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Zetaゼータ 第6世代のハイエンド GC-QMSついに登場
長年培ってきたQMS技術を結集させた第6世代のハイエンドGC-QMSです。
環境、水質、農薬分析といった定量分析から、材料、におい分析といった定性分析まで幅広い測定・分析ニーズに対応した究極の高性能・汎用型 GC-MSです。
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このカタログについて
ドキュメント名 | JMS-Q1600GC UltraQuad SQ-Zeta ガスクロマトグラフ四重極質量分析計 |
---|---|
ドキュメント種別 | 製品カタログ |
ファイルサイズ | 6.1Mb |
登録カテゴリ | |
取り扱い企業 | 日本電子株式会社 (この企業の取り扱いカタログ一覧) |
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このカタログの内容
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Scientific / Metrology Instruments
ガスクロマトグラフ四重極質量分析計
JMS-Q1600GC
UltraQuad™SQ-Zeta
Page2
「Zeta ゼータ」
第 6 世代のハイエンド GC-QMS ついに登場
日本電子の新世代ガスクロマトグラフ四重極質量分析計 (GC-QMS) システム
JMS-Q1600GC UltraQuadTM SQ-Zeta は、長年培ってきた QMS 技術を結集させた
第 6 世代のハイエンド GC-QMS です。
環境、水質、農薬分析といった定量分析から、
材料、におい分析といった定性分析まで
幅広い測定・分析ニーズに対応した究極の高性能・汎用型 GC-MS です。
JMS-Q1600GC UltraQuadTM SQ-Zeta
1 JMS-Q1600GC
Page3
JEOL製 四重極質量分析計の系譜
JMS-K9
2003 ・第 1 世代の JEOL 製 GC-QMS
・大型双曲電極、大型 TMP 採用
・Novaspec ソフトウェア
JMS-Q1000GC
2005 ・クラス最高水準の SCAN 感度実現
・EscrimeTM ソフトウェア
・高濃度試料分析 EI イオン源
JMS-Q1000GC MkII
2008 ・更なる SCAN 感度向上
・JEOL 製ヘッドスペースサンプラー対応
JMS-Q1050GC
2011 ・フィラメント長期耐久性
・デュアルフィラメント搭載
・光イオン化法
JMS-Q1500GC
2016 ・新設計制御回路搭載と MSPRIMOTM ソフトウェア
・EscrimeTM ソフトウェアへの定性 / 定量解析の統合
・Draw-in Lens 搭載
JEOL における質量分析計は、1963 年に上市した JMS-01 の磁場セクター質量分析計に端を発しますが、1970 年代には四
重極質量分析計(Quadrupole MS: QMS)の基礎的な研究も盛んに行われてきました。1972 年に大型四重極(双曲電極)を
採用した高性能 GC-QMS、JMS-Q10 を上市しました。その後、1989 年に JMS-AM シリーズ Automass を上市し、
本格的に QMS 市場へ参入しました。
2003 年には待望の JEOL 製 GC-QMS、JMS-K9 を市場導入しました。JMS-K9 は大型双曲電極、大型 TMP を採用しており、
Automass のコンセプトを踏襲しつつ、最新回路技術や PC システムを搭載した装置です。2003 年以降、 JMS-K9 をベースとし
たシステムおよびハードウェアの改良を日々行なっており、今まで 5 世代の GC-QMS を市場導入してきました。
この度 JEOL では 6 世代目となる JMS-Q1600GC UltraQuadTM SQ-Zeta を新たに市場導入いたします。今まで培った匠の
技術を踏襲し、さらに機能をバージョンアップさせた新世代 GC-QMS システム JMS-Q1600GC UltraQuadTM SQ-Zeta に
ご期待ください。
JMS-Q1600GC 2
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高性能を約束する
匠の質量分析技術が結集
JMS-Q1600GC UltraQuadTM SQ-Zeta ではクラス最大の大型双曲形四重極を搭載しています。
双曲形四重極はイオン許容量が大きいため、広いダイナミックレンジと
優れたイオン透過性による高感度という 2 つの特長を両立させます。
高精度双曲形四重極
・ 優れたイオン透過性で高感度を達成
・ 大量のイオン導入によるクエンチ(イオン消失)を低減し、
広いダイナミックレンジを実現
正面
プリフィルター
・四重極の汚れによる分解能や感度低下を抑制
デュアルフィラメント
・フィラメント交換における装置ダウンタイムを低減
工具不要な
イージーメンテナンス!
イオン源取り外しに工具は一切必要ありません。
従来機種同様、大きなイオン源フランジを採用しており、高いメンテナンス作業性を確保しています。
1. カバーを外します 2. フランジを外します
3 JMS-Q1600GC
Page5
Draw-in Lens
・四重極出口からのイオンの拡散を抑制し、
ケミカルノイズを低減
・イオン再加速による感度向上
二次電子増倍管検出器
・大気による劣化に強い検出器を採用し、
高性能を長期維持
スプリットフローターボ分子ポンプ
・カラム交換・メンテナンス作業後の素早い真空立ち上げを可能に
・メガボア、パックドカラム使用可能
・最新の Low-Pressure GC (LPGC) カラムにも対応
3. ダイヤルを回して 4. イオン源を外します 5. イオン源からチャンバーを外し、
ストッパーを解除します 洗浄します
JMS-Q1600GC 4
Page6
UltraQuadTM SQ-Zeta の基本性能と多彩なハードウェアオプション
GC-MS に求められる基本性能を高い水準で達成!
多彩なハードウェアオプションにより様々なアプリケーションに対応します
JEOL 独自の高精度双曲形四重極と Draw-in Lens で高感度を実現!
UltaraQuadTM SQ-Zeta では、検出器の前段に多重化した「Draw-in Lens」を搭載しています。「Draw-in
Lens」は、ケミカルノイズ低減とイオン再加速による感度向上に寄与しています。
また装置制御システム(APU)を改良することにより、データ取得の効率とスピードの向上を達成しました。
UltraQuadTM SQ-Zeta はこれらの最新技術の採用により、検出感度と SCAN 速度が大幅に向上した最新の
GC-QMS システムです。
高感度:SCAN OFN 1pg S/N>1000、SIM:OFN 100fg S/N>500
標準 EI イオン源は最高クラスの感度を有しており、微量定量分析、定性分析にご活用いただけます。
m/z 272 1.2E+04 m/z 272
2.0E+05 S-G(3) SCAN 感度 S-G(3) SIM 感度
S/N(PP):346.18 OFN 1pg 1.0E+04 S/N(PP):898.16
S/N(RMS):1132.35 S/N(RMS):2802.23 OFN 100fg
1.5E+05 S/N>1000 S/N>500
8.0E+03
1.0E+05 6.0E+03
5.0E+04 4.0E+03
0.0E+00 2.0E+03
h:m:s 04:00 04:20 04:40 05:00 05:20 05:40 06:00 h:m:s 04:00 04:20 04:40 05:00 05:20 05:40 06:00
OFN:Octafluoronaphthalene
装置検出限界:IDL<5 fg 広いクロマトグラムダイナミックレンジ
OFN 20 fg を SIM モードで連続8回測定し、得られた抽出イ OFN 0.005 〜 1,000 pg を標準 EI イオン源の SIM モードで
オンクロマトグラムの面積値とその再現性より装置検出下限を算 測定したところ、検量線の決定係数は 0.999 以上を示す良好な
出したところ、2.6fg を達成しました。 直線性が得られました。5 桁以上を有する広いダイナミックレン
ジは定量分析のみならず、濃度差のある混合試料の定性分析にお
いても有効です。
x10^n
8
Injection No. Peak Area
100%
1 2,190 7
6
75% 2 2,186
3 2,419 5
50% 4 2,121 4
5 2,171 3
25%
6 2,196 2
0% 7 2,271 1 x10^n
4.48 4.50 4.52 4.54 4.56 4.58 4.60 4.62 8 2,304 -3 -2 -1 0 1 2 3
濃度 [ppb]
Fast GC への対応:SCAN 速度 22,222 u/sec
Fast GC は、内径が細く、長さが短いカラムを使
用して、高速昇温させることで、分離能力を維持し
たまま測定時間を短縮することが可能な手法です。
一方 Fast GC 分析では得られるクロマトグラム
ピーク幅が非常に狭くなるため、使用する質量分析
計には高速データ取得能力が求められます。
UltraQuadTM SQ-Zeta は SCAN 速度 22,222 u/
sec のデータ取り込み速度を有しており、Fast GC
分析に対応可能です。
左の例は市販のアロマオイル 0.1 µL(neat)をス
プリット(100:1)で、通常の GC 条件と Fast
アロマオイルの TICC 及びクロマトグラムピーク比較 GC 条件のそれぞれで測定した結果です。Fast GC
(上段:通常 GC 下段:Fast GC) により全体の測定時間を約 1/3 に短縮することが
できました。
5 JMS-Q1600GC
[1] 04:56
面積
[1] 05:05
Page7
ユニークな 2 つのオプション EI イオン源で
拡がる分析ソリューション!
UltraQuadTM SQ-Zeta では 2 種類のオプション EI イオン源が選択可能です。
高性能 EI イオン源は UltraQuadTM SQ-Zeta で新たに搭載したイオン源です。高感度化により、今まで諦めていた分析・アプリケーショ
ンが可能になります。
高性能 EI イオン源 : Enhanced Performance Ion Source(EPIS)(オプション)、装置検出限界:IDL<1 fg
EPIS ではイオン源チャンバーを改良することで高感度化を達成しました。EPIS における装置検出限界は IDL<1 fg(OFN 5 fg 注入、
8 回測定)です。業界最高レベルの感度は、
◦ 微量成分分析
◦ 濃縮作業の簡略化、試料導入量の低減(汚染低減)
◦ SIM定量からSCAN定量への置き換え(測定条件簡便化、ノンターゲット分析可能)
といった様々なメリットを生み出します。
定量分析のみならず定性分析にも活用いただけるオプション EI イオン源です。
100%
Injection No. Peak Area
1 7,093
75% 2 7,356
3 7,454
50% 4 7,473
5 7,366
25% 6 7,175
7 6,695
8 6,997
0%
4.5 4.6
OFN 5 fgをSIMモードで連続8回測定し、
得られた抽出イオンクロマトグラムの面積
値とその再現性より装置検出下限を算出し
たところ、IDL 0.6 fg を達成しました。
高濃度試料分析 EI イオン源(オプション)、SCAN OFN 1pg S/N>20
本イオン源ではチャンバー開口部を広げることで、イオン源とレンズの汚染が標準イオン源よりも軽減しています。
また廃液中の VOC などの高濃度試料を希釈なしで測定しても、良好なデータが取得できます。
高濃度域までのダイナミックレンジ・直線性を持ち、再現性、耐久性も兼ね備えた、高濃度の試料測定に最適なイオン源です。
1.E+08
Amount (ng) Peak Area
1.E+07 0.01 828
1.E+06 0.1 8,190
1 74,607
1.E+05
10 759,032
1.E+04 100 10,052,036
1.E+03 300 29,281,767
1.E+02
0.01 0.1 1 10 100 1000 相関係数 0.9998
Amount (ng)
VOC 測定で使用される p-Bromofluorobenzene で、
300 ng まで直線性を維持
JMS-Q1600GC 6
Peak Area
Page8
特長あるソフトイオン化法を
アプリケーションに応じて使い分け!
UltraQuadTM SQ-Zeta ではソフトイオン化法として光イオン化法(PI)と化学イオン化法(CI)が使用可能です。
また標準 EI イオン源では、イオン化電圧を 10 〜 20 eV 程度に下げることでフラグメントイオン発生を抑制する Low-Energy EI 法も
可能です。
定性分析、定量分析に活用可能なソフトイオン化法
イオン化エネルギー : 高 2-Octanone
EI 43
(ハードイオン化) 58
EI 法は最もハードなイオン化法であるため、 C8H16O=128
7 M+・
分子イオン以外にも多くのフラグメントイオ 15 27 1
85 113 128
ンが観測され、分子イオンが全く観測されな m/z 20 40 60 80 100 120 140 160 180 200
いこともしばしばあります。
[M+H]+
CI 129
UltraQuadTM SQ-Zeta では PI・CI・ (Methane) [M+C2H5]+
Low-Energy EI がソフトイオン化法として [M+C3H5]+
使用でき、分子イオンやプロトン付加分子と 43 58 69
85 109 157169
いった分子量情報を与えるイオンを観測する
m/z 20 40 60 80 100 120 140 160 180 200
ことが可能です。
100% M+・
PI 128
これらのソフトイオン化法は、 75%
ライブラリーデータベース検索による定性分 50%
析の確認作業や、選択性を活かした定量分析 25%
59 72 85 113
への応用が可能です。 0%
イオン化エネルギー : 低 m/z 20 40 60 80 100 120 140 160 180 200
(ソフトイオン化) イオン化法によるスペクトルの違い(試料:2-Octanone)
光イオン化法 EI/PI 共用イオン源(オプション)
光イオン化 (PI) 法は、真空紫外線 (VUV) ランプを用いたイオン化法であり、 TICC
Styrene
monomer
EI 法 ( ハードイオン化法 ) と PI 法 ( ソフトイオン化法 ) を組み合わせた共 GC/EI TICC
用イオン源として使用できます。EI フィラメントの ON/OFF、PI ランプの Styrene
ON/OFF を行うだけで、EI 法と PI 法の切り替えが可能です。 trimer
Styrene
フィラメント dimer
Toluene
特長 AB
▶ イオン源交換不要 05:00 10:00 15:00 20:00 25:00 30:00 35:00
EI TICC
▶ 真空解除不要 PI GC/PI TICC
▶ 試薬ガス不要
重水素ランプ
▶ 主に定性分析向け e- MS へ
AB
05:00 10:00 15:00 20:00 25:00 30:00 35:00
PI 使用時は ランプ:ON、 フィラメント:OFF
EI 使用時は ランプ:OFF、 フィラメント:ON Peak A Peak B
117 EI 105 O EI
77
EI/PI 共用イオン源の概要図
51 120
39 51 1-Propenylbenzene 43 Acetophenone
27 63 78 89103 15 27 63 91
20 40 60 80 100 120 140 150 180 200 20 40 60 80 100 120 140 150 180 200
EI/PI
118 120
PI PI
105
20 40 60 80 100 120 140 150 180 200 20 40 60 80 100 120 140 150 180 200
発泡スチロールの Py/GC-MS 測定結果
紫外線を強く吸収する芳香族炭化水素は、PI 法で優先的に
イオン化されるため、高感度に分子イオンを検出可能です。
7 JMS-Q1600GC
Page9
化学イオン化法 CI イオン源(オプション)
化学イオン化 (CI) 法では、試薬ガスと試料分子とのイオン分子反応によりプロトン付加分子を生成するイオン化法です。試薬ガスにはメ
タン、イソブタン、アンモニアなどが使用されます。
CI 法ではポジティブモードとネガティブモードでの測定が可能です。一般には、ポジティブモードは分子量確認などの定性分析に使用さ
れます。ネガティブモードは、PCB などの含ハロゲン化合物の定量分析に使用されます。
特長
▶ 試薬ガス必要
▶ ポジティブモード
ネガティブモードが可能
フタル酸ジエチル テトラデカン
GC カラム フィラメント 熱電子 (DEP) 分子式:C14H30
149
El 分子式:C12H
57
14O4 分子量:198
e- 分子量:222 71
85
MS 177
65 76 105 198
60 80 100 120 140 160 180 200 220 240 60 80 100 120 140 160 180 200
223[M+H]+ 197[M-H]+
リペラ
試薬ガス 気密なイオン化室 Cl
B メタンガス
◦試薬ガスB
◦試料分子M
60 80 100 120 140 160 180 200 220 240 60 80 100 120 140 160 180 200
ポジティブモードで得られるイオン種の例
ポジティブモード:
◦ M + [B+H]+ → [M+H]+ + B(プロトン付加)
◦ M + [B+H]+ → [M+B+H]+(反応イオン付加)
◦ M + [B+H]+ → [M-H]+ + [B+2H]( H- の引き抜き)
ネガティブモード:
◦ M + e- → [M]-・(共鳴電子捕獲)
◦ M + e- → [M-N]- + N・(解離性共鳴電子捕獲)
低真空用フィラメント(オプション) ダイレクト MS プローブ(オプション)
JEOL では、酸素雰囲気下においても安定した EI 測定が可能な GC では難しい高沸点成分の測定はダイレクト MS プローブを用
低真空用フィラメントを開発しました。 いた測定が有効です。
これにより、合成プロセスと同様の酸素雰囲気下での TG 測定が UltraQuadTM SQ-Zeta では 2 種類のダイレクト MS プローブ
可能です。 を選択できます。
試料の形態や物性、目的に応じてプローブを選択します。
TICC 直接導入プローブ /F
TICC (Direct Exposure Probe: DEP)
TICC ◦ 溶媒に溶かすか分散させた試料を
TICC O2=0% (v/v) 先端のフィラメントに塗布します
TICC O2=2% (v/v) ◦ 高沸点化合物/熱不安定化合物に
100% TICC O2=5% (v/v) 最適です
75% O2=8% (v/v)
50% O2=10% (v/v)
25%
O2=20% (v/v)
0%
200°C 300°C 400°C 500°C 直接導入プローブ /C
(Direct Insertion Probe: DIP)
各酸素濃度で TG 測定したポリスチレンの TICC
◦ 固体試料をそのままガラス試料管
各 TICC においてポリスチレンの分解によって生じた発生ガスの に導入して測定可能です
ピークが観測されていますが、酸素濃度が増加するにつれてピー ◦ 高沸点化合物/溶媒に溶けにくい
試料に最適です
クの発生温度が低くなっています。ポリスチレンの熱分解温度が
酸素濃度によって変化することが分かります。
JMS-Q1600GC 8
Page10
新感覚の制御ソフトウェア "MSPRIMOTM"
使いやすさを追求した
ユーザーインターフェイス
MSPRIMOTM は、JMS-Q1500GC から採用された JEOL GC-QMS シリーズ制御ソフトウェアです。
従来のソフトウェアにおいて複数のウィンドウに分割されていた機能を 1 つのウィンドウに集約しており、直感的で分かりやすいインター
フェイスとなっています。
MS メソッド
GC メソッド
画面左側に常時装置の状態を表示しているため、容易に状態確認できます。また
1 画面内を切り替えて、チューニング/キャリブレーション、GC メソッド編集、
MS メソッド編集、シーケンス設定が可能です。
測定、装置制御、解析作業との連携が可能な
マルチファンクションシーケンス
測定(分析)のみならず、装置起動や停止な
どもスケジューリング可能です。
MSPRIMOTM は、測定、装置制御、解析作業指示が行える、マルチファンクションシーケンスを搭載しています。
作業開始を時間設定できるため、自由な作業スケジューリングが可能です。測定終了後の装置シャットダウン、連続測定の任意位置での
チューニング、測定済みデータへの定量解析実施、など、日々の分析業務をサポートします。
9 JMS-Q1600GC
Page11
自動 SIM 条件作成機能
Peak Dependent SIM で簡単・高感度な定量分析
今まで煩わしかった SIM グルーピング作業を行う必要はもうありません。
自動 SIM 条件作成機能 Peak Dependent SIM は最適な SIM グルーピングを自動で設定します。
誰でも簡単に最適化した SIM 条件で測定を行うことができます。
SIM 測定における 1 グループあたりのチャンネル数は 100、グループ数は 500 まで設定可能です。
作成開始
F
Scan
B D
C G
A E I Scan 条件による測定
F H
B F 定性解析によるピーク判定
D
A C 成分数が多すぎるとチャンネル当たりの
積算時間が不足し、感度が低下する
一般的な SIM E G
定量条件設定による条件ファイル作成
H I
グループ1 グループ2 グループ3
SIM 条件メソッドファイルの作成
Peak Dependent SIM B F
D ピークの溶出時間に応じて、必要なチャンネルが
A C 作成完了
G 自動的に設定されるため感度が低下しにくい。
E
H I
Peak Dependent SIM
条件作成フロー
Peak Dependent SIM (pd-SIM) による農薬分析アプリケーション:MSTips No. 295
水道規制農薬の一斉分析に 40
39
38
関する検討 20 37 120 137
19 36 119 136
18 35 62 84 118 135
17 34 61 83 134
16 33 60 82 117
133
15 32 59 81 116
115 132
「水道水質基準水質管理目標設定項目」が対象 14 31 58 80 114 131
13 30 57' 79 113
12 29 56 78 100 112 129 130
とする農薬類のうち 134 成分の pd-SIM 測定 11 28 77
10 27 55 99 111 128
9 26 54 76 98 110
53 127
75 97 109
例です。 8 25 52 126
74 96
7 24 51 95 108 125
6 23 73
50 107
72 94 124
5 22 49 71 106
93 123
4 21 48 105
70 92 122
47 104
69 121
91 103
多成分が対象のため、特に保持時間 10 〜 15 3
2 46 68 90 102
1 45 67 89 101
分の間は数多くの農薬成分が溶出しています 44 66 88
43 65 87
42 64 86
が、pd-SIM を使用することで農薬成分に応じ 41 63 85
て必要なチャンネルを適切に設定することが 5min 10min 15min 20min
できました。 pd-SIM 条件(番号は下表の化合物に対応)
# Name Q-ion R.T. C.V. Q-ion V. -ion R.T. C.V.
(m/z) (min) (%) r # Name R.T. C.
(m/z) (min) (%) r # Name Q
(m/z) (min) (%) r
また pd-SIM の適切なチャンネル設定により、 1 Dichlorvos 185 6.14 1.0 0.999 47 Fenitrothion 277 11.61 6.4 0.998 93 Uniconazole p 234 13.69 2.9 0.997
一般的な SIM と比べて感度向上する農薬成分 2 Dichlobenil 171 6.92 1.0 0.999 48 Bromacil 205 11.63 2.5 0.998 94 Fenthion oxon sulfone 294 13.74 4.8 0.998
3 Etridiazole 211 7.68 1.4 0.999 49 (e)-dimethylvinphos 295 11.68 2.2 0.999 95 Buprofezin 105 13.80 1.8 0.999
が多数見られました。 4 Trichlorfon 79 7.76 - 0.989 50 Malathion 127 11.73 4.6 0.999 96 Isoxathion 105 14.00 1.8 0.998
5 Chloroneb 191 8.06 2.2 0.999 51 Chlorpyrifos oxon 270 11.76 4.4 0.996 97 Cyproconazole 222 14.09 1.7 0.998
6 Isoprocarb 121 8.28 3.1 0.998 52 Esprocarb 91 11.76 1.4 0.999 98 (z)-pyriminobac-methyl 302 14.21 3.4 0.999
7 Molinate 126 8.39 1.3 0.999 53 Quinoclamin 207 11.85 2.2 0.999 99 Fenthion sulfoxide 279 14.28 3.1 0.997
もちろん pd-SIM においても測定結果は安定 8 Fenobucarb 121 8.80 0.7 0.999 54 Metolachlor 162 11.87 1.8 0.999 100 Fenthion sulfone 310 14.36 2.7 0.999
9 Propoxur 110 8.81 1.4 0.999 55 Chlorpyrifos 197 11.89 2.6 0.999 101 Endosulfan β 195 14.40 3.7 0.999
しており、農薬 5 ppb の変動係数(n=5)は 10 Trifluralin 306 9.20 4.2 0.999 56 Cyanazine 225 11.91 5.5 0.999 102 Mepronil 119 14.64 1.3 0.998
11 Benfluralin 292 9.25 3.3 0.998 57 Thiobencarb 100 11.92 0.6 0.999 103 Chlornitrofen 317 14.88 5.3 0.998
10% 以下の良好な再現性を示しました。 12 Cadusafos 159 9.45 4.9 0.999 58 (z)-dimethylvinphos 295 11.92 2.5 0.998 104 Propiconazole-1 259 14.97 2.1 0.999
13 Pencycuron 125 9.51 2.2 0.999 59 Fenthion 278 11.95 1.8 0.999 105 Edifenphos 109 14.98 3.1 0.999
14 Dimethoate 125 9.80 5.6 0.998 60 Chlorthal-dimethyl 301 11.99 1.3 0.999 106 (e)-pyriminobac-methyl 302 15.01 2.1 0.999
15 Simazine 201 9.88 3.5 0.999 61 Isofenphos oxon 229 12.02 2.1 0.996 107 Propiconazole-2 259 15.08 1.9 0.999
16 Atrazine 200 9.95 3.2 0.999 62 Tetraconazole 336 12.03 1.6 0.999 108 Endosulfan sulfate 272 15.08 2.8 0.999
17 Diazinon oxon 137 10.03 2.3 0.997 63 Fthalide 243 12.24 3.2 0.999 109 Epn oxon 141 15.18 3.7 0.998
18 Cyanofos 243 10.20 1.4 0.999 64 Fosthiazate 195 12.35 5.4 0.997 110 Thenylchlor 127 15.29 1.3 0.999
19 Propyzamide 173 10.25 3.3 0.999 65 Pendimethalin 252 12.47 5.6 0.997 111 Tebuconazole 250 15.38 4.0 0.999
20 Diazinon 179 10.26 1.1 0.999 66 Cyprodinil 224 12.48 1.5 0.999 112 Pyributicarb 165 15.68 1.0 0.998
21 Pyroquilone 173 10.34 0.7 0.999 67 Dimethametryn 212 12.56 1.3 0.999 113 Iprodione 314 15.78 6.8 0.996
22 Chlorothalonil 266 10.43 2.7 0.999 68 Thiamethoxam 212 12.56 1.3 0.999 114 Pyridafenthion 340 15.78 1.6 0.998
23 Disulfoton 97 10.48 2.1 0.998 69 Isofenphos 213 12.63 3.4 0.999 115 Acetamiprid 152 15.79 7.2 0.999
24 Anthracene-d10 188 10.52 70 Methyl daimuron 107 12.75 10.8 0.998 116 Epn 157 15.99 3.9 0.998
25 Iprobenfos 91 10.73 2.0 0.998 71 Phenthoate 274 12.75 2.7 0.999 117 Piperophos 122 16.02 5.6 0.997
26 Tolclofos-methyl oxon. 249 10.90 1.8 0.999 72 Procymidone 283 12.83 0.9 0.999 118 Cumyluron 267 16.05 14.5 0.999
27 Fenitrothion oxon 244 10.96 6.4 0.998 73 Captan 79 12.83 1.8 0.998 119 Chrysene-d12 240 16.09
28 Benfuresate 256 10.96 3.5 0.999 74 Triflumizole 278 12.84 5.3 0.998 120 Orysastrobin 205 16.14 5.4 0.997
29 Dichlofenthion 279 10.98 0.9 0.999 75 Butamifos oxon 244 12.85 5.8 0.998 121 Anilofos 226 16.26 3.1 0.998
30 Propanil 161 11.00 3.7 0.999 76 Dimepiperate 119 12.86 1.5 0.999 122 Bifenox 341 16.27 8.6 0.997
31 Terbucarb 205 11.01 2.0 0.999 77 Methidathion 145 13.02 3.4 0.998 123 Indanofan 174 16.27 5.7 0.999
32 Metribuzin 198 11.07 2.2 0.999 78 Propaphos 220 13.04 3.8 0.998 124 Furametpyr 157 16.36 1.4 0.999
33 Malaoxon 127 11.08 1.5 0.999 79 Tetrachlorvinphos 329 13.12 2.4 0.999 125 Phosalone 182 16.59 2.0 0.997
34 Chlorpyrifos-methyl 286 11.09 1.5 0.999 80 Butachlor 176 13.17 2.8 0.999 126 Pyriproxyfen 136 16.74 1.5 0.999
35 Bromobutide 119 11.10 2.7 0.999 81 Paclobutrazol 236 13.19 2.2 0.998 127 Cyhalofop-butyl 256 16.77 2.1 0.999
36 Alachlor 188 11.21 2.7 0.999 82 Butamifos 286 13.32 7.2 0.998 128 Mefenacet 192 16.82 3.0 0.998
37 Simeconazole 121 11.21 1.1 0.998 83 9-bromoanthracene 256 13.36 129 Pyraclofos 360 17.39 2.3 0.999
38 Tolclofos-methyl 265 11.23 1.4 0.999 84 Endosulfan α 195 13.37 6.7 0.999 130 Cafenstrole 100 18.28 2.4 0.998
39 Simetryn 213 11.25 1.2 0.999 85 Flutolanil 173 13.42 4.6 0.999 131 Etobenzanid 179 18.29 2.9 0.999
40 Ametrine 227 11.31 1.7 0.999 86 Napropamide 72 13.43 1.0 0.999 132 Boscalid 140 18.93 2.6 0.999
41 Metalaxyl 160 11.32 2.8 0.999 87 Metominostrobin 191 13.46 4.4 0.999 133 Etofenprox 163 19.32 3.2 0.999
42 Prometryn 241 11.36 4.8 0.999 88 Isoprothiolane 118 13.52 1.2 0.999 134 Thiacloprid 126 19.80 7.4 0.998
43 Cinmethylin 105 11.38 1.3 0.999 89 Isoxathion oxon 161 13.53 1.8 0.996 135 Difenoconazole-1 323 21.11 5.4 0.999
44 Mpp oxon 262 11.39 3.1 0.998 90 Pretilachlor 176 13.54 2.6 0.999 136 Difenoconazole-2 323 21.24 4.7 0.999
45 Dithiopyr 354 11.40 5.2 0.999 91 Thifluzamide 194 13.66 2.2 0.998 137 Pyrazoxyfen 105 21.28 1.9 0.999
46 Pirimiphos-methyl 290 11.54 1.9 0.998 92 Fenthion oxon sulfoxide 262 13.68 2.2 0.999
農薬 134 成分 5ppb の変動係数(n=5)
JMS-Q1600GC 10
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実績ある多成分定量解析ソフトウェア "EscrimeTM"
充実した定量解析機能を搭載!
定性解析までもフォローします
多成分定量解析ソフトウェア EscrimeTM では、クロマトグラムピークの面積計算、検量線の作成、定量値の算出を自動で行うことはもち
ろん、その後の面積計算範囲の個別設定、一括変更、定量イオンの変更が行え、定量計算処理にかかる時間を大幅に短縮できます。
定量条件作成及び解析は、MSPRIMOTM との連携が可能です。より簡単に、効率よく解析作業を実施いただけます。
定量解析結果のレポートフォーマットは、目的・用途に応じて自由にカスタマイズ可能です。
EscrimeTM は多試料、多成分の定量解析に必須のソフトウェアです。
面積計算範囲 レポート出力例
ブランク
0.1 ppb
1 ppb
10 ppb
実試料
複数検体に含まれる成分ピーク、または一検体中の複数成分ピークを同一画面上に表示できます。
また、ピーク面積計算範囲を同時に変更でき、多検体が一括に処理できます。
また EscrimeTM には、定性解析機能(別ウィンドウで起動)も搭載
しています。
スペクトル自動作成・ライブラリー検索、クロマトグラムピークリスト
作成、クロマトグラム作成などを行うことが可能です。
定性解析した結果を、定量条件に Drag&Drop でコピーして使用する
ことが可能です。
ダイオキシン・PCB 専用定量解析ソフトウェア "TQ-DioK"
TQ-DioK は、EscrimeTM とダイオキシン
類専用定量分析ソフトウェア DioK をベー
スとして開発された、卓上型 GC-MS 専用
のダイオキシン・PCB 定量分析ソフトウェ
アです。
TQ-DioK では環境試料中のダイオキシン分
析や、塗膜くず中の PCB 分析といった専門
的な定量分析作業の大半を自動化しており、
解析に要する時間を大幅に短縮しました。
EscrimeTM の使い易さと、DioK の専門性
を兼ね備えた定量ソフトウェアです。
TQ-DioK は今までの煩雑な解析フローを自動化!
誰でも簡単にダイオキシン・PCB 定量分析が可能です
11 JMS-Q1600GC
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EscrimeTM アプリケーション:水中 VOC 成分等の定量分析(MSTips No. 333)
同一カラムによる VOC、カビ臭気原因物質、エピクロロヒドリン、スチレン、
1,2,3- トリクロロベンゼンの分析
水道の水質検査において、ヘッドスペース -GC-MS 法が複数の項目で
検査方法として採用されていますが、測定に使用する機器構成の違い
により、1 台の装置で異なる項目を測定する際には、カラム交換等が
必要となるケースが殆どです。
今回、液相に (6% シアノプロピルフェニル - 94% ジメチルポリシロ
キサン)を採用した低/中極性カラム DB-1301( 長さ 60 m, 内径
0.32 mm, 膜厚 1 µm) を使用して、水質基準項目の揮発性有機化合物
(VOC) 、カビ臭原因物質である 2- メチルイソボルネオール (2-MIB)
、ジェオスミンの 3 項目、要検討項目のエピクロロヒドリン、スチレ
ン、1,2,3- トリクロロベンゼンの 3 項目を、それぞれ機器パラメーター
のみ変更して測定する方法について検討したところ、検量線の直線性、
下限濃度における再現性等について良好な結果が得られました。
1,4-Dioxane 2-Methylisoborneol
0.14 0.5 Compound Name C.V.
(%) R Compound Name C.V.
(%) R Compound Name C.V.
(%) R
0.12 0.4
0.10
0.08 0.3 1,1-Dichloroethylene 0.7 0.9999 Trichloroethylene 0.1 0.9999 m-Xylene & p-Xylene 0.3 0.9992
0.06 0.2 Dichloromethane 1.1 0.9999 1,2-Dichloropropane 0.8 0.9999 o-Xylene 0.4 0.9999
0.04
0.02 0.1 t-vhyl Ether 0.4 0.9999 Bromodichloromethane 0.6 0.9999 Bromoform 0.6 0.9990
0.00 0.0
0 2 4 6 8 10 12 14 16 18 20 0 2 4 6 8 10 12 14 16 18 20 trans-1,2-Dichloroethylene 0.7 0.9999 1,4-Dioxane 1.1 0.9999 p-Dichlorobenzene 1.1 0.9999
Concentration [ppb] Concentration [ppb]
cis-1,2-Dichloroethylene 0.6 0.9999 cis-1,3-Dichloropropene 1.7 0.9990 2-Methylisoborneol 4.5 0.9996
8.0+E+02 m/z 88 3.25+E+03 m/z 108
3.0+E+03
7.0+E+02 2.75+E+03 Chloroform 0.8 0.9999 Toluene 0.7 0.9999 Geosmin 3.4 0.9996
6.0+E+02 2.5+E+03
5.0+E+02 2.25+E+03 1,1,1-Trichloroethane 0.4 0.9999 trans-1,3-Trichloroethane 2.2 0.9985 Epichlorohydrin 2.6 0.9999
4.0+E+02 2.0+E+03
3.0+E+02 1.75+E+03 Carbon Tetrachloride 1.6 0.9999 1,1,2-Trichloroethane 3.0 0.9990 Styene 1.5 0.9990
2.0+E+02 1.5+E+03 1,2-Dichloroethane 0.8 0.9998 Tetachloroethane 2.3 0.9996 1,2,3-Trichlorobenzene 9.0 0.9997
11.20 11.40 11.60 11.80 12.00 12.20 12.40 12.60 26.20 26.30 26.40 26.50 26.60 26.70 26.80 Benzene 1.2 0.9999 Dibromochloromethane 0.8 0.9991
Geosmin Epichlorohydrin
2.5 0.018
0.016 各成分下限濃度における変動係数(n=5)と検量線相関係数
2.0 0.014
1.5 0.012
0.010 [下限濃度]
1.0 0.008
0.006
0.5 0.004 VOC(1,4- ジオキサン除く):0.1 ppb
0.002
0.0 0.000
0 2 4 6 8 10 12 14 16 18 20 0.0 0.1 0.2 0.3 0.4 0.5 0.6 0.7 0.8 1,4- ジオキサン:1 ppb
Concentration [ppb] Concentration [ppb] 2-MIB、ジェオスミン:1 ppt
1.2+E+04 m/z 112 2.1+E+03 m/z 49
1.1+E+04 2.0+E+03
1.9+E+03 エピクロロヒドリン:0.04 ppb
1.0+E+04
9.0+E+03 1.8+E+03
1.7+E+03 スチレン、1,2,3- トリクロロベンゼン:0.1 ppb
8.0+E+03 1.6+E+03
7.0+E+03 1.5+E+03
6.0+E+03 1.4+E+03
5.0+E+03 1.3+E+03
30.10 30.20 30.30 30.40 30.50 30.60 30.70 30.80 12.40 12.60 12.80 13.00 13.20 13.40 13.60
代表成分の検量線と抽出イオンクロマトグラム
TQ-DioK アプリケーション:PCB 定量分析(MSTips No. 313)
GC-QMS 法による塗膜くず中の Average
低濃度 PCB 分析 5.0+E+04
4.0+E+04
3.0+E+04
定量対象試料としては試料量 5g の塗膜くずを「低濃度 PCB 2.0+E+04
含有廃棄物に関する測定方法(第 5 版)」に準拠する形で処理 1.0+E+04
し、内部標準物質として PCB 標準液 MBP-MXP(Wellington 16.00 18.00 20.00 22.00 24.00 26.00
Laboratories 製)を添加したものを用いました。 塗膜くず中の P5CB 平均同族体クロマトグラム
測定条件は「絶縁油中の微量 PCB に関する簡易測定法マニュ
アル(第 3 版)」を参考に設定しました。
PCB 標準液から得た同族体ごとの平均相対感度係数(Av-
RRF)の相対標準偏差(RSD)はそれぞれ 2.4 〜 4.9%となり、
良好な再現性が得られました。得られた Av-RRF を用いて算
出した塗膜くず中の PCB 濃度は 1.2 mg/kg となりました。
相対感度係数の再現性
JMS-Q1600GC 12
Area Ratio Area Ratio
Area Ratio
Area Ratio
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統合定性解析ソフトウェア "msFineAnalysis iQ"
ライブラリー検索だけの定性分析から脱却!
ソフトイオン化法データを組み合わせた 1 ランク上の定性解析を実現
GC-TOFMS 専用統合解析ソフトウェア msFineAnalysis で培ったノウハウを QMS データ解析に適用させた msFineAnalysis iQ
の登場です。
msFineAnalysis iQ は、EI マススペクトルを用いたライブラリー検索と、ソフトイオン化マススペクトルを用いた分子量確認を組み合
わせた、自動定性解析ソフトウェアです。ライブラリー検索結果にソフトイオン化マススペクトルの解釈を加えることで、従来のライ
ブラリー検索だけの定性解析結果に比べて、同定確度の向上が期待されます。msFineAnalysis iQ は GC-MS 定性解析ソフトウェア
の大本命です。
ライブラリー検索だけの定性分析に潜むリスク…
それ、本当に同定できていますか?
EI 法はライブラリーデータベースが豊富なため、
GC-MS 定性分析に幅広く使用されています。しか スペクトル:EI(ID:069, RT:8.45 min) スペクトル:SI(ID:069, RT:8.47 min)
x106
4.00 x105
105 2.00 314
しながら EI 法はイオン化時のエネルギーが高く、 3.00 149
1.50
分子イオンが生じないことがしばしばあります。 2.00 77 1.00
1.00 51 0.50
右に示す EI マススペクトルでは分子イオンが観測
0.00 0.00
されていません。そしてライブラリー検索の結果 50 100 150 200 250 300 50 100 150 200 250 300
m/z m/z
M.F. スコア 800 以上に 5 つの候補が得られまし
た。EI 法データだけですと最高スコアの #1 の化 成分 A の EI マススペクトル 成分 A のソフトイオン化
マススペクトル
合物であると結論付けてしまいがちですか、この結
論は誤りです。なぜならこの化合物をソフトイオン # 化合物名 M.F. 分子式 分子量
化法で測定すると分子イオンと思われるm/z 314 1 2,2'-(Ethane-1,2-diylbis(oxy))bis(ethane-2,1-diyl) dibenzoate 828 C20 H22 O6 358
が観測されていることから、この化合物は分子量
2 Diethylene glycol dibenzoate 821 C18 H18 O5 314
314 である可能性が高く、#1 の候補の分子量と
合致しないからです。 3 Benzoic acid, 2-(3-nitrophenyl)ethyl ester 810 C15 H13 N O4 271
ソフトイオン化マススペクトルの結果と合致するの 4 1,3-Dioxolane, 2-(methoxymethyl)-2-phenyl- 802 C11 H14 O3 194
は #2 の候補であり、この化合物は #2 である可能 5 3,6,9,12-Tetraoxatetradecane-1,14-diyl dibenzoate 800 C24 H30 O8 446
性が高いと言えます。 成分 A のライブラリー検索結果 上位 5 候補
ライブラリー検索だけではこのような誤認をしてし
まう場合があり、ソフトイオン化データでの確認が
重要となります。
ライブラリー DB 検索と解析 分子イオンの探索 msFineAnalysis iQ では、以下の作業を自動で行います。
GC/EI データ GC/ソフトイオン化(SI)データ ①ピーク検出(デコンボリューション or TIC ピーク検出)
② EI と SI データの紐づけ(リンク)
クロマトグラムピーク検出 ( デコンボリューション検出 or TIC ピーク検出 ) ③ライブラリー検索(EI)
④分子イオン探索(SI)
EI、SI データ中の各ピークのリンク ⑤ライブラリー検索結果の絞り込み(EI、SI 統合)
⑥統合解析結果の提供
ライブラリーデータベース検索 分子イオン探索
ライブラリー検索だけの定性分析から脱却し、1 ランク上の定性
リテンションインデックス 照 解析結果を、自動で迅速に提供致します。
による候補絞り込み 会
分子イオン確認による
候補絞り込み
統合解析結果
統合解析ワークフロー
※ msFineAnalysis iQ はオプションソフトウェアです
13 JMS-Q1600GC
強度
強度
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GC/EI データ 統合解析結果
GC/SI データ
EI マススペクトル
統合解析結果 SI マススペクトル
クロマトグラム情報 統合解析結果(ライブラリー検索+分子イオン確認) スペクトル情報
統合解析結果画面 個別マススペクトル解析画面
統合解析結果画面では、EI 及びソフトイオン化 (SI) クロマトグラムデータと、クロマトグラム情報、スペクトル情報、ライブラリー検索
と分子イオン解析結果を合わせた統合解析結果の確認が可能です。解析結果一覧で各行をダブルクリックすると、個別マススペクトル解
析画面が起動します。ここではライブラリー検索結果と分子イオン解析結果に対して、確認及び再解析が可能です。
msFineAnalysis iQ がもつ多彩な機能
デコンボリューション検出 EI データ単独でも解析可能
GC/EI 黒色実線:TICC
データ 灰色ピーク:デコンボリューションピーク(青色は選択中)
GC/EI データ
GC/SI データ 緑色実線:TICC
灰色ピーク:デコンボリューションピーク(青色は選択中)
統合解析結果
デコンボリューション検出例:
各ピークがデコンボリューション検出された成分を示しています
デコンボリューション検出では TICC 上で確認できない微量成分 GC/EI データ単独での解析にも対応しています。時間がない、サ
や、あたかも 1 成分として検出されているピーク中の複数成分検 ンプルがないといった理由で EI データしか取得していない場合
出(左図)が可能です。 でも心配はいりません。EI データからの分子イオン探索とライブ
ラリー検索を組み合わせた解析結果を提供します。
2 検体比較(差異分析)機能 リテンションインデックス定性分析
A、Bに共通な成分
Aに特徴的な成分 Bに特徴的な成分
n- アルカン混合物
4 の GC/EI データ
3
2
1
0
-4 -3 -2 -1 0 1 2 3 4
Log2(B/A)
A B
リテンションインデックス作成画面
ボルケーノプロット:
2 検体間の差異と再現性を表現し、特徴成分を視覚的に捉えられます リテンションインデックス(保持指標)は n- アルカンの保持時
間を基準とした相対的な指標値です。
定性分析において 2 検体の比較、例えば正常品と不良品、新 対象成分の保持時間を保持指標に変換し、データベースなどに収録
規材料と既存材料、といった分析ニーズが高まっています。 された保持指標値と比較することで定性分析を行うことが可能です。
msFineAnalysis iQ を使えば自動で差異成分の抽出と定性
msFineAnalysis iQ ではリテンションインデックス値による検
分析を実施します。 索候補の絞り込みが可能です。
JMS-Q1600GC 14
-Log10(p-value)
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ニーズに対応した前処理装置との連携
ヘッドスペース(HS) パージ & トラップ(P&T)
JEOL 製ヘッドスペースサンプラー
MS-62071STRAP ■ Purge&Trap GC-MS システム
パージ&トラップ GC-MS システムは、パージ&ト
ラップ濃縮装置と GC-MS を組み合わせたシステムで
す。カビ臭原因物質を初めとする揮発性有機化合物分
析に威力を発揮します。
写真は Teledyne Tekmar 社製オートサンプラ一一
体型パージ&トラップ濃縮装置 Atomx XYZ と組み
合わせたシステム構成です。
カビ臭原因物質・トリハロメタン類モニタリングシステム
MS-62180KTMS
■ Head space GC-MS システム
ヘッドスペースサンプラーは固体、液体内に存在する揮発性有機化合物
(VOC)分析を行うための前処理装置です。
JEOL が開発したヘッドスペースオートサンプラーは、ループモードとト
ラップモード、2 つの測定モードを搭載したユニークな HS システムです。
トラップモードでは水中カビ臭原因物質測定のような高感度測定に有効です。
さらに食品、材料などにおける VOC 測定にも適用可能です。
多機能オートサンプラー 大量注入法
株式会社アイスティサイエンス 製
GC 大量注入口装置 LVI-S250
■ 多機能オートサンプラー GC-MS システム ■ 大量注入システム
PAL システムは 1 台で液体注入、ヘッドスペース 注入口において液体試料中の溶媒を選択的に除去することで、大容量の試料
(HS)、固相マイクロ抽出(SPME)、固相抽出(SPE) を注入することが可能な装置です。
の自動化や液体試料の分注、希釈などが可能な多機能 食品中残留農薬分析や微量成分の分析に使用できます。
オートサンプラーです。GC-MS と組み合わせること
で、連続的に前処理を行いながら GC-MS 測定を行う
ことができます。
写 真 は CTC 社 製 多 機 能 オ ー ト サ ン プ ラ ー (PAL
RTC) と組み合わせたシステム構成です。
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熱分解(Py) 熱重量 / 示差熱分析(TG/DTA)
■ Pyrolyzer GC-MS システム
パイロライザー GC-MS システムは、熱分解装置と
GC-MS を組み合わせたシステムです。熱分解装置に DTA / ( uV / mg )
試料:ギ酸ナトリウム HCOONa TG / % クロマトグラム /n.a.
よる熱抽出、あるいは熱分解によって生成する有機化 100 TG ↑ exo
ピーク A: 2HCOONa → H2+ CO + Na2CO 1.0
3 0.5 14000000
合物分析に威力を発揮します。 95
0.0 12000000
H2+ Na2C2O4 90 DTA
写真はフロンティア・ラボ社製マルチショット・パイ A -0.5 10000000
2CO → CO2 + C 85 B -1.0 8000000
ロライザー (EGA/PY-3030D) とオートショット・ ピーク B: Na2C2O4 → CO + Na2CO 80 -1.5 6000000
3 75 -2.0 4000000
サンプラー(AS-1020E)と組み合わせたシステム 2CO → CO2 + C 70 TIC -2.5
-3. 2000000
構成です。 65 0
0
100 200 300 400 500 600 700
温度 / °C
■ Thermogravimetry/Differential Thermal Analysis-MS システム
液体または固体試料を加熱していく過程の重量変化や化学変化に伴う発熱・
吸熱といった熱物性評価を行う装置です。MS と接続することで加熱過程で
発生する成分をリアルタイムに分析することができます。
高分子や材料の加熱による発生ガス分析に使用できます。
加熱脱着(TD) ガスバルブ
100% m/z 2
TICC
5.0E+05 面積値 4713885
m/z 2 S/N(PP): 59,929
75% 面積値 4756078 S/N(RMS): 135,272
4.0E+05 m/z 2
50% 面積値 4727208
3.0E+05 m/z 2
面積値 4665278 CV(n=5): 0.7%
25% 2.0E+05 m/z 2
面積値 4708112
0% 1.0E+05
min 5.00 10.00 15.00 20.00
0.0E+00
車室内空気中の VOCs/SVOCs 分析 min 0.50 1.00 1.50 2.00 2.50
水素(m/z 2)10ppm の SIM クロマトグラムデータ
■ Thermal Desorption GC-MS システム
室内空気、車室内空気を TenaxTA 等の捕集材に捕集し、TD 法により分析 ■ 混合ガス分析システム
できるシステムです。コールドトラップによる 2 次濃縮を行うことで、高感 ガスバルブシステムとパックドカラムを組み合わせる
度な測定が可能です。 ことにより、混合ガス中の微量不純物成分分析に使用
また、材料中から発生するガスをチャンバー捕集することで、揮発性/半揮 することができます。また、水素も高感度に検出でき
発性有機化合物(VOCs/SVOCs)の分析に使用できます。 ます。
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日本電子の質量分析計ラインナップ
GC-MS シリーズ
ガスクロマトグラフ三連四重極質量分析計 ガスクロマトグラフ飛行時間質量分析計
JMS-TQ4000GC UltraQuadTM TQ JMS-T2000GC AccuTOFTM GC-Alpha
JEOL 製 GC-MS の特徴を継承しながらも、日本電子独自の 第 6 世代のガスクロマトグラフ飛行時間質量分析計です。
ショートコリジョンセルを採用し、ハイスループットでありなが クラス最高峰の分解能 30,000 を有し、観測したイオンの精密
ら高感度分析が可能なガスクロマトグラフ三連四重極質量分析計 質量から組成を知ることが可能です。ライブラリーデータベース
です。 に登録されていない未知物質の解析などで活用されています。
ショートコリジョンセルのイオン蓄積機能と蓄積されたイオンの 定性分析に強い GC-MS として、材料分析や環境試料中のノン
瞬間排出により、高速 SRM 測定においても高感度で高い選択性 ターゲット分析などで使用されています。
を実現します。特に定量分析に強い GC-MS として農薬分析や環
境分析で活用いただいています。
MALDI-TOFMS、LC-MS
マトリックス支援レーザー脱離
イオン化飛行時間質量分析計
JMS-S3000 SpiralTOFTM-plus
ガスクロマトグラフ二重収束質量分析計
JMS-800D UltraFOCUSTM
大気圧イオン化飛行時間質量分析計
JMS-800D は、HRGC/HRSIM モードにより、極微量環境汚 JMS-T100LP AccuTOFTM LC-plus 4G
染物質であるダイオキシン類やポリ塩化ビフェニル(PCBs)と
その関連物質の測定にフォーカスしたガスクロマトグラフ二重収 JMS-S3000 はマスイメージング機能を大幅に向上し、
束質量分析です。 SpiralTOFTM-plus へと進化しました。分析技術の最先端をリー
生産性の向上と保守コスト軽減を目的として様々な機能を搭載し ドし、合成高分子・材料科学・生体高分子などの幅広い分野で日々
ています。 変化していく研究ニーズにお応えします。
JMS-T100LP はシンプル・堅牢かつオールラウンドな大気圧イ
オン化飛行時間質量分析計です。LC/MS 用イオン源として最も
広く使われているエレクトロスプレー (ESI) イオン源に加え、日
本電子独自のイオン化技術である DARTTM(Direct Analysis in
Real Time)、Cold Spray を搭載することにより、幅広い分析
にソリューションを提供します。
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仕 様
QMS 基本構成
イオン源 EI
イオン化エネルギー 10 ~ 200 eV
チャンバー温度 100 ~ 300 ℃
分析部 高精度双曲形四重極マスフィルター
プラグインプリフィルター方式
検出部 コンバージョンダイノード/イオンマルチプライヤー検出方式
正負イオン検出可
排気系 差動排気型大形 TMP 1 台 (イオン源 200 L/s 排気相当、分析部 200 L/s 排気相当)
ロータリーポンプ 1 台(外付け、1.8 m3/h(50 Hz 動作時))
マスレンジ 1 ~ 1022 u
分解能 2,000 以上 (半値幅、m/z 614 において)
スキャン速度 22,222 u/s
感度(EI) 検出下限値 (IDL) オクタフルオロナフタレン( OFN) 5 fg 以下 SIM・m/z 272
スキャン オクタフルオロナフタレン( OFN)1 pg m/z 272 S/N 1000 以上 (RMS)
ガスクロマトグラフ[MS-62111AGC]
カラムオーブン 温度範囲:室温+ 4 ℃~ 450 ℃(設定:0.1℃ステップ)
大気温度の影響:1 ℃あたり 0.01℃未満
昇温:20 段まで可能(最大昇温レート:120 ℃ /min)
注入口 スプリット / スプリットレス注入口
最高使用温度:400 ℃( 最大 2 ポートまで拡張可能)
圧力設定範囲 0 ~ 680 kPa(内径 0.200 mm 以上のカラムの場合)
トータルフロー 0 ~ 1250 mL/min(He)
設置条件
電源電圧 AC100 V(単相 50 Hz/60 Hz)15 A x 2 系統
AC200 V(単相 50 Hz/60 Hz)20 A x 1 系統
供給ガス キャリアガス:He ガス(99.9999% 以上、および炭化水素含有量 0.5 ppm 以下を推奨)
接 地 D種(100 Ω以下) 必ず接地すること
換気設備 5 m3 /min 以上
標準構成の設置レイアウト例 記号 名 称
MS QMS 本体
保守メンテナンス用作業スペース PDD GC ガスクロマトグラフ
5500 PC PC
0 RRPP (床置き)
GHBe LCD ディスプレー
LP LCD
LP MS
PC GBBu
88000 PC KB キーボード
LCD MASL 0 S GGCC LP レーザープリンター
KB
2,6206 0 KB RP ロータリーポンプ
00 1,200 1,500 PD 配電盤
GB ガスボンベ
DIP DIP/DEP 直接導入プローブ(オプション)
3,700 ALS GC オートサンプラー(オプション)
(出入口)
単位(mm)
900
JMS-Q1600GC 18
DIP
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*外観・仕様は改良のため予告なく変更することがあります。
No.2203J289C(Bn)