1/19ページ
カタログの表紙 カタログの表紙 カタログの表紙
カタログの表紙

このカタログをダウンロードして
すべてを見る

ダウンロード(1.7Mb)

半導体ソリューションガイド

事例紹介

トレーサビリティ、識別、検査の課題を解決する

マシンビジョンおよび識別ソリューションは、アライメント、検査または識別など、ウェハーからICパッケージングまで半導体製造工程のあらゆるステップで重要な要素です。コグネックスの半導体製造向けソリューションを一冊にまとめました。

このカタログについて

ドキュメント名 半導体ソリューションガイド
ドキュメント種別 事例紹介
ファイルサイズ 1.7Mb
取り扱い企業 コグネックス株式会社 (この企業の取り扱いカタログ一覧)

この企業の関連カタログ

この企業の関連カタログの表紙
エッジラーニング画像システムIn-Sight 3800
製品カタログ

コグネックス株式会社

この企業の関連カタログの表紙
エッジラーニング
ホワイトペーパー

コグネックス株式会社

このカタログの内容

Page1

半導体ソリューションガイド トレーサビリティ、識別、検査の課題を解決する
Page2

マシンビジョンと工業用 バーコード読み取りの グローバルリーダー 世界で最も信頼性が高いマシンビジョンと工業用バ ーコードリーダを提供するコグネックス® $811 40年以上 世界中の工場に300万台を超えるシステムの導入実績 創業 と40年以上の経験を活かし、コグネックスは、特に工 業用のマシンビジョンと画像処理式バーコード読み取 百万 りテクノロジに特化してきました。世界のトップ製造装 500以上 置メーカーや OEM メーカーが設置するコグネックス 2020 売上高 チャネルパートナー の特許取得ビジョンツールとハードウェアは、半導体 およびプリント基板 (PCB) 製造装置への統合に最適 で、ディスプレイ製造、モジュールアセンブリ、消費者向 け完成品など、カスタムマルチカメラアライメントソリ 世界拠点 ューションを提供します。現在、電子ハードウェア OEM は、コグネックス製品を使用して、機器の性能レベルア ップを行っています。 20ヵ国以上 3,000,000以上 システム出荷数 2 www.cognex.com/products をご覧ください。
Page3

半導体 ソリューションガイド 今日、半導体はマシンビジョンを使わずに製造することは できません。マシンビジョンは集積回路の集積密度を実現 することに貢献し、高いコスト効率で製造することを可能 にしました。半導体メーカーは、コグネックスのマシンビジ ョンとディープラーニング技術を活用して、マスキングおよ びエッチングプロセスでウェハーの正確なアライメントを 確保し、フロントエンドとバックエンドのプロセスを通して ウェハーやダイのトレーサビリティを高め、高度な検査手 順で製品の品質を向上させます。 アライメントソリューション .......................................4 3,000,000以上 識別/トレーサビリティソリューション .........................6 システム出荷数 検査/分類ソリューション ..........................................9 半導体ソリューションガイド 3
Page4

アライメント ソリューション 半導体製造には超高精度が必要です。ダイ密度は、長年にわたって着実に増加しています。現代の半導体は、フォトリソグラフィ、ダイシ ング、ワイヤーボンディング、包装など、製造プロセスにおいて超高精度アライメントが必要な、ナノメートルレベルでのサイズを実現し ます。コグネックスのアライメントソリューションは、業界をリードするマシンビジョンツールを使用して、不利な条件下でもパターンやフ ィデューシャルを迅速かつ正確に位置決めすることにより、生産量の最大化、品質の向上、コストを削減に役立ちます。 ウェハーノッチ検出 課題 半導体ウェハーの位置と向きを知ることは、ウェハー製造プロセスにおいて重要です。ウェハーのノッチをモニタリングすることにより、 各ステップでのウェハーの向きを理解することができます。ウェハーに5,000~100,000ドル以上の費用がかかる場合、製造工程におけ る不整合は深刻で取り返しのつかない欠陥を引き起こし、ウェハーを廃棄しなければならないことがあります。 ノッチを探す従来の方法は、スルービームアレイレーザー光センサを使用していましたが、ウェハーの上下に大きな発光機と受光機を 設置しなければなりませんでした。これは貴重な機械スペースを奪うばかりか、ノッチが見つかるまでウェハーを回転させる時間も必 要でした。透明ウェハー (SiC) および他の独特なウェハーのコーティングが導入されたことにより、スルービームセンサではノッチの正 確な検出が難しくなり、その工程だけでミスアライメントが増える可能性が出てきました。 ソリューション コグネックスの In-Sight® ビジョンシステムは、ウェハーのノッチ と XY 位置を 0.025 ピクセルまで正確に識別します。コグネック スの PatMax® パターンベースのオブジェクト位置検索テクノロ ジなど、これらのシステムに内蔵されている強力なソフトウェア は、任意の向きでウェハーのノッチを正確に検出し、位置と寸法 データをアセンブリロボットまたは PLC に送信します。さらに、 ビジョンシステムの超コンパクトなボディ設計は、狭い場所にも 設置が可能で、レーザー光センサをウェハーの上下に配置する 必要もありません。 コグネックスは、メーカーが長いワークディスタンスでのレンズ の設置が難しい場合にもウェハー全体を表示するための特許 取得済みのロープロファイル光学システムを備えています。 4 半導体ソリューションガイド
Page5

ウェハーとダイのアライメント 課題 フォトリソグラフィプロセス時、ウェハーのプローブテスト時、あるいはウェハーの取付けとダイシング時のいずれにおいても、質の 悪い画像処理アライメントにはマシンの使用により、数千回の人による手動の修正が必要であり、ウェハーの損傷も発生します。性 能の低いビジョンシステムは、半導体機器企業に市場占有率の低下や、サポートコストの大幅な増加をもたらします。 ソリューション PatMax テクノロジは、ウェハーの検査、プロービング、取り 付け、ダイシング、および設備のテストにおいて確実、正確、 迅速なパターン検索を実現し、問題を回避します。PatMax は特許を取得した幾何学パターン検出アルゴリズムを使用 して、ウェハーとダイのパターンを探し、位置決めを行いま す。高い精度と再現性でウェハーやダイを配列し、半導体製 造プロセスの全体に渡って機器の動作の信頼性を確保しま す。コグネックスにより、OEM 企業は機器全体の動作を最適 化し、品質と生産高を向上できます。 半導体ソリューションガイド 5
Page6

識別/トレーサビリティ ソリューション 半導体業界は、非常に競争が激しく、メーカーはデバイスの品質と偽造に対して従来より注意を必要とされています。集積回路チップ のトレーサビリティは、製造段階から始まっています。これまで、識別とトレーサビリティは、ウェハーの OCR、時には IC パッケージのデ ータマトリックスコードの読み取りを意味していました。この分野では最近、チップのトレーサビリティと同様に、ウェハーの裏側に複数 のマークを作成する傾向あります。ウェハー、ウェハーキャリア、リードフレーム、ダイ、最終パッケージなどには、プロセスの各ステップ で読み取りと検証が必要な識別コードがあります。これは、後工程で問題が発生した場合に、トラックバックするための情報であり、シ ステムレベルの PCB アセンブリ施設、またはエンドユーザーの顧客サイトで使用されています。アプリケーションに応じて、コグネック スのマシンビジョンシステムやディープラーニングOCR読み取りツールを使用して、英数字やバーコードを素早く正確に読み取ること ができます。 ウェハー OCR 課題 ウェハーは、シリコンディスクの小さな場所に ID 番号がレーザー刻印され ています。このコードは、英数字またはデータマトリックスコードのいずれか で、ダイシングされるまでフロントエンドプロセス全体でウェハーを追跡す るために使用されます。ウェハー ID は、様々なマスキング、エッチング、およ びフォトリソグラフィ処理で劣化したり、ウェハーの反射背景によってデコー ドが困難になることがあります。ウェハーは、ダイシングされるまでフロント エンドプロセスで使用されます。 ソリューション コグネックス In-Sight 1740 シリーズウェハーリーダは、ウェハーの識別に 特化して設計された先進のアルゴリズムを特徴としており、ウェハーがダイ シングされる前の光学式文字認識 (OCR) と 二次元バーコード機能の両方 の機能を提供します。これらのウェハーリーダは統合された適応照明と画 像処理を使用して、英数コードやSEMI-T7 DataMatrixコードを含む様々な マーキング方法に最適像形成を提供します。In-Sight 1740 は、様々なプロ セス段階によって生じたマークの外観変化に自動的に適応し、それによって 読み取り不能を減らし、マシン支援の必要性を最小限に抑えて、マシンのア ップタイムを最大化します。 6 半導体ソリューションガイド
Page7

ウェハーキャリアリングのトレーサビリティ 課題 ウェハーがダイシングされると、ウェハー ID は使用できなくなります。ウェハー上に作成されたダイのトレーサビリティを維持するため に、ダイシングされたウェハーは、ワイヤーボンディングのためにリングから取り外されるまで識別番号がマークされたキャリアリング で運びます。ダイシングプロセスでは、ダイやリングのあらゆる箇所でダイシングによる破片が飛び散るため、クリーニングする必要が あります。クリーニングを繰り返し行うと、キャリアリングの表面が劣化し、コードが読み易さが低下します。時間が経つにつれ表面と文 字にばらつきが生じることにより、ルールベースの画像処理テクノロジでは、コードを正確に読み取るのが難しくなります。0 (ゼロ) や O (オー) 、l (アイ) や 1 (イチ) などの文字が薄くなったり、摩耗すると、判断が難しくなります。リングが読み取り不能になると、自動処 理の稼働力が低下し、生産スループットに影響を与える可能性があります。 ソリューション コグネックスのディープラーニングツールを使えば、繰り返しクリーニングで劣化した場合でも、ウェハーキャリアリングの識別コード をメーカーが正確に読み取ることができます。スマートカメラとディープラーニングソフトウェアを光学式文字認識 (OCR) と併用すれ ば、損傷したコードを解読できます。ソフトウェアに内蔵されているディープラーニング読み取りツールは、箱から出してすぐに使えま す。ディープラーニング用に予め登録されているフォントライブラリで、開発時間を大幅に短縮できます。ユーザーは、対象領域を定義 し、文字サイズを設定するだけです。新しい文字が導入された場合、ビジョンの経験がなくても、このツールを使えば、従来の OCR では 解読できないアプリケーション特有のコードを読み取ることが可能になります。 半導体ソリューションガイド 7
Page8

集積回路パッケージのトレーサビリティ 課題 リードフレームは、半導体表面の小さな電気端子から電気デバイスや回路基板の大規模な回路まで、配線を接続する金属の薄い層で す。チップは、そのリードフレームの金属リード線にワイヤー接続されています。二次元データマトリックスコードは、各リードフレームに レーザー刻印されていることが多いため、アセンブリ工程と仕上げ工程まで全体でフレームとチップを追跡できます。多くの場合、これ らのコードは、生産段階の劣化、低コントラスト、金属背景による反射などがあると、読み取りが難しくなります。 ソリューション コグネックスの DataMan® 画像処理式バーコードリーダには、業界をリードするアルゴリズムを採用し、ESD 対応保護ケースを使用し ているため、過酷な条件下でも、確実に2Dデータマトリックスコードを読みます。柔軟な照明とレンズは、様々な設置および照明の制 限に対応し、最も鮮明な画像と最高の読み取り速度を提供します。トレーサビリティアプリケーションの標準となっているデータマトリ ックス技術は、メーカー、製品 ID、ロット番号、シリアル番号など、リードフレームに関するすべての必要な情報を保存し、効率的なトレ ーサビリティを実現します。 8 半導体ソリューションガイド
Page9

IC の文字およびコードの読み取り 課題 厳しい条件のテストのプロセスを経た半導体チップのみが最終的にメーカー情報と IC の技術仕様の両方を含む識別番号を取得しま す。この英数字コードは IC の上面に刻印されます。半導体メーカーにおいて、この情報の読みやすさは、内部および外部のトレーサビ リティ実現のカギです。システム設計や基板アセンブリを担当するダウンストリームの企業がこれらのコードを読み取り、正しいチップ が入荷されていること、PCB に適切なチップが取り付けられていることを確認します。この情報を識別して確認する作業は、これまで ルールベースのマシンビジョンで行われていました。しかし、従来のアルゴリズムでは、IC にレーザーまたは化学薬品で刻印された極 めて小さく、ばらつきのある文字列を読み取るのが容易ではありませんでした。他にも、表面が荒い、またはラミネートで覆われている などの状況が読み取り率に影響を及ぼし、画像の文字が鮮明にならないという問題もありました。 ソリューション Cognex Deep Learning テクノロジは、ルールベースの画像処理技術では解決できない課題に対応します。Cognex Deep Learning OCR ツールは、1000 文字以上が事前登録された内蔵のライブラリを使用して、湾曲した文字列、低コントラストの文字、ひどく変形し たコードや傾いたコード、エッチングが不十分なコードを解読します。OCR ツールは再登録もできるため、最初は自動識別できなかっ た新しい文字や特定の文字に対しても、ユーザーが解決できるようになっています。チップの識別番号を迅速かつ正確に読み取ること により、トレーサビリティが向上し、正しい情報が蓄積され、将来必要に応じて利用可能になります。 半導体ソリューションガイド 9
Page10

検査/分類 ソリューション 半導体業界は、新技術の導入が早く、特に品質に対する基準が高いという特徴があります。半導体メーカーにとって、品質を測る最適 な指標は「ウェハーあたりの歩留まり率」です。歩留まり率が高いほど、収益性が高くなります。処理工程のさまざまな段階で欠陥検査 にマシンビジョンとディープラーニング技術を使用することにより、問題を早期に特定できます。コグネックスのディープラーニング技 術は、製造で生じた欠陥の原因を特定し、迅速な是正処置とその文書化を可能にします。このとき、許容レベルに該当する自然なばら つきは排除されています。製造工程が最適化され、欠陥が減少すると、収益が上昇します。 ウェハー欠陥検査 課題 半導体ウェハーは複数の層で構成されています。各層は、材料の蒸着、レジスト塗布、リソグラフィ、エッチング、イオン注入など複雑で 正確な処理が行われ、その後レジストが除去されます。 新しい層が塗布される前に、エッチングやひとつ前の層に欠陥がないかどうかを検査する必要があります。ウェハー層には、傷、スピン 欠陥、露光の問題、粒子汚染、ホットスポット、ウェハーエッジの欠陥、および最終的なチップ性能に影響を与える様々な欠陥が存在し ている可能性があります。 成膜後に検出されなければ、そのような欠陥は最終試験時にのみ検出されることとなり、貴重な資源を使って加えられた工程が欠陥 のある製品に使われるという無駄が生じます。最悪の場合には、最低レベルの欠陥はまったく検出されない可能性もあります。最終的 な電気テストに合格しても、検出されなかった欠陥によって早期故障となる場合があります。 潜在的な欠陥の領域は広く、円形のウェハーのどこにでも生じる可能性があります。コーティングの欠陥は、色の予測不可能な変動とし て現れるため、以前に成膜した層の複雑な背景に対して検出する必要があります。従来のマシンビジョンでは、このような広範囲のエラ ーを検出するようにプログラムできません。また、多層背景に対してプログラムされた欠陥を確実に検出できる信頼性がありません。 ソリューション 手動検査は遅いため、ウェハーの抜き取 り検査にのみ実行できます。また、人が 行うウェハー処理が発生し、新たな汚染 源や損傷源が加わることになります。一 方、Cognex Deep Learning ソフトウェ アは、大量のウェハーに対して自動欠陥 スクリーニングを実行できます。また、あ いまいなケースを識別する二段階検査 システムに使用することで、結果をオフ ラインの手動検査ステーションに送信し て詳しく調査することができます。 OK NG NG NG 10 半導体ソリューションガイド
Page11

プローブマークの検査と分類 課題 ウェハーがダイシングに送られる前に、すべてのダイは電気的テストが行われます。これには、数十個の電気プローブ顕微鏡を備えた プローブカードが使用されます。各プローブは、接触が行われると、各ダイに小さなマークを残します。このマークはダイの中心にあり、 プローブが正しい圧力を加えたことを示す必要があります。 プローブマークは、正確なプローブ性能を示す指標です。プローブが正常に動作していれば、正しい形状のプローブマークが残されま す。プローブが正常に動作していない場合は、プローブマークの形状が不適切(NG)になります。たとえば、プローブの圧力が強すぎる 場合、時間の経過により損傷が進み、正確な電気テストが行えなくなります。 プローブは高価であるため、作業寿命を維持するためには正しい圧力を維持することが重要です。従来のルールベースのマシンビジョ ンを使用して OK および NG マークを分類することは、マークの形状、大きさ、位置にばらつきがあるため、簡単ではありません。NG の読み取り精度が低いと、収率やチップの品質に悪影響を及ぼします。 ソリューション Cognex Deep Learning ツールを OK と NG プローブマークの違いをするために使用すると、ウェハー検査を簡単にし作業時間を短 縮します。 ソフトウェアには、数多くの正しいプローブマークの画像と、不適切なプローブマークの画像が予め学習されています。不適切なマーク は、「圧力関係」または「中心ずれ」などで分類できます。 この情報を使用することにより、オペレータは、プローブの圧力やアライメントを調整し、適切なプローブマークの数を増やし、プロー ブの正しい作業状態を長く保つことができます。プローブマーク検査ににディープラーニング検査を使用することにより、OK を NG に 誤認したり、NG マークを OK と誤認する可能性の高い従来の方法に比べて、ウェハーの収率を高めることができます。 OK NG OK NG OK NG 半導体ソリューションガイド 11
Page12

ダイシング後のエッジ欠けやバリの検出 課題 ウェハーは、さまざまな層化およびエッチング処理を経てダイシングされ、ダイとして完成します。その後、切断作業が行われ、欠けやバ リが発生します。欠けやバリは IC デバイスの品質に影響するため、ダイシング後に検査することが重要です。許容範囲外となるチップ の数が平均より多い場合は、ダイシングの刃を調整または交換する必要があります。 一般的にこの検査にはルールベースのマシンビジョンが使用されていますが、欠けやバリはさまざまなため、その信頼性が高いとは 言えず、通常のダイシングマークや IC パターンと区別するのは簡単ではありません。あらゆるばらつきに対応するマシンビジョンアル ゴリズムを開発して、許容できるマークとできないマークを区別することは困難です。 ソリューション Cognex Deep Learning ツールは、欠けやバリを学習して分類し、ダイシング後の通常の切断マークと区別する簡単な方法を提供し ます。ソフトウェアは、すべての欠けとバリを識別し、許容可能または不可能を分類し、許容範囲内の正常マークを無視するように指示 することが簡単にできます。 この情報を使用して、メーカーは、例えば、切れ味が鈍い、または摩耗し過ぎたダイヤモンド刃を交換することにより、切断プロセスを 最適化することができます。OK と NG の違いを適切に検出することには誤判定により廃棄された可能性のある正常チップを減らすと いうメリットもあります。 OK NG 12 半導体ソリューションガイド
Page13

ダイ表面の欠陥検査 課題 集積回路の製造工程では、各ダイを検査して、表面に割れ、欠け、バリなどがないことを確認する必要があります。これらの欠陥が生じ れば、ダイの品質と性能に悪影響を及ぼします。これらの欠陥はさまざまで、場所も異なります。そのため、ルールベースのマシンビジ ョンでは、適時に正確に発見することが容易ではありません。チップの品質に影響しない通常のばらつきも発生するため、そのような 軽微な欠陥を欠陥とみなして処理する時間をなくすことが重要です。毎日処理されるチップのサイズと量を考えると、人による検査は 効率的でも実用的でもありません。また、人の干渉を最小限に抑えることにより、汚染物質がクリーンルームに入る可能性も低くなり ます。 ソリューション Cognex Deep Learning の欠陥検出ツールは、ルールベースの視覚検査システムには複雑すぎる、または時間がかかるダイ表面の 許容できない表面欠陥も広い範囲で見つけることができます。このツールは、ダイの表面を調べて、割れ、欠け、焼け跡などを検出しま す。ソフトウェアは、さまざまな欠陥の種類と場所を示す数多くの画像が登録されています。ディープラーニングの分類ツールは、潜在 的な関心領域を特定した後、欠陥(割れ、欠け、埃、スポットなど)を分類します。この情報を使用して、プロセスの改善を行い、欠陥を減 らして収率を上げることができます。 OK NG 半導体ソリューションガイド 13
Page14

ワイヤーボンディングの欠陥チェック 課題 ワイヤーボンディングは、多くの集積回路やマイクロチップ内の相互接続に使用される最も一般的な方法です。これは高い精度を必要 とする繊細なプロセスです。ワイヤーボンディングの目的は、非常に細い金属ワイヤーでチップのリード線とパッケージング材料に接続 することです。パッケージング材料は、別の部品に信号を伝送します。ワイヤーの破損や欠落などの欠陥は、信号伝送を妨害する可能 性があります。これらの欠陥は種類や場所が異なるため、ルールベースのマシンビジョンソリューションは、欠陥のあるワイヤボンドを 正確に特定することが困難です。 ソリューション 従来、ルールベースのビジョンを採用する自動光学検査 (AOI) システムを使用してもうまく機能しません。疑わしいノーグッド (NG) ケ ースは、ディープラーニングで検査することで、検査プロセスの信頼性を高めることができます。AOI マシンは、疑わしい NG ケースを特 定し、コグネックスのディープラーニングツールを使用して画像をシステムに提供します。欠陥検出ツールは、対象領域を動的に抽出 し、分類ツールで、さまざまな欠陥を分類し、ワイヤーボンディングの良し悪しを判断します。欠陥をソートすることで、プロセスの問題 を切り分け、さらに後続の工程でコストのかかる再作業を防ぎ、マイクロンレベルの欠陥をうまく特定することで、IC チップの収率と性 能を高めます。 OK NG NG NG 14 半導体ソリューションガイド
Page15

WLCSP のサイドウォールでミクロ割れを検出 課題 ウェハーレベル CSP (Wafer level Chip Size Package) は多層のため、取扱い不良、過度の応力(はんだボールの取り付けなど)、雑 な輸送などにより、損傷が生じ、ミクロ割れとなることがあります。これがプロセスの早い段階で検出されないと、このような割れはチ ップの品質、性能、耐用年数に悪影響を与える可能性があります。 これらの構造的なリスクのため、WLCSP を検査する必要があります。WLCSP のサイドウォールに沿って欠陥をチェックする場合、レイ ヤーのばらつきとマクロ割れの違いを知ることは困難です。この区別は、曖昧でコントラストが低いため、WLCSP を横から見ると混乱 するパターンがあり、ルール ベースのマシン ビジョンでは容易ではありません。たとえば、割れは異なる場所にあり、構造層の不規則 な線のように見える場合があります。 ソリューション ルールベースのマシンビジョンを使用して WLCSP のマイクロクラックを正しく検出しようとすると、作業が難しく時間がかかります。 Cognex Deep Learning ツールは、高度なアルゴリズムを適用して、通常の構造層と欠陥の違いを学習することで、ミクロ割れをより 効率的に検出します。 ソフトウェアは、ミクロ割れを示すさまざまな画像と、WLCSP 内の通常の層を示す画像が数多く登録されています。欠陥検出ツールは、 通常の層ばらつきを学習し、欠陥(ミクロ割れ)を包括的に理解します。 ディープラーニングを使用した高精度な検査により、誤って NG と分類された可能性のある優れたチップパッケージの収率を高めます。 また、ディープラーニングは、従来の方法では検査を通過し、市場に投入される可能性のある WLCSP のミクロ割れを検出することが できます。 OK NG 半導体ソリューションガイド 15
Page16

IC モールディングの外観欠陥検査と分類 課題 IC 製品の成功と失敗は、外部の力や湿気による害からチップを保護する成形プロセスの品質で決まります。チップの成形中に、割れ、 削れ、穴などの欠陥が成形面に生じる場合があります。人による検査では、非常に小さな亀裂や低コントラストの穴を見逃してしまう ことがあります。また、従来のルールベースのビジョンシステムでは、明確な欠陥定義で欠陥領域を検出することは非常に困難です。亀 裂、ギザギザのエッジ、変形など、さまざまなタイプの欠陥があります。多くの異常も欠陥と見なされますが、ルールベースのビジョンシ ステムでは、許容範囲内の軽微な異常と、廃棄チップとなる明確な欠陥を効果的に区別することはできません。 欠陥パターンを分類できないため、生産チームは潜在的な問題がある場所を迅速に把握することができません。 ソリューション Cognex Deep Learning ツールは、メーカーがモールディングの欠陥と特定して分類するのを手助けします。この高度な画像処理ソリ ューションには、良い/悪い(NG)結果の両方を示す数多くの画像が登録されています。そのため、ソフトウェアで許容範囲内の異常を 無視し、実際の重大な欠陥のみにフラグを立てます。コグネックスの位置検索ツールは、対象領域 (ROI) を特定します。ROI が定義さ れると、欠陥検出ツールで対象領域内の欠陥を特定します。次に分類ツールで、さまざまな欠陥の種類を区分します。この情報を使用 して、生産マネージャは、完成 IC の収率を高めるのみでなく、分類情報を使用して、生産課題に対応したり、問題を解決して、収益性を 高めることができます。 NG NG NG 16 半導体ソリューションガイド
Page17

集積回路のリード外観検査 課題 半導体メーカーは、集積回路チップのピンの傷、ねじれ、曲がり、または欠落に注意しなければなりません。チップは誤差に対する許容 度が低いため、表面的な欠陥であってもリジェクトの原因になります。マシンビジョンは、半導体の製造工程全体で、品質を厳密に監視 し、欠陥を特定するために使用されます。しかし、このように潜在的な欠陥タイプが多い場合では、検査をルールベースのアルゴリズム にプログラムすることは非効率的です。ディープラーニングを採用しているビジョンソフトウェアで半導体の欠陥を抑え、大量の欠陥ラ イブラリを使用することなくスループットを改善するのに役立ちます。 ソリューション Cognex Deep Learning は、「NG」画像を登録する必要はなく、あらゆる異常の特徴を特定事が可能な、シンプルなソリューションを 提供します。エンジニアは Cognex Deep Learning ツールを使用して、良好 (OK) な集積回路ピンの画像から学習します。欠陥検出ツ ールは、チップリードとピンの正常な外観と位置を学び、欠陥と見なされないすべての特徴を区別します。この強力なマシンビジョンシ ステムとディープラーニングソフトウェアを併用することにより、半導体メーカーはテストのコストを削減し、製品全体の品質を向上さ せることができます。 OK NG 半導体ソリューションガイド 17
Page18

業界をリードする ビジョンと ディープラーニングテクノロジ パターン照合テクノロジ 確実なパターン照合テクノロジは、困難な条件下でウェハ ーパターン、フィデューシャル、フレックス基板、およびその 他のワークを最大1/40ピクセル精度で正確かつ確実に位 置付けます。PatMax 自動チューニングは、ノイズや照明 効果の影響を自動的に除去します。マルチモデル PatMax は、1 回の画像読み取りで、複数のパターンを検索できます。 Cognex Deep Learning Cognex Deep Learning は、産業画像解析専 用ですぐに使用できる初のディープラーニング ソフトウェアで、複雑な表面検査と難しい光学 文字認識用に最適化されています。Cognex Deep Learning は、ニューラルネットワーク解 析を使用して画像を検査および分類し、熟練し た検査官より優れた成果をもたらします。 18 半導体ソリューションガイド
Page19

BUILD YOUR VISION 二次元ビジョンシステム コグネックスのマシンビジョンシステムは、部品を検査、識別、位置決めする能 力は特に優れています。設置やメンテナンスがしやすいだけでなく、最も難易度 の高いアプリケーションでも高い信頼性と再現性のある性能を提供します。 www.cognex.com/machine-vision 三次元ビジョンシステム コグネックスの In-Sight レーザープロファイラおよび三次元ビジョンシステム は、最も困難な三次元アプリケーションで高い信頼性と正確な測定結果を実 現するために、究極の使いやすさ、パワーと柔軟性を提供します。 www.cognex.com/3D-vision-systems 画像処理ソフトウェア コグネックスの画像処理ソフトウェアは、従来のマシンビジョンからディープ ラーニングを使用する画像解析まで、開発者のニーズに合わせて業界をリ ードする画像処理テクノロジを提供します。 www.cognex.com/vision-software バーコードリーダ 特許アルゴリズムを採用しているコグネックスの工業用バーコードリーダおよび モバイルターミナルは、バーコードのシンボル、大きさ、品質、印字方法、または 表面の状態に関わらず、一次元、二次元、DPM コードを最高の読み取り率で読 み取ります。 www.cognex.com/barcodereaders © Copyright 2021、コグネックスコーポレーション。 本書のすべての情報は予告なく変更されることがあります。 無断複写・転載を禁じます。Cognex、PatMax、In-Sight および 〈お問い合わせ〉 DataMan はコグネックスコーポレーションの登録商標です。 Build Your Vision はコグネックスコーポレーションの商標です。 infojapan@cognex.com その他記載されている製品名は各社の商標または登録商標です。 Lit. No. SemiSG-EN-09-2021 07/17.2000(Y) フリーダイヤル0120-301448 9:00~17:30(平日) 本書の記載内容は予告なしに変更されることがあります。 CognexおよびCognexのロゴは、Cognex Corporationの登録商標です。その他の商標はすべて、該当各社が所有するものです。  c 2015, Cognex Corporation