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水素化反応における副生成物の原因究明

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水素化反応は有機化合物を還元または飽和させるために広く行われている化学反応です。食品・石油化学・化学・製薬など幅広い分野で利用され、その工業的価値が高まっています。

水素化反応は、触媒の種類・触媒量・溶媒・基質の純度・温度および圧力など、複数の要素に影響を受けます。このホワイトペーパーでは、これらの要素を精査することで、最終的に製造する医薬化合物に遺伝毒性のある副生成物が含まれる根本原因をつきとめた例を紹介しています。

ノバルティスの研究者らは、まず実験から大量のデータを採取できるin situ 技術に着目しました。ReactIRTM(in situ FTIR)やラマンなどのPAT装置を導入すれば、反応をリアルタイムかつ包括的また連続的に分析できるようになりますが、微量でも問題となる不純物の濃度を測定するのには向いていませんでした。HPLC、UPLC、GCなどのオフライン測定が不純物の分析に標準的に用いられていますが、水素化反応は圧力下で行うため、マニュアルでのサンプリングは困難です。 副生成のメカニズムを理解するためには、反応のどの段階で副生成物が生成されたかを特定し、次いでどのパラメータが副生成物生成を引き起こすかを知る必要があります。このホワイトペーパーでは、反応メカニズムの理解を深め化学プロセス開発を後押しするための、データ採取の新手法についてご紹介します。

このカタログについて

ドキュメント名 水素化反応における副生成物の原因究明
ドキュメント種別 製品カタログ
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取り扱い企業 メトラー・トレド株式会社 (この企業の取り扱いカタログ一覧)

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このカタログの内容

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水素化反応における 副生成物の原因究明 著者:Sonja Kamptmann(ノバルティスファーマ社主任研究員、スイス・バーゼル) 水素化反応は有機化合物を還元または飽和させるために広く行われている化学反応 です。食品・石油化学・化学・製薬など幅広い分野で利用され、その工業的価値が 高まっています。 水素化反応は、触媒の種類・触媒量・溶媒・基質の純度・温度および圧力など、複 数の要素に影響を受けます。このホワイトペーパーでは、これらの要素を精査する ことで、最終的に製造する医薬化合物に遺伝毒性のある副生成物が含まれる根本原 因をつきとめた例を紹介しています。 ノバルティスの研究者らは、まず実験から大量のデータを採取できるin situ 技術に 着目しました。ReactIRTM(in situ FTIR)やラマンなどのPAT装置を導入すれば、反応 をリアルタイムかつ包括的また連続的に分析できるようになりますが、微量でも問 題となる不純物の濃度を測定するのには向いていませんでした。HPLC、UPLC、GC などのオフライン測定が不純物の分析に標準的に用いられていますが、水素化反応 は圧力下で行うため、マニュアルでのサンプリングは困難です。 副生成のメカニ ズムを理解するためには、反応のどの段階で副生成物が生成されたかを特定し、次 いでどのパラメータが副生成物生成を引き起こすかを知る必要があります。このホ ワイトペーパーでは、反応メカニズムの理解を深め化学プロセス開発を後押しする ための、データ採取の新手法についてご紹介します。 もくじ 1 はじめに 2 実験装置 3 結果と考察 4 まとめ 5 付録:EasySamplerの圧力評価 6 付録:EasySamplerのサンプリングメカニズム Case Study
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1 はじめに 課題は適切なサンプリング技術の選定 水素化中にマニュアルでサンプリングを行うには、圧力を抜き、反応器を保護ガスでパージし、反 応器を開け、サンプリングし、反応器を閉じ、漏れ試験を行い、反応器を保護ガスでパージし、水 素ガスで反応器に圧力をかける(図1)という手順が必要であり、煩雑かつ誤差も生じやすくなりま す。 11. 水素で加圧 反応継続 10. 水素で反応器をパージ 1. 室温まで冷却 9. 反応器を加熱 2. 水素圧力を開放 8. 保護ガスで反応器をパージ 3. 保護ガスで反応器をパージ 7. リークテスト実施 4. 反応器を開ける 6. 反応器を閉める 5. サンプリング 図1:水素化反応のマニュアルサンプリング手順 不均一系触媒を用いる場合、この手順にはさらに時間がかかります。加えて水素化は高圧実験施設 で行われることが多く、得てして分析測定を行う実験室からは離れた場所に配置されています。8 時間以上となることが多い反応中にこのようなマニュアルサンプリング測定を行うと、実験の遅延 や、採取されたサンプルのばらつきが生じ得ます。 新しく開発された実験装置EasySamplerTMは、高圧・スラリー・不均一系反応のようなサンプリングが 難しい条件でも、プロセスを代表するサンプルを自動的に採取できる堅牢なインライン式装置であ り、上記のようなサンプリングにおける課題を解決できます。 この研究でノバルティス社(スイス)の化学者らは、水素化反応のマニュアルサンプリングを EasySamplerの自動サンプリングに置き換える上で必要となる条件を、以下のように定義しました。 またこれら条件の評価結果は「5 付録 EasySamplerの圧力評価」に示しました。 • 実験者の安全性の確保。すなわち反応器から水素が漏洩しないこと、反応器に大気が混入しない こと、触媒によるサンプリングチューブ破損の危険性が無いこと • オンラインデータ(水素取り込み量、反応熱量)と整合するため、サンプリング時間を記録する こと • 内部標準物質を用いずに、収率・反応速度・不純物濃度の定量を可能とする再現性のあるサンプ リングを以下の条件下で行えること - 最大圧力 5気圧 - 最高温度 80℃ - 24時間にわたる非常に再現性が高い失敗のないサンプリング - 高濃度スラリーからのサンプリング 2 Case Study METTLER TOLEDO Case Study
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研究目的は副生成物の生成原因究明 この水素化反応は2段階反応で、まずニトロアレン-1からアニリン-2へ、次いでピリジン-2 からピペリジン-3へ還元(図2)しますが、その間に副生成物としてデスアルコキシ化合物であ るデスアルコキシ-3が、製品化合物3中に重量%として0.4~0.8%のばらつきを持って生成さ れます。 N N NH H2, Pt/C +未知の H2, Pt/C +未知の不純物(B) OR OR 不純物(A)AcOH AcOH OR +二量体不純物C O2N 20 °C, 2 bar H2N 30 °C, 5 bar H2N 1 2 3 ? ? ? ? ? N N NH ? ? H H H O2N H2N H2N Desalkoxy-1 Desalkoxy-2 Desalkoxy-3 (生成し得る副生成物) (生成し得る副生成物) (問題の副生成物) 図2:ニトロアレン­1→アニリン­2(中間体)→ピペリジン­3への二段階水素化の反応スキームと生成し得る副生成物の 生成経路 この水素化反応の研究目的は、デスアルコキシ-3の生成メカニズムを解明すると共に、この問 題の副生成物がどの水素化段階で生成されていのるかを知ることであり、また副生成物生成を左 右するパラメータを見つけ出すことです。この後の工程でデスアルコキシ-3の分離は難しいう え、原薬中に不純物として残存が許されるデスアルコキシ-3の量は極めて微量であり、具体的 には製品化合物3に対するデスアルコキシ-3の許容量は重量%で0.12%以下とされています。こ のため副生成物が生成し始める時点を正確に把握し、反応を停止し、目的化合物の濃度を高く、 副生成物の量を極力少なくすることが重要です。 2 実験装置 ビュッヒ社製圧力反応システムに250mLガラス反応器(タイプ1B、最大温度200℃、最大圧力6気 圧)を装着して実験を行いました(図3)。ニトロアレン-1からアニリン-2への還元は、非常に 発熱の大きい反応ですが、Pt / C不均一系触媒(d10:4μm、d50:25μm)を用いることで大幅に緩 やかな反応となります。 製造スケールでのこの還元反応は、20℃、2 気圧の水素下で行います。2時間経過後に 30℃まで昇温し、圧力を5気圧に上げること で、ピリジン-2からピペリジン-3への還元 が進行します。反応液を水素下5気圧で保持 することにより反応を完結させますが、製 造スケールではこれに数時間を要します。 図3:水素化の実験装置。ビュッヒ社製耐圧ガラス反応 器(中央)と、メトラートレド社製EasySampler(右) Case Study 3 METTLER TOLEDO
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3 結果と考察 最初に実験室で行った模擬的なスケールアップ条件での実験では、数時間かけても反応が終了せず、 反応を完結するために一晩反応させ続けなければなりませんでした。この現象は製造スケールの状況 と同様であり、問題の副生成物デスアルコキシ-3が大量に生成しました。デスアルコキシ-3が時間 とともに増加することはわかっていましたが、いつ生成が始まるのかは特定できていませんでした。 夕方から開始する二段階目の水素化が10時間経過したところでサンプリングを行うと、反応は完結 しており、また副生成物デスアルコキシ-3の濃度は微量でした。 反応中にデスアルコキシ-2は検出されず、ニトロ還元の発熱反応においてまずデスアルコキシ-2が 生成し、それが還元されて問題の副産物デスアルコキシ-3になるという、当初仮定していたメカニ ズムは、間違っていたことが判明しました( 図2の理論的反応経路を参照)。 これら最初の実験結果を元に、反応が完結しかつデスアルコキシ-3が生成し始めない、しかるべき 時点で反応を停止することでデスアルコキシ-3の生成を防ぐことができるのではないかと考えまし た。この方法を検討するにあたって、アニリン-2からピペリジン-3への還元および反応完結時にお けるデスアルコキシ-3生成の反応速度を知るため、正確で包括的なオフライン分析データが必要と なりました。いよいよ反応完結直前と直後のサンプルをどうしても得なければならなくなりました。 EasySamplerを用いた水素化実験を計画し、予想される反応終点の前後10分ごとにサンプリングを行 いました。 図4と図5のデータにより、ニトロアレン-1およびアニリン-2が、完全にピペリジン-3 に変換された直後に、デスアルコキシ-3が生成し始めることが明らかになりました。 40.0 水素取り込み量から 反応物質 0.20 得た反応終点 副生成物 0.18 35.0 水素圧力の解放 0.16 30.0 0.14 25.0 0.12 20.0 0.10 図5 0.08 15.0 0.06 10.0 0.04 5.0 0.02 0 0.00 06:14 08:38 11:02 13:26 15:50 18:14 20:38 時間 (hh:mm) 図4:EasySamplerによる自動サンプリング(とHPLC分析)で追跡したニトロアレン­1の水素化の進行およびデスアルコ キシ­3(副生成物)の生成。左の灰色線:水素取り込み量から得た反応終点(二段階目の反応の水素が一定に消費され る相で水素取り込み量が10%以下に到達)。 右の灰色線:水素圧が解放され、反応器は窒素で加圧される。 4 Case Study METTLER TOLEDO Case Study 1 + 2 (A% at 280 nm) デスアルコキシ­3(相対量%)
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8.0 0.20 水素取り込み量から 反応物質 得た反応終点 副生成物 0.18 7.0 0.16 6.0 水素圧力解放 0.14 5.0 0.12 4.0 0.10 0.08 3.0 0.06 2.0 0.04 1.0 0.02 0 0.00 08:38 08:52 09:07 09:21 09:36 09:50 10:04 10:19 10:33 10:48 11:02 時間(hh:mm) 図5:図4の拡大図。すべてのニトロアレン-1およびアニリン-2がピペリジン-3に変換された直後から問題の副生成物デスア ルコキシ-3の生成が始まることを示している。10:19のオレンジ線の上昇から、水素によってデスアルコキシ-3の生成が始ま ることがわかる。 デスアルコキシ-3の生成を抑制するため、10:30に水素圧を開放し、反応器を窒素で置換した。 デスアルコキシ-3生成の根本原因についてより深く理解するために、特殊な対照実験を行いました。 第一に単離したピペリジン-3(デスアルコキシ-3を重量濃度で約0.6%含む)の第二段階の水素化条 件(30℃、5気圧)における安定性を検討しました。結果として、デスアルコキシ-3の濃度は変化し ませんでした(図6緑線)。 また3当量分の水(ニトロアレン-1のアニリン-2への還元において生成 される理論的な水の量)を添加しても、副生成物生成には影響しませんでした(図6オレンジ線)。 したがって、ピペリジン-3の過剰反応でデスアルコキシ-3が生成するのではなく、デスアルコキシ- 3は、反応混合物中の別の前駆体(単離されたピペリジン-3にはもはや存在しない)から生成される か、単離されたピペリジン-3中にもはや存在しない不純物が触媒となって生成するものと考えられま した。 0.80 デスアルコキシ­3(水なし) 図6:デスアルコキシ-3の水素化反応 デスアルコキシ­3(水あり) をEasySamplerで自動サンプリングした 結果。水の有無に関わらずデスアルコ 0.70 キシ-3の濃度は変化しなかった 0.60 0.50 0.40 0.30 0.20 0.10 0.00 0:00 2:00 4:00 6:00 8:00 10:00 時間(hh:mm) Case Study 5 METTLER TOLEDO デスアルコキシ­3(相対量%) 1 + 2 (A% at 280 nm) デスアルコキシ­3(相対量%)
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図2のスキームに示した別の生成経路の仮説は、水素化工程で発見された不純物の1つである二量体 Cが反応して、デスアルコキシ-3となるという可能性でした。これを確認するため、二量体Cを同じ条 件で水素化しました。しかし図7に示すようにデスアルコキシ-3は生成されず、この不純物がデスア ルコキシ-3の根本原因ではないことがわかりました。 100 二量体不純物 10.0 図7:単離した二量体不純物C(水色C デスアルコキシ­3 線)を水素化してもデスアルコキシ-3 90 9.0 (オレンジ線)は生成されなかった 80 8.0 70 7.0 60 6.0 50 5.0 40 4.0 30 3.0 20 2.0 10 1.0 0 0.0 0:00 2:00 4:00 6:00 8:00 10:00 時間(hh:mm) 最後に、出発物質として中間体アニリン-2を用いて水素化実験を行いました(図8参照)。 この水素 化実験は、ニトロアレン-1から始まる水素化反応と同様の結果となりました。デスアルコキシ-3はニ トロアレン-1とアニリン-2からピペリジン-3への反応が完全に終了した直後から生成し始めていま す。この実験によりデスアルコキシ-3は、当初の予想どおりではありますが、第二段階の水素化 (アニリン-2からピペリジン-3への水素化)において生成され、第1の発熱反応(ニトロアレン-1 からアニリン-2への水素化)中には生成しないことがわかりました。 100 アニリン­2 0.50 90 デスアルコキシ­3 0.45 80 0.40 70 0.35 60 0.30 50 0.25 40 0.20 30 0.15 20 0.10 10 0.05 0 0.00 0:00 2:00 4:00 6:00 8:00 10:00 12:00 14:00 16:00 時間(hh:mm) 図8 自動サンプリングとHPLC分析による、中間体アニリン-2の水素化反応。ニトロアレン-1を出発物質としたと きと同様にデスアルコキシ-3が生成された 6 Case Study METTLER TOLEDO Case Study 2 (A% at 280 nm) 二量体不純物C(A% at 210 nm) デスアルコキシ-3(A% at 210 nm) デスアルコキシ­3(相対量%)
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4 まとめ 一定間隔で連続した分析データを取得できるようになり、問題の副生成物であるデスアルコキシ-3の 生成メカニズムと生成条件を解明する道筋を得ることができました。 従来サンプリングが不可能で あった高圧反応の過程をHPLCで定量分析した結果、仮説がたちまち覆され、現実的なメカニズムのひ な型が得られたのです。結果としてより適切な判断が行われ、生産性が向上し処理時間が短縮された ことは、高品質な医薬APIのプロセス開発における新しい節目となりました。 デスアルコキシ-3生成の正確なメカニズムと根本的な原因は、いまだ判明していません。合成経路を 明らかにするためには、より多くの実験が必要となるでしょう。しかし水素化実験中に一定間隔で採 取したHPLCの分析結果(図4および図5)と水素取り込み量を重ね合わせることによって、反応の停止 基準を設けることができました。製造の水素化反応を適切なタイミングで停止するために、この停止 基準を使用することで、反応は完結しかつデスアルコキシ-3の生成量が許容可能な少量である時点で の反応停止が可能となり、高純度で高品質な製品を作ることができるようになりました。 EasySamplerは、安全で堅牢な化学プロセスを開発するための反応経路の解明という課題に対し、極め て適切で効果的なサンプリング技術であることが証明されました。 5 付録:EasySamplerの圧力評価 EasySamplerが今回の水素化反応実験における要求条件を満たしているかを評価するため、装置の評 価実験を行いました。EasySamplerを250ml反応器に取り付け、酢酸を溶媒としたピリジン置換ニトロ アレン10%と、30wt / wt%のPt / C触媒を充填しました。 これを窒素3.3気圧で加圧しました。圧力 は15分間一定に保持され、装置の密閉性が確認できました。その後、希釈係数を80倍とし、5時間 に20サンプルを採取しました。その間、漏洩や配管のつまりなどの機器の不具合は発生しませんで した。試料をHPLCで分析したところ、HPLCの結果(吸光度の面積 mAU * min)における偏差は わずか±2%でした(図9参照)。 Case Study 7 METTLER TOLEDO
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次に反応器内の窒素を水素3気圧に置換しました。圧力を5気圧に上昇させ、温度を80℃へ昇温して も問題なく、その間、1時間にわたってサンプリングを行いました。水素5気圧、温度80℃に到達 後、水素化を一晩行い、1時間ごとにサンプリングを行いました。無人でのサンプリングに問題はあ りませんでした。結果としてEasySamplerは、上述した条件での水素化における連続サンプリングに 必要な条件をすべて満たしているとの結論に達しました。 55 ニトロアレン-1 6.0% HPLCデータの偏差 5.0% 50 4.0% 3.0% 45 2.0% 1.0% 40 0.0% -1.0% 35 -2.0% -3.0% 30 -4.0% -5.0% 20 -6.0% 0 2 4 6 8 10 12 14 16 18 20 サンプル番号 図9:酢酸中のニトロアレン-1の10%基質溶液およびPt / C触媒を用いた窒素下でのシステム試験。HPLC分析結果は偏差 ±2%で、サンプリングのばらつきが少ないことを示している 6 付録:EasySamplerのサンプリングメカニズム 図A1  EasySamplerのサンプルポケットを反応液内に 図A2  EasySamplerのサンプルポケットをプローブ内に収 挿入しサンプル採取 納し、反応条件下であるプローブ先端でサンプル液(青) をクエンチ液(黄色)と即座に混合 EasySampler のサンプリングの仕組みをアニメーションでご覧ください www.mt.com/EasySampler EasySamplerは、実験中つねに反応器に挿入しておくプローブ型のi n situサンプリング装置です。特 許を取得した独自のプローブは、その先端に格納式のサンプルポケットを有し、任意に設定した時 間間隔で反応液から一定量(20μl)のサンプルを採取します(図1参照)。 サンプルを採取するとサンプルポケットがプローブ内に引き込まれ、反応条件下にあるプローブ先 端のその場で一瞬のうちにクエンチングを行います(図A2)。サンプルは任意の溶媒で任意の濃度 に希釈され、バイアル瓶に注入されますので、そのままオフライン分析に供することができます。 8 Case Study METTLER TOLEDO Case Study 化合物-1の絶対面積(HPLC) mAU・min HPLCデータの偏差
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不均一系反応のサンプルでは、スラリー中の固 形分が20μlに含まれますので、固形分はまず クエンチングで溶け始め、希釈段階で完全に溶 解し、溶液サンプルとして調整されます。サン プルを採取した後のプローブは次のサンプリン グに供えて流路内とサンプルポケット内部を反 応溶媒で置換します。 EasySamplerとEasyMaxTMパーソナル有機合成装 置を組み合わせると、反応条件とサンプリン グの制御を自動で行えます(図A3)。 EasySamplerコネクティビティー・キットをお 使いいただくと、サンプリングデータは自動 的にEasyMaxの実験データに送信され同時に保 存されます。 図A3 EasyMaxパーソナル有機合成装置に装着したEasySampler www.mt.com/EasySampler For more information メトラー・トレド株式会社 オートケム事業部 〒110-0008 東京都台東区池之端2-9-7 池之端日殖ビル6F TEL: 03-5815-5515 FAX: 03-5815-5525 ●製品の仕様・価格は予告なく変更することがありますので、あらかじめご了承ください © 09/2017 Mettler­Toledo AutoChem, Inc. Case Study