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A&D 天秤・はかりのJCSS・一般校正をお客様の設置場所までお伺いして校正します
このカタログについて
ドキュメント名 | A&D はかり現地校正サービスのご案内 |
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ドキュメント種別 | 製品カタログ |
ファイルサイズ | 1.2Mb |
取り扱い企業 | 株式会社エー・アンド・デイ (この企業の取り扱いカタログ一覧) |
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このカタログの内容
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この度は、弊社の製品をお求めいただきまして、誠にありがとうございます。
製品を末永く正確にご使用いただくため、
弊社では「校正サービス」をご提供させていただいています。
ぜひ、ご利用いただきますよう、お願い申し上げます。
はかり現地校正おすすめのポイント
● 当日まで使用可能で、時間のロスが最少
● 輸送のリスクがなく手間も不要
● 現地環境を含め信憑性の高い結果
● 他社製品もまとめて校正可能で、複数社よりお得
はかり現地校正のサービス内容
● JCSS校正・一般校正・IQOQ・最小計量値
▼校正サービス内容に関するご質問
(株)エー・アンド・デイ FE部校正担当
TEL:048-593-1743(電話受付 9:00~17:00)
見積・ご依頼は販売店へご用命願います。
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【保存版】計量器を正しくご使用いただく為の注意点
1. 傾斜による誤差 2. 対流の影響(対流による計量値のバラツキ)
A)傾斜の影響 A)対流の影響
電子天天びんでは、天秤に対し垂直方向にかかる力(質量×重力) 周囲温度よりも温度の高い試料を計量しようとすると、試料付近に空気
を検出し表示します。天秤が傾いて設置された場合は、物体にかか の対流による上昇気流が発生して試料を持ち上げる力となり、本来の質量
る力(質量×重力)が、天びんに対して垂直な成分と水平の成分に 値より軽く表示されます。
分解されます。 試料は順々に冷やされて、上昇気流が減り、 表示値が増加していきます。
この場合も、天びんにとって垂直な成分の力のみを検出して表示 B)対流の対策
しますので、本来の質量値よりも表示値が軽くなります。 ・試料や風袋は事前に周囲温度になじませる。(対流の発生を低減させます)
B)傾斜の対策 ・試料や風袋は直接手で持たず、ピンセットなどで操作する。
水平玉を使用して、水平に天びんを設置する。 (体温の伝達を防ぎます)
・急激な温度変化のある場所に天びんを設置しない。
(窓や直射日光の当る場所など)
・温度変化のある場所では、天びん本体を覆うなど熱の遮蔽対策を行う。
3. 静電気の影響(静電気<帯電物>による計量値のバラツキ)
A)静電気の影響 C)静電気の対策
帯電物は、静電誘導により周囲の物に 対策は、除電と遮蔽(シールド)です。
逆符号の電荷を発生させ、電荷どうし ・AD-1683(除電器)で、除電する
のクーロン力が質量計測の誤差となっ ・帯電物を金属製の風袋で囲んでシールドしてしまう
て表れます。静電気は時間と共に空気 ・帯電防止剤を塗布する
や計量皿などに逃げていくため、計量 ・湿度を上げる(少なくとも45%RH以上)
値が変動する現象となります。 ・AD-1684(静電気測定器)により発生場所のチェックを行えば
帯電物が近付くと、周りの物体に帯電物と反対の電気が発生し帯電 より有効な対策を行うことができます
物と引き合うようになります。 D)静電気によるトラブルの実例
乾燥して低湿度となった冬場には、帯電した作業員が天びんに近付 具体例 1
いても同様の静電誘導が原因となり、計量値がドリフトする可能性が ・AD-4212A-200 を 2 次電池の製造ラインで使用。
あります。A&Dの分析用電子天びん(GHシリーズ、GRシリーズ、 ・樹脂製(PEEK 材)冶具とステンレス製の 2次電池が摩擦し静電気が発生し
HR-i シリーズ)では、ガラス風防の表面に金属薄膜が設定されており、 ・計量値が安定せず問題となった。AD-1683(除電器)を計量部付近に設置して問題が解決した。
人体等の帯電対策を行っています。 樹脂製の風防も、帯電防止剤を塗 具体例 2
布して対策しています。 ・AD-4212A-100 をクリームハンダの塗布ラインで使用。
B)静電気の発生 ・一定時間ごとに計量皿にハンダを塗布して、吐出量を確認。
・接触帯電 2つの物質が接触するとき ・計量部の近くに、客先で製作した樹脂製の風防があり帯電の影響で 値がばらついていた。
・摩擦帯電 物質どうしをすり合わせたとき ・帯電の影響を説明して、AD-1683(除電器)を紹介した。
・はく離帯電 接触したモノを剥がしたとき 具体例 3
・衝突帯電 物質と物質がぶつかったとき ・GP-12K を使用して脂部品の個数計量を行っている。
・帯電しやすい物…樹脂製品、ガラス、粉、フィルム、紙などの絶縁物 ・値が安定しない事があり、修理でも現象が改善しなかった。
・帯電しやすい場所…ベルトコンベアや動きのある製造ライン、乾燥した場所 ・建物の入口付近で、樹脂部品を、樹脂のボウルで計量していた。
一般に湿度が 45%RH以上では、帯電しないといわれていますが、 実際は、製造ラインや ・ボウルの金属化、樹脂ボウルの回りにアルミホイルを巻く、帯電防止剤を使用する、
コンベアなど摩擦の起きている場所は絶えず静電気が発生しています。 AD-1683(除電器)を使用し積極的に除電する事を勧めた。
4. 温度による影響 5. 磁性材の測定時の注意
室内の温度が変化すると、天びんの計量値も変化します。 この計量値の変化は感度ドリフトとして A)磁性材の影響
定義されます。 感度ドリフトはカタログや仕様書にppm(parts per million)(百万分の1)で記載され 磁性材や磁化した試料を測定する場合、天秤(天びん)の部材が磁化して引き合ったり、フォース
ています。 コイル部分が磁気の影響を受けて、正しい計量ができなくなることがあります。
【計量値とは】天びんのゼロ点表示を確認し、その後計量したい試料を皿に載せます。この時のゼロ B)磁性材への対策
点からの変化量を計量値と言います。 試料と天秤(天びん)との距離を開けることが対策となります。
GH200 の場合、感度ドリフトのスペックは±2ppm/℃ですが、これは温度が 1℃変化すると感度が ・パーマロイなど(透磁率の高い軟磁性材料)により試料を覆い、磁気シールドする。
最大で「100 万分の±2」変化する可能性があることを 示しています。 ・床下ひょう量で、天びんと試料の距離を広げる。
例)GH200 を使用していて室温が 2℃変化した時、荷重 200.0000gを測定した値は 最大で ・ 天秤(天びん)の皿と試料間に磁性の無いスペーサを配置し、磁気の影響を低減する。
以下のように変化する可能性があります。
200.0000g ×(±2ppm/℃)× 2℃
=200.0000×(±2/1000000)×2
=±0.0008g( 199.9992 ~ 200.0008g の表示となる可能性があります。)
従って、計量物を天秤の皿上に載せた状態で放置し計量すると、計量値の変化だけでなくゼロ点の
変化も足し合わせた計量値の変化を表示してしまいます。
6. 空気の流れ(風)による影響 7. 振動による影響
A)空気流れの影響 A)振動の影響
風が計量皿に当たり計量値が不安定になることがあります。 天びんは高感度のため、人間が感知しに 天びんに振動が伝わると、計量値が不安定になります。 特に低周波の振動には、注意が必要です 。
くい弱い風でも表示が不安定になります。 【振動が発生しやすい状況】
【風の影響を受けやすい場所】 ・2階以上のフロア(高層ビル)
・エアコンの吹き出し口 ・ 風の強い日、免震構造の建物で地震が発生した時
・部屋の出入り口の近く ・ 盤の弱いところ(埋立地、川岸、海岸)で、特に風の強い日
・ 通路の近く(天びんの近くを人が歩く場所) ・海岸沿いで、波の高い日
・温度変化のある場所 B)振動の対策
B)空気流れの対策 ・ 計量スピード(Response)を安定側に変更する。
・場所を変えて、計量値の安定する場所に天びんを設置する。 ・ 除震台を使用する。
・ 風防を付けて、風が皿に直接あたらないようにする。 ・1階の壁沿いに天秤(天びん)を設置する。
8. 重力による誤差
A)重力とは C)重力加速度の影響
地球上の物体は、地球の中心に引っ張られる「万有引力」と 地球の自転に伴う 東京で、100.0000g の分銅で校正した電子天びんを国内の各都市に持って行き、
「遠心力」を絶えず受けています。重力は、万有引力と遠心力の合力となります。 同じ分銅を測定するとどうなるでしょう。
重力の大きさ(F)は、重力加速度(g)と物体の質量(m)の積で表します。
F=mg 場所 重力加速度(m/sec²) 分銅の測定値(g) 東京との差分(g)
電子天びんは構造上、試料にかかる重力を質量として測定しますので、重力加 札幌 9.805 100.07 0.07
速度が変わると、表示値も変化します。重力加速度は、緯度と標高によって変 仙台 9.801 100.03 0.03
わります。 茨城 9.800 100.02 0.02
B)場所による重力加速度の変化 東京 9.798 100.00 0.00
【緯度による変化】地球の自転により遠心力が発生し、万有引力と反対の力が
作用します。これは、赤道付近が最大で両極が最小になります。つまり、赤道 名古屋 9.797 99.99 -0.01
では重力加速度が小さくなり、両極では大きくなります。 大阪 9.797 99.99 -0.01
北海道の重力加速度>沖縄の重力加速度 福岡 9.796 99.98 -0.02
【標高による変化】同じ緯度であれば、標高が高い方が地球の中心からの距離が 那覇 9.791 99.93 -0.07
長くなるので、重力加速度は小さくなります。 例えば、500g 分銅を地表で測定
する場合と、標高 100mの地点で測定する場合は、下の数式になります。 ※理科年表よりこの影響をなくすため、分解能の高い電子天秤(天びん)は、使用する現地で校正します。
ただし、地球の半径は 6371000mとしています。 また、分解能の低いはかりは、使用地域での重力加速度を設定します。
9. 浮力による誤差
空気は約1.2kg/m 3(1.2mg/cm 3)密度があり、分析天びんでは浮力の影響を受けます。 気圧が 980hPa に変化した場合、浮力による誤差は 、
例)200g のステンレス分銅(密度 8g/cm3)を測定する場合、 浮力の誤差
気圧 1000hPaで空気の密度が 0.0012g/cm3 とすると、 =0.03g-0.03g×980hPa / 1000 hPa
浮力の影響 ≠0.6 mg
=空気の密度×分銅の体積
=0.0012g/cm³×200g ÷8 g/cm³ 例えば、前日の気圧が 1000hPa で校正した天びんに、翌日の気圧が980hPaの条件下で同じ200g
=0.03 g の分銅を載せても、天びんの表示は200.0006gとなります。
*現地校正案内-FE-2017a10-PP-7