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このカタログについて
ドキュメント名 | <期間限定公開>カテゴリ2 安全システム事例集 |
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ドキュメント種別 | ハンドブック |
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取り扱い企業 | IDEC株式会社 (この企業の取り扱いカタログ一覧) |
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このカタログの内容
Page1
カテゴリ2安全システム 事例集
HR5S形安全リレーモジュール適用例(ISO13849-1 :2015に基づく)
Page2
はじめに
機械の安全システムを構成するとき、まずリスクアセスメントが実施されます。次にその安全システムに必要な
パフォーマンスレベルを決定し、国際安全規格ISO13849-1に基づいてシステムを構成する必要があります。
安全リレーモジュール「HR5S」は、カテゴリ2の制御を実現する製品です。カテゴリ2は二重化しない比較的
安価な安全システムですが、これまで、カテゴリ2に対応した製品はほとんど市場にありませんでした。一方、一部
の企業はコストアップを懸念して比較的低リスクの機械に安全対策を導入することをためらっていました。もし安全
システムを構築するために安全リレーモジュールを使用することを決定した場合は低リスクの機械であっても冗長
制御が必要なカテゴリ3または4対応のリレーモジュールを使用する以外に選択肢はありませんでした。
IDECはHR5S形安全リレーモジュールを提供することにより、機械のさまざまなリスクに相応な安全システムを
構成することを提案します。HR5Sで構成する安全システムは、包装機械、電子部品の実装機、半導体製造機器、
製薬機械、食品機械、協調ロボットなどさまざまな分野に適用できます。コストや部品を減らすことにより、より多くの
機械へ安全対策を導入することが可能になります。
PLとカテゴリ(Cat.)、DC、MTTFDの関係
カテゴリ2はPL=dまで対応可能です
PL
PLはシステムの、
a 1 アーキテクチャ(Cat.)
危険側故障率(MTTFD)
b 2 自己診断範囲(DCavg)の
組合わせで決まります。
c 3
図はCat.、 MTTFD、 DCavgの組み合
d わせで達成できるPLを示しています。
PL(performance level) HR5S形はカテゴリ2のシステムを構成
1 各チャンネルのMTTFD=low
e 2各チャンネルのMTTFD=medium するのでPL=a~dに対応することが
3各チャンネルのMTTFD=high 可能となります。
カテゴリB カテゴリ1 カテゴリ2 カテゴリ2 カテゴリ3 カテゴリ3 カテゴリ4
DCavgnone DCavgnone DCavglow DCavgmedium DCavglow DCavgmedium DCavghigh
PLrの決定 要求される
パフォーマンスレベル
(PLr)
L
P1 a
F1
P2
S1
P1 b
F2
開始点 P2 包 半 マ
P1 c PLr≦PL 装 食 ウ
機 品 産 導
業 工 ン
F1 械 機 射 体
用 作 タ
P2 械 ロ 出 製
機
S2 ボ 械 成 造
P1 d ッ 型 装
ト 機 置
F2
P2 プ
e レ
ス
< リスクパラメータ > H
リスク低減の 機械のPL(r *1)
S 傷害のひどさ 寄与度
S1 軽症(通常,回復可能な傷害)
S2 重傷(通常,回復不可能又は死亡)
F 危険源への暴露の頻度及び/又は時間
F1 まれ~低頻度,及び/又は暴露時間が短い(1回/15min以下、且つ機械の全運転時間の1/20以下が目安)
F2 高頻度~連続,及び/又は暴露時間が長い
P 危険源回避又は危害の制限の可能性(危険源発生の速度、脱出可否、訓練などによる)
P1 特定の条件下で可能
P2 ほとんど不可能
*1)当社の安全製品の販売実績やリスクアセスメントの実績、また国際規格の要求をもとにマッピングしたものであり、機械に必要なパフォーマンス
レベルの決定は個別機械ごとにリスクアセスメントが必要です。
※本ページに記載の図はISO13849-1による。 <The contents of this application guide was reviewed by TÜV Rheinland Japan>
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目次
想定するアプリケーション HR5Sタイプ PL カテゴリ ページ
事例 1 包装機械の非常停止制御 -C2S c 2 3
事例 2 食品機械のインターロック制御 -C2B c 2 5
事例 3 食品機械の非常停止制御 -C2B d 2 7
事例 4 包装機械のインターロック制御 -C2B d 2 9
事例 5 組み立て機械の部分停止制御 -C2B c 2 12
事例 6 巻線機の非常停止制御(オフディレーによる制御停止) -C2D c 2 16
事例 7 食品機械の非常停止制御2(カテゴリ3構成) -C2S d 3 18
このテクニカルガイドに記載されているアプリケーションと回路の組み合わせは、あくまで事例です。
実際に機械のリスクを軽減する場合は、個別のリスク評価を実施した上で本テクニカルガイドを使用してください。
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事例1 包装機械の非常停止制御
生産形態 :3直3交代制による24時間稼働工場
危害のひどさ :動力による可動部への巻き込まれ。重傷。
危険源への暴露頻度及び時間 : メンテナンスや清掃のために接近。20分に1度以下、暴露時間の合計は機械の
稼働時間の1/20以下。
危害回避の可能性 :可能
1. 安全機能
• 非常停止用押ボタンスイッチEMS1が押されると、K3は停止カテゴリ0で電源を遮断し、モータM1が停止する。
非常停止用押ボタンスイッチEMS1をリセットした後、S2を押すと再起動する。
• 安全リレーモジュールSRM1、コンタクタK3、またはそれらの配線が故障するとランプが点滅し、ブザーが断続的に鳴る。
故障を取り除いた後にS2を押すかSRM1の電源を再起動すると故障検出状態から復帰する。
2. 構成部品の形番と適用規格、安全パラメータについて
記号 部品名 形番 適用規格 B10D MTTFD DC
EMS1 非常停止用
押ボタンスイッチ XW1E-BV411MFR EN/IEC60947-5-1、60947-5-5 100,000 - -
SRM1 安全リレーモジュール HR5S-C2S EN/ISO13849-1、EN60947-5-1 - 330 90%
K3 コンタクタ - EN/IEC60947-4-1 1,300,000 - -
S2 押ボタンスイッチ LB6L-M1T14S EN/IEC60947-5-1 - - -
Lamp 照光ブザー HW1Z-P1F2PQ4R EN60947-5-1、EN50581(EU DoC) - - -
3. 回路構成
S2
EMS1
K3
XW1E F K3
A1 S11 S12 S14 S34 S35 S36 13 23
Input / Reset input K1 K1
+
DC Without M1
– OFF-delay
SRM1 Logic
PWR
HR5S-C2S Fault
Output
A2 Y1 14 24
Lamp K3
M1: Motor
F: Fuse
4
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4. ブロック図
安全機能 1
非常停止用押ボタンスイッチ EMS1 SRM1 K3
(EMS1-K3)
SRM1 Lamp
(TE)
5. 稼働条件と安全パラメータ
• 非常停止用押ボタンスイッチは3直勤務が点検のためにそれぞれ2回操作するので、1日では6回操作される。
(作業開始時と終了時の動作確認)
B10D MTTFD DC dop hop tcycle nop
EMS 100,000 456.6 - 365 24 14,400 2,190
SRM1 - 330.0 90% - - - -
SRM1(TE) - 210.0 - - - - -
K3 1,300,000 5,936.1 90% 365 24 14,400 2,190
6. パフォーマンスレベル計算の結果
安全機能 1 Function CH Testing CH カテゴリ 2
非常停止機能 MTTFD 100 100 MTTFD high
(EMS1-K3) DCavg 90% - DCavg medium
試験チャンネルのMTTFDは機能チャンネルの CCF 65 結果 PL=c
MTTFDの1/2より大きい
7. 代表的な安全原則および安全条件
• 非常停止用押ボタンスイッチと安全リレーモジュール間の配線は IEC60204-1、ISO13849-2の要件を満足し、短絡
故障を除外できるものとする。
• 安全システムの共通原因故障は対策され、65点以上とする。
5
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事例2 食品機械のインターロック制御
生産形態 :3直3交代制による24時間稼働工場
危害のひどさ :動力による可動部への挟まれ。軽傷。
危険源への暴露頻度及び時間 :材料の搬入のために15分に1度以上の頻度で接近。
危害回避の可能性 :不可能
1. 安全機能
• カバーが開くと安全スイッチDS1の接点がオフになり、コンタクタK3は停止カテゴリ0で電源を遮断し、モータM1
が停止する。ドアを閉じるとモータは自動的に起動される。
• 安全スイッチDS1、安全リレーモジュールSRM1、接触器K3またはそれらの配線が故障すると、警報が出力される。
故障を取り除いた後にS3を押すかSRM1の電源を再起動すると故障検出状態から復帰する。
2. 構成部品の形番と適用規格、安全パラメータについて
記号 部品名 形番 規格 B10D MTTFD DC
DS1(NC) 安全スイッチ HS5D-11RNM EN/IEC60947-5-1、60947-5-5 2,000,000 - -
DS1(NO) 安全スイッチ HS5D-11RNM EN/IEC60947-5-1 1,000,000 - -
SRM1 安全リレーモジュール HR5S-C2B EN/ISO13849-1、EN60947-5-1 - 330 90%
K3 コンタクタ - EN/IEC60947-4-1 1,300,000 - -
PLC1 *1 プログラマブル
コントローラ FC6A–C16R1AE EN 61131-2、EN 50581(EU DoC) - - -
S3 押ボタンスイッチ LB6L-M1T14S EN/IEC60947-5-1 - - -
Lamp *2 積層表示灯 LD6A-1DQB-R EN60947-5-1(EU DoC) - 82 -
*1:PLC1の役割は、故障が発生したときにアラームを出力することと安全関連部以外を制御すること。
*2:電気的寿命は30,000時間で一日一時間の点灯とする。
3. 回路構成
11 23
12 24 S3
DS1
K3
HS5D K3 F
A1 S11 S12 S13 S14 S34 S35 S36 13 23
Input / Reset input K1 K1 M1
+ DC Without
OFF-delay
– SRM1 Logic
PWR
HR5S-C2B Fault
Input Output
A2 S15 Y1 Y2 14 24
PLC1
FC6A K3
Lamp M1: Motor
F: Fuse
6
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4. ブロック図
安全機能 1 安全スイッチ 安全リレーモジュール
インターロック機能
DS1
(DS1-K3) SRM1 K3
(NC)
DS1 SRM1
Lamp
(NO) (TE)
5. 稼働条件と安全パラメータ
• 安全スイッチが設置されたカバーはワークの搬入と搬出で5分ごとに開閉される。
B10D MTTFD DC dop hop tcycle nop
DS1(NC) 2,000,000 190.3 90% 365 24 300 105,120
DS1(NO) 1,000,000 95.1 90% 365 24 300 105,120
SRM1 - 330.0 90% - - - -
SRM1(TE) - 210.0 - - - - -
K3 1,300,000 123.7 90% 365 24 300 105,120
Lamp - 82.0 - - - - -
6. パフォーマンスレベル計算の結果
安全機能 1 Function CH Testing CH カテゴリ 2
インターロック機能 MTTFD 61.1 36.4 MTTFD high
(DS1-K3) DCavg 90% - DCavg medium
試験チャンネルのMTTFDは機能チャンネルの CCF 65 結果 PL=c
MTTFDの1/2より大きい
7. 代表的な安全原則および安全条件
• 安全ガードシステムは ISO14120に適合し、安全原則に従っていること。
• 安全スイッチのアクチュエータは位置ずれを起こしたり、外されたりしないように取り付けられていること。
• 安全スイッチは予備のアクチュエータを用いて無効化できないように、隠れた場所、または手が届かない場所などに
設置すること。
• 安全スイッチとアクチュエータは ISO13849-2の要求に基づき、機械的障害の除外を適用できるように設置されていること。
• 安全システムの共通原因故障は対策され、65点以上とする。
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事例3 食品機械の非常停止制御
生産形態 :3直3交代制による24時間稼働工場
危害のひどさ :動力による可動部への巻き込まれ。重傷。
危険源への暴露頻度及び時間 : メンテナンスや清掃のために接近。15分に1度以下、暴露時間の合計は機械の
稼働時間の1/20以下。
危害回避の可能性 :不可能
1. 安全機能
• 非常停止用押ボタンスイッチEMS1が押されると、コンタクタK3は停止カテゴリ0で電源を遮断し、モータM1が停止する。
非常停止用押ボタンスイッチEMS1をリセットした後、S2を押すと再起動する。
• 非常停止用押ボタンスイッチ、安全リレーモジュールSRM1、コンタクタK3、またはそれらの配線が故障すると、コン
タクタK4は電源を遮断し、モータM1が停止する。
故障を取り除いた後にS3を押すかSRM1の電源を再起動すると故障検出状態から復帰する。
2. 構成部品の形番と適用規格、安全パラメータについて
記号 部品名 形番 規格 B10D MTTFD DC
EMS1(NC) 非常停止用
押ボタンスイッチ XW1E-BV411MFR EN/IEC60947-5-5 100,000 - -
EMS1(NO) 非常停止用
押ボタンスイッチ XW1E-BV411MFR EN/IEC60947-5-5 100,000 - -
SRM1 安全リレーモジュール HR5S-C2B EN/ISO13849-1、EN60947-5-1 - 330 90%
K3、K4 コンタクタ - EN/IEC60947-4-1 1,300,000 - -
K5 汎用リレー RJ2S-C EN/IEC60947-4-1 100,000 - -
S2、S3 押ボタンスイッチ LB6L-M1T14S EN/IEC60947-5-1 - - -
3. 回路構成
S2 S3
EMS1
K3
XW1E F
K3
A1 S11 S12 S13 S14 S34 S35 S36 13 23 K4
+ Input / Reset input K1 K1
M1
– DC Without
OFF-delay
SRM1 Logic
PWR
HR5S-C2B Fault
Input Output
A2 S15 Y1 Y2 14 24
K5 K3
M1: Motor
K4 F: Fuse
8
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4. ブロック図
安全機能 1 非常停止用押ボタンスイッチ 安全リレーモジュール
非常停止機能
( EMS1
EMS1-K3) SRM1 K3
(NC)
EMS1 SRM1 K5 K4
(NO) (TE)
5. 稼働条件と安全パラメータ
• 非常停止用押ボタンスイッチは3直勤務が点検のためにそれぞれ2回操作するので、1日では6回操作される。
(作業開始時と終了時の動作確認)
B10D MTTFD DC dop hop tcycle nop
EMS1(NC) 100,000 456.6 90% 365 24 14,400 2,190
EMS1(NO) 100,000 456.6 90% 365 24 14,400 2,190
SRM1 - 330.0 90% - - - -
SRM1(TE) - 210.0 - - - - -
K3 1,300,000 5,936.1 90% 365 24 14,400 2,190
K4 1,300,000 5,936.1 - 365 24 14,400 2,190
K5 100,000 456.6 - 365 24 14,400 2,190
6. パフォーマンスレベル計算の結果
安全機能 1 Function CH Testing CH カテゴリ 2
非常停止機能 MTTFD 100 100 MTTFD high
(EMS1-K3) DCavg 90% - DCavg medium
試験チャンネルのMTTFDは機能チャンネルの CCF 65 結果 PL=d
MTTFDの1/2より大きい
7. 代表的な安全原則および安全条件
• 安全システムの共通原因故障は対策され、65点以上とする。
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事例4 包装機械のインターロック制御
生産形態 :3直3交代制による24時間稼働工場
危害のひどさ :動力による可動部への巻き込まれ。重傷。
危険源への暴露頻度及び時間 :材料の搬入のために15分に1度以上の頻度で接近。
危害回避の可能性 :可能
1. 安全機能
• カバーが開くと、安全スイッチDS1の接点がオフになり、コンタクタK1が停止カテゴリ0でサーボアンプPDS1の
STOをオフし、モータM1が停止する。 ドアを閉じるとモータが自動的に起動される。
• 安全スイッチDS1、安全リレーモジュールSRM1、コンタクタK3またはそれらの配線が故障すると、K5はPDS1の
STOをオフする。障害を取り除いた後にS3を押すかSRM1の電源を再起動すると故障検出状態から復帰する。
2. 構成部品の形番と適用規格、安全パラメータについて
記号 部品名 形番 規格 B10D MTTFD DC PFHD
DS1(NC) 安全スイッチ HS5D-11RNM EN/IEC60947-5-1 2,000,000 - - -
DS1(NO) 安全スイッチ HS5D-11RNM EN/IEC60947-5-1 1,000,000 - - -
SRM1 安全リレーモジュール HR5S-C2B EN/ISO13849-1、
EN60947-5-1 - 330 90% -
PDS1 サーボコントローラ - IEC61800-5-2 - - - 1.70E-09
K5 強制ガイド式リレー RF2S-2CLD1-D24 EN/IEC60947-4-1 20,000,000 - - -
S3 押ボタンスイッチ LB6L-M1T14S EN/IEC60947-5-1 - - - -
3. 回路構成
11 23
S3
12 24
DS1
HS5D
A1 S11 S12 S13 S14 S34 S35 S36 13 23
EDM EDM T0 T1
SERVO AMPLIFIER
PDS1
Input / Reset input K1 K1
+ ST01 ST02 STO COM
DC Without
– OFF-delay
SRM1 Logic
PWR
HR5S-C2B Fault
Input Output
A2 S15 Y1 Y2 14 24
K5
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4. ブロック図
安全機能 1 サブシステム 1 サブシステム 2
インターロック機能
安全スイッチ 安全リレーモジュール
(DS1-K5)
DS1
SRM1
(NC)
PDS1
DS1 SRM1 K5
(NO) (TE)
5. 稼働条件と安全パラメータ
• 安全スイッチが設置されたカバーはワークの搬入と搬出で5分ごとに開閉される。
B10D MTTFD DC dop hop tcycle nop PFHD
DS1(NC) 2,000,000 190.3 90% 365 24 300 105,120 -
DS1(NO) 1,000,000 95.1 90% 365 24 300 105,120 -
SRM1 - 330.0 90% - - - - -
SRM1(TE) - 210.0 - - - - - -
PDS1 - - - - - - - 1.70E-09
K5 20,000,000 1,902.6 - 365 24 300 105,120 -
6. パフォーマンスレベル計算の結果
安全機能 1 サブシステム 1
インターロック機能 Function CH Testing CH カテゴリ 2
(DS1-K5) MTTFD 100.0 63.3 MTTFD high
DCavg 90% - DCavg medium
試験チャンネルのMTTFDは機能チャンネルの CCF 65
MTTFDの1/2より大きい PFHD 2.29E-07
System1のPFHDの値は、ISO
13849の付属書Kから選択した
サブシステム 2
PFHD 1.70E-09
サブシステム 1 + 2
PFHD 2.31E-07 結果 PL=d
7. 代表的な安全原則および安全条件
• 安全ガードシステムは ISO14120に適合し、安全原則に従っていること。
• 安全スイッチのアクチュエータは位置ずれを起こしたり、外されたりしないように取り付けられていること。
• 安全スイッチは予備のアクチュエータを用いて無効化できないように、隠れた場所、または手が届かない場所などに
設置すること。
• 安全スイッチとアクチュエータは ISO13849-2の要求に基づき、機械的障害の除外を適用できるように設置されていること。
• 安全システムの共通原因故障は対策され、65点以上とする。
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事例5 組み立て機械の部分停止制御
生産形態 :3直3交代制による24時間稼働工場
危害のひどさ :動力による可動部との衝突。重傷。
危険源への暴露頻度及び時間 : メンテナンスや清掃のために接近。15分に1度以下、暴露時間の合計は機械の
稼働時間の1/20以下。
危害回避の可能性 :可能
1. 安全機能
• 非常停止用押ボタンスイッチEMS1が押されると、コンタクタK3およびK4は停止カテゴリ0で電源を遮断し、モータ
M1、M2が停止する。非常停止停止スイッチEMS1をリセットした後、S2を押すとM1、M2が再起動する。
• いずれのドア、カバーDSが開いていてもそれぞれ安全スイッチの接点がオフになり、コンタクタK4は停止カテゴリ0
で電源を遮断し、モータM2が停止する。ドアやカバーが閉じられるとM2が自動的に再起動する。
• 安全リレーモジュールSRM1、SRM2、コンタクタK3、K4、またはそれらの配線が故障するとランプが点滅し、ブザー
が断続的に鳴る。故障を取り除いた後にS3かS4もしくは両方を押すか安全リレーモジュールSRMの電源を再起動す
ると故障状態から復帰する。
2. 構成部品の形番と適用規格、安全パラメータについて
記号 部品名 形番 規格 B10D MTTFD DC
EMS1 非常停止用
押ボタンスイッチ XW1E-BV411MFR EN/IEC60947-5-1、60947-5-5 100,000 - -
DS1、DS2、DS3 安全スイッチ HS5D-11RNM EN/IEC60947-5-1、GS-ET-19 2,000,000 - -
SRM1、SRM2 安全リレーモジュール HR5S-C2B EN/ISO13849-1、EN60947-5-1 - 330 90%
K3、K4 コンタクタ - EN/IEC60947-4-1 1,300,000 - -
S2、S3、S4 押ボタンスイッチ LB6L-M1T14S EN/IEC60947-5-1 - - -
Lamp *1 照光ブザー HW1Z-P1F2PQ4R EN60947-5-1、EN50581(EU DoC) - - -
3. 回路構成
11
DS1
12
11
DS2 S4
12 K4
S2 S3 11
EMS1 DS3
K3 12
XW1E F F
HS5D
A1 S11 S12 S13 S14 S34 S35 S36 13 23 A1 S11 S12 S13 S14 S34 S35 S36 13 23
+
– Input / Reset input K1 K1 Input / Reset input K1 K2
DC Without DC Without
OFF-delay OFF-delay
SRM1 Logic SRM2 Logic
PWR Fault PWR Fault
HR5S-C2B HR5S-C2B
Input Output Input Output
A2 S15 Y1 Y2 14 24 A2 S15 Y1 Y2 14 24
K4
K3 Lamp
K3 K4 M1, M2: Motor
F: Fuse
M1 M2
12
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4. ブロック図
安全機能 1
非常停止機能
EMS1 SRM1 K3
(EMS1-K3)
SRM1 SRM2 Lamp
(TE) (TE)
安全機能 2
非常停止機能
EMS1 SRM1 SRM2 K4
(EMS1-K4)
SRM1 SRM2 Lamp
(TE) (TE)
安全機能 3
インターロック機能
DS1 SRM2 K4
(DS1-K4)
SRM2 Lamp
(TE)
安全機能 4
インターロック機能
DS2 SRM2 K4
(DS2-K4)
SRM2 Lamp
(TE)
安全機能 5
インターロック機能
DS3 SRM2 K4
(DS3-K4)
SRM2 Lamp
(TE)
13
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5. 稼働条件と安全パラメータ
• 非常停止用押ボタンスイッチは3直勤務が点検のためにそれぞれ2回操作するので、1日では6回操作される。
(作業開始時と終了時の動作確認)
• 安全スイッチDS1、DS2が設置されたカバーは材料の搬入のために5分に1度の頻度で開閉される。
安全スイッチDS3が設置されたドアはメンテナンスのために一日に3回開閉される。
B10D MTTFD DC dop hop tcycle nop
EMS1 100,000 456.6 - 365 24 14,400 2,190
DS1 2,000,000 190.3 - 365 24 300 105,120
DS2 2,000,000 190.3 - 365 24 300 105,120
DS3 2,000,000 18,264.8 - 365 24 28,800 1,095
SRM1 - 330.0 90% - - - -
SRM1(TE) - 210.0 - - - - -
SRM2 - 330.0 90% - - - -
SRM2(TE) - 210.0 - - - - -
K3 1,300,000 5,936.1 90% 365 24 - 2,190
K4 1,300,000 60.8 90% 365 24 - 213,722
6. パフォーマンスレベル計算の結果
安全機能 1 Function CH Testing CH カテゴリ 2
非常停止機能 MTTFD 100.0 100.0 MTTFD high
(EMS1-K3) DCavg 90% - DCavg medium
試験チャンネルのMTTFDは機能チャンネルの CCF 65 結果 PL=c
MTTFDの1/2より大きい
安全機能 2 Function CH Testing CH カテゴリ 2
非常停止機能 MTTFD 40.5 100.0 MTTFD high
(EMS1-K4) DCavg 90% - DCavg medium
試験チャンネルのMTTFDは機能チャンネルの CCF 65 結果 PL=c
MTTFDの1/2より大きい
安全機能 3 Function CH Testing CH カテゴリ 2
インターロック機能 MTTFD 40.4 100.0 MTTFD high
(DS1-K4) DCavg 90% - DCavg medium
試験チャンネルのMTTFDは機能チャンネルの CCF 65 結果 PL=c
MTTFDの1/2より大きい
安全機能 4 Function CH Testing CH カテゴリ 2
インターロック機能 MTTFD 40.4 100.0 MTTFD high
(DS2-K4) DCavg 90% - DCavg medium
試験チャンネルのMTTFDは機能チャンネルの CCF 65 結果 PL=c
MTTFDの1/2より大きい
安全機能 5 Function CH Testing CH カテゴリ 2
インターロック機能 MTTFD 51.3 100.0 MTTFD high
(DS3-K4) DCavg 90% - DCavg medium
試験チャンネルのMTTFDは機能チャンネルの CCF 65 結果 PL=c
MTTFDの1/2より大きい
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7. 代表的な安全原則および安全条件
• 安全ガードシステムは ISO14120に適合し、安全原則に従っていること。
• 安全スイッチのアクチュエータは位置ずれを起こしたり、外されたりしないように取り付けられていること。
• 安全スイッチは予備のアクチュエータを用いて無効化できないように、隠れた場所、または手が届かない場所などに
設置すること。
• 安全スイッチとアクチュエータは ISO13849-2の要求に基づき、機械的障害の除外を適用できるように設置されていること。
• 非常停止用押ボタンスイッチと安全リレーモジュール間、各安全リレーモジュール間、および安全スイッチと安全リレー
モジュール間の配線は、IEC60204-1、ISO13849-2の要件を満足し、短絡障害を除外できるものとする。
• 安全システムの共通原因故障は対策され、65点以上とする。
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事例6 巻線機の非常停止制御(オフディレーによる制御停止)
生産形態 :3直3交代制による24時間稼働工場
危害のひどさ :動力による可動部への挟まれ。重傷。
危険源への暴露頻度及び時間 : メンテナンスや清掃のために接近。15分に1度以下、暴露時間の合計は機械の
稼働時間の1/20以下。
危害回避の可能性 :可能
1. 安全機能
• 安全スイッチDS1がロック解除されるとDS1の接点がオフになり、リレーK1がモータM1の減速を開始する。
(非安全制御)
ドアが開いてからT秒後、コンタクタK3は停止カテゴリ1で電源を遮断し、モータM1が停止する。
ドアを閉じてロックすると、モータが自動的に再起動する。
• 安全リレーモジュールSRM1、コンタクタK3、またはそれらの配線が故障すると、警報が出力されます。
故障を取り除いた後にS3を押すかSRM1の電源を再起動すると、故障状態から復帰する。
2. 構成部品の形番と適用規格、安全パラメータについて
記号 部品名 形番 規格 B10D MTTFD DC
DS1(NC) 安全スイッチ HS5L-XD44M EN/IEC60947-5-1 2,000,000 - -
SRM1 安全リレーモジュール HR5S-C2D-T EN/ISO13849-1、EN60947-5-1 - 330 90%
K3 コンタクタ - EN/IEC60947-4-1 1,300,000 - -
S3 押ボタンスイッチ LB6L-M1T14S EN/IEC60947-5-1 - - -
Lamp *1 積層表示灯 LD6A-1DQB-R EN60947-5-1(EU DoC) - 82 -
*1:電気的寿命は30,000時間で一日一時間の点灯とする。
3. 回路構成
41 S3
DS1 K3
42
F F
HS5L
*
A1 S11 S12 S13 S14 S34 S35 S36 13 37
Input / Reset input K1 K1
+
DC Without
– OFF-delay
SRM1 Logic K2
K2
PWR
HR5S-C2D-T□ Fault
With
Input Output OFF-delay
A2 S15 Y1 Y2 14 38
Motor
controller
Lamp K3
K3
* SRM1の端子14はモータコントローラの減速入力へ接続される出力で、非安全信号である。
M1: Motor
M1 F: Fuse
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4. ブロック図
安全機能 1 安全スイッチ 安全リレーモジュール
インターロック機能
(DS1-K3)
DS1 SRM1 K3
(NC)
SRM1 Lamp
(TE)
5. 稼働条件と安全パラメータ
• 安全スイッチが設置されたドアはワークの搬入と搬出で5分ごとに開閉される。
B10D MTTFD DC dop hop tcycle nop
DS1(NC) 2,000,000 190.3 - 365 24 300 105,120
SRM1 - 330.0 90% - - - -
SRM1(TE) - 210.0 - - - - -
K3 1,300,000 123.7 90% 365 24 300 105,120
Lamp - 82.0 - - - - -
6. パフォーマンスレベル計算の結果
安全機能 1 Function CH Testing CH カテゴリ 2
インターロック機能 MTTFD 61.1 59.0 MTTFD high
(DS1-K3) DCavg 90% - DCavg medium
試験チャンネルのMTTFDは機能チャンネルの CCF 65 結果 PL=c
MTTFDの1/2より大きい
7. 代表的な安全原則および安全条件
• 安全ガードシステムは ISO14120に適合し、安全原則に従っていること。
• 安全スイッチのアクチュエータは位置ずれを起こしたり、外されたりしないように取り付けられていること。
• 安全スイッチは予備のアクチュエータを用いて無効化できないように、隠れた場所、または手が届かない場所などに
設置すること。
• 安全スイッチとアクチュエータは ISO13849-2の要求に基づき、機械的障害の除外を適用できるように設置されていること。
• 安全スイッチと安全リレーモジュール間の配線は IEC60204-1、ISO13849-2の要件を満足し、短絡故障を除外できる
ものとする。
• 安全システムの共通原因故障は対策され、65点以上とする。
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事例7 食品機械の非常停止制御2(カテゴリ3構成)
生産形態 :3直3交代制による24時間稼働工場
危害のひどさ :動力による可動部への巻き込まれ。重傷。
危険源への暴露頻度及び時間 :材料の搬入のために15分に1度以上の頻度で接近。
危害回避の可能性 :不可能
1. 安全機能
• 非常停止用押ボタンスイッチを押すと、コンタクタK3およびK4は停止カテゴリ0で電源を遮断し、モータM1が停止する。
非常停止用押ボタンスイッチEMS1をリセットした後にS2を押すとM1が再起動する。
• 安全リレーモジュールSRM1、コンタクタK3、K4、およびそれらの配線のいずれかが故障すると、他の系統で
電源を遮断する。故障を取り除いた後、S3を押すかSRM1の電源を再起動すると故障状態から復帰する。
2. 構成部品の形番と適用規格、安全パラメータについて
記号 部品名 形番 規格 B10D MTTFD DC
EMS1 非常停止用
押ボタンスイッチ XW1E-BV402MFR EN/IEC60947-5-1、60947-5-5 100,000 - -
SRM1 安全リレーモジュール HR5S-C2S EN/ISO13849-1、EN60947-5-1 - 330 90%
K3、K4 コンタクタ - EN/IEC60947-4-1 1,300,000 - -
S2、S3 押ボタンスイッチ LB6L-M1T14S EN/IEC60947-5-1 - - -
3. 回路構成
EMS1b K3
EMS1a K4
S2 S3
F F
XW1E K3 K4 K4
A1 S11 S12 S14 S34 S35 S36 13 23
+ M1
Input / Reset input K1 K1
– DC Without
OFF-delay
SRM1 Logic
PWR
HR5S-C2S Fault
Output
A2 Y1 14 24
K3
M1: Motor
F: Fuse
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4. ブロック図
安全機能 1
非常停止機能 EMS1a K3 チャンネル 1
(チャンネル1:EMS1-K3) (NC)
(チャンネル2:EMS1-K4) SRM1
EMS1b K4 チャンネル 2
(NC)
5. 稼働条件と安全パラメータ
• 非常停止用押ボタンスイッチは3直勤務が点検のためにそれぞれ2回操作するので、1日では6回操作される。
(作業開始時と終了時の動作確認)
B10D MTTFD DC dop hop tcycle nop
EMS1a 100,000 456.6 90% 365 24 14,400 2,190
EMS1b 100,000 456.6 90% 365 24 14,400 2,190
SRM1 - 330.0 90% - - - -
K3 1,300,000 5,936.1 90% 365 24 14,400 2,190
K4 1,300,000 5,936.1 90% 365 24 14,400 2,190
6. パフォーマンスレベル計算の結果
安全機能 1 CH1 CH2 Total カテゴリ 3
非常停止機能 MTTFD 100 100 100 MTTFD high
(EMS1-K3) DCavg - - 90% DCavg medium
(EMS1-K4) CCF 65 結果 PL=d
7. 代表的な安全原則および安全条件
• 安全システムの共通原因故障は対策され、65点以上とする。
• 非常停止用押ボタンスイッチと安全リレーモジュール間などの配線は IEC60204-1、ISO13849-2の要件を満足し、
短絡故障を除外できるものとする。
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F3004-2 2023年7月発行