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化学品開発の業務改善

製品カタログ

85%の管理されない実験データを100%収集しデータ管理

医薬品企業・ファインケミカル企業は、よりよい新規化合物の開発と研究の生産性向上を図るうえで、情報共有と業務改善および企業ノウハウ構築に向け、さまざまなソフトウェアへの投資を続けています。同時に化学プロセス研究開発の現場においても、さまざまな現場レベルでハードウェアに投資しています。

しかし、実験ラボで正しく測定されたデータが完全かつ効率的な方法で共有可能なデータとして収集されなくては、それら投資に対する価値は威力を発揮しません。

現実にはデータ収集は困難な作業であり、多くが一貫性に乏しい方法で行われています。実験データを紙に書いたり、コピーやペーストで移動することは間違いの温床となるか、もしくはほとんどのデータが会社規模のシステムに還元されていません。

企業ノウハウを構築し、システムへの投資に見合う成果を得るには、このギャップを解消しなければなりません。実験室で測定されたデータは、適切な場所に転送し共有する必要があります。これまでは関連性のない個々のサンプルの分析データについてのみ適応できていました。より複雑なプロセスデータとなると現状のソフトウェアではデータ収集に対応できず、必要な情報と解析結果を引き出すこともできません。

この解説書では問題の概要を明らかにし、会社レベルのソフトウェアへの投資から最大の成果を得たい企業にとって、それら項目がいかに重要かを説明します。そして高度なプロセス解析を行う次世代装置の活用を支援し、自動化とのギャップを埋めるべく開発された新しいソリューションをご紹介します。

このカタログについて

ドキュメント名 化学品開発の業務改善
ドキュメント種別 製品カタログ
ファイルサイズ 420.8Kb
取り扱い企業 メトラー・トレド株式会社 (この企業の取り扱いカタログ一覧)

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このカタログの内容

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化学品開発の業務改善 最新データ管理ソリューションのご紹介 85%の管理されない実験データを 100%収集しデータ管理 Adrian Burke, Mettler-Toledo AutoChem, Inc. 医薬品企業・ファインケミカル企業 現実にはデータ収集は困難な作業 の分析データについてのみ適応で は、よりよい新規化合物の開発と であり、多くが一貫性に乏しい方 きていました。より複雑なプロセス 研究の生産性向上を図るうえで、 法で行われています。実験データ データとなると現状のソフトウェア 情報共有と業務改善および企業ノ を紙に書いたり、コピーやペースト ではデータ収集に対応できず、必 ウハウ構築に向け、さまざまなソ で移動することは間違いの温床と 要な情報と解析結果を引き出すこ フトウェアへの投資を続けていま なるか、もしくはほとんどのデータ ともできません。 す。同時に化学プロセス研究開発 が会社規模のシステムに還元され の現場においても、さまざまな現 ていません。 この解説書では問題の概要を明ら 場レベルでハードウェアに投資し かにし、会社レベルのソフトウェア ています。 企業ノウハウを構築し、システム への投資から最大の成果を得たい への投資に見合う成果を得るに 企業にとって、それら項目がいかに しかし、実験ラボで正しく測定さ は、このギャップを解消しなけれ 重要かを説明します。そして高度な れたデータが完全かつ効率的な方 ばなりません。実験室で測定され プロセス解析を行う次世代装置の 法で共有可能なデータとして収集 たデータは、適切な場所に転送し 活用を支援し、自動化とのギャップ されなくては、それら投資に対す 共有する必要があります。これま を埋めるべく開発された新しい る価値は威力を発揮しません。 では関連性のない個々のサンプル ソリューションをご紹介します。
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研究現場の変貌 この 5、6年、医薬品企業・ファインケミカル企業の研究開発ほぼすべて に共通する命題があります。グローバルな競争力を維持するため、これま で以上に少ないコストで迅速な革新をとげなければならないということで す。つまり企業間で生産性向上の競争をしているのです。これら企業の後 押しで、研究開発における実験方法は変貌し、急速な進化を続けてい ます。化学反応や化学プロセスを詳細に解析する技術が出現し、実験結果 を保管する方法も改善されています。しかし実験結果 の多くがしかるべき保管場所に保管されぬまま、CDや DVD、USBメモリー、スタンドアロン PC内部などの簡 単にアクセスできない場所や、定期バックアップもされ ない不安定な保存媒体にとどまっています。実際、しか るべき保管場所への保存方法が無いために、プロセス 研究開発中に測定されるデータの 85%が失われてい ると見積もられており、企業ノウハウ構築の絶好の機 85% 会を逃しているのです。もちろんデータが失われる危険 性もありますし、少なくとも研究者間でのデータ共有 が難しくなります。 のデータが実験プロセス 自動化で損失 データ収集の意味とは? データ収集の目的は多様ですが、まず事業ニーズにお ける課題を解くための裏づけと言えます。商用利用に入 *データ転送に対応しないソフト、転送における る前に広範なテストと認定プロセスを通過する航空機と、化学プロセスは ヒューマンエラー、実験中に測定されないデータ 多くの点で酷似しています。航空機が予測どおり飛ばなかった場合、エン に基づいて算出 ジニアはその理由を知るために測定データを解析します。同様に化学反応 やプロセスが予測どおり進行しない場合も、科学者たちは実際に何が 起こったかをデータから知ることができます。 データによって化学反応がどう進行し、パラメータの変更がプロセスにど う影響したかが判明するのです。さらにデータが製品とプロセスの改善に 役立ち、その知識を社内で共有する、これが企業ノウハウ構築の重要な 一段階です。 キーワードは「視点」です。プロセス開発の過程で採取されたデータは、 実験が行われた時点での視点に基づいて分析されがちです。データはその 場の疑問を解くためだけに使用され、それに応じて保存または記録され ます。問題はその疑問自体が正しいかどうかが、実験段階では不確かだと いうことです。それが明らかになるのは数ヶ月も数年も経って、オリジナル の実験で残っているのは思い出すことも見つけることさえできないノート のメモ書きと、消去されるか所在不明のデータファイルだけかもしれませ ん。もちろん後日であっても新発見はすばらしいことですので、だからこそ 見返して別の疑問を解くことができるデータの存在が極めて重要であり、 再実験の轍を踏まぬことになるのです。 2
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産学共通の課題 企業ノウハウの構築は多くの産業で重要なテーマとされています。企業は 数年前から電子実験ノート(ELN)やデータ保管システムに多額の投資を し、そこに組織としてのノウハウを蓄積しています。しかし企業ノウハウの 構築は、収集されたデータが後日、検索され活用できて初めて達成された と言えます。 ここに重要な課題があります。ELNは企業のポータルとして、貴重な情報 を格納しアクセスすることができます。ただし、全てのデータ(と得られた 結論)がシステムに入力されなければ価値は生まれません。実はここが研 究者にとっての困難、つまり膨大なデータが保管システムへの旅を断念 する関門なのです。最近の報告は、化学者がいかに古い方法や不安定 な方式、他人にはアクセスも解析もできない形式で実験データを保存して いるかを強調しました。著者らはデータ管理と活用方法についてサポート が必要であると提言しています。 さらにデータから導いた結論、つまり実験報告についてです。実験が複雑 なほど、報告書作成作業が難しくなります。研究者は複数の測定装置や複 数項目のデータをとりまとめ、グラフを作成し解析しなければなりません。 データを正しく解釈するためにと、膨大な時間を費やしてタイムスタンプで データを並べます。その時間は、結論を導き出したり、次の実験の準備に費 やされるべきものです。すなわち関係データすべての統合にかかる時間の 短縮も重要な課題です。 業界の未来像 データ保管場所 プロセスのレシピとノウハウを中央 一箇所に集積させる試みは、この業 界での十年来のテーマです。LIMS 安定性 システムは品管結果の保管に長年 実験室 データ 使用されていますが、最近ではプロ セスデータへの転用が注目されて ELN / LES 経由データ 品 質 います。なぜでしょうか?それら企 データ 業はレシピを基としたデータ保管 プロセス 庫を作ることで、S - 88、S - 95 3,4 工場 データ などの標準規格を使用したシス PSC / Historian / MES 経由データ テム独立型レシピのモデル作成を 見据えているのです。 解 析 データ ただし繰り返しになりますが、こ 会社 の実現には、研究開発中すべての データ 臨床/バイオ データが一貫して集められ、しかる マーカー べき場所に保管されなければなり ません。研究用設備が先進的なも のになるにつれ、採取データはより 多く複雑になり、これらデータの正 理想的なデータ収集方法 確な収集・保管を確保する作業も複雑化せざるをえません。この作業の自 全データを検索可能な共通形式で中央に保管する 動化を進めることが信頼性向上につながる所以です。 ことにより、過去の利用されていなかったものも 含め、すべての情報の中から関連する情報を分析 できる。 3
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データ管理のギャップ 実験室で行う普通の化学実験を例 Laboratory Office にとって問題の深さを考えてみまし ユーザーが選択・ ょう。通常、化学者は実施する化学 作業手順ごとに 全データではない1 メモをとる 反応を決定するとレシピを ELNに 準備するか、反応スキームを紙に書 丸底フラスコ使用時は きとめます。そのレシピを実験台に データなし EasyMax 5 e-mailで同僚が点検・評価 移すのはマニュアル作業です。 バージョン管理無し 実験でデータを採取したら、実験 2 プローブからのデータ PCに実験データ入力 をUSBに保存 統合作業を行う 3 機器からデータを取り出して保管シ 配布用に複数の形式で 報告書作成 4 ステムに移すのは再びマニュアル 作業です。大量のデータが収集され 次の実験を計画 8 ず失われる理由は明白です。また実 験は自動化され、より多くのデータ METTLER TOLEDO Analytical Probes ユーザーが選択・ 情報の形式を整えて Data が自動的に測定されているのに 全データではない 保存・共有 6 ELNB Warehouse データ処理がマニュアルでは、実 比較のため過去の 実験を検索 7 験結果の解析に長時間を要してし ファイリング規則が無いため まいます。Microsoft® EXCEL®など 情報が見つけにくい でデータを時系列で合わせたり、 現状の有機化学研究ワークフロー 別の場所にデータを移動したりす 実験の計画・実行・報告に多くのマニュアル作業が るのに手間取ることもあります。 ある。データ収集と統合に長時間を要する。作業 の複雑さのためデータ収集されない、最終保管場 所に移されないなどの結果となる。 最後に、たとえデータ保管場所が 近くとも、作業の流れの中でデータ が共有できることが理想です。この ギャップは、実験からのデータ収集 を自動化し ELNとデータ保管庫の Laboratory Office ような知識管理システムに効率 的に転送することで埋められる ギャップです。 iC Data Center 課題の解決 Capture Prepare Share 過去の解説書5で、生産性向上の OptiMax ニーズに対応した自動合成装置が W いかに最近の実験室に普及したか Microsoft® Word® を紹介しました。同時に化学反応 やプロセスの情報を詳細に解析し X たいというニーズに対応した分析 EasyMax Microsoft® Excel® 技術も広く用いられるようになっ ています。これら装置の導入が新 しい研究法の扉を開きました。 iControl and iC 今また、データ損失の問題を解決す べく、新しい鍵となる技術が登場し ます。研究所に働く研究者たちの日 ELN Data Warehouse 常業務を支援する iC Data Center METTLER TOLEDO Analytical Probes は、全実験データの収集に加え、分 析データとプロセスデータの統合、 そして企業ノウハウの構築を可能と iC Data Canterワークフロー 実験室での測定データは自動的に多様なファイル します。 形式に変換され共有場所に保存し研究者に e-mail 通知される。後日の検索や情報共有が容易となる。 4
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iC Data Center データ収集・処理・共有 iC Data Centerは、散在する機器から全実験データを確実に自動収 集し、使いやすい形式に処理( iCファイル、Microsof t ® Word®ファ イル、Microsoft® Excel®ファイルなど)、中央のファイル保管場所から共有 することで、研究者の日常業務を大幅に軽減します。ファイルは任意に定義 できる構造に自動でグループ化され、ファイルへのリンクを示した電子メー ルが実験を行った研究者に送られます。ここでデータを解析でき、ファイル www.mt.com/iC を同僚およびELNやデータ保管場所などの企業システムと共有できます。 このソリューションにより、データ損失を無くし、実験報告にかかる時間を 節約し、研究者間の連携を緊密にし、そして自動反応装置や最新分析機器 などの実験設備と会社レベルのソフトウェアソリューションへの投資を完 全に回収できます。 メトラー・トレドについて メトラー・トレドは技術コンサルタント の世界的ネットワークを持ち、粒子測 文 献 定技術とスケールアップをサポートし 1. The beginning of the end? Or the end of the beginning? The increased use of tech- ます。 nology in pharmaceutical R&D, Adrian Burke, Q&More, 1.12, 20-24 2. Supporting the Changing Research Practices of Chemists, Matthew P. Long & Roger C. Schonfeld, Ithaka S+R, February 15, 2013 ブログ 3. Lab-to-Patient: Reinventing Pharmaceutical Development & Manufacturing Sciences, Chemical Research, Development and Paul F. McKenzie, Ph.D., presented at Operational Excellence: A Lifecycle Approach to Assuring Drug Quality Conference, April 2011 Scale-upでは、最新の文献情報や、弊 社技術者および官学民の研究者による 4. Connecting Data to the Patient: Paul McKenzie on J&J Pharma R&D’s Lab-to-Patient Program, Paul F. McKenzie, Ph.D., PharmaManufacturing.com, www.pharmamanu- 専門的なコメントを掲載しています。 facturing.com/articles/2010/111.html?page=1 5. White Paper – New Experimental Techniques for Organic Synthesis: Better カスタマーコミュニティ Information Leads to Better Science, Adrian Burke & Urs Groth, METTLER TOLEDO, カスタマーコミュニティサイトでは、弊 2012, www.mt.com/OrganicSynthesis 社装置をお持ちのお客様が文献リスト やアプリケーションレポート、実例集、 トレーニング資料に自由にアクセスして いただけます。こちらからオンデマンド のウェビナーにもアクセスできます。 ソーシャルメディア Facebookと Twitter でも化学合成、化学 工学、スケールアップに関する最新情報 をアップデートしています。 * Microsof tとWindowsは、米国およびその他の国における Microsof t Corporationの商標 または登録商標です。 メトラー・トレド株式会社 オートケム事業部 TEL:03-5815-5515 FAX:03-5815-5525 ©04/2013 Mettler-Toledo K.K.,