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<期間限定公開>非常停止装置の設計ガイドブック

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ドキュメント名 <期間限定公開>非常停止装置の設計ガイドブック
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改訂版国際規格に対応するための 非常停止装置の設計ガイドブック ISO13850 : 2015 非常停止機能
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はじめに ISO13850は「機械類の安全性 - 非常停止機能 - 設計原則」であり、機械の非常停止装置を設計するため の安全要求事項が記載された規格(B規格)です。このISO13850が2015年10月に改訂されました。 この改訂は、機械類の非常停止装置の設計に大きな影響を与えます。 本書では、規格改訂による影響が特に大きい内容についての解説および設計ガイドを示します。 非常停止機能は、人の挙動または予期しない危険事象によって現実に発生している、または切迫した非常事態 を回避するために、人の“意図した”操作により実現する機能です。 例えば、非常停止スイッチは切迫した状況において人が“意図した”操作をすることになるため、操作性・視認 性を高め、迷うことなく操作できることが必要です。 また、人が“意図した”非常停止スイッチのリセット操作を行うまで、非常停止機能による機械の運転停止状態 が維持されることも必要です。 そのため、今回の規格改訂においては、人の“意図”についてより強調される内容になっております。 なお、本書にはISO13850:2015の内容を一部抜粋して記載しております。機械類の非常停止装置を設計 される前には規格原文もご確認ください。また、ISO13850:2015は2019年1月時点 でJIS化されておりま せん。そのため、本書で示す規格の和訳は、弊社にて翻訳した参考和訳になります。 和訳について疑問・不明点等があれば、規格原文をご確認ください。
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目 次 1 .意図した操作 4 1 . 1 推奨されるアクチュエータや銘板について 1 . 2 非常停止機器の設置位置について 2 .意図しない操作の防止 7 3 .意図したリセット操作 8 3 . 1 人の意図の重要性について 3 . 2 リセットに関する取扱説明書への記述について 3 . 3 推奨されないリセットタイプについて 3 . 4 解除方向の表示について 4 .意図しないリセット操作の防止 10 5 .非常停止機器の制御範囲 11 6 .要求パフォーマンスレベル(PLr)、安全度水準(SIL) 12 7 .携行式オペレータコントロールステーションの非常停止機能 13 用語および定義 14
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1 意図した操作 1.1 推奨されるアクチュエータや銘板について 規格改訂前から、「意図した操作」に関しては、以下の安全要求事項がありました。  改訂前と変わらない安全要求事項 ISO13850:2015 4.1.1.2項 非常停止機能は、いつでも利用可能、かつ、操作可能でなければならない。 4.3.6項 非常停止機器のアクチュエータは、赤色でなければならない。 アクチュエータ背後に背景があり、実施可能な場合、背景は黄色でなければならない。 上記に加え、今回の改訂により以下の安全要求事項が追加されました。  規格改訂による新たな安全要求事項 ISO13850:2015 4.3.7項 アクチュエータおよびその背景のいずれにも、文字または図記号は付けない方がよい。 この規格改訂により、非常停止機器のアクチュエータや銘板に「非常停止」や「EMERGENCY STOP」などの文字や記号を表示 しないことが推奨されております。これはグローバル化に伴う作業者の第1言語の多様性から、文字・図記号を認識しなくても 赤色アクチュエータ と 黄色背景 の組合せ = 非常停止機器 (たとえ、文字・図記号が無くても) という共通認識を持ってもらうことを目的としています。また、人が非常停止機器の操作を意図した時、赤と黄の色の組合せだけで 認識して操作する方が、文字・図記号を認識してから操作するより素早く操作できることも期待されます。 推奨されない 推 奨 なお、弊社では以下の無地銘板をご用意しております。用途に応じてご選定ください。   IDECの非常停止用押ボタンスイッチ銘板 取付穴 サイズ 品名 文字仕様 形番 (ご注文形番) 材質 地色  中形(∅30)ボタン用銘板 HAAV-0 ∅16 ポリアミド樹脂  大形(∅40)ボタン用銘板 HAAV4-0  大形(∅40)ボタン用銘板 無地 HWAV-0-Y ポリアミド樹脂 黄色 ∅22 特大形(∅60)ボタン用銘板 HWAV5-0 PBT樹脂 ∅30 - HNAV-0 ポリアミド樹脂 4
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外形寸法図 (単位:mm) ø16用 中形(ø30)ボタン用銘板 大形(ø40)ボタン用銘板 HAAV-0形 HAAV4-0形 ø43 .5 ø60 ø16 ø 1.7 0.3 16 1.7 0.5 ø22用 大形(ø40)ボタン用銘板 特大形(ø60)ボタン用銘板 HWAV-0-Y形 HWAV5-0形 ø80 ø60 ø22 1.5 1.0 2.3 0.6 ø30用 HNAV-0形 ø60 ø30 1.5 1.0 5 ø2 2
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1.2 非常停止機器の設置位置について 規格改訂前から非常停止機器の設置位置に関する安全要求事項がありました。  改訂前と変わらない安全要求事項 ISO13850:2015 4.3.2項 非常停止機器は、次の場所に配置しなければならない – リスクアセスメントの結果によって必要としない場合を除き、各オペレータコントロールステーション – リスクアセスメントによって決定される他の場所 今回の規格改訂により、上記に加えて具体的な設置位置の例が明記されました。  改訂による新たな安全要求事項 ISO13850:2015 4.3.2項 – リスクアセスメントによって決定される他の場所。 例えば、 – 出入口 – 機械への介入、例えば、ホールド・ツー・ラン制御機能の操作が必要な場所 – 設計上、人と機械の干渉が想定されるすべての場所(例えば、搬入/搬出区域) 手で操作することを意図した非常停止機器のアクチュエータは、接近のための平面(例えば、床/プラットフォーム) から0.6m以上1.7m以下の高さに取り付けることが望ましい。 新規および/または既存の機械においては、上記安全要求事項を満たすことをご確認ください。 6
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2 意図しない操作の防止 これまではISO/IECの対象となる工作機械、食品機械等の機械類において、非常停止用押ボタンスイッチにスイッチガード(規格用語: 保護シュラウドと同義)を使用することは認められていませんでした。しかし、今回の規格改訂により条件付き※で保護シュラウドの 使用が認められることになりました。これは安全要求事項として「非常停止機器の意図しない操作の防止」が追加され、その実現 手段の1つとして保護シュラウドが定義されたためです。※以下の安全要求事項にある、設置位置による意図しない操作の防止が実施不可能な場合  改訂による新たな定義 ISO13850:2015 3.7項 保護シュラウド(protective shroud) 非常停止機器の意図しない操作の可能性を低減するための機械的方策 保護シュラウドの使用が認められる条件は以下の通りです。  改訂による新たな安全要求事項 ISO13850:2015 4.5項 非常停止機器の意図しない操作の防止 非常停止機器は意図しない操作を防止するように設計しなければならない。 可能な限り、意図しない操作は、機器の設置位置によって防止しなければならず、他の設計方策の適用よりも優先しなけ ればならない。 非常停止機器の操作は損なわれてはならない。 非常停止機器の意図しない操作を防止するために、例えば次の予防策をとることができる。 – 予見可能な激しい往来のある区域から離れた場所への非常停止機器の設置 – 非常停止機器のタイプ、適切なサイズまたは形状の選択 – 操作盤のくぼんだ面への非常停止機器の取り付け 意図しない操作を防ぐために必要な場合、および他の方策が実施不可能な場合を除き、非常停止機器の周囲への保護シュ ラウドの使用は避けることが望ましい。 意図しない操作に対する方策が、非常停止機器の操作を必要とする機械オペレータおよび他の人の予見可能なあらゆる 位置からの手のひらによる操作を妨げてはならない。 前記4.3.2項および前記4.5項の安全要求事項を検討した結果、保護シュラウドが必要と判断された場合は、以下の弊社製スイッ チガードと非常停止用押ボタンスイッチの組み合わせからご選定ください。以下の組み合わせはTÜVラインランドにおいて ISO13850:2015の適合確認を受けております。 ISO13850:2015に適合した非常停止用押ボタンスイッチとスイッチガードの組合せ 外観 スイッチガード 対応機種 形番 (形番および外観写真との 外観 スイッチガード 対応機種 形番 (形番および外観写真との 対比操作ヘッド部) 対比操作ヘッド部) ø16 ① XA1E-BV3 ø22 ⑥ XW1E-BV4 ① ②   XA1E-BV4 ⑥ ⑦   XW1E-LV4 XA9Z-KG1 HW9Z-KG5   XW1E-TV4 ② XA1E-LV3   XA1E-LV4 ⑦ XW1E-BV5 ø22 ø30 ⑧ ③       ⑧ XN1E-BV4   ③ XW1E-BV4   XN1E-BV5 HW9Z-KG3   XW1E-LV4 XN9Z-KG1   XN1E-LV4   XW1E-TV4   XN1E-TV4 ø22 ④ ⑤ ④ XW1E-BV4  XW1E-LV4 HW9Z-KG4   XW1E-TV4 ⑤ XW1E-BV5 7
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3 意図したリセット操作 3.1 人の意図の重要性について 今回の規格改訂により、以下の安全要求事項が追加されました。  改訂による新たな安全要求事項 ISO13850:2015 4.1.1.2項 非常停止機能は,人間の意図した操作によってリセットされなければならない。非常停止機能のリセットは,非常停止機器 の解除によって作動しなければならない。 上記に示されるように、非常停止機能のリセットには「人間の意図」が重要な位置づけにあることが明示されました。 3.2 リセットに関する取扱説明書への記述について 今回の改訂により、以下の安全要求事項が追加されました。  改訂による新たな安全要求事項 ISO13850:2015 4.1.4項 非常停止機器の解除 非常停止機器の作動後及び解除前に,作動した原因を発見するため,機械類を検査することを機械の取扱説明書で記述し なければならない。 非常停止機器が操作されるということは、何らかの非常事態が生じた可能性を意味します。そのため、非常停止機器を解除す る前には、機械類の安全条件が整っていることを確認する必要があります。このことを機械ユーザにも周知するため、上記の安 全要求事項が追加されています。ですので、取扱説明書の記述内容をご検討ください。 3.3 推奨されない解除タイプについて 今回の規格改訂により、以下の安全要求事項が追加されました。  改訂による新たな安全要求事項 ISO13850:2015 4.3.6項 解除(アンラッチ)するためにアクチュエータ上に鍵を必要とする非常停止機器は、使用しないほうがよい。 非常停止アクチュエータが鍵の使用によってだけ解除できる場合は、手の傷害を避けるために、以下を実施しなければなら ない。 • 鍵の正しい使用法を機械の取扱説明書に記載する。 • アクチュエータを解除するときだけ、鍵をセットすることが望ましいことを示す警告を表示する。 この安全要求事項が追加された理由は、鍵がアクチュエータに挿入された状態において、 非常事態時に非常停止用押ボタンスイッチを操作すると、鍵で手をケガする可能性が あるためです。そのため、鍵解除タイプの非常停止用押ボタンスイッチの使用は規格 ! 改訂により、推奨されなくなりました。 なお、リスクアセスメントを実施した上で弊社製の鍵リセットタイプの非常停止用押ボタ ンスイッチを使用する場合、上記安全要求事項に従ってください。 8
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3.4 解除方向の表示について 今回の改訂により、以下の安全要求事項が追加されました。  改訂による新たな安全要求事項 ISO13850:2015 4.3.7項 アクチュエータの解除方向を明示する必要がある場合、その表示はアクチュエータと同じ、もしくはほぼ同じ色でなけれ ばならない。 多くの非常停止機器のアクチュエータは解除方向を矢印マークで示しています。しかし矢印マークが目立ち過ぎると、作業者に よっては解除方向を示す矢印マークが非常停止用押ボタンスイッチの操作方向を示していると誤解する可能性もあります。 そのため、とっさの操作時に作業者に混乱が生じないよう、リセット方向を示す矢印マークは目立ち過ぎないようにする必要が あります。 非常停止用押ボタンスイッチをご選定される場合、上記に対応した以下の弊社製品をご選定ください。 ø16 X6シリーズ ø16 XAシリーズ ø22 XWシリーズ ø30 XNシリーズ 9
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4 意図しないリセット操作の防止 改訂後の規格において、意図しないリセット操作の防止については安全要求事項としては直接的に明示されてはいません。 しかし、3項「 意図したリセット操作」と対になる「意図しないリセット操作の防止」は現実問題として重要です。 これまでは「意図しないリセット操作の防止」を実現するために、3.3項に示す鍵リセットタイプの非常停止用押ボタンスイッチを使用 してきました。しかし、前述の通り推奨されなくなりました。そのため「意図しないリセット防止」については、別方策が必要となります。 その別方策の1つが、パドロック対応非常停止用押ボタンスイッチです。下図のように非常停止用押ボタンスイッチを操作した後でのみ、 各作業者が自分専用の南京錠(パドロック)をかけることができ、その鍵を携帯することにより、他の作業者による意図しないリセット 操作を防止することができます。 弊社では以下のパドロック対応非常停止用押ボタンスイッチをご用意しております。用途に応じてご選定ください。 XNシリ―ズ パドロック対応 非常停止用押ボタンスイッチ パドロック対応非常停止用押ボタンスイッチ 使用例 <複数人の場合の使用例> 1 作業者Aが非常停止用押ボタンスイッチを押して機械を停止。 責任者:1名 作業者:3名 作業者A 責任者用 注)押されていない状態では南京錠はかけられません 2 作業者Aが非常停止用押ボタンスイッチを押した状態を維持 できるように南京錠をかけ、機械に接近し作業する。 作業者A 作業者Aが 南京錠を 作業者用 かける。 3 作業者Bが作業者Aの存在に気付かず、 非常停止用押ボタンスイッチを解除しようとするが、 南京錠がかかっているため、解除できない。 作業者Aは、 作業者Bから死角 作業者は 南京錠の鍵を持って いるので安心! 作業者B 4 作業者Bによる機械の再起動はできない。 作業者A 安 全 作業者B ※最終責任者が安全を確認し、リセットする。 10
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5 非常停止機器の制御範囲 非常停止機器を操作した場合、機械全体を停止させることが原則です。しかし、今回の規格改訂により、例外として以下に示すような 機械装置を部分的に停止させる「制御範囲」という新しい概念が導入されました。  改訂による新たな安全要求事項 ISO13850:2015 4.1.2項 各非常停止機器の制御範囲は機械全体を包含しなければならない。例外として、例えば連結されたすべての機械類を 停止することが新たな危険源を生じる、または生産に不必要な影響をおよぼす可能性がある場合は、機械全体をひとつの 制御範囲とすることが適切ではない場合がある。 • 非常停止機器の制御範囲の概念図 1 . 非常停止機器 2 . 制御範囲 3 . 機械の一部、もしくは機械 1 1 1 1 1 1 1 2 2 2 2 3 3 3 3 3 3 4.1.2.1項 次の要求事項を満たす場合は、複数の制御範囲を適用することができる。 – 制御範囲は、明確に定義し、識別可能でなければならない。 – 非常停止機器は,非常停止を必要とする危険源と容易に関連付けられなければならない。 – 非常停止機器の制御範囲は、それぞれの非常停止機器の操作位置において識別可能でなければならない。 – いかなる制御範囲においても、非常停止機器の作動が新たな危険源を発生してはならず、  また、リスクを増加させてはならない。 – ある制御範囲における非常停止機器の作動が、他の制御範囲における非常停止機器の始動を妨げてはならない。 – 機械の使用上の情報は、非常停止機器の制御範囲に関する情報を含まなければならない。 この規格改訂により、非常停止機器による機械の停止範囲を、実状に合わせてきめ細かく設定ができるようになりました。 制御範囲を設定する場合、上記の安全要求事項をご確認の上、ご検討ください。 11
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6 要求パフォーマンスレベル(PLr)、安全度水準(SIL) 今回の規格改訂により、非常停止機能に求められる最低限の要求パフォーマンスレベルPLrおよび安全度水準SILが、 以下のように規定されました。  改訂による新たな安全要求事項 ISO13850:2015 4.1.5項 非常停止装置 4.1.5.1項 非常停止機能を実行する制御システムまたはサブシステムの安全関連部はISO13849-1および/またはIEC62061の 関連要求事項に従わなければならない。 要求されるパフォーマンスレベル(PL)もしくはSILの決定においては、非常停止機能の目的を考慮することが望ましいが、 最低条件はPLr c またはSIL 1である。 今回の規格改訂により、参考文献として機能安全に関する国際規格 ISO13849-1、IEC62061が追加されました。 リスクアセスメントの結果によりますが、最低限の要求として、PLr c またはSIL 1が必要になります。 なお、ISO13849-1および/またはIEC62061に従った安全評価のための支援ソフトウェア:SISTEMA(*1)においては、 以下の弊社製の非常停止用押ボタンスイッチが登録されております。 PLやSILを検討する場合、必要に応じてSISTEMA(*1) をご活用ください。 弊社製非常停止用押ボタンスイッチのSISTEMA(*1)登録状況(2024年10月現在) 製品 種別 名称 B10d MTTFd DC 種別 (回) (年) (%) Category PL PFHd SIL 備考 element block subsystem 1 XA(一体形) - - - - - - 押非 ボ常 2 XA(分離形) - - - - - - EN60947-5-5適合の タ停 3 X6(一体形) - - - - - - 非常停止用押ボタンスイッチ ン止 ス用 4 XWシリーズ I.0E+05 - - - - - - イ NC接点は直接開路動作機能 5 XNシリーズ - - - - - - ッ を持つ チ 6 HW(一体形) - - - - - - (IEC60947-5-1 Annex K) 7 HW(分離形) - - - - - - *1)ドイツ法的損害保険試験研究機関(DGUV / IFA)が開発および配布。   右記よりダウンロード可能。(http://www.dguv.de/ifa/praxishilfen/practical-solutions-machine-safety/software-sistema/index.jsp) 12
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7 携行式オペレータコントロールステーションの非常停止機能 規格改訂前に記載されていた、以下の安全要求事項は規格改訂により削除されました。  改訂前の安全要求事項 ISO13850:2006 (今回の改訂により削除) 4.1.1項 非常停止機器を機械本体から切り離すことができる場合(例えば、携帯形教示ペンダント)、または機械類を部分的に 分離できる場合、動作中および非動作中の制御機器の間に不整合が生じないように注意することが望ましい。 今回の規格改訂により上記に替わり、以下の安全要求事項が追加されました。  改訂による新たな安全要求事項 ISO13850:2015 4.3.8項 非常停止機器を取り外し可能(例えば、プラグ着脱可能な携行式教示ペンダント)またはケーブルレスオペレータコント ロールステーションに設置する場合、少なくとも1つの非常停止機器は機械上で恒久的に(例えば、固定された位置で) 利用できなければならない。 さらに、有効な非常停止機器と無効な非常停止機器の混同を避けるために、次の方策のうち、少なくとも1つを 適用しなければならない。 • 照明によって有効な非常停止機器の色を変える。(*1) • 無効な非常停止機器に自動(自己起動する)カバーを付ける。これが実施不可能な場合、手動カバーを使用  してもよい。その場合、ケーブルレスオペレータコントロールステーションから外れないこととする。 • 取り外し可能またはケーブルレスオペレータコントロールステーションの適切な保管場所を用意する。 有効な非常停止機器と無効な非常停止機器の混同を避けるために適用した方策を、機械の取扱説明書に記載し なければならない。また、その方策の正しい実施方法を明示しなければならない。 上記の安全要求事項は、着脱可能な携行式教示ペンダントまたはケーブルレスオペレータコントロールステーション上の非常停 止機器が無効状態の時に、有効と思って非常停止機器を操作したにもかかわらず、非常停止機能が働かないために事故に繋がる ようなことを防ぐことが目的です。着脱可能な携行式教示ペンダントまたはケーブルレスオペレータコントロールステーションを 検討される場合、上記の安全要求事項をご確認の上ご検討ください。 *1)例 無効状態(消灯) 有効状態(赤点灯) 抜けている 接続されている • 有効な状態/無効な状態とは、非常停止用押ボタンスイッチのボタン操作(ロック/アンロック)状態を表すものではありません。 13
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用語および定義 ISO13850:2015 3 . 1 非常停止(E-stop)、非常停止機能(emergency stop(E-stop)、 emergency stop function) 次のことを意図する機能。 - 人に対する危険源を、又は機械類若しくは工程中の加工物への損害を、避けるか又は低減する。 - 人間の単一の動作によって始動する。 3 . 2 非常停止装置(emergency stop equipment) 非常停止機能を実行する制御システムの安全関連部 注記:典型的な非常停止装置は、入力、処理及び出力要素で構成される。 3 . 3 非常停止機器(emergency stop device) 非常停止機能を始動するために使用される手動操作の制御機器。 3 . 5 安全機能(safety function) 故障がリスクの増加に直ちにつながるような機械の機能。 3 . 6 非常停止機器の制御範囲(span of control of emergency stop device(s)) 特定の非常停止機器の制御下にある、あらかじめ決められた機械類の範囲 3 . 7 保護シュラウド(protective shroud) 非常停止機器の意図しない操作の可能性を低減するための機械的方策 3 . 8 非常事態(emergency situation) 緊急に終了、又は回避することが必要な危険状態 注記:非常事態は、次のような場合に発生する。 - 機械の正常な運転中(例えば、人の介入による、又は外部影響の結果として) - 機能不良又は機械のいずれかの部分の故障の結果として 14
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おわりに 本書はISO13850:2015「機械類の安全性 - 非常停止機能 - 設計原則」において、 新たに追加された安全要求事項を主として、弊社の視点でまとめたものです。 最終的な適合性については規格原本の内容を確認いただくことはもちろんのこと、 お客様の機械類の用途に応じた法令、規制、規格等によりご判断ください。 15
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安全のことならIDECまでお気軽にご相談ください。 IDECの情報はインターネットでアクセスできます。 jp.idec.com F3001-2 2024年10月発行