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測定精度・作業効率アップに!製品の選定から実践テクニックまで掲載
研究室や製造プロセスで使用される精密機器を取扱う当社より、実践的なノウハウを収録した『ピペッティングハンドブック』を進呈中。
計画立案やピペットの選定、メンテナンスのポイントをはじめ、計測精度を上げるためのピペットテクニックなどを掲載。
効率的に正確なピペッティングの実現に役立つ1冊となっています。
【掲載内容(一部)】
■計画立案、ワークフロー及び選定
■最適なピペットの選定
■最適なチップの選定
■ピペットテクニック
■ピペット操作のリスク
このカタログについて
ドキュメント名 | ピペット操作の向上に役立つ「ピペッティングハンドブック」 |
---|---|
ドキュメント種別 | ハンドブック |
ファイルサイズ | 1.7Mb |
登録カテゴリ | |
取り扱い企業 | メトラー・トレド株式会社 (この企業の取り扱いカタログ一覧) |
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このカタログの内容
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RAININ
Pipetting 360°
ピペット
チップ
評価
選定
テクニック
Natural sciGenecet l aBwes etxtpeerri eRncee s“luivel”t –learn easisly
Your Quick Guide to Good Pipetting
SchoolP iepexttpinegr Himanedbnotosk
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目 次
1.はじめに 4
2.計画立案、ワークフロー及び選定 5
計画立案とワークフロー
ワークフローの分析
ワークフローの最適化
容量の範囲とスループット
サンプル /試薬用の容器のフォーマット
サンプル /アッセイ
3.最適なピペットの選定 14
空気置換式ピペット
ポジティブ式ピペット
ワークフローの最適化
容量の範囲とスループット
電動シングルチャンネルピペット
マルチチャンネルピペット
ハイスループットピペッティングシステム
特殊ピペット
ボジティブ式ピペット
連続分注器
ピペットコントローラー
ボトルトップディスペンサー
4.最適なチップの選定 24
デザイン
品質
シールシステム
LTS LiteTouchチップイジェクトシステム
チップの選定
特殊用途チップ
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目 次
5.ピペットテクニック 30
最適な容量設定
浸漬深さ
角度
一貫性
吐出
チップのプリリンス
温度変化の認識
マイクロメーターの設定
6.ピペット操作のリスク 40
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1.はじめに
ピペットの結果の精度はその性能に左右されます。ご使用のピ
ペットは正確な量を吐出できていますか?
ピペットの定期的な点検は機能と精度の確保に役立ちますが、
ピペットの性能は扱い方に大きく影響されることをご存知でし
たか?
Good Pipetting Practice(GPP) は、研究者の方々がより良い実験
結果を得るために、ピペットの選定、ピペットのテクニック、人
間工学のコンセプト、校正そして繰り返し作業についての考え
をお伝えするものです。
ピペッティングはマイクロリッターやミリリッター単位の少量の
液体を測定したり移動させる作業ですが、実験室で最も一般的
に行われている実験です。そしてこの作業を迅速に正確に行う
ことが、実験を成功させるために必要です。空気置換式のピペッ
トは、その優れた特徴から、多くの実験で使用されています。
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2. 計画立案、ワークフロー及び選定
計画立案とワークフロー
新しいプロジェクトは、綿密に計画されたプロセスから恩恵を
受けます。そこでは最大の効率とデータ生成のためにワークフ
ロー内の全ての過程が分析されます。
これをリキッドハンドリングの観点からみると、サンプルの種類
を見極めることから、スループットまでに理解が求められます。
ピペットの使い方や、チューブやプレートといったフォーマット
にも関わり、更には最適なピペット選定へも繋がります。このよ
うに、ピペット、チップ、それらの取り扱い方は全て正確な最
終結果を得るための一連の過程とみることが出来ます。ピペッ
トとチップの選定を適切に行い、正しい使い方を実践すること
で、実験を計画し実行することが出来るのです。
ワークフローの分析
最初に、サンプルの準備から最後のデータ作成までの実験のす
べてのステップを把握することが重要です。次に、データ作成
のために各過程における変動の許容範囲を確定することです。
ある実験や過程においては、他のそれらよりもより厳しく求めら
れる場合があります。不適切なピペットや扱い方もこの変動を
大きくする要因になりかねません。
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ワークフローの分析
●変動の許容範囲を確定
●変動する可能性が最も高いアプリケーションとステップの確定
- qPCR
- 連続希釈
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ワークフローの最適化
容量の範囲とスループット
たいていのワークフローでは5mlや10mlといった大容量の液
体を扱うことから始めます。そこでは高い精度を求められること
はありません。しかし、その後の少量の液体を取り扱うプロセ
スでは、高い精度が求められます。
大容量ピペットには異なる特性があるため、測定の早さと正確
性、精度のバランスはそれらを加味して取る必要があります。正
しい容量のピペットを選択する際の推奨ガイドラインとして、作
動範囲を全体の 35%~100%の間で設定することが挙げられ
ます。例えば 1000μlのピペットの有効測定範囲は 350μl~
1000μlです。たとえこの大容量ピペットの最小仕様が 100μl
で 0μlまで調整可能だとしても、利用者のテクニックにより差
異が発生するため、推奨最小値は 350μlになります。35%以
下の値を使用する際には、更に緻密なテクニックが必要とされ
るためです。不適切な範囲で器具を使用することは、結果とし
て正確性や精度を欠いてしまう恐れがあります。
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ピペットの モデル 最小容量 最大容量 正確度 精密 正確度 精密 正確度 精密
種類 10% 10% 50% 50% 100% 100%
MR-10 0.5 µL 10 µL 9% 3% 2% 0.60% 1.50% 0.60%
ポジティブ式 MR-250 50 µL 250 µL 3% 0.60% 1.70% 0.30% 1% 0.20%
MR-1000 100 µL 1000 µL 3% 1.60% 1% 0.50% 0.80% 0.40%
L-10XLS 0.5 µL 10 µL 2.50% 1.20% 1.50% 0.60% 1% 0.40%
空気置換式 L-200XLS 20 µL 200 µL 2.50% 1% 0.80% 0.25% 0.80% 0.15%
L-1000XLS 100 µL 1000 µL 3% 0.60% 0.80% 0.20% 0.80% 0.15%
正確度は、設定した容量にどれだけ近似した結果を出せ
るかを示す指標です。一般的なピペットを最大容量の35%
以上に設定した場合の、正確度は10%以下ですが、容量
を10%以下に設定した場合の正確度は3倍以上の誤差が
生じます。
精密度は、繰り返し性の指標です。一般的には正確度の
1/3から1/4程度です。
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ピペットの モデル 最小容量 最大容量 正確度 精密 正確度 精密 正確度 精密 サンプル液の種類によってピペットを使い分けることが重要
種類 10% 10% 50% 50% 100% 100% です。
MR-10 0.5 µL 10 µL 9% 3% 2% 0.60% 1.50% 0.60% 下記の表はそれを示したものになります。
ポジティブ式 MR-250 50 µL 250 µL 3% 0.60% 1.70% 0.30% 1% 0.20%
MR-1000 100 µL 1000 µL 3% 1.60% 1% 0.50% 0.80% 0.40%
L-10XLS 0.5 µL 10 µL 2.50% 1.20% 1.50% 0.60% 1% 0.40%
空気置換式 サンプルの種類 容量 推奨ピペットL-200XLS 20 µL 200 µL 2.50% 1% 0.80% 0.25% 0.80% 0.15%
手動タイプ 電動タイプ
L-1000XLS 100 µL 1000 µL 3% 0.60% 0.80% 0.20% 0.80% 0.15%
粘性、有機溶媒 20-50mL AutoRep S AutoRep E
非粘性、水溶液 20-50mL AutoRep S Pipet-X
粘性、有機溶媒 大容量 1-20mL AutoRep S AutoRep E
非粘性、水溶液 1-20mL Pipet-Lite XLS, Pipet-X, E4 XLS
AutoRep S
粘性、有機溶媒 200-1000µL Pos-D, AutoRep S AutoRep E
非粘性、水溶液 中容量 200-1000µL Pipet-Lite XLS E4 XLS
粘性、有機溶媒 10-200µL Pos-D
非粘性、水溶液 少容量 10-200µL Pipet-Lite XLS E4 XLS
粘性、有機溶媒 マイクロリッター <10µL Pos-D
非粘性、水溶液 <10µL Pipet-Lite XLS E4 XLS
サンプル数が多い場合や繰り返し作業が多い場合は、マルチ
チャンネルピペットや96チャンネル専用のピペットを用いる
ことが効率的です。
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サンプル /試薬用の容器のフォーマット
96ウェルプレート作業では、サンプルや試薬をマイクロ
チューブからプレートへ移すことや、反対にプレートから
チューブへ移すことが頻繁に求められますが、中には 24ウェ
ルから 96ウェルのような異なるフォーマット間への移動が
必要になることがあります。アジャスタブルスペーサーを用
いれば、この作業時間を最大で 85%短縮することが可能です。
アジャスタブルスペーサー
異なるフォーマットへの移動
・マイクロチューブからプレートへ
・異なるフォーマットのプレートへ
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サンプル /アッセイ
複雑で繰り返しの多いピペット作業は電動ピペットの利用が
有効です。電動ピペットは、特定のプロトコールに対してプ
ログラムを組んで使うことが可能です。さらに、手動ピペッ
トよりもより一貫した結果を得ることができます。何故なら、
ピペットを操作する際に、属人的な誤差を排除することがで
きるからです。これは、連続希釈や qPCRのような作業にお
いて顕著に表れます。
サンプルやアッセイにはそれぞれ独自の検討事項がありま
す。例えば、ゲオノミクス関連のアプリケーションにおいて
はフィルターチップを用いることで、サンプルやピペットに
おける DNAコンタミネーションを防ぐことができます。フィ
ルターがエアゾールをブロックしてシャフト内部へ汚染を防
ぎます。その結果、サンプルへの汚染も防げます。さらに、
微生物からの汚染、腐食及び塩付着を防ぎます。
電動ピペットの利点
・複雑な操作と繰り返し作業
・より精度の高い結果を求める実験(qPCR)など
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BioClean製造―コンタミネーションフリー
研究室で高品質な結果を確保するには、チップは DNase、
RNase、DNA、パイロジェン、アデノシン三リン酸(ATP)によっ
て汚染されていないことが求められます。レイニンは可能な
限り人との接触を排除することで、バイオクリーンな製造に
重点を置いています。レイニンのチップはクリーンなのです。
完璧な製造 -完璧なチップ形状
製造にバージンポリプロピレンと最先端の技術を採用するこ
とで、完全無欠なレイニンチップが生まれます。変形、ひび
割れ、バリは存在しません。形状においても完璧なチップで
す。
アプリケーションに応じて
・ D NAコンタミネーションやキャリーオーバーを防ぐために
フィルターチップを使用しましょう。
・ フ ィルターチップはピペット内部の汚染も防ぐことが出
来ます。
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コンタミネーションを防止
疎水性フィルターが
交差汚染を防止
エアゾール
疎水性フィルターが汚染を防止
疎水性フィルターがエアゾールと液体に対してバリアを形成
し、ラボの結果に悪影響を与えかねないサンプル汚染を排除
します。
添加剤を含まない純粋なポリエチレンフィルター
レイニンのエアゾール耐性チップで採用されているフィル
ターは、焼結されたポリエチレン粒子で構成されています。
酵素反応を抑制する添加物を含む他のフィルターと異なり、
レイニンのフィルターは純粋なポリエチレンで作られていま
す。焼結粒子は疎水性で、曲がりくねって経路マトリックス
を形成し(平均的な孔径:40μm)、エアゾールや液体がピペッ
ト本体へ吸収されるのを防止します。
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3.最適なピペットの選定
精度や生産性が高いだけではなく、人間工学的に優れた様々
なピペットがあります。それらは、空気置換式とポジティブ
式ピペットに分類することができます。両タイプとも、ピス
トンのサイズと移動距離によって容量設定をすることができ
ます。
ピストン シャフト
シャフト
空気相 ピストン
チップ キャピラリー
サンプル
サンプル
図1 空気置換式とポジティブ式ピペット
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空気置換式ピペット
・水溶液に最適
・経済的
吸気置換式ピペットは実験室において最も一般的なピペット
です。
先端にチップを取り付けて使用します。
プランジャーを操作することで、ピペット内部の空気相の圧
力と体積を変化させて液体を吸引します。
ポジティブ式ピペット
・あらゆる液体に対して正確に摂取可能
・粘性、高密度、揮発性の高い液体に最適
空気置換式ピペットほどではありませんが、ポジティブ式ピ
ペットも多くの場面で使われています。
使い捨てのピストンとキャピラリーを用います。
プランジャーを操作するとピストンが直接接触して液体を吸
い上げます。
ポジティブ式ピペットは粘度、高密度、揮発性が高い液体な
どへの採取に適しています。
しかし、キャピラリーとピストンは一般的なチップよりも価
格が高いので空気置換式ピペットで同じ結果が得られるなら
ば、空気置換式ピペットをお使い下さい。
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ワークフローの最適化
容量の範囲とスループット
ピストンが上
に動くと内部
空気相の圧力
が下がり、 大抵のワークフローでは 5mlや10mlと
いった大容量の液体を扱うことから始め
ます。
そこでは、高い精度を求められることは
ありません。しかし、その後の少量の液
体を取り扱うプロセスでは、高い精度が
大気圧に押されて 求められます。
サンプルがチップ
へ満たされます。
図2
空気置換式ピペットの動き
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そこで、まず適切なピペットを用いるガイ
ドラインとして 35から100%の容量のレ
ンジで使用されることをお勧めします。
すなわち、1000μlのピペットを使用する
場合、350以上のレンジで使われること
をお勧めします。
ピペットはそれ以下のレンジでも使用可能
ですが、少量の採取は使用者や使い方に
左右されます。
図3 手動ピペット
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電動シングルチャンネルピペット
電動ピペットは 1980年代に登場しま
した。手動ピペットの操作とは異なり、
吸引と吐出をマイクロプロセッサーで
制御します。電動ピペットを使用すれ
ば、より精度が高く一貫性のある結果
を得られます。また、属人的なばらつ
きも排除することが可能です。
レイニンの E4 XLSは、これまでのピペッ
ティングのシンプルさとコントロール
の概念を打ち破る、数々の特長や機能、
そしてナビゲーションに対する革新的
な新しいアプローチを備えています。
美しい輪郭の本体とバランス性、レイ
ニンの定評ある精度と正確性を凝縮し
た E4 XLSは、従来の製品とは一線を画
するピペッティングを実現します。ま
た、E4 XLSはお客様の PCから更新・
拡張が可能です。
図4 電動ピペット
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マルチチャンネルピペット
レイニンの新しい Pipet-Lite XLSマルチチャンネルは、市場に
おいて最も技術的で人間工学的に優れた手動マルチチャンネ
ルピペットです。特許取得済み LiteTouchT M System(LTS TM)
テクノロジーを採用したマルチチャンネルピペットは迅速な
充填と、全チャンネルでより高精度で一貫性のあるサンプル
ピックアップを実現します。最高品質の素材で堅牢に作られ
ている当社のマルチチャンネルは、長年にわたって一貫性と
信頼性のある作業ができるように設計されています。そして、
すべての Pipet-Lite XLSモデルで実施されているとおり、内蔵
された RFIDタグにより高度な校正トラッキングが可能にな
ります。
図5 マルチチャンネルピペット
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リクイデーターが 96ウェルを重点
すばやく簡単に分注
卓上や層流キャビネット内にフィットし、手動ピペットと同
じ原理で 96ウェルに充填します。
電機やプログラミング、複雑なロボット装置は必要ありませ
ん。リクイデーター 96は完全に持ち運び可能で、ラボと作
業台の間を簡単に移動できます。
図6
Liquidator 96卓上型ピペッティングシステム
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