物流業界においてバーコードの読み取り率改善がもたらすメリット
一次元・二次元コードリーダの選定時には、読み取り率の高さが非常に重要です。この理由は、わずか1%に満たない読取率の違いが、大きな財務的違いを生み出すためです。このガイドでは、読取率のわずかな違いがどのような経済的メリットを生み出すのか説明しています。
このカタログについて
ドキュメント名 | 99%の読み取り率では不十分! |
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ドキュメント種別 | 製品カタログ |
ファイルサイズ | 2.6Mb |
登録カテゴリ | |
取り扱い企業 | コグネックス株式会社 (この企業の取り扱いカタログ一覧) |
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99%の読み取り率では不十分!!
物流業界において読み取り率の改善がもたらすメリット
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99%の読み取り率では不十分!!
物流業界において読み取り率改善がもたらすメリット
著者:コグネックスコーポレーション、ID プロダクトマーケティング — 物流部門ディレクタ、Matthew D. Engle
生産性向上と人件費削減を実現するために流通センターに課される要求は、これまで以上に高まっています。この目標
の達成に向けて流通センターが取り組んでいる手段のひとつが、技術革新が頭打ちになっているレーザスキャナテクノ
ロジを最新のデジタル読み取りテクノロジへとアップグレードし、バーコードの読み取り率を改善することです。たとえご
くわずかな改善であっても、読み取り率の改善によって、手動で扱わなければならないパッケージの数やラベリングのや
り直しや経路の切り替えエラーの対応に必要な作業員を減らすことができます。
バーコード読み取りテクノロジの革命
上席副社長兼上席研究員のBill Silverはこう推測しています。「現代のテクノロジが壮大なテーマを抱えているとする
なら、最終的にはデジタルがアナログに、電気/電子的なものが機械的なものに取って代わるということでしょう。音楽
や動画をはじめ、出版物、写真、通信やエンジン制御においてさえ同様のことが言えます。機械的な仕組みとアナログマ
シンは数十年、場合によっては数百年の間使用されてきました。いずれも成熟したテクノロジであるため、問題点はすで
に対処され費用は可能な限り削減されており、利点と欠点もよく理解されています。新たに登場した電気/電子的でデ
ジタルな技術は、最初はパフォーマンスよりもむしろ将来性という今後への期待をもたらしますが、絶え間ない革新と開
発を続けるうちに市場を支配するようになります。それと同じことがバーコードリーダにもあてはまるでしょう」。
レーザスキャナの限界もまたよく知られています。レーザスキャナは一度に1つの走査ラインのみを取り込むため「読み
取り」能力に大きな制限があります。特に印刷状態が悪いバーコードの場合はそれが顕著です。また、レーザスキャナで
はバーコード画像を取り込むことができません。プロセス改善のために「読み取り失敗」の根本原因の分析を実施したい
と考える流通センターにはバーコード画像の取り込みが必要不可欠です。さらに、レーザスキャナの可動部は磨耗する
ため、頻繁な修理や交換を必要とします。
それに対しデジタル技術では、デジタルカメラが搭載しているような撮像素子を使い、マイクロプロセッサで画像を解析
します。コグネックス製DataMan®シリーズなどの画像ベースのバーコードリーダは、印刷状態の悪いコードの読み取
り率を改善し、パフォーマンスのフィードバックのために「読み取ることができない」コードの画像を保存する機能を備え
ています。また、可動部がない設計であるため、長い製品寿命を実現しています。
2 ホワイトペーパー:99%の読み取り率では不十分!:物流業界において読み取り率改善がもたらすメリット
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読み取り率改善の重要性
バーコードの読み取り率が費用に及ぼす影響を数値化するには、まずバーコードスキャナがバーコードを「読み取り」で
きないときに何が起きるかを理解することが重要です。「読み取ることができない」という状況が発生した場合には、読
み取りができなかったパッケージを別のステーションに移動させて、作業者がそのパッケージの重要な情報を手動で打
ち込むか、不良バーコードを新しいバーコードに交換してパッケージを仕分けシステムに戻す必要があります。このよう
な不具合は結果的に人件費の増加と自動仕分け装置の効率低下を引き起こします。
つまり低い読み取り率は、スループット量に比例して 表1)処理量の多い流通センターの場合*
損失拡大をもたらす原因となるのです。例えば、1日 仕分け装置の速度(メートル/分) 122
に126,760個という大量のパッケージを処理し、 パッケージのサイズ平均(センチ) 51
平均読み取り率が99%である流通センターが新し パッケージ間の距離(センチ) 76
いバーコード読み取りシステムに10万ドル投資す
るとします。新たに導入するバーコードリーダによっ 稼動(時間/日) 22
て、全体の読み取り率は0.9%改善されます。 利用(日/年) 350
この投資は流通センターにどの程度の実質的な価 1秒間の処理数(パッケージ) 1.60
値をもたらすでしょうか。その価値を分析する前に 1時間当たりの処理数(パッケージ) 5,760
仮定を行う必要があります。表1)にこの事例のため 1日当たりの最大処理数(パッケージ) 126,720
に想定された仮定を示します。 年間の最大処理数(パッケージ) 44,352,000
*大規模小売業者で一般的に使用される、処理量の多い出荷用仕分け装置を
元に計算。
0.9%の読み取り率改善が10万ドルの利益に相当
10万ドルを新しいバーコード読み取りシステムに投資した場合、この改善によって手動で再処理して仕分け装置に戻さ
なければならないパッケージの数は1日当たり1,141個、年間では399,350個減少します。時給15ドルの一般的な
作業者1人が「読み取ることができない」パッケージ1個の再処理に要する時間を1.5分と仮定すると、この投資は年間
149,756ドルの節約につながります。結果として、この流通センターは10万ドルのROIをわずか8か月で達成でき、2
年後には199,512ドルの利益に転じさせることができます。最新の画像ベースのバーコードリーダは寿命サイクルが
長いため、読み取り率を0.9%改善するだけで、年々最終的な収益の数字を大きく増加することができるのです。表2)
にこの事例で読み取り率をわずか1.99%改善するだけでもたらされる財務的影響を示します。
表2)処理量の多い流通センターの読み取り率/人件費の分析
読み取り率 読み取り失敗 1日当たりの最大
再処理時間の合計 再処理に必要な
処理数(パッケージ) (1人当たりの 作業員数 人件費(ドル/年間)時間/日)
97% 3,802 122,918 95.05 11.9 $499,012.50
98% 2,535 124,185 63.38 7.9 $332,718.75
99% 1,268 125,452 31.70 4.0 $166,425.00
99.5% 634 126,086 15.85 2.0 $83,212.50
99.9% 127 126,593 3.18 0.4 $16,668.75
4シグマ 89 126,631 2.23 0.3 $11,681.25
5シグマ 26 126,694 0.65 0.1 $3,412.50
6シグマ 1 126,719 0.03 0.003 $131.25
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3万ドルの投資に対する4か月の投資利益率(ROI)
処理量が少ない流通センターの場合サンプル数が小さくなりますが、そこで働く作業者にとっての重要性は変わりま
せん。この事例における流通センターは1日に82,368個のパッケージを処理しています。ですが、バーコードスキャ
ナが仕分け装置を通過するパッケージの2%の自動読み込みに失敗すると仮定すると、手動による再処理が必要なパ
ッケージの数は1日で1,647個、年間で494,100個にのぼります。その結果、1日当たりのスループットがパッケージ
82,368個から80,721個に、年間のスループットが2,470万個から2,420万個に低下します。表3)にこの事例のた
めに想定された仮定を示します。
表3)処理量の少ない流通センターの場合*
仕分け装置の速度(メートル/分) 122
パッケージのサイズ平均(センチ) 51
パッケージ間の距離(センチ) 91
稼動(時間/日) 16
利用(日/年) 300
1秒間の処理数(パッケージ) 1.43
1時間の処理数(パッケージ) 5,148
1日の最大処理数(パッケージ) 82,368
年間の最大処理数(パッケージ) 24,710,400
*ネット通販のフルフィルメントセンターの典型である処理量の少ない出荷
者を元に計算。
最初の事例と同様に、時給15ドルの作業者が1つのパッケージを再処理するのに1.5分かかるとし、全体での読み取り
失敗率が2%と仮定すると1日の追加作業量は41時間を超え、そのための人件費は年間185,175ドルに達します。仮
にフルフィルメントセンターが新しい画像ベースのバーコードリーダに3万ドル投資し、読み取り率を1%改善した場合
年間で92,587ドルの人件費削減につながり、わずか4か月でROIが100%達成されると同時に1日当たりのラインス
ループットが823個増加します。
99%だったラインの稼働率が、アップグレードの結果99.5%まで改善された場合、年間の削減金額は46,000ドルと
なり、投資3万ドルに対するROIが8か月以内で完全に達成されると同時に1日当たりのスループットが81,874個まで
増加します。表4)にこの事例で読み取り率が1.99%改善しただけでもたらされる財務的影響を示します。
表4)処理量の少ない流通センターの読み取り率/人件費の分析
1日当たりの最大 再処理時間の合計読み取り率 読み取り失敗 処理数(パッケージ) (1人当たりの
再処理に必要な 人件費(ドル/年間)
時間/日) 作業員数
98% 1,648 80,720 41.20 5.15 $185,175.00
99% 824 81,544 20.60 2.58 $92,587.50
99.5% 412 81,956 10.30 1.29 $46,350.00
99.9% 83 82,285 2.08 0.26 $9,337.50
4シグマ 58 82,310 1.45 0.18 $6,525.00
5シグマ 17 82,351 0.43 0.05 $1,912.50
6シグマ 1 82,367 0.03 0.00 $112.50
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読み取り率がコスト削減と効率化を加速
図1)および図2)の数値が示すとおり、資本設備の改善プログラムでバーコードの読み取り率を上げることは確実な投
資であり、短期間でROIを達成し時間とともに利益に対してプラスの影響をもたらします。流通センターが利益とスルー
プットの改善に着目し、今後見込まれる需要の増加に備える際、最新の画像ベースのバーコードリーダが目標達成に役
立ちます。
図1)読み取り率がコストに与える影響 図2)読み取り率がコストに与える影響:99.9%–6シグマ
コグネックス製バーコードリーダテクノロジがリードする物流業界の変革の詳細については、以下を参照してください。
•『 1-Dバーコード読み取りの新しい基盤:HotBars®画像解析テクノロジ』
http://www.cognex.com/ExploreLearn/FindOutMore/WhitePapersArticles/WhitePaperAndArt
icleMain.aspx?id=10300
•『 物流ソリューションのご紹介』
http://www.cognex.com/logistics-barcode-scanners.aspx
執筆者について
Matthew D. Engleは製品およびマーケティング戦略
部門で、物流業界におけるコグネックス製ID製品の成長
を主導。2005年入社、DataManバーコードリーダの
プロダクトマーケティングマネージャに就任。セールスエ
ンジニア、新規事業開発マネージャ(物流)を経て、
2014年より現職。コグネックス入社以前は、電子機器
業 界 の 組 み 立 て 装 置 の 製 造 メ ー カSpeedline
Technologiesのプロダクトマーケティングマネージャ
を経験。ニューハンプシャー大学にて電気工学学士、バブ
ソン大学でMBAを取得。
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コグネックス製バーコードリーダ:
あらゆるコード、あらゆる状況にも対応
固定式バーコードリーダ
産業向け固定式バーコードリーダDataManは、比類ないコード読
み取り性能と使いやすさを超小型の筐体に搭載しています。特許取
得済みのコグネックス1-Dバーコードおよび2-Dマトリックスコード
読み取りソフトウェアアルゴリズムで、最高クラスの性能をお届けし
ます。フレキシブルな照明と光学オプション、簡単な設定とスピーデ
ィな設置で、様々な現場の用途に対応します。
モバイルターミナル
MX-1000シリーズの画像ベースのモバイルターミナルなら、
各産業のバーコード読み取りアプリケーションにおいて、最新の
モバイル端末テクノロジを利用できます。フレキシブルな設計
が、モバイル端末の多様性を活用し、過酷な環境にも耐えうる頑
強な筐体で各機能性を高めます。
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