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【導入事例】「アナログ運用」だったパレット枚数管理業務をDX化(TOTO株式会社様)

事例紹介

トラックドライバーの作業負荷はゼロ、構内作業者の作業時間は約60%削減、トラック待機時間の短縮にも成功

【「アナログ運用」だったパレット枚数管理業務をDX化し、作業負荷軽減とトラック待機時間短縮を実現】

■お客様情報
社名:TOTO株式会社
業界:住宅設備機器メーカー

アナログ運用でのパレット枚数管理業務を改善するため、スマートフォンでパレットを撮影するだけで瞬時にパレット枚数を色別にカウントできる「パレットファインダー」を導入。

トラックドライバーの作業負荷はゼロ、構内作業者の作業時間は約60%削減、トラック待機時間の短縮にも成功!

【導入後の効果】
★目視のカウント作業等が不要になった。
★作業時間が削減され、トラック待機時間短縮につながった。

このカタログについて

ドキュメント名 【導入事例】「アナログ運用」だったパレット枚数管理業務をDX化(TOTO株式会社様)
ドキュメント種別 事例紹介
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取り扱い企業 ユーピーアール株式会社 (この企業の取り扱いカタログ一覧)

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このカタログの内容

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るからだ。その後、様々な企業にシステムの実現可能性についてヒアリングした結果、ユーピーアールが賛同し開発がスタートした。 まで到達できたんだという実感があった」と中村氏は語る。 導入 製品名 業界名 住宅設備機器メーカー 齋藤氏は「相談してみたら、『ぜひ一緒に開発しましょう』と即答していただけた」と振り返る。  リリース後も、常に性能・機能改善を行っている中、直接現場から喜びの声をもらうという出来事もあった。1台のトラックに積んである  まずは、要件を明確にした。1つ目は、パレット枚数を色別で瞬時にカウントできるようにすること。2つ目は、カウントしたパレットの パレットをその後複数の方面に運ぶ際、トラック内の全てのパレットではなく、方面ごとにパレットの色別枚数の管理が必要となる。従来 事例 社名 TOTO株式会社 色別枚数の情報を、TOTOの基幹システムに自動で反映し、さらに伝票として印刷すること。その後、システムの本格運用日を決定し、 は撮影した画像内のパレットを1つ1つ手で修正する必要があったが、複数選択で一気に修正できる機能を追加した。バージョンアップ 開発スケジュールを作成していった。今回は世の中にないシステムを開発するため、機能や操作性において具体的にどのようなニーズが した「パレットファインダー」を物流センターに持っていき、実際に現場の構内作業者に利用してもらったところ、感動してもらえた あるか、当時は参考データがなかった。そのため、ユーザーの要求を把握し、それを満たしつつシステムの性能を高めていく形で進めて という。現場にいた永山氏は当時の心境を「技術的には難しい追加作業ではなかったが、現場の方たちの喜んでくれた顔を見て、 いけるよう「アジャイル開発※」で試作品の検証と改善を繰り返すことにした。 こういうソリューションを作って本当によかったなと感じた」と振り返る。 物流の2024年問題にスマートフォンで貢献! ● ユーザビリティと精度の追求  開発の際は、実際に利用する構内作業者の協力が不可欠だったため、TOTO 西日本物流部 小倉物流製品課の中村氏は、細かな使い 「アナログ運用」だったパレット枚数管理業務を 心地までこだわり、現場の声を開発チームに届け続けた。操作ボタンの配置や文字の大きさといった操作性はもちろんのこと、パレットの 検出時間には特にこだわった。「パレットファインダー」で撮影した画像をサーバーに送り画像処理を行うことで、より高い検出性能を DX化し、作業負荷軽減とトラック待機時間短縮を実現。 維持するといった案もあったが、検出時間が3秒程度かかってしまう。理想の検出時間は1~2秒だったため、高性能は維持しつつ 何とかスマートフォン内で画像処理を完結させられないか、開発チームと繰り返し協議を行った。「今まで、全ての作業を自分の手で やってきた構内作業者にとって、『何もしない時間(検出を待機する時間)』が3秒生まれるだけで、“ストレス”になってしまう。例え良いもの アナログ運用でのパレット枚数管理業務を改善 トラックドライバーの作業負荷が大きいアナログな を開発できたとしても、それを使ってもらえなければ意味がない。『パレットファインダー』の最終的なユーザーである構内作業者に認めて するため、スマートフォンでパレットを撮影する 課題 パレット枚数管理業務により、長時間のトラック待機 もらうためには、このたった1秒にこだわることが非常に重要だった」と中村氏は語る。 だけで瞬時にパレット枚数を色別にカウント 時間を発生させていた。  そして「パレットファインダー」の開発において、一番重要となるのが、パレットの検出 できる「パレットファインダー」を開発。トラック 精度だった。ユーピーアール 開発担当の永山氏によると「今回の要件は“パレット検出精度 ドライバーの作業負荷はゼロ、構内作業者の 目視のカウント作業が不要になった。180時間/月 を100%に近いレベルまで高めること”であり、これこそが最大の難関だった」と言う。 作業時間は約60%削減、トラック待機時間の 成果 あったトラックドライバーの作業時間はゼロになり、 構内作業者の作業時間は257時間/月→100時間/月 当初は、200枚の画像を用い、50%に満たない検出精度からのスタートだった。TOTO 短縮にも成功! に削減され、トラック待機時間短縮につながった。 の協力を得て3か月で画像4,000枚をAIに学習させ、90%まで精度をあげた。永山氏 は、ここから100%に近づけることに大変苦慮したという。本来、AI画像処理技術で 100%の検出率を実現するには、数万枚~数十万枚ものサンプル画像を学習させる必要 課題 アナログなパレット枚数管理業務によるトラック待機時間発生と、 がある。4,000枚のサンプル画像を使い、限られた納期の中でどうやって検出率を 100%近くまで上げるか、試行錯誤を続ける中、検出時にNG(検出失敗)となった300枚 新型コロナウイルスの感染リスクを懸念 の画像に着目した。「このNGの原因を“全て”解析し、その傾向を掴んで対策ができれば、 開発当時を3人で振り返る。左から中村氏、 検出率を限りなく100%に近づけられるのではないか」と思いつき、300枚のNG画像を 永山氏、齋藤氏 1つずつ地道に解析した結果、NGが出やすいパレットの傾向をつかむことに成功した。  TOTO株式会社(以下、TOTO)は、全国に20か所の生産拠点、4か所の物流拠点を持つ大手住宅設備機器メーカーである。各物流 NG傾向にある画像を追加で200枚入手し、その画像をAIに学習させていった。このよう 拠点では日々、トラックドライバーと構内作業者が5種類のパレットをそれぞれ目視でカウントし、紙伝票に記録した後、数え間違いがない な技術面だけではなく、パレット撮影時の撮影者の位置等、運用面でも改善をはかり、最終的 か照合し、パレット管理システムへ手入力する、というアナログなパレット枚数管理業務を行っていた。数え間違いによりパレットの在庫 に検出率を99%以上にまで高めることができた。さらに、万が一「パレットファインダー」 管理が疎かになると、商品を円滑に出荷できなくなるリスクがあるため、丁寧かつ正確にカウントすることが必須であった。そのため、 が適正にパレットを検出できないことがあった場合に備え、手入力で検索結果を修正でき トラックドライバーと構内作業者がパレット枚数を数え、照合を完了させるまで約3分、紙伝票の情報をシステムに手入力するまでの工程 る機能や、撮影画像をサーバーへ自動保存しAIの追加学習を行う仕組みを構築した。 を含めると、トラック1台あたり合計で4分程度の作業時間が発生していた。毎日約200台のトラックが出入りすることから、パレット枚数 ※アジャイル開発とは、「計画→設計→実装→テスト」といった開発工程を小さいサイクルで何度も繰り 「パレットファインダー」操作画面 管理業務だけでトラック待機時間は相当な長さに及んでいた。物流業界では、2024年 返し、徐々に完成度を高めていく方法である。何度も現場でテストを重ねるため、優先度の高い重要な からトラックドライバーの時間外労働時間が制限される影響で輸送能力の不足が危惧され 機能から着手でき、マーケットインまでの期間を短縮することができる。 ているため、トラックドライバーの作業負担を減らし、トラック待機時間を短縮させることが TOTOの物流業務における課題となっていた。  2020年、新型コロナウイルス感染症がまん延し、誰もがマスクをして「ソーシャル ディスタンス」を意識する中、構内作業者はトラックドライバーと近距離でパレット枚数を 成果 トラックドライバーの作業時間ゼロ、 照合していた。しかもその作業を、次々に来るトラックのドライバーと毎回行う必要が 構内作業者の作業時間約60%削減でトラック待機時間短縮を実現 あった。TOTO 物流推進部 物流革新グループの齋藤氏はその光景を目の当たりにし、 「現状の管理方法だと感染リスクが高いため、より安全に働ける環境にしたい」と強く思う  従来の運用では、トラックドライバーと構内作業者が2名体制でパレットの枚数をカウントしていたが、スマートフォンでパレットを撮影 ようになった。そこで、「トラックドライバーや構内作業者の業務効率化およびトラック するだけでパレットの色別枚数をカウントできるようになったため、180時間/月あったトラックドライバーの作業時間はゼロになった。 待機時間の短縮」と「新型コロナウイルスの感染リスクの中、安心して働ける環境の トラックドライバーと構内作業者の2名で また、パレット検出時間を可能な限り短くし、TOTOの基幹システムへデータを自動で反映 構築」という2つの課題を解決すべく、パレット枚数管理業務の改革に取り組むことにした。 パレット枚数を目視でカウントしていた。 し、伝票として印刷するまでを現場で完結できるようになったため、構内作業者の作業 時間も257時間/月から100時間/月と、約60%削減できた。現在はトラックドライバー のパレット枚数管理業務を廃止し、構内作業者1名で作業を行っている。トラックドライバー と構内作業者の業務負荷が軽減された結果、現場で発生していた作業時間(トラック待機 検討 現場に使われるソリューションにするため、 時間)も4分/台から1.5分/台まで短縮することに成功した。トラックドライバーからは、 検出時間の短縮と精度100%実現に向け試行錯誤 作業負荷が一切なくなり、現場での待機時間が大幅に短くなったことで、非常に高い評価 をいただいている。  アナログ運用を「当たり前」と認識していた構内作業者も、今では当然のように「パレット ● パレットカウントシステムの構想と開発の始動 ファインダー」を使っている。以前、「パレットファインダー」に不具合が生じて、従来の  齋藤氏は、コロナ禍で注目されていた「画像処理技術」に着目し、これをスマートフォンで応用してパレットを色別にカウントできる パレット管理方法に運用を戻した時期があった。その際、構内作業者から「『パレット スマートフォンで撮影するだけで システムを新たに作れないかと考えた。スマートフォンであれば、誰もが扱いやすく、専用機器を開発することに比べてコストも抑えられ ファインダー』がないと困る」という声が上がったという。「開発したものが、そのレベル 瞬時にパレットの枚数を色別にカウントできる。
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まで到達できたんだという実感があった」と中村氏は語る。  リリース後も、常に性能・機能改善を行っている中、直接現場から喜びの声をもらうという出来事もあった。1台のトラックに積んである パレットをその後複数の方面に運ぶ際、トラック内の全てのパレットではなく、方面ごとにパレットの色別枚数の管理が必要となる。従来 は撮影した画像内のパレットを1つ1つ手で修正する必要があったが、複数選択で一気に修正できる機能を追加した。バージョンアップ した「パレットファインダー」を物流センターに持っていき、実際に現場の構内作業者に利用してもらったところ、感動してもらえた という。現場にいた永山氏は当時の心境を「技術的には難しい追加作業ではなかったが、現場の方たちの喜んでくれた顔を見て、 こういうソリューションを作って本当によかったなと感じた」と振り返る。 展望 「パレットファインダー」を様々な業界・業種へ展開。 物流業界を牽引する存在を目指す  齋藤氏は「『パレットファインダー』の技術について、自社で独占せず物流業界に普及させることにこそ意義がある。物流は社会全体で 協力して最適化を図っていくもので、これによってお客様・企業・ドライバーのみんなが助かり、活気づく」と言う。実際、ユーピーアールに も数多くの企業から「パレットファインダー」を自社に導入したいという声が寄せられている。永山氏は「『パレットファインダー』を様々な 業界・業種の方に見せる機会というのが非常に多く、高評価を受けている。ユーピーアー ルは、物流の川上から川下までの多様な課題に対する『ソリューション提案企業』を目指し ているため、TOTO様のご意向を心強く思う」という。  さらに「物流の2024年問題で何割かの荷物が届けられなくなる時代が来る。そんな時 に、ドライバーの負荷を減らし、物流業者から選ばれる、物流業者に優しい企業になりたい。 そうすることでTOTOの商品を物流を使ってしっかりお客様にお届けできると考えて いる。物流業界では、不便のある現状を『当たり前』だと認識してきた節があった。しかし、 その状態が『当たり前』であって良いはずはない。より便利になった『当たり前』を作る ために私たちは継続して“変化”していかなければいけない。物流の2024年問題に 向けまだまだ改善できる点はたくさんあるので、これからも物流業界を牽引していきたい」 と齋藤氏は語る。 「『パレットファインダー』を物流業界に普及 させることにこそ意義がある」と齋藤氏は語る。  従来の運用では、トラックドライバーと構内作業者が2名体制でパレットの枚数をカウントしていたが、スマートフォンでパレットを撮影 するだけでパレットの色別枚数をカウントできるようになったため、180時間/月あったトラックドライバーの作業時間はゼロになった。 また、パレット検出時間を可能な限り短くし、TOTOの基幹システムへデータを自動で反映 し、伝票として印刷するまでを現場で完結できるようになったため、構内作業者の作業 時間も257時間/月から100時間/月と、約60%削減できた。現在はトラックドライバー USER PROFILE のパレット枚数管理業務を廃止し、構内作業者1名で作業を行っている。トラックドライバー と構内作業者の業務負荷が軽減された結果、現場で発生していた作業時間(トラック待機 TOTO株式会社 時間)も4分/台から1.5分/台まで短縮することに成功した。トラックドライバーからは、 設 立 /1917年5月15日 作業負荷が一切なくなり、現場での待機時間が大幅に短くなったことで、非常に高い評価 本 社 /福岡県北九州市小倉北区中島2-1-1 〒100-0011 をいただいている。 代 表 者 /代表取締役 社長執行役員 清田 徳明 東京都千代田区内幸町1-3-2  アナログ運用を「当たり前」と認識していた構内作業者も、今では当然のように「パレット 事業内容 /グローバル住設事業(衛生陶器、ウォシュレット®など)、 内幸町東急ビル12F  新領域事業(静電チャック、AD部材など) TEL:03-3593-1727 ファインダー」を使っている。以前、「パレットファインダー」に不具合が生じて、従来の E-mai:l mail@upr-net.co.jp パレット管理方法に運用を戻した時期があった。その際、構内作業者から「『パレット URL:https://www.upr-net.co.jp/ ファインダー』がないと困る」という声が上がったという。「開発したものが、そのレベル 2024年4月 発行