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繊細な電子部品のマークレス搬送

ホワイトペーパー

製品の品質向上のために

跡マークホワイトペーパーindex

◆変形要因
・吸込みによる変形
・グリッパーを使用した対策
◆材料要因
・主要な原因物質 / 離型材 / 可塑剤
・真空パッドの洗浄方法
◆摩耗・摩擦要因
・製品とハンド間の摩擦
・摩耗によるコンタミ
◆環境要因
・異物・コンタミネーション
・静電気

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このカタログについて

ドキュメント名 繊細な電子部品のマークレス搬送
ドキュメント種別 ホワイトペーパー
ファイルサイズ 1Mb
登録カテゴリ
取り扱い企業 シュマルツ株式会社 (この企業の取り扱いカタログ一覧)

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このカタログの内容

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ホワイトペーパー 繊細な電子部品のマークレス搬送
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跡マークホワイトペーパーindex 変形要因 P4 吸込みによる変形 ... P.4 グリッパーを使用した対策 ... P.6 材料要因 P8 主要な原因物質 / 離型材 / 可塑剤 ... P.8 真空パッドの洗浄方法 ... P.9 摩耗・摩擦要因 P10 製品とハンド間の摩擦… p.10 摩耗によるコンタミ ... P.10 環境要因 P11 異物・コンタミネーション… p.11 /静電気 ... P.11
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製品の品質向上のために 製品製造の現場では常に多種多様な製品が量産されています。それらの製造プロ セスにおいては必ずプロセス間の「搬送」工程が発生します。この搬送工程では主 に「チャック搬送」、「真空搬送」の2通りの方法が用いられています。それぞれに得 手・不得手があるものの、繊細なワークに対しては「真空搬送」が用いられる場合が 多い傾向にあります。この理由としては、チャック搬送の場合、製品への負荷の制 御が真空搬送と比べると難しいことが挙げられます。対して真空搬送はワークに極 端な負荷はかけません。 真空搬送 チャック搬送 用途イメージ 製品への基板組付け パイプのクランプ パッドの形状、真空圧による制御 物理的に挟み込むため、製品へ 製品への負荷 で負荷を抑制可能 の負荷が発生しやすい 物理的に把持するわけではない 物理的に把持するため、安定性 安定性 ので、設計時に注意が必要 が高い 持ち上げに必要な真空を生みだ 製品よりもハンドのサイズが大きく 汎用性 すことができれば、製品の大きさ なり、ワークの大小に対応しづら を問わず把持可能 い 軽い 重い ハンド重量 *1 コンタミ/コンタミネーション ...異物混入 製品に混入した異物、ないしは 不良の発生原因 製品に異物が混入すること自 体を指す。 搬送時に発生する負荷の中には、製品の品質に直結するものもあります。中でも跡 マークやコンタミ*1 は目視では確認ができない可能性があり、これらの発生を防止 するため製品の搬送には十分な注意を払う必要があります。吸着搬送の場合、不 良の原因となりうる負荷として「機械的なストレス」、及び「化学的な跡マーク」が発 現するケースが多く見られます。 機械的なストレスが原因の 化学的な跡マークの例 跡マークの例 3
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変形要因 – 真空パッド 真空搬送時のしわ・変形の発生原因 真空搬送では、真空パッドを用いたハンドと真空発生器を使用し、製品に接触する 真空パッド内部の圧力を大気圧より下げることで、圧力差により把持力を生み搬送 を可能にします。そのため、搬送対象となるものに対しては吸込みによる多少のしわ 等の機械的なストレスが発生してしまいます。 吸着パッド形状イメージ 真空パッドのリップ = 赤線内 一般的なフラット形状 一般的な1.5段ベローズ形状 一般的な2.5段ベローズ形状 このしわの発生には真空パッドの形状が影響します。例えば、一般的には真空パッド のリップが浅くかつベローズがない方が製品の変形が少ない傾向にあります。リップ が深いとその高さ分吸込みが大きくなり、製品の変形する可能性が増してしまうため です。とはいえ、真空パッドの形状が単にフラットなものはそもそも把持力を生みづら く、製品の搬送に必要な把持力を満たせない可能性があります。また、単にフラット であるというだけで製品の変形を抑えられるわけではありません。製品を支持しなが ら、適切な把持力を生むことができる製品が求められます。 シュマルツ板ガラス搬送用パッド 一般的なフラット形状でガラスを吸着した シュマルツ板ガラス搬送用パッドでガラスを 様子 吸着をした様子 単純なフラット形状ではパッド外形 に吸引の為のエアを流すことがで きないため、表面に流路を持たせ ることで適切な把持力を生み出 すことが可能。 一般的なフラット形状で吸着した際に発生 シュマルツ板ガラス搬送用パッドで吸着した する負荷イメージ 際に発生する負荷イメージ 4
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搬送対象物に合わせた対策 変形しやすく、柔軟なもの(紙・フィルム) 紙や包装材のフィルムといった変形しやすくコシの無い製品を把持する場合、一般 的な形状の真空パッドでは製品の変形によって真空エアが漏れやすいため、把持 することがそもそも難しい場合があります。この場合、しわ発生を抑制しつつ製品を 安定して把持するために、真空パッドのリップを浅く・薄くすることで製品に対する反 発力を抑える必要があります。 変形するが、硬質なもの(ディスプレイ用の薄ガラスなど) 薄ガラスやLTCC製造時のセラミックのグリーンシートなどは、紙やフィルムほど変形 は大きくありません。しかしこうした製品に対する過剰なストレスは割れや微細クラッ クの発生原因となってしまうため、紙やフィルム以上にケアが必要です。こうした製 品の場合、紙・フィルム搬送時同様、真空パッドのリップを浅く薄くし、さらに製品へ の接触面を平らにすることで対応する必要があります。製品表面に多少の摩擦によ る負荷がかかっても問題ない場合であれば樹脂製の補助パーツを採用することで、 より曲げ方向の機械的ストレスと化学的な成分転写による跡マークを抑制すること が可能です。 跡マーク防止形状リブ付き 跡マーク防止ハニカム構造 樹脂製吸着面 表面形状ごとの性能 一般的なフラット形状 跡マーク防止ハニカム構造(フラット) 樹脂製吸着面 密閉性 密閉性 密閉性 4 4 4 コスト 3 追従性 コスト 3 追従性 コスト 3 追従性 2 2 2 1 1 1 0 0 0 しわ・変形 * 吸着力 しわ・変形 吸着力 しわ・変形 吸着力 4: 非常に優れる, 3: 優れる, 2: 標準, 1; 少し劣る 形状による特性の比較 * 一般的にフラット形状はサイズにより製品への負荷の強度が大きく変わります。 具体的には大径パッドは負荷の強度が高く、逆に小径パッドは負荷の強度が低い傾向が見られます。 これは吸着面のリップの浅さによって決まります。 5
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変形要因 – グリッパー *2 ベルヌーイ式 搬送時の製品への変形ストレスを軽減するために、真空パッドだけでなく様々なグリッ パーを使用した搬送も利用されています。 本項では、特に使用される場面の多い3つのグリッパーと、その特性をご紹介します。 パッド表面に存在するノズルより 放射状に圧縮エアが放出され 非接触式グリッパー る方式。この放出されたエアに よってパッドと製品間にある空 気が引っ張られることで把持力 を生みます。 搬送対象の製品に接触することなく製品の把持ができる真空グリッパーです。 ベルヌーイ式*2・サイクロン式*3という 2通りの方法が使用されています。以前から変 *3 サイクロン式 形対策として検討されることが多くありましたが、この方式では製品に対して圧縮エ アを継続的に吹き付けながら引き付ける力を発生させるため、実際には製品に対し て継続してストレスがかかった状態となります。 またサイクロン式ではワークの回転を抑制するためにガイドを設置したり左右逆向き のサイクロン式の非接触式パッドを使用する必要があり、いずれの方法でもワークに 対するストレスは発生します。その為、パッドメーカによっては、オプション部品として、 製品の横ずれを防止する用途のゴムパーツ*を取り付けられる製品が用意されてい ベルヌーイ式と同様にパッド表 る場合があります。 面のノズルより圧縮エアが放出 されますが、こちらの方式では 圧縮空気は旋回流を描きます。 ベルヌーイ式よりも把持力を生 みやすい一方、旋回流によって 製品が回転してしまうため、回 転防止用のガイドがアプリケー ションによっては必要となると いった特徴があります。 非接触式パッドによる製品 非接触式パッドによるシリコンウエハーの への負荷イメージ 破損例 *パッドによるリフトアップ時の衝撃によりシリコン ウエハー全体に負荷がかかり破損 ** 非接触式の場合、吸着のタイミングのコント ロールによる負荷の低減が可能 吸引方式 非接触パッド用横ズレ防止 ゴム 多孔質や孔が無数にあいた板材を吸着面とし、大流量吸引が可能な真空源を用 いて製品を把持する方法です。製品を硬質な材料で支持しながら低真空 +大流量 の吸込みで製品に対して把持力を発生するため、製品の表面に対するストレスが 最も抑えやすい方法です。 一方で、製品の重量が重いものには不向 きであったり、真空ブロアを使う場合にはか 製品と離れた状態で吸着 なり太いホースを使用する必要があるなど、 装置設計に制約も存在します。太いホー スを使用する場合にはロボットの動きを制 製品と離れていない状態で吸着 限してしまう可能性や、摩擦による摩耗粉 が発生してコンタミのリスクが上昇してしまう 吸着開始時のワークとの距離に などの懸念があります。 よって生じる負荷イメージ シュマルツでは、こうした設計上の制約及 非接触パッド使用時は可能な限 り製品との距離を詰めた状態で び製品への影響を鑑みて、大流量吸引の 吸着することが製品への負荷を エジェクタと吸着プレートを併せ持ったロ シュマルツ㈱吸引方式ハンド 抑制する上で望ましい ボットハンドを提供しています。 リチウムイオン二次電池の電極材搬送例 6
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スポンジ式パッド・ハンド 製品との接触面にスポンジを取り付けたタイプのことを指します。製品に触れるのは スポンジであるため、ゴムや硬質の樹脂と比べれば製品への物理的な負荷は低い と言えます。しかし、スポンジ式真空パッドでは真空パッド内への吸込みは発生して しまうため、製品の変形を完全に抑制することは困難です。 その点を解決する方式として、箱状の真空チャンバーにスポンジを取り付けた搬送 用ハンドがあります。製品への接触面はスポンジでカバーしつつ、チャンバーによっ て製品を支持しながら把持することができるため、ワークの変形を抑制することが比 較的容易です。 スポンジ付きグリッパーはハンド表面 に無数の吸着用の孔があいていて、 スポンジによる密閉が生じると適切に 吸着が可能になる製品です。このグ リッパーは吸込みによる製品へのスト レスを極力発生させないような構造に なっています。 スポンジ付きグリッパー構造 接地面圧 接地面圧は製品に触れている単位面積あたりの負荷の強度を示すものです。この値が低いほど製品への機械的な ストレスは抑制され、逆にこの値が高いほど製品へのストレスは高いということが言えます。以下のグラフは、これまで ご説明した様々な吸着面の吸着力と接地面圧の相関関係を示したものです。 20 18 負荷大 16 14 12 10 8 6 4 2 0 負荷小 0 5 10 15 グリップ力 [N] ■非接触式パッド例 : SBS ■跡マーク防止フラット形状パッド例 : フィルム・紙用SFF ■エア漏れ防止リブ付きパッド例 フィルム・紙用SGP ■スポンジ式ハンド例 : 真空グリッパー FM-SW-SU ■樹脂インサート使用例 : 樹脂インサートSPI ■吸引方式例 : STGG使用時 製品ごとの接地面圧と吸着力の相関関係 7 接地面圧 [N/cm²]
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材料要因 代表的なゴムの材質 真空パッドの材質としてはニトリルゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴムを代表とした合成 ゴムが一般的に使用されています。特に電子デバイス・電子部品メーカでは対候 性・耐オゾン性に優れるシリコーンゴムやフッ素ゴムがよく用いられます。しかしこうし たゴム材に含まれるシリコンオイルなどは製品に容易に転写してしまう可能性がある ため、跡マークへの対策として材質の選定には注意が必要です。 跡マークが残る理由 跡マークの発生原因となる物質として、代表的なものは以下の3つが挙げられます。 *4 離型剤 一般的に真空パッドはゴム材を 代表的な吸着跡の原因物質 金型で成型し、それぞれの形状 が形作られます。この際、金型 1. ゴムや成型時の離型剤*4 に含まれるシリコン成分 からゴムを取り外しやすくするた 2. ゴム化合物の微量な化学物質 めの液体のことを「離型剤」と呼 3. 硫化ゴムの可塑剤*5の跡 びます。様々な離形材がありま すが、シリコーン成分を含んだ 離型剤が使用されている場合、 跡マークに対して不利益が生じ る可能性があります。 ゴム由来の成分の転写に対する対策としては、成分の転写を抑制した材質を使用 する、樹脂製のオプションパーツを真空パッドに取り付ける、真空パッドを製品に直 接接触させない、などの手法が挙げられます。 *5 可塑剤 可塑剤は、主に塩化ビニル樹 脂に柔軟性を与える素材です。 特に一般的な対策として、フッ素樹脂等を真空パッド表面に焼き付ける表面処理と 真空パッドの製造においては いう方法がありますが、これはその効果がなくなったタイミングを外観から判断するこ 各種ポリマーに対して柔軟性 とが非常に困難であるという問題があります。また、伸縮を繰り返す真空パッドにコー を持たせるために使用されま ティングを行った場合、使用中にコーティングへの微細なクラックが発生しやすいた す。跡マークの観点で見ると、 可塑剤を含んだゴムが製品と め、そもそも期待する効果を継続的に得ることは難しいと考えられます。 接触した際に、製品面が可塑 剤に馴染む特性を持っていた 場合、可塑剤が融合する現 象が見られます。この現象が ニトリルゴム シリコーンゴム 跡マーク対策ゴム 製品と真空パッドの貼り付き、 あるいはパッドが接触した部分 への跡マークの出現といった 症状として発現します。 出典 ) 可塑剤工業会 「可塑剤50年史」 http://www.kasozai.gr.jp/wordpress /wp- content/uploads/2018/05/kaso_50.p df 8
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真空パッドの洗浄方法 製品への真空パッドの材質や異物の転写を抑制するためには、適切な材質を選定 することだけでなく、使用前にパッド表面を洗浄することや定期的にメンテナンスを 行うことも重要です。 主な手順は以下の3ステップです。洗浄力及び揮発性のある洗浄液を使用し、発 塵しないタイプのクロスで拭き取る必要があります。洗浄後は適切にパッド表面を乾 燥させたあとに使用することで、洗浄液の転写を抑制することが可能です。 *6 洗浄用備品 布 : 無発塵クロス 洗浄液 : アセトン*7 *7 アセトンはニトリルゴム、シリコーン、 フッ素ゴム、マークレスゴムに問題な く使用できますが、他の材質への使 用は各パッドメーカに推奨の洗浄液 1.吸着面以外を持つ 2.パッド表面を洗浄する*6 3.パッド表面を乾燥させる をご確認ください (可能であれば低発塵ないし クリーンエアによるエアーブロー 尚、ベンジンは工業用ガソリンであり、 は無発塵タイプの手袋を装 推奨。準備できない場合、無発 石油の一種であり、洗浄液としては不 適当です。 着する方が好ましい)。 塵クロスによって洗浄液を完全 に拭き取ること。 材質ごとの性能特性 導電性ニトリルゴム 導電性シリコーンゴム シリコンオイル量(ゴム内) シリコンオイル量(ゴム内) 4 4 3 3 放電性能 2 シリコンオイル量 放電性能 2 シリコンオイル量 1 (離型材内) 1 (離型剤内) 0 0 摩耗しやすさ 可塑剤の量 摩耗しやすさ 可塑剤の量 導電性フッ素ゴム マークレスゴム シリコンオイル量(ゴム内) シリコンオイル量(ゴム内) 4 4 3 3 放電性能 2 シリコンオイル量 放電性能 2 シリコンオイル量 1 (離型剤内) 1 (離型剤内) 0 0 摩耗しやすさ 可塑剤の量 摩耗しやすさ 可塑剤の量 4: 非常に優れる, 3: 優れる, 2: 標準, 1; 少し劣る 材質ごとの性能比較 9
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摩耗・摩擦要因 真空パッドのリップ形状が原因となる製品の機械的な変形については前述しました が、、リップ形状による負荷は製品への垂直方向だけでなく水平方向の負荷 = 摩擦 としても発生します。一般的な形状のパッドでは、吸着時と非吸着時のパッドの径が 異なっており、この径の差が大きければ大きいほど、製品表面をパッドが擦ってしま うため製品のクラック及びパッドの材料由来のコンタミが発生する可能性が上がって しまいます。さらにはパッドからの摩耗紛も製品に付着する可能性が増すため、コン タミのリスクも必然的に増加します。 非吸着時 非吸着時 吸着時 吸着時 一般的な形状例 負荷を抑制する形状例 摩耗・耐摩耗性 適切な真空パッドの選定・搬送用ハンドを構成することは、把持力だけでなく各部品 の耐久性にも影響します。適切な選定がなされず、特に耐久性に悪影響を及ぼす ような状況が発生すると、メンテナンスの頻度上昇に伴う生産コスト増・設備停止に 伴う機会損失を生じるだけでなく、真空パッドなどの部品由来の異物が製品に付着 することでコンタミのトラブルを誘引することになります。特に真空パッドは製品に直 接触れるため、注意が必要です。 当然、アプリケーション・搬送対象に応じた適切な材質を選定するべきですが、単純 に摩耗に強い材質を選定することで摩耗が原因ののコンタミのリスクを抑制すること は可能です。 10 耐摩耗試験(DIN53516)に基づく材質ごとの耐用年数
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環境要因 異物・コンタミネーション 異物といってもその種類は多岐にわたり、何を異物として扱うかも製品や製造プロセ スによって大きく異なります。そのため本稿においては異物がどういったものかは特 定しません。しかし、製造現場、特に製品搬送箇所で懸念すべき事項は比較的明 確です。 搬送時の発塵やコンタミの原因となりやすいポイント • ロボットの軸 • リニアガイドやエアチャックの可動部 • 真空パッドのストローク • バッファ機構のストローク • 配管やケーブルの摩耗 ケアが必要なポイント 静電気 静電気は特にコンタミに影響を及ぼしやすい因子である。これは静電気が原因で発 生するクーロン力によって対となる電荷を帯電した2つの物質が引き合うという特性 が問題である。製造工程中で異物が製品に乗ってしまうことはもちろん、真空パッド が帯電することで環境中に浮遊する微粒子を集めてしまうと、その微粒子が製品に 移ることが原因でコンタミや跡マークが発生する。 こうした環境中に存在する微粒子や静電気が原因となる跡マークやコンタミ対策と しては製造環境をクリーンルームにする、静電気を帯電しないようにする、製品接 触面を定期的にメンテンナンスするなどが挙げられる。 クリーンルーム コンタミネーションコントロールが行われ、空気清浄度が管理されている部屋のことを指します。 各産業、プロセスごとに求められる性能が異なるため、注意が必要です。 ISO146441-1, JIS B 9920 米国連邦規格 209D 工程の例 ISO1 - ISO2 - ISO3 クラス1 半導体チップ の前工程 ISO4 クラス10 液晶ディスプ レイ・ガラス基 板 プリント基板・ ISO5 クラス100 光学機器 半導体チップの後工程 ・リチウムイオン電池 ISO6 クラス1,000 ISO規格と米国規格の相関表 11
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シュマルツ - 自動真空搬送の マーケットリーダー *8 シュマルツ*8は、自動真空搬送だけでなく、人間工学を考慮した手動搬送システム Schmalz Groupは自動真空搬送、手動搬 送システムの2つの領域において、グロー のマーケット・リーダーです。真空パッド、真空発生器などの個々の真空部品から、 バルに事業を展開しています。 ・国内外の関連会社: 20支社 プリント基板搬送に最適化されたロボットハンドまで、世界80ヶ国に展開するシュマル ・従業員名1500人以上 ツの製品は、世界中のエレクトロニクス業界、物流業界、自動車業界、包装業界、 プラスチック業界、木材業界、ガラス業界など、あらゆるアプリケーションに使用され ています。 電子・半導体業界においては、シュマルツはプリント基板、二次電池、ディスプレイガ ラスをはじめとした各種電子デバイス、電子部品に沿ったソリューションを開発してい ます。個々の製品からあらゆる製品が揃ったパッケージ製品まで、シュマルツはあら ゆるアプリケーションで使用するためのソリューションを柔軟に開発しています。 「真空パッドはカラフルなだけの単純なゴ ム部品のように見えますが、実はゴムの形 状や材質が製品の品質に大きな影響を与 えます。デリケートな製品を搬送する際の 真空パッド選定は十分注意すべきです」 Matthias Mueller Manager International Industry Segment and Key Account Management 私たちはスマートテクノロジーと ともに歩んでいます。 シュマルツ株式会社 〒224-0027 神奈川県横浜市都筑区 品質 : 蓄積された何十年もの経験 大棚町3001-7 協力 : 長年培った国内外の電子部品メーカとの緊密な連携 info@schmalz.co.jp WWW.SCHMALZ.CO.JP ソリューション指向 : アプリケーションベースの製品開発 カスタマー重視 : 製品のセットアップや運用の簡易化 革新 : 常に先進的なソリューションを提供 シュマルツ株式会社 著作権はシュマルツ株式会社に帰属します。予告なく内容の変更を行う場合があります。 (吸着跡対策技術ページ) (2021年11月発行)