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水平調整が標準作業手順書に含まれるべき理由とは?
正しい計量結果を得るためには、天びんの水平を保つことが非常に重要です。新しい計量技術では、確実に天びんを水平に設置し、計量公差を満たすための革新的な機能を利用できます。
標準作業手順(SOP)に従って機器をテストすることが重要であることは周知の事実です。しかし、この手順の中に天びんの水平確認は含まれているでしょうか?本書では、なぜ水平調整が標準作業手順に含まれるべきかを解説します。
このカタログについて
ドキュメント名 | 正しい計量のために 水平調整の重要性 |
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ドキュメント種別 | 製品カタログ |
ファイルサイズ | 248.6Kb |
登録カテゴリ | |
取り扱い企業 | メトラー・トレド株式会社 (この企業の取り扱いカタログ一覧) |
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このカタログの内容
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正しい計量のために
水平調整の重要性
正しい計量結果を得るためには、天びんの水平を保つことが非常に重要です。
新しい計量技術では、確実に天びんを水平に設置し、計量公差を満たすための
革新的な機能を利用できます。
標準作業手順(SOP)に従って機器をテストすることが重要であることは周知の事実で
す。しかし、この手順の中に天びんの水平確認は含まれているでしょうか?本書では、
なぜ水平調整が標準作業手順に含まれるべきかを解説します。
ディスプレイ上に水平状態をリアルタイムに表示し、調整方法をガイドします。水平
状態になると、ディスプレイが緑色に表示されます。
Leveling a Balance
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天びんはいつ水平になるのか
製造時、天びんは重力方向に一致 来の重量よりも小さくなってしま 水平ではなくなってしまいます。
する基準位置が設定されます。 います。姿勢誤差と呼ばれるこの 少量のサンプルを計量する場合、
OIML(国際法定計量機関)の エラーは、次の方程式で表すこと この変動は定めた公差よりも大
R 76-1 T.6.4によると、この基準 ができます。感度誤差は、傾きの きいエラーにつながってしまいま
位置に合わせることで、測定され 角度の2乗に比例して大きくなり す。さらに、一度でもエラーが発
る力の方向、つまりは物体の重 ます。 生すると、後工程に悪影響を与え
量は重力方向と平行になります。 ていきます。従って、天びんの位
水平調整により、計量機器が元 置の重要性はプロセスリスクに
の基準位置に調整されます。こ 左右されます。
れは、計量機器を水平に設置す
ることで、動作の軸が重力方向と
平行になることを意味します。
定義上、図1のように天びんが少
天びんが傾いていると、計量皿 しでも傾いていると、正確な計量
が水平でなくなります。そして、 結果は保証されません。
動作の軸が重力と平行でなくなり
ます。この位置になると、力の一 天びんは簡単に水平状態から逸
部が天びんのハウジングに吸収 脱してしまいます。たとえば、
されてしまい、計量セルによって 清掃中に手が届きやすいように
測定されず、測定される重量が本 少しでも動かすだけで、天びんは
動作の軸:
ロードセルまたは計量機器
が測定において力の方向と
して意図している軸。計量
機器の動作の軸は通常、
中心を通り、ロードレセプ
ターと垂直になります。ま
た、ロードセルは通常、主軸
と一致するか平行になりま
す。この軸を外れて加えられ
た力により、偏心荷重誤差
が発生します。つまり、この
軸と平行ではない力により、
傾角誤差が発生します。
図1:基準位置外にある天びんは加わる重力のすべてを示すことができない。
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Leveling a Balance
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従来の水平調整の難しさ
天びんを水平にすることは正確 それでは、この一見シンプルに見 に、風防に覆い被さって天びんを
な計量に不可欠ですが、時として える作業のどこに問題があるの 調整する必要があります。
これが難しい場合があります。従 でしょうか。問題は2つあります。
来の方法では、アルコール水準器 2つ目に、プロセスに時間がかか
が傾きセンサーとして使用されて まず、1つ目にアルコール水準器 ることが挙げられます。単純に
いました。これは一般的に、液体 の位置に難点があります。アル 水準器の気泡だけに頼っている
を密封した容器であり、その中で コール水準器が天びんの背面に のでは、オペレーターはどの脚を
ガス気泡が浮動します。天びんが ある場合、機器を動かさずに気 どの方向に、そしてどれくらい調
基準位置にあると、気泡は中央に 泡を確認するには、オペレーター 節すればよいか考えなければな
位置します。しかし、天びんが水 は天びんに向かって前屈みにな りません。このプロセスは根気の
平でなくなると、気泡が左右に動 り、風防を覆う形になります。 いる作業であり、かなり時間がか
きます。水平調整では、水準器の 水平調整を行っている最中、調 かってしまいます。
気泡が中央に位置するように、 整が水準器の気泡にどのように
天びんの脚部を調整します。 影響しているかを確認するため
ソフトウェアによる水平調整で問題を解決
一部の天びんには、迅速で簡単 天びんの水平調整を行うことが さらに重要なことは、水準器の気
な水平調整を可能にする傾きセ できます。 泡が天びんの背後に隠れておら
ンサーが内蔵されています。 ず、簡単に確認できるように、ディ
メトラー・トレドの新製品、MS-TS レベルコントロールに対応した天 スプレイの近くの目の引くところ
シリーズ、ML-Tシリーズの天びん びんに物理的なアルコール水準器 に設置されていることです。その
は、傾きセンサーと傾きセンサー を併用することで、オペレーター ように配置することで、精度の高
の対応ソフトウェア、レベルコン は水平状態を完全に把握すること い計量を実現するためには水平
トロールを組み合わせました。レ ができます。この連続表示のイン 調整が重要であることがわかる
ベルコントロールにより、天びん ジケータにより、計量前の水平確 でしょう。
が傾くと警告アイコンが天びん 認が必須になった場合でも、さら
の大型ディスプレイに表示されま に多くの企業がSOPを変更せずに
す。オンスクリーンガイダンスに 天びんを採用できます。
より、どの脚をどれくらい調節す
ればよいのか考えずに、天びん
の水平調整を行えます。レベルコ
ントロールでは、オペレーターが
行っている水平調整の進み具合
をリアルタイムに確認できます。
ディスプレイに緑色の表示がさ
れるまで天びんを調整すること
で、トレーニングを受けていない
オペレーターでも素早く正確に
天びんが水平状態でなくなると、内蔵のレベルコントロールが警告します。オンスクリーン
ガイダンスにより、オペレーターは天びんの水平調整を数秒で行うことができます。
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確実に精度を維持するために
すべての計量の前に天びんが水 メトラー・トレドのラボ用天びん
平になっていることを確認してく では、天びんが水平でなくなる
ださい。この確認により、感度誤 と、オンスクリーンインジケータが
差を防ぐことができ、高精度の計 オペレーターに警告します。警告
量を保証できます。さらに、天びん 後、ソフトウェアにより適切な調
の水平調整が簡単になるほど、 整方法が天びんのディスプレイに
オペレーターはこの重要な機能 表示されるため、簡単かつ素早く
を定期的に確認して調整するよう 水平調整を行うことができます。
になるでしょう。
参照文献:
1. 国際法定計量機関(OIML)R 76-1 T.6.4
2. 計量に関する用語の辞典(Roland Nater et al、Springer-Verlag
Berlin Heidelberg 2009)
3. http://www.weighing-systems.com/TechnologyCentre/Balances.html
www.mt.com/lab-leveling
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