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アサヒ飲料様 でVisionProDLをご採用頂いた事例をご紹介
アサヒ飲料様の検査システムFLOX-AIにてコグネックスのディープラーニングシステムが採用された事例をご紹介します。
このカタログについて
ドキュメント名 | アサヒ飲料様 事例紹介 |
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ドキュメント種別 | 事例紹介 |
ファイルサイズ | 2Mb |
取り扱い企業 | コグネックス株式会社 (この企業の取り扱いカタログ一覧) |
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このカタログの内容
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CUSTOMER SUCCESS STORY
コグネックスのVisionPro Deep Learningで清涼飲料業界初のAIを
活用した微生物迅速検査法「FLOX-A(I フロックスアイ)」の開発に成功
アサヒ飲料株式会社
CUSTOMER CHALLENGES
アサヒ飲料株式会社 ▪飲料の出荷前に欠かせない、食中毒の原因となるカビなどの有無を調べ
る微生物検査として、通常培養法ではろ過した飲料を培養皿で3~5日
INDUSTRY ほど培養し目視検査をする。この方法では培養にかかる日数が製品出荷
のボトルネックとなっていた。
Beverage ▪このことから、出荷前製品の過剰在庫が発生していた。
▪蛍光染色法を試してみたが、培養日数は1日に短縮できたものの、乳酸
SOLUTION 菌など無害な物質(ノイズ)も反応して光ってしまい、ルールベースでの判
VisionPro Deep Learning 定が難しかった。
ディープラーニング
画像処理ソフトウェア RESULTS
▪通常培養法と同様の判別精度を得ることに成功した。
▪AI導入により最終判定を自動化することに成功した。
▪製品出荷のボトルネックとなっていた培養日数を1日に短縮することがで
き、在庫過多の解消に繋がった。
▪他の迅速培養法に比べ7割ほど安いコストでの導入が可能になった。
▪装置洗浄、メンテナンス等にかかる時間が年間180時間短縮できた。
CUSTOMER SUCCESS STORY : アサヒ飲料株式会社 01
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東京都墨田区を本社とするアサヒ飲料株式会社は、国内9カ所の工場の他、多数の事業所や関連企業5社を
持ち、従業員数およそ3,300名を擁する飲料メーカーです。アサヒグループホールディングスの清涼飲料水部門の
子会社として1982年に設立され、海外へも製品を提供するグローバルカンパニーです。
「人生100年時代を共に」を目指し、商品やサービスを通じ、お客様のココロとカラダに驚きや感動、笑顔を届ける
ことを約束する、という思いを込めた「100年のワクワクと笑顔を。」を社会への約束として宣言し、飲料事業を通じて
健康、環境、地域共創の分野での新たな価値の創造に取り組んでいます。
飲料が出荷されるまでには、外観検査や重量検査、官能検査、理化学検査、微生物検査といった様々な検査
が行われ、安心と安全を確実なものにしています。中でも微生物検査は、食中毒の原因となるカビなどの混入がな
いかを調べる重要な検査です。一般的には、ろ過した飲料を培養皿で3~5日ほど培養し、変化を目視で確認する
通常培養法が用いられます。カビが無ければ合格、増えれば不合格となります。しかし、出荷前のこの培養日数が、
製品出荷のボトルネックとなっていました。
一般的な微生物検査法(通常培養法)
“微生物有無の判定に3日以上かかることが多く、
出荷前製品の在庫過多が生じていました”
アサヒ飲料株式会社 研究開発本部 技術研究所 品質技術グループ
プロデューサー 青栁真人氏
CUSTOMER SUCCESS STORY : アサヒ飲料株式会社 02
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蛍光染色法では偽陽性がネックに
出荷前検査の日数短縮を目指し、2018年に蛍光染色法の検証を開始しました。試薬で生きているカビを光らせ
て判別しやすくし、従来のルールベースで判別を試みたのです。この方法を用いると、培養日数を1日に短縮すること
が可能になります。しかし、乳酸菌などの無害な物質(ノイズ)も一緒に反応して光ってしまい、偽陽性が発生してし
まいます。その都度、原因追及を行わなければならず、検査の迅速性が欠けてしまいました。
偽陽性の主な原因
原因① 乳・果汁由来のノイズ 原因② 濾過用フィルター由来のノイズ
ルールベースやカメラを変えてみるなど、試行錯誤を重ねましたが、明るさや形がほぼ変わらないため、ルールベー
スでの識別は難しく、検出性能向上と偽陽性低減を両立させることは非常に困難でした。
ある気付きから清涼飲料業界初の挑戦へ
蛍光染色法の課題解決に奮闘する事2年、ある時、試薬に反応して光ってしまうノイズと、カビの形状や色が、
わずかではあるものの、異なっていることに気が付きました。
微生物 ノイズ(夾雑物)
人の目で違いが分かるなら、この違いをAIに学習させれば判別できるのではないか、との考えに至りました。微生
物迅速検査とAIを融合させたシステムはほとんど前例がありません。この気付きから、清涼飲料業界初の挑戦が始
まりました。
CUSTOMER SUCCESS STORY : アサヒ飲料株式会社 03
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AI 選定のポイントは学習の速さと判定結果の精度
数社のAIソフトを評価し、コスト面と性能、操作性、学習にかかる時間を考慮、最終的に2社に絞り込みました。
その2社に画像データを送付し、評価結果からコグネックスのVisionPro Deep Learning画像処理ソフトウェアを
使用することに決めました。
“学習速度が速いとは聞いていましたが、使ってみると思った以上に速い。
トライ&エラーを繰り返す必要があるため、この速さはありがたかったです”
アサヒ飲料株式会社 研究開発本部 技術研究所 品質技術グループ
プロデューサー 青栁真人氏
画像データは重いため、処理能力の速さは不可欠です。コグネックスのVisionPro Deep Learningは、重い画
像データをものともせずに素早く学習していきます。
学習したAIは、画像のように乳酸菌由来などのノイズが多い場合でも、危害微生物(カビ)の有無を明確に識別
して判定結果を出していきました。
結果、通常培養法が持つ精度と同様の精度が確認できた「FLOX-AI」が誕生したのです。それだけでなく、
「FLOX-AI」は、迅速性、簡便性、高検出性能、低コストという、微生物検査における必要要素をすべて満たした、
清涼飲料業界初の微生物迅速検査法なのです。
CUSTOMER SUCCESS STORY : アサヒ飲料株式会社 04
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今後の展開
2022年に全製品の2割強を対象に「FLOX-AI」を自社工場に試験導入しています。直感的なUIのおかげで、容
易に工場内への展開が出来ます。試験導入を経て、2023年には自社工場内での本格運用を目指します。「誤判
定のリスク低減による、より一層安全安心を生む生産体制の構築と、在庫削減や作業時間の短縮が期待されます」
と青栁真人氏は語ります。
さらに、2024年からは、自社工場の横展開だけでなく、飲料業界への横展開も視野に入れています。
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