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プラスチックペレットの品質管理にお困りではありませんか?
異物混入検出は一般的な手法ですが、有機物が酸化劣化する際に出るケミルミネッセンス
(人の眼には見えない微弱な光)の測定が酸化劣化度の評価に大変有効なソリューションをご紹介します。
このカタログについて
ドキュメント名 | ケミルミネッセンス法によるプラスチックペレットの短時間酸化劣化評価 |
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ドキュメント種別 | ホワイトペーパー |
ファイルサイズ | 526.2Kb |
登録カテゴリ | |
取り扱い企業 | 英和株式会社 (この企業の取り扱いカタログ一覧) |
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このカタログの内容
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Chemiluminescence (CL) Application Note
ケミルミネッセンス法によるプラスチックペレットの短時間酸化劣化評価
はじめに
汎用プラスチックの代表であるポリプロピレン(以下 PP)は、押出し機により作成された樹脂ペレットを経て射出成型機により製品
となる。一般的にプラスチック等の高分子材料における酸化劣化評価は成形後の「製品」を用いて行われるが、劣化には長期間を
有し、通常は熱や光による劣化加速が行われている。この従来手法では、酸化劣化の結果が製品製造後のさらに期間をおいた上
で判明することから、問題が生じた場合の手戻り費用が大きくなる。また、製品出荷後に判明した場合はクレームやリコール等の大き
な問題を生む。そのため、成形前の段階で酸化劣化を評価することが望ましいが、現状、ペレット状態での酸化を捉える方法は無か
った。そこで本実験では、ケミルミネッセンスアナライザ(CLD-FS3)を用いることにより、ペレット状態での酸化劣化度の測定を試みた。
実験方法
・測定サンプル
ペレット造粒時の押出し温度 230℃、260℃、300℃のもの、及
び再度同じ条件でペレタイズしたリサイクル品(1 回、3 回、5 回)
・測定方法
- 方法:ケミルミネッセンス(化学発光、ケミルミ)法による発光比較
- 測定温度:60℃から 150℃の昇温測定
- 測定雰囲気:窒素雰囲気
- 使用機器:CLD-FS3(現 CLA-FS4)、CLS-ST3
図 1 押出し温度 300℃ペレットの測定結果
結果と考察
図 1 は 300℃で造粒したペレットの、リサイクル数に応じた
ケミルミ(化学発光)挙動である。初期品に対し、リサイクル回
数が増すごとに発光量も増大しているのがわかる。これは、リ
サイクル時の押出し中の熱により生成された過酸化物の量と
推察される。
図 2 は造粒時の押出し温度と押出し回数(リサイクル回
数)との化学発光量比較である。化学発光量は測定時間
中の総発光量積算値である。押出し温度が低温でもリサイ
クル回数が増えると発光量が増加することが分かった。また、
押出温度が高温になるほど化学発光量の増加が著しく、高
図 2 押出し温度と押出し回数の比較
温押出では材料の酸化が進みやすくなることが示唆された
以上から、ケミルミネッセンス法を用いることにより、ペレット状態でも酸化劣化度合いが測定できること、及び本手法により、リサイク
ル回数限度の定量的判断や、ペレット段階での酸化劣化品質評価、押し出し温度等の成形条件の最適化等に利用できることが
示唆された。また、数十分で測定可能であることから、生産ラインの受け入れ検査への導入がしやすく、劣化品を成形工程前に除去
するという使い方も現実的となる。
ケミルミネッセンスアナライザーへのお問い合わせは
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