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このガイドブックでは、海運業務に関連する計量技術や条約、コンプライアンスのためのソリューションについて解説しています。
改正SOLAS条約が2016年7月1日に施行されます。この条約では、船荷証券(B/L)に名前が記載された荷送人に対し、貨物ターミナルからの出荷までに規定された方法で全コンテナの総重量を計測し申告することが義務付けられています。 法的な要件と執行は159のSOLAS条約加盟地域によって異なるものと考えられていますが、海運業者と海洋ターミナルは荷主から検証済みの総重量の提示が無ければ貨物を運送することはできません。 実際に海運業者とターミナルは、検証済み総重量の申告なしにコンテナを積載した場合に責任を問われる可能性があり、新しい規制への厳格なコンプライアンスが求められます。 適切な計量機器による確実な規制遵守の対策を始めましょう。
このカタログについて
ドキュメント名 | 【技術資料】改正SOLAS条約ガイドブック |
---|---|
ドキュメント種別 | ホワイトペーパー |
ファイルサイズ | 3.2Mb |
取り扱い企業 | メトラー・トレド株式会社 (この企業の取り扱いカタログ一覧) |
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このカタログの内容
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改正SOLAS条約のコンプライアンスガイド
コンテナ計量の準備と対策
SOLAS Compliance Guide
Page2
目的
このガイドは計量に業務に関連する方々だけでなく、計量や測定について学び始めたば
かりの方々も対象にしています。
新しいSOLAS条約では、確定済み総重量(VGM)を
すべての輸送コンテナへ記載することが義務付け
られています。
条約には、2つの一般的な方法で総重量を確定する
メソッドについて記載されていますが、計量機器の
タイプや適用すべき手順についての特定ガイドライン
が存在していません。このガイドではコンテナ重量
を確定する際に利用できるオプションについて説明
します。また、関連業務に最適なオプションの選定
ガイドとしても役立ちます。
発行元
Mettler-Toledo GmbH
Industrial
Heuwinkelstrasse
CH-8606 Nänikon
Switzerland
製品の仕様は予告なく変更すること
がありますので、あらかじめご了承く
ださい
© 06/2016 Mettler-Toledo GmbH
2 METTLER TOLEDO - SOLAS Compliance Guide ©2016 Mettler-Toledo GmbH
SOLAS Compliancce Guide
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目次
第1章 改正SOLAS条約の概要 5 – 8
第2章 メソッド1: 単一計量のコンプライアンス 9 – 12
第3章 メソッド2: 複数計量のコンプライアンス 13 – 16
第4章 サービス: 計量サービスと計量機器の基礎 17 – 21
第5章 まとめ: コンプライアンスだけにとどまらない、 メトラー・トレドとのパートナーシップ 22 – 23
©2016 Mettler-Toledo GmbH METTLER TOLEDO - SOLAS Compliance Guide 3
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新しいSOLAS条約
2016年7月1日以降に国際輸送を行うコンテナについては、条約において定められた方法を
用いて得られたコンテナ総重量を船積み前に船長または代理人等に提供する必要があります。
VGM = 検証済総重量
VGM証明用の機器 ロジスティクスチェーン 管理機関
UN: 国際連合
ベンチスケール 荷送人 役割: 加盟国はIMOの 手続きを監視
貨物用スケール コンテナ
IMO: 国際海事機関
役割: 海上の安全
に関わるUNの機関
フロアスケール NVOCCまたは3PL
フォークリフ SOLAS
トスケール SOLAS: 海上人命安全条約
役割: 海上の安全
メソッド2: バン詰め 港湾 に関する国際協定
した国で承認され
た方法を用い、コン
テナの自重・貨物・
パレット等の重量を 170か国
個別に計量して合計
SOLASインフォグラ
ターミナル コンテナの計量プロセス フィック(図解): ロジ
トラックスケール – 出荷元が責任を負う スティクスチェーン
この図では、ロジス
メソッド1: 校正・証 海運会社VOCC 施行 ティクスチェーンの各
明済み装置を用い、 (積み替え) – 海事機関 フェーズで改正SOLAS
実入りコンテナの重 規制に準拠する方法
量を計量
認定および校正 や影響を受ける部門VOCC
– 各地の計量/計測機関 など、業務に応じて
(NTEP、OIMLなど) どのようなソリュー
ションを利用し、コン
プライアンスを確保で
きるかについて解説し
ています。
最終目的地 www.mt.com/
veh-solas-logistics
NVOCC = 非船舶運航業者 港湾 = 物理的な埠頭施設
役割: 運送会社、貨物混載業者、VOCCのス
ペースを予約 役割: ターミナルを賃貸または運営
ターミナル = 荷積み/荷下ろし業務
3PL = サードパーティプランニングロジスティクス
役割: 輸送管理、ロジスティクス業務 役割: コンテナ搬送
VOCC = 船舶運航業者
役割: 輸送/運搬
船積み前に、船長等およびターミナル代表者に対して荷送人または荷送人から
委任された者が署名した総重量が記載された船積書類(VGM)の提出が必要
SOLASについて詳しくは、FAQをご覧ください。
www.mt.com/veh-solas
4 METTLER TOLEDO - SOLAS Compliance Guide ©2016 Mettler-Toledo GmbH
SOLAS Logistics Chain
メソッド1
メソッド2
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第1章
改正SOLAS条約の概要
以前より出荷する船荷の総重量の申告は義務付けられていました。しかし貨物の
重量の測定方法や申告内容の検証については特に規定はありませんでした。誤重
量申告によって、荷崩れなどが発生し、船舶や乗組員の海上輸送中の安全が確保
できない事態が多く発生していたため、重量測定方法への検証が義務付けられ
るようになりました。
2016年7月1日から新しい規制により、船荷証券
(B/L)に記載された荷主は、船積み前の輸出コン
テナ貨物の全てに対して確定済みの総重量の申
告が必要になりました。これにより、規定された
メソッドで計量された確定済みの貨物コンテナ
の総重量を、船積み前に運送人へ申告することな
しに積載することができなくなりました。この確
定済み総重量を申告することなく貨物コンテナ
を船積みした場合は、荷主に対してその責任が
発生します。
目次
1 SOLAS条約とは
2 コンプライアンス確定メソッド
3 主な用語
©2016 Mettler-Toledo GmbH METTLER TOLEDO - SOLAS Compliance Guide 5
SOLAS Regulations Overview
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1 SOLAS条約とは
海上における人命の安全のための国際条約(The International Convention for the Safety of Life at
Sea: SOLAS)は国際海事機関(International Maritime Organization: IMO)として知られる国連の海事
専門機関が締結した国際的な海事安全条約です。この条約ではすべての外航船舶に関わる、海上で
の人命安全について定められています。IMOは、2015年に船積みされるすべての輸出コンテナ貨物を
対象とした重量確定のガイドラインを発行しました。
これによりほとんどの荷主は、海上輸送の出荷の際の手続きに大幅な変更が余儀なくされます。従
来より船積み輸出コンテナの総重量の申告は義務づけられていましたが、計量方法までは要求され
ていませんでした。誤重量の申告により、荷崩れなど海上の事故が多発していたことを受け、改正さ
れた条約では重量測定方法の検証メソッドが規定されました。この改正により、今後は輸送中の災害
(荷崩れ、海中へのコンテナ落下、船舶や環境のダメージ)を回避できるようになることが期待されて
います。
SOLAS条約の執行
一般的に、SOLAS条約の施行責任は各国の海事機関にあります。そして最終的には、船荷証券上
の荷主が、船荷コンテナの確定済み総重量の責任を負います。発荷主(荷送人)、非船舶運航業者
(NVOCC)、あるいは貨物利用運送業者(フォワダー)がこれに該当します。ロジスティクスチェーンに
含まれるいかなる業者であっても、荷主として申告されている場合は、原則としてその業者が責任者と
なります。
この規制により、コンテナ貨物がコンプライアンス違反であるとみなされた場合、そのコンテナの船
積みは行われません。この場合、運送人は輸出貨物を引き取り、最初の荷送人へ返品するか、検証済
みの方法で計量と再積荷を行うことが求められるため、時間の損失と追加コストの原因となります。
コンプライアンス違反が発生すると、輸送ターミナルと荷主の両方に対して制裁または罰金が請求さ
れます。
2 コンプライアンス検証メソッド
改正SOLAS条約では、2つのコンプライアンスメソッドについて定義されています。
メソッド1では、すべての荷物をコンテナに入れた状態で総重量を計量する方法トラックスケールを使
用することで、メソッド1への直接的なアプローチができます。これは単一の船会社(運送人)が船積
み前に貨物を計量する手段としても利用でき、輸出ターミナルで貨物の引き継ぎを行う別の荷主に対
して、有料で行う計量サービスとして提供することもできます。ほとんどの計量指示計では、確定済み
総重量(VGM)を電子データ形式で送受信することが可能で、メソッド1にも適合します。
メソッド2では、コンテナに入れられる(バンニング)すべての貨物とコンテナを別々で計量し、個別の
重量を合算して総重量を計算する方法です。この場合は、フロアスケール、パレットスケール、ベンチス
ケール、フォークリフトスケールのような小型計量装置が最適な計量ソリューションです。一般的に、
個々の機器はトラックスケールと比較して経済的ですが、導入前にシステム全体のコストを考慮しな
ければなりません。基幹系情報システム(ERP)を使用することで、個別に計量した貨物の確定済みの
総重量の申告が可能で、メソッド2にも適合します。
6 METTLER TOLEDO - SOLAS Compliance Guide ©2016 Mettler-Toledo GmbH
SOLAS Regulations Overview
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規制に準拠した機器と、規制施行のタイミング
改正SOLAS条約の施行時期は国により異なりますが、この規制は世界標準として実施され、認証また
は認定を受けた計量コンポーネントまたはシステムによって重量の確定を行うことが求められるよう
になります。これを「商取引への適合」と総称します。 商取引上の規定では、計量機器の試験と認証
を国際通商レベルへの適合標準として義務づけています。
こうしたプログラムの設定や施行を支援する組織には、たとえば国際法定計量機関(International
Organization for Legal Metrology: OIML)や国家型式評価プログラム(National Type Evaluation
Program: NTEP)があります。新しい規則に基づき、こうした施行機関の監督下で運営される、地域の
計量・測定機関が、総重量の確定に使用する計量機器の許認可の責任を負います。これにより改正
SOLAS条約の適用される全170か国では、コンプライアンスに適合する計量機器の使用が必要になり
ます。
条約は7月1日に施行され、出荷遅延や罰金を回避するために、荷主(荷送人)は、5月までに計量メ
ソッドを決定およびシステムの導入を完了しておくことが理想的でした。例えば、5月中に最初の港を
出港したコンテナが、7月1日以降に寄港し次の船荷の積み替えを行うことが想定されるためです。
このガイドの内容
このガイドブックでは、あらゆる荷主が計量データを容易に管理し、新しいSOLAS条約へのコン
プライアンスを確保できるようにさまざまな対策を解説しています。本書では、以下について
詳しく説明します。
• 改正SOLAS条約
• 条約締結の背景と、影響を受ける人々
• コンプライアンス: メソッド1の詳細
• コンプライアンス: メソッド2の詳細
• メトラー・トレドの計量ソリューション
メトラー・トレドは、計量機器のリーディングカンパニーとして、新しい規制に対応するメソッド1また
は2だけでなく、さまざまなプロセスに対応する法定計量ソリューションを提供しています。当社は、
さまざまな産業環境に対応する計量機器と計量精度を提供しています。世界中で5,000人を超える
サービススペシャリストのネットワークにより、ロジスティクスチェーンに対応できる計量ソリューションを
お届けしています。
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主な用語
用語 説明
SOLAS条約 海上における人命の安全 – 国際的な海事安全条約
IMO 国際海事機関 – 船舶への積荷に関する規制について責任を負う、国連の専門機関
VGM 確定済み総重量 – 認可を受けたはかりを使用して計量され、梱包(バンニング)されシール(封印)された貨物コンテナの総重量
OIML 国際法定計量機関
NTEP(またはNIST) 米国国家型式評価プログラム
Handbook 44 米国内でNTEP/NISTによって使用される計量機器規制
計量学 測定の科学
商取引適合 商業取引に使用され、ある一定の性能ガイドラインに適合する計量機器を表す
Gross Weight トラックスケールの場合、実入りコンテナを積んだトラックの重量。つまり、トラッ
(総重量) クと荷物を合わせた重量
Tare Weight(自重) トラックスケールの場合、荷物を積んでいないトラックの重量
Net Weight トラックスケールの場合、トラックの重量を差し引いた貨物の自重(実入りコン
(正味重量) テナ)正味重量は次の式で計算されます: 総重量 – 風袋重量 = 正味重量
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SOLAS Regulations Overview
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第2章 – メソッド1:
単一計量のコンプライアンス
「メソッド1では、コンテナを閉めた後に計量することが求められます」
世界海運評議会(World Shipping Council):Partners in Trade, The SOLAS Container Weight Verification Requirement
(2015年1月)
「メソッド1」ではコンテナと内容物の合計重量を
測定します。トラックスケールを使用することによ
り、この作業を可能な限り迅速に遂行できます。
メソッド1のメリット:
• プロセスの簡素化
• 数多くの小型計量物を複数回にわたって取り
扱う必要がなく、たった1~2回の計量で完了
• 少ない時間と労力で総重量の確定が可能
目次
1 トラックスケールの基礎
2 一方向計量
3 双方向計量
4 専門的なトラックスケール(車両重量計)
5 カスタムソリューションおよびトラックス
ケールの代替手段
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Method 1
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1 トラックスケールの基礎
総重量: 実入りコンテナを積んだトラックの重量
風袋重量: コンテナを積んでいないトラックの重量
正味重量 = 総重量 – 風袋重量
コンプライアンス用途:
製品の売買、在庫の記録、コンプライアンスの確認など、いずれの場合にもトラックスケールからの情
報は重要です。トラックスケールは、取引価格の決定、利益幅、品質管理、在庫管理、法令遵守などに
使用されます。
詳しくは、無料のトラックスケール購入ガイドをダウンロードしてください。
} www.mt.com/truckscaleguide
1 傾き 8 ゲート
2 アプローチ 9 スケールハウス
3 ロードセル 10 無人(セルフサー
4 計量プラッ ビス)指示計
トフォーム 11 交通信号灯
5 プリンタ 12 リモート重量ディ
6 コンピュータ スプレイ
7 指示計
10 METTLER TOLEDO - SOLAS Compliance Guide ©2016 Mettler-Toledo GmbH
Method 1
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2 一方向計量
総重量を確定する1番目の方法は、一方向方式トラックスケールで計量し、保存されているトラック
風袋重量をトラックスケールで計量した重量値から除算します。このメソッドを使用するには、コンテ
ナを積んでいないトラックの計量を毎回行い、その重量(または風袋重量)を指示計やDataBridge™
ソフトウェアに保存しておく必要があります。指示計やメトラー・トレドのDataBridge™ソフトウェアを
使用することのメリットは、チケット印刷、在庫管理、レポート作成などの際に不正を防止できること
です。
梱包済みコンテナを輸送する 指示計やソフトウェアが正味重量を計算
トラックが到着 すると、確定済み総重量が得られます
総重量 - 風袋重量 =(実入りコンテナ)
正味重量
メトラー・トレドの指示計また
はDataBridge™ソフトウェアが
トラックを認識し、その風袋重
量をトラックスケールが計量し
た重量値から除算
このメソッドの主なメリットには、スループットの向上や通常運行の確保があります。すべてのトランザ
クションをたった数分で完了できます。
3 双方向計量
確定済み総重量を測定する2番目の方法は、往復式トラックスケールで計量を行うものです。
梱包済みコンテナを輸送する コンテナを積んでいないトラックを貨
トラックが到着すると、総重量 物積載前に計量することで、指示計ま
が記録 たはソフトウェアが正味重量を計算し、
実入りコンテナの重量を 総重量を確定
総重量から除算
この重量測定メソッドは世界的に使用され、売買される製品の重量測定や、在庫の追跡や、コンプライ
アンス確認などに活用されています。メトラー・トレドのトラックスケールは法定計量機器として認証を
受けており、その許容誤差範囲は、SOLAS条約コンプライアンスに適合する正確さを確保しています。
4 専門的なトラックスケール(車両重量計)
場合によっては、SOLAS条約コンプライアンスの確保のために計量ソリューションのカスタマイズが必
要になります。走行中計量(Weigh-in-motion: WIM)用トラックスケールは、交通量が多くスケール周辺
で渋滞が発生しやすい場合に最適なソリューションです。海洋に近い場所で業務を行う場合は、塩害を
考慮してスケール全体にメッキを施すことが推奨されます。また、鉄道車両重量計は既存の車両基地へ
組み込むことができます。
©2016 Mettler-Toledo GmbH METTLER TOLEDO - SOLAS Compliance Guide 11
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5 カスタムソリューションと、車両重量計の代替手段
車両重量計でのコンテナ計量が、確定済み総重量を得る最も正確なメソッドであることに異論を唱え
る人々は少ないですが、計量以外のプロセスや設置場所の面積によって制約を受けるケースも数多くあ
ります。特に、コンテナターミナル/クレーン/車両などに積載する計量装置が、このようなケースに当た
ります。しかしコンテナの容積が小さい場合、大きな設備の購入は経済的に大きな負担となります。
その場合、コンテナジャッキ計量装置が最適なソリューションとなります。
バルク商品をコンテナへ充填しながら計量する場合など、多くのプロセスでソリューションのカスタマ
イズが必要とされています。このような場合、コンテナ全体に対してプロセス内計量を行い、充填状況を
モニタリングすると同時に在庫の減少量が記録されるようなシステムの設計が必要になります。ただし、
これにはカスタム設計のプラットフォーム、ロードセルキット、計量モジュールなどが必要となります。
メトラー・トレドの提供するロードセル、計量モジュール、指示計などの計量コンポーネントは、標準的
な計量機器では不十分な場合でも最適なソリューションを構築できます。このようなコンポーネントは
システムへの組み込や、スケールという形で導入することも可能です。
どのような計量装置であっても、求められる精度や、ほかの産業への活用の有無について考慮すること
が不可欠です。法定計量装置は多くの場合、高い計量精度を有し、今後ますます多くの計量・測定機関
に受け入れられることが見込まれています。このような装置を有料計量サービスとして適用すべきか、
それとも製品を重量ごとに計量販売すべきかの判断については、サプライヤーへご相談ください。御社
のプロセスに最適なソリューションを提案いたします。
計量モジュールを搭載したカスタムプラットフォーム
12 METTLER TOLEDO - SOLAS Compliance Guide ©2016 Mettler-Toledo GmbH
Method 1
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第3章 – メソッド2:
混載貨物計量のコンプライアンス
「メソッド2では、すべての積荷とコンテナ内容物を計量し、これらの重量をコンテナの
ドア端部に記載した風袋重量に加算することが求められます」
世界海運評議会(World Shipping Council): Partners in Trade, The SOLAS Container Weight Verification Requirement
(2015年1月)
「メソッド2」では貨物を積載したパレットから小
型のボックスまで、すべての積荷の重量を加算し、
最後にコンテナの重量を加算して、貨物コンテナ
の総重量を確定します。
メソッド2のメリット:
• 計量機器の設置スペースに制限がある場合、
比較的サイズの小規模の認証済みの計量機器
でも対応
• 運用中の社内プロセスへ容易に組み込むこと
が可能
• 移動が必要な時は機器を持ち運べるため、
賃貸の作業スペースを利用している業者には
最適なソリューション
目次
1 フォークリフトスケール
2 フロアスケール/ベンチスケール
©2016 Mettler-Toledo GmbH METTLER TOLEDO - SOLAS Compliance Guide 13
Method 2
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1 フォークリフトスケール
フォークリフトスケールでは、まず個々のパレットを計量し、それから複数の貨物重量を合計して申告
用のコンテナ総重量を計算します。ISO2328準拠の場合、このスケールは既存のフォークリフトへ装着
することができます。ISO2328準拠のフォークリフトは、貨物吊り下げ式のフォークで、溶接式と違い
容易にフォークが外せるものを意味します。フォークを取り外して計量コンポーネントを装着し、その
後再度フォークを装着する手順は、他のフォークリフト用アクセサリの場合と同様に簡単に作業する
ことが可能です。
パレット計量にフォークリフトスケールを使用することの主なメリットは、特定の計量エリアへ荷物を移
動する手間をできる限り削減し、時間とエネルギーを削減できることです。貨物出荷のピーク時には、
計量できる時間帯まで待機すると業務が妨げられたリ、作業ペースの遅延が発生してしまいます。
+ + + = 確定済み総重量(VGM)
フォークリフトスケールで計量した複数の貨物を梱包したパレット重量値にコンテナの風袋重量を加算すると、SOLAS要件に
準拠した確定済み総重量表示となります
メトラー・トレドのフォークリフトスケールは、使用頻度が高い現場にも対応できる信頼性と安全性
を考慮して設計されています。独自の3点サスペンションにより、スケールの校正値を最長12か月まで
維持できます。スケールが手荒に扱われても正確さを保つことが可能です。またこのスケールでは、
フォークの傾きや偏荷重、フォークリフトを悪天候や凹凸の多い地面などの悪条件で使用した場合
でも、信頼性の高い法定計量結果が得られます。
安全機能として、スケール台車の中央には超大型の開放窓を搭載し、フォーク運転者がパレットの配置、
積載、輸送を確認できます。また、落下物によってスケールの落下を防ぐセーフロック機能を搭載して
いるほか、過負荷が生じた場合に損傷しないよう、150%の過負荷容量に対応しています。
複数の出荷品重量は、計量指示計のソフ
トウェアか出荷者所有のPCやPDAで計算
できます。その後、梱包材の重量やコン
テナの風袋重量を加算して、申告用の総
重量を計算します。
メトラー・トレドのフォークリフトスケール
は世界中のあらゆる地域で法定計量用
機器として認証されています。
14 METTLER TOLEDO - SOLAS Compliance Guide ©2016 Mettler-Toledo GmbH
Method 2
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2 フロアスケール/ベンチスケール
メソッド2を使用したSOLASコンプライアンスでは、貨物をコンテナへ積載する際、複数回に分けて計
量を行い、それらを加算します。このメソッドでは別々のアイテムをベンチスケール、フォークリフトス
ケール、フロアスケールなどに分けて計量します。また、バルク材料を中間バルクコンテナ(IBC)へ充
填して計量することもできます。
計量指示計では各アイテムの重量を、半自動または手動のプロセスで合計することが可能です。その
方法は以下の通りです。オペレーターがスケールに貨物を載せ、「自動印刷機能」で、スケールが事前
設定済みの重量値に達した時に重量値を取得するか、または計量指示計のHMIディスプレイ上にある
ファンクションキーを使って、手動によって複数貨物の重量を合計します。
パレット全体の重量を小計として計算できますが、混載貨物として複数のパレットを単一のコンテナ
へ積載すると総重量が計算できます。その後、混載貨物コンテナ重量のデータがローカルのプリンタ
から出力されるか、シリアルまたはEthernet TCP/IP 接続経由でPCアプリケーションへ送信されます。
合計重量が記録され、オペレーターが指示計のメモリから集約済み重量のデータを消去すると、プロ
セスが再開します。小計重量や総計重量を測定したアイテムの数量はカウンタで追跡されるため、
積荷目録と照合し、正しい数量のアイテムが総計重量に含まれていることを確認できます。
+ + + = 確定済み総重量(VGM)
フロアスケールで計量した混載貨物を積んだパレットの重量またはベンチスケールで計量した小型ボックスの重量を、コンテ
ナの風袋重量に加算した重量が、SOLAS規制に準拠した検証済み総質量となります。
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重量合計の手順
バルク材料を中間バルクコンテナへ充填する場合、中間バルクコンテナの風袋重量(荷物を積んでいない
ときの重量)と、ホッパーから分注して計量モジュールで計量するか、中間バルクコンテナの積載されたフ
ロアスケールで計量する充填済み材料を記録できます。従来のプロセスと同様、複数の中間バルクコンテ
ナを個別に計量してその重量を集約し、それらを単一のコンテナへ積載すると、各中間バルクコンテナの
合計重量データをプリンタで印刷したり、PCへ転送したりできるようになります。
また、さらに高度な計量ソリューションでは、確定済み総重量をカスタマイズ可能なデータフォーマッ
トで保存し、倉庫管理ソフトウェアや輸送管理ソフトウェアへ容易に統合させることができます。
このようなソリューションはプログラマブル計量指示計で構築できます。こうした指示計には高度な
データベースが内蔵されており、PCソフトウェアのデータベースへ直接データの組み込みが可能な
SQLデータ構造を有しています。
プログラマブル指示計
さらに、プログラマブル指示計は目的に合わせて設計した作業ワークフローや計量指示計のHMIディスプ
レイを簡素化します。これにより、計量プロセス中に収集すべきデータの選定についてユーザーをガイドす
る計量手順を計量指示計へ入力できます。これを活用し、バーコード読み取り、英数字キーボード、RFIDス
キャナのほか、重量チェック用信号を個別に入出力する品質チェック装置など、さまざまな入力メソッドを
介したデータ入力ができるようになります。
最終的に、自動化システムがコンテナ積載プロセスに組み込まれると、計量指示計がプログラマブルコン
トローラ(PLC)へ直接接続を行い、個々のパッケージ、パレット、中間バルクコンテナに関する重量情報を
PLCへ送信することも可能になります。その場合、重量集約のソフトウェアロジックをPLCソフトウェアへ組
み込んだり、計量指示計によっては、集約済み重量のデータをPLCへ直接送信できるようになります。
16 METTLER TOLEDO - SOLAS Compliance Guide ©2016 Mettler-Toledo GmbH
Method 2
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第4章 – サービス:
計量機器のコンプライアンス
世界中のお客様に対して業界でも最大規模の販売/サービスネットワークを構築し、
約5,000名を超えるセールス/サービススペシャリスト通じてサービスを提供しています。
スケールの日常的な校正と調整により、安全に
測定し、コンプライアンスを確保し、不正確な測定
による無駄なコストを回避できます。一貫性のあ
る手順によりコンプライアンスを確保し、各地域
の規制や国際規制・基準に準拠することができ
ます。
目次
1 SOLAS規制に準拠したサービスの特定
2 国際的なサービスプロバイダ
©2016 Mettler-Toledo GmbH METTLER TOLEDO - SOLAS Compliance Guide 17
Service
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1 SOLAS規制に準拠したサービスの特定
正確さとコンプライアンスの再確認
適切な計量機器の選定は、計量プロセスがSOLASコンプライアンス確保の重要な第一歩です。次のス
テップでは、生産プロジェクトを成功させ、機器の稼働寿命を通じて投資利益率を最大化しながらコン
プライアンスを維持するために、機器に最適なサービスを特定します。
設置と運転開始
計量機器は、出荷用カートンから取り出し使用する
場所にセットアップして電源コードをコンセントにつ
なぐといった簡単な手順で適切に設置することも可能
です。また、高度な操作パラメータの設定、アプリケー
ションデータベースの読み込み、ネットワーク統合の
設定・テストも容易に実施できます。
計量機器の適切な設置は、使用環境を評価し、プロ
セス要件や操作手順と機器機能性の一致度を評価
することから始まります。次に、機器を適切に設置、
配線、調整、設定し、テストを実施する必要があり
ます。
校正と認証
はかりに表示される計量値は、一般的に計量台に乗
せた計量物の正確な重さを示していると考えられて
います。実際には、それは正しくありません。どのよ
うな計量にも、計量機器の性能、計量の環境条件、
計量プロセスによる測定の不確かさがあります。
プロセス要件に適合しコストと収益への影響を許
容範囲内に収めるという要求に対し、計量機器が適
しているかどうかを判定する唯一の方法は、その計量
機器をトレース可能な標準校正用分銅を用いて校
正し、正確さを判定することです。さらに、プロセス
のトレーサビリティを確立するには、校正結果を文
書化し、計量が品質と規制の要件を満たしているこ
とを証明する必要があります。
18 METTLER TOLEDO - SOLAS Compliance Guide ©2016 Mettler-Toledo GmbH
Service for SOLAS Compliance
Page19
メンテナンス、トレーニング、サポート
出荷時仕様に準じた適切なメンテナンスにより、
計量機器の稼働時間とパフォーマンスを大幅に改
善し機器の寿命が延びます。機器のタイプ、用途、
使用環境、使用パターン、プロセスにおける機器の
重要度、製品品質、ダウンタイムにより生じるコスト
などを考慮し、適切なタイミングで予防的メンテナン
スを定期的に実施する必要があります。
さらに、計画的なメンテナンスにより的確なコスト予
測が可能になります。また、新たな計量プロセスを
効率的に開始し新規スタッフの業務研修にも役立つ
ように、トレーニングを計画する必要もあります。
そして、サポート計画とともに、必要な時に必要な
専門技術を提供できるプロセスを用意しているこ
とが重要です。
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2 国際的なサービスプロバイダ
SOLASコンプライアンスの地域的なサポート
機器の設置以降のプロセスで、すべての出荷用コンテナへ適用している総重
量確定メソッドが改正SOLAS規制に準拠しているかどうかの確認について
は、メトラー・トレドにお問い合わせください。トレーニングを受けた弊社の
技術者によって、計量機器を長く安心して使用していただくために次のよう
な総合的なサービスを提供します。
設置と運転開始 校正と認証
作業環境への適切な据付、操作を メトラー・トレドはJCSS校正事業
最大限に効率化するための設 者として認定されており、校正・証
定、周辺装置やデータ収集または 明書サービスでは校正証明書を発
自動化システムへの接続を含み 行いたします。それにより、お客様
ます。 にお使いの計量機器の測定の
信頼性を保証します。業界をリー
ドするメトラー・トレドの技術と
専門知識は、お客様に安心と確か
な規制遵守を提供します。
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