークを届けてもらう「自走台車」から「フレキシブルなラインの一部となりつつあります。また「RFID」「ビーコン」を利用した省力化や省人化のソリューションも、「IoT」「無線技術」「金属RFID」などの技術進化により再び注目されています。さらに、体にかかる負荷が大きい作業をサポートする「アシストスーツ」も、動力源の有無にかかわらず実導入が進んできました。
【スマート工場化に欠かせないAGVとコア技術】
「AGV」のトレンドの一つ目は「インテリジェント化」です。
これには2つの意味があります。
まず、センサ技術と「AI」を組み合わせて、工場のレイアウトや障害物を学習しつつ、障害物を避けて行動する「自律化」。今年は「自律化」に「AGVの個性」、たとえば「低床」「高速移動」「重量物搬送」「長尺搬送」などを付加した製品が多く発表されていました。
次に、ラインを構成する装置を上位システムがリアルタイムに監視して各装置と「AGV」の作業を最適化することで、待ち時間を最小化しつつ、無駄な動きもせず、最小台数の「AGV」で搬送を可能にする「上位システム連携」です。
これらにより、製造加工装置間をベルトコンベアで固定化するラインではなく、レイアウト変更なしで自由に各装置と「AGV」の作業内容や順番を変更する「フレキシブルなライン」が実現されます。
下に掲載している「国際物流総合展2018」の展示会レポート内でも、三菱電機による、来場者がデザインや加工内容を選択し、その場でフレキシブルラインがノベルティを作成するデモや、オムロンのモバイルロボットによるフレキシブルセルラインのコンセプトデモを紹介しています。
もう一つのトレンドは「ロボットとAGVの一体化」です。
今年もさまざまな展示会で多数の新製品が展示されていましたが、ロボットと「AGV」を同一メーカーが提供するものよりも、「AGV」メーカーとロボットメーカーがコラボレーションして提供されるものが多く見られました。「AGV」がロボットアームを持つことにより、マシニングや検査装置などのすでに完成されたユニットにハンドリング機能を追加することなくフレキシブルなピッキングが可能になります。また、頻繁に扱うワークや冶具が変わるストッカーも同様です。「フレキシブルなライン」を実現するにあたって、ワークの変更による搬送の変化を「ロボットアーム搭載AGV」が吸収できます。
また、EV関連を中心に、「AGV」を支えるコアテクノロジーとして、「駆動用モーター」「周辺センシング用センサ」「短距離無線ネットワーク」「電池と充電」などの新技術や新製品が続々と発表されています。
【進化したRFID/ビーコン】
RFID/ビーコンも省電力化や金属対応、短距離無線通信、メッシュネットワーク技術の発展に加えて、タグのコスト低減により、RFID/ビーコンそのもの、リーダー/ライター、ソリューションなどの新製品開発が活発になっています。
【人の作業負荷軽減】
産業用ロボットや、「AGV」が進化しても、無理な姿勢で重労働を行う場面は残ります。これまで長い時間をかけて、「アシストスーツ」が開発されてきました。現在は動力源があるATOUNの「パワードウェア」が複数メーカーに導入されたり、動力源なしの「アシストスーツ」の提供メーカーやラインアップも充実してきています。
本特集では、「スマート工場化に欠かせないAGVとコア技術」「進化したRFID/ビーコン」「人の作業負荷軽減」について、参考になりそうなホワイトペーパやカタログを厳選して掲載しました。ここに掲載したものが全てではありませんが、これらをきっかけに理解を深め、効果的な導入の検討の一助になれば幸いです。
株式会社アペルザ
愛知機械テクノシステム株式会社
株式会社TANAX
マツダエース株式会社
オムロン株式会社
株式会社MEMOテクノス
IDEC株式会社
Moxa社代理店:アイ・ビー・エス・ジャパン株式会社
株式会社デンソーエスアイ
株式会社デンソーエスアイ
株式会社デンソーエスアイ
株式会社アスタリスク
トーアメック株式会社