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Cognex ViDiは、自動車業界向けに設計された初のディープラーニングベースの画像解析ソフトウェアです。
人間のような分析能力とマシンビジョンのロバスト性を組み合わせたVisionPro ViDiは、ゆがんだ部品の配置、複雑な表面の検査、分類、高度なOCRアプリケーションなどに最適です。簡単に導入できるインタフェースで、これまでプログラミングが難しかった作業を自動化し、処理することができます。
◆ピストンリングの検査
◆シリンダーの検査
◆シーム溶接の検査
◆スパークプラグの識別と分類
◆最終的なアセンブリの確認
◆VIN(車両識別番号)コードの検査
◆詳細は、カタログをダウンロードしてご覧ください。
このカタログについて
ドキュメント名 | ディープラーニングベースの自動車業界向けソリューション VisionPro ViDi |
---|---|
ドキュメント種別 | 製品カタログ |
ファイルサイズ | 1.3Mb |
登録カテゴリ | |
取り扱い企業 | メーカー:コグネックス株式会社、 販売:株式会社サカエ (この企業の取り扱いカタログ一覧) |
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このカタログの内容
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VisionPro ViDi
ディープラーニングベースの
自動車業界向けソリューション
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VisionPro ViDi:ディープラーニングベースの
自動車業界向けソリューション
Cognex ViDi™は、自動車業界向けに設計された初のディープラーニングベースの画像解析ソフトウェアです。人間のよ
うな分析能力とマシンビジョンのロバスト性を組み合わせたVisionPro ViDiは、ゆがんだ部品の配置、複雑な表面の検
査、分類、高度なOCRアプリケーションなどに最適です。簡単に導入できるインタフェースで、これまでプログラミン
グが難しかった作業を自動化し、処理することができます。
ピストンリングの検査
ViDi Red-検査ツールによって、凹凸のある金属表面の欠陥を簡単に自動検出し、分類
課題
ピストンの圧縮リングは、レシプロエンジン内で、燃焼室の密閉や、オイルの使用量調整など、複数の機能を果たしてい
ます。ピストンの金属面は反射するため、圧縮リングの欠陥は検出が困難です。シリンダー形状のピストンの撮影画像は、
ボケやフォーカスのずれが生じることがあります。金属表面は、通常、製造プロセスの中で変化することがあるため、さ
び、白層、表面に割れやひびなどがあっても合格と判定します。一方、長い傷はピストンのパフォーマンスに影響し、シ
リンダー内の圧縮率を低下させる可能性があるため、欠陥として判定します。検査システムは圧縮リング表面に発生する
通常のばらつきと重要性の低い異常を許容する一方、長い傷を識別できなければなりません。
ソリューション
こうした作業をルールベースのアルゴリズムにプログラミングするには、複雑な欠陥ライブラリが必要です。手作業での
検査は柔軟性が高い一方、時間がかかり過ぎてしまいます。VisionPro ViDiは小さな金属表面の変化を正しく認識でき
る人間の能力と、自動化システムによる信頼性、一貫性、スピードを組み合わせ、効果的な検査ソリューションを提供し
ます。
Cognex ViDi Red-検査ツールを教師あり学習モードで使用することで、代表的な既知の「良」および「不良」圧縮リン
グの画像について、ディープラーニングベースのソフトウェアをトレーニングすることができます。長い傷が発生した際
には、既知の「不良」画像としてラベル付けします。一方で、通常の金属表面の変化や、さび、または小さな割れなど、
許容可能な欠陥の場合は「良」画像としてラベル付けします。このような画像に基づき、VisionPro ViDiは正常時のピ
ストンの形状と表面の質感、さらには傷の一般的な外観を学習します。バリデーションテスト中に追加の画像をトレーニ
ングセットに追加し、反映することでシステムを最適化することも可能です。トレーニング段階とバリデーション段階で
は、トレーニングされたモデルが長い傷のあるすべての画像を正しく検出し、分類できるまでパラメータを継続的に調整
することができます。
重要ではない金属表面のばらつきを認識した上で、許容するように学習したソフトウェアは、実行時に長い傷のある画像
だけを欠陥ありと判断します。
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シリンダーの検査
ViDi Red-検査ツールが金属巣を確実に検出
課題
シリンダーブロックは、自動車のエンジンの基礎を成すものです。その大型シリンダーはレシプロエンジンの主要な動作
部品で、圧縮された状態でポンプアップ/ダウンを行うピストンを格納するように設計されています。シリンダーは通常、
鋳物で作られており、潤滑コーティングを施したライナー(または「スリーブ」)に収容されています。シリンダーウォー
ルはピストンの圧縮リングと接触するため、耐久性が求められます。
シリンダーは金属内部のごくわずかな凹凸を許容します。この凹凸は、金属が摩耗することで円滑になりますが、「巣」
と呼ばれる金属内の泡は許容できません。シリンダーの表面は粗く、被写界深度の影響でエッジ付近はぼやけたように見
えるため、この種の欠陥は検査が特に困難です。反射しやすいシリンダーの表面に、反射照明やグレアが当たると、さら
に検査が難しくなります。特徴的な形状や場所に発生する小さな変化だけでなく、光沢および不鮮明さを許容する自動検
査機能をプログラミングするのは困難なことです。
ソリューション
Cognex ViDiは他の方法では検出が難しい巣でもすぐに特定します(照明条件が同じ場合)。シリンダーの代表的な「良」、
「不良」画像について、数分でソフトウェアをトレーニングすることができます。その際、マスキングフィルターで対象
領域を調整し、シャフト周辺の反射の強い円形領域を消去することが可能です。ViDi Red-検査ツールを教師あり学習モー
ドで使用することで、技術者が画像内の巣を「不良」としてラベル付けし、フィーチャーサイズ、スケール、アスペクト比、
傾きなどのパラメータを調整して、各種外観変化のモデルを作成します。「良」画像は正常なシリンダーを示しており、
これにより、どのような鋳物の軽微な異常やばらつきが許容できるのかをソフトウェアに学習させます。技術者はモデル
が正常のシリンダー外観を通常とし、異常を認識するまでシステムの再トレーニング、パラメータや追加画像の調整を行
うことができます。実行時には、ディープラーニングベースのソフトウェアが各画像を数ミリ秒以内に検査し、巣のある
ものを欠陥、それ以外を正常と判断します。
VisionPro ViDi: ディープラーニングベースの自動車業界向けソリューション 3
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シーム溶接の検査
ViDi Red-検査ツールおよびGreen-分類ツールによって、シーム溶接の自動検査と分類を簡略化
課題
Cognex ViDiはピストンなどの重要なパワートレインコンポーネントの完全性を検査します。この種のコンポーネントは
表面形状が複雑で、従来のマシンビジョンによる検査が困難です。さらに、ピストンの溶接線は非常にばらつきがあり、
異常があっても判別が困難です。溶接漏れ、溶接過多/不足など、溶接部分の異常は排除する必要がありますが、一方で、
オーバーラップしている溶接部分などは安全上の理由により必要なものです。画像に暗い部分があると、さらに判定が困
難になります。潜在的に傷が多く、照明が不十分な環境でも、ディープラーニングベースの解析により、従来のマシンビ
ジョン検査に代わる簡単かつ確実な検査が可能になります。
ソリューション
Cognex ViDiによって、金属性のピストンの溶接線を簡単に自動検査することができます。技術者はRed-検査ツールを
教師あり学習モードで使用することで、すべての溶接異常を示す「不良」画像(溶接線がオーバーラップしている場合を
含む)と異常のない「良」画像サンプルについてソフトウェアをトレーニングします。検査の第1段階では、この方法に
より合格および不合格とすべきものの両方を含む、すべての異常を欠陥として識別します。
検査の第2段階で、技術者はViDi Green-分類ツールを使用することで、溶接部分の欠陥をタイプ別に分類します。教師
あり学習モードで作成したモデルに基づき、ソフトウェアは特定の欠陥に関する情報を抽出し、オーバーラップしている
溶接線を別のクラスに分類します。Red-検査ツールとGreen-分類ツールを一緒に使用することで、自動車メーカーは検
査システムにすべての溶接線を識別させるだけでなく、オーバーラップしている溶接線を正しく分類させることができま
す。この情報に基づき、メーカーはオーバーラップしている溶接線だけを合格品として選択して使用することができます。
4 VisionPro ViDi: ディープラーニングベースの自動車業界向けソリューション
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スパークプラグの識別と分類
ViDi Blue-位置決めツールとGreen-分類ツールによって、
キッティング/アセンブリ前の確認用に、部品を識別、カ
ウント、分類
課題
バーコードリーダに対応していない環境での識別、カウン
ト、分類アプリケーションによっては、メーカーは目視で
の検査が必要な場合があります。外観が少しでも違ってい
ると、自動検査システムでは問題になってしまいます。ア
センブリ前にさまざまな色のトレイで運搬されるスパーク
プラグの場合も同様です。検査システムは、背景にあるト
レイの色は無視しつつ、色の異なるスパークプラグを正し
く識別、カウント、分類しなければなりません。この情報
はアセンブリのためにビジョンガイドロボットに伝えられ
ます。
ソリューション
Cognex ViDiはスパークプラグのサイズ、形、表面形状に基づき、スパークプラグの特徴的なフィーチャーをモデルとし
てまとめます。ViDi Blue-位置決めツールを使用して、固定されたトレイ画像によって個別のスパークプラグを識別、カ
ウントできるようにソフトウェアに学習させます。ViDi Green-分類ツールはディープラーニングベースのモデルを使用
して、ロボットにとって重要な特徴、すなわち色でスパークプラグを分類します。
エアバッグの検査
ViDi Red-検査ツールが生地の外観上の欠陥を検査
課題
車に乗る人の安全性を確保するため、エアバッグは厳格な品質基準を満
たす必要があります。自動車メーカーは安全上重要なコンポーネントを
二重、三重にチェックして品質を確保し、保証費用やリコールによる負
担を軽減する必要があります。エアバッグの場合、これは特に重要で、
穴、裂け目、破れ、シームや縫い目の問題など、動作不良につながる点
がないことを検査する必要があります。このような品質上の問題は、手
作業での検査では検出が難しく、見落とされがちです。エアバッグの生
地表面は複雑なため、従来のマシンビジョンシステムでプログラミング
することが困難です。生地のパターンは非常に複雑なだけでなく、生地
の伸縮性、糸の太さ、その他許容されている無数の細かな違いにより、
エアバッグごとに外観が大きく異なります。すべての欠陥を明確に検出
することは難しく、時間もかかることから、VisionPro ViDiではシン
プルなソリューションを提供し、「不良」画像についてトレーニングし
なくても、すべての異常な特徴を識別できるようにしています。
ソリューション
ViDi Red-検査ツールを教師なし学習モードで使用することで、エアバッグの「良」画像についてソフトウェアをトレー
ニングし、エアバッグの参照モデルを作成します。このモデルは織物形状、生地特性、色など、エアバッグ生地の通常の
外観を学習します。モデルの通常の外観とは異なるすべての特徴は異常と認識され、これにより、Cognex ViDiは穴、裂
け目、破れ、通常とは異なる縫い目パターンなど、すべての異常を確実に一貫して検出します。膨大な欠陥ライブラリを
使用しなくても、生地の欠陥部分をすぐに検出、報告することができます。
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最終的なアセンブリの確認
ViDi Red-検査ツールで背景が紛らわしい場合でも、コンポーネントとその配置を確認
課題
最終的なアセンブリの確認作業では、各種トリムによって複雑化が進み、従来のマシンビジョン検査では対応が困難でし
た。ワイヤーバンドやメタルハウジングなど、すべての部品が揃っており、正しく組み立てられていることを目視で検査
しています。しかし、微妙な照明のコントラストによって、バンドが正しいハウジング内に設置されているかどうかの判
別が難しい場合があります。ワイヤーバンドの識別に慣れた検査担当者でも、十分なスピードや効率が得られないことが
あります。Cognex ViDiはディープラーニングベースの画像解析によって、トリム部品の完成外観を学習します。これに
より、検査担当者と同等の精度というだけでなく、自動システムのスピードと信頼性で、バンドの装着もれを検出できます。
ソリューション
ViDi Red-検査ツールを教師あり学習モードで使用することで、技術者はワイヤーのないトリムの「不良」画像と、ワイ
ヤーのある既知の「良」画像についてシステムをトレーニングし、トリム完成品用の参照モデルを作成することができま
す。このモデルを使用して、Cognex ViDiはワイヤーバンドのないトリム部品を異常および欠陥品として識別し、最終検
査で不合格とします。
ワイヤーあり ワイヤーなし
6 VisionPro ViDi: ディープラーニングベースの自動車業界向けソリューション
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VIN(車両識別番号)コードの検査
つぶれた文字も認識できるViDi Blue-読み取りツール
課題
車両識別番号とも呼ばれるVINコードは、車両を識別するための複数の文字から成る一意のコードです。VINコードには
文字や番号が含まれており、金属プレートにエッチング/刻印された、またはステッカーに印刷されたダイレクトパーツ
マーキング(DPM)の場合もあります。自動車メーカーはVINコードの場所を特定し、解読して、トレーサビリティを
確保する必要があります。反射する照明、塗料の色、グレアによって、マシンビジョンシステムは文字の場所を特定し、
認識することが難しくなります。検査システムが文字を正しく解読するためには、画像の生成が難しい反射しやすい表面
にも対応できなければなりません。
ソリューション
Cognex ViDi Blue-読み取りツールによって、鮮明な画像にするのが難しい、つぶれた文字の検出と読み取りが簡単にな
ります。ソフトウェアをトレーニングするために、VINコード文字の参照セットが含まれた画像の対象領域を定義します。
Blue-読み取りツールに事前にトレーニングされたオムニフォント機能を使って、グレアやコントラストで隠れていても
文字を認識することができます。トレーニングとバリデーションの際、技術者はソフトウェアのモデルがすべての文字を
識別するまで、欠けている文字だけを再度ラベリングします。ディープラーニングベースの新たなOCRアプローチによ
りラベリング作業を軽減することで、トレーニング/開発時にかかる作業時間を削減できます。また、混乱しやすい背景
でも文字の解読が可能です。
VisionPro ViDi: ディープラーニングベースの自動車業界向けソリューション 7
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BUILD YOUR VISION
二次元ビジョンシステム
コグネックスのマシンビジョンシステムは、部品の検査、識別、誘導能
力が他のシステムより優れています。導入しやすく、非常に高度なアプ
リケーションでも信頼性の高いパフォーマンスを提供します。
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三次元レーザープロファイラ
Cognex In-Sightレーザープロファイラと三次元ビジョンシステムは、
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▪トレーサビリティのコントロール
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https://www.cognex.com/ja-jp © Copyright 2018, Cognex Corporation.
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ます。CognexはCognex Corporationの登録商標です。ViDiはCognex Corporation
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