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3Dプリント用材料の選定

ホワイトペーパー

考慮すべき6の基本的な特性

樹脂は複雑な材料です。特定の用途に適した材料は、必要な物性をバランス良く備えたものを選定する必要があります。工業用3Dプリンタも小型化・高機能化が進み、多くの技術者が多様な樹脂材料を低コストで使用できるようになった今、樹脂材料の機械的特性に関する基礎知識は、用途ごとに正しく材料選定を行うために非常に重要です。
本書では材料選定、特にFormlabsのSLA光造形用材料(レジン)そしてバッチ生産に対応するSLS用材料(パウダー)から、その用途に最適なものを選定する際に考慮すべき6つの機械的特性について、その概要を解説します。

このカタログについて

ドキュメント名 3Dプリント用材料の選定
ドキュメント種別 ホワイトペーパー
ファイルサイズ 635.9Kb
登録カテゴリ
取り扱い企業 Formlabs株式会社 (この企業の取り扱いカタログ一覧)

このカタログの内容

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GUIDE Choosing a 3D Printing Material: 6 Basic Properties to Consider 3Dプリント用材料の選定:考慮すべき6の基本的な特性 樹脂は複雑な材料です。特定の用途に適した材料は、必要な物性をバランス良く備えたもの を選定する必要があります。工業用3Dプリンタも小型化・高機能化が進み、多くの技術者が 多様な樹脂材料を低コストで使用できるようになった今、樹脂材料の機械的特性に関する 基礎知識は、用途ごとに正しく材料選定を行うために非常に重要です。 本書では材料選定、特にFormlabsのSLA光造形用材料(レジン)そしてバッチ生産に対応 するSLS用材料(パウダー)から、その用途に最適なものを選定する際に考慮すべき6つの 機械的特性について、その概要を解説します。 ����年�月 | Formlabs.com
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目次 曲げ弾性率:どれほどの剛性があるのか 3 伸び率:どれほど伸びるか/曲がるか 4 衝撃強さ:どれだけ衝撃を吸収できるか 5 引張強さ:どこまでの引張力に耐えられるか 6 荷重たわみ温度:どれほどの耐熱性があるか 7 クリープ:長期間荷重を受けるとどの程度変形するか 8 多面的なアプローチで材料を選定する 9 Formlabsの3Dプリンタと3Dプリント用材料 11 FORMLABS: 試作用材料の選定:考慮すべき�の基本的な特性 �
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曲げ弾性率:どれほどの剛性が あるのか 曲げ弾性率とは、曲げ応力が加わった際の弾性変形への抵抗値を示すものです。 曲げ弾性率は、樹脂材料の機械的特性の中で最も重要な指標であり、材料の剛性あるい は曲げ傾向を示す指標です。 剛性の高い材料は剛性の低い(柔らかい)材料に比べ、変形に必要な力は大きくなりま す。そのため曲げ弾性率が高い材料は、ダイヤモンドのように硬い材料、曲げ弾性率が 低いとゴムのような弾力のある材料ということになります。 曲げ弾性率と引張弾性率(またはヤング率)は密接な関係にあり、通常この2つの弾性率 に大きな差はありません。剛性率(せん断弾性率)は、せん断力に対する変形のしにくさ を示します。 FormlabsのSLA光造形用材料(レジン)で最も曲げ弾性率が高い材料は、Rigid 10Kレジン です。他に高い剛性を持つ材料としては、各種のスタンダードレジンやGrey Proレジンが あります。一方で、Tough & Durableレジン製品は他のFormlabs製レジンよりも曲げ弾性率 が低く、負荷に合わせて変形する靭性を備えた材料となっています。またSLS用材料(パウ ダー)では、炭素繊維複合材であるNylon 11 CFパウダーが曲げ弾性率、引張弾性率共に最 も優れており、ガラス充填材料のNylon 12 GFパウダーがそれに次ぐ数値を持っています。 曲げ弾性率のトップ材料 ● Rigid 10Kレジン 光造形(SLA)方式 ● スタンダードレジン ● Grey Proレジン ● Nylon 11 CFパウダー 粉末焼結積層造形(SLS)方式 ● Nylon 12 GFパウダー FORMLABS: 試作用材料の選定:考慮すべき�の基本的な特性 �
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伸び率:どれほど伸びるか/曲がるか 伸びとは、材料を伸ばした時の破断しにくさを示すものです。 伸び率とは、材料が破断や亀裂を起こさずにどの程度伸びることができるかを示す指標 です。硬質な樹脂素材は破断伸びが小さくなり、柔らかく弾性のある材料は破断する までに数倍の長さに伸びるものもあり、破断伸びは大きくなります。歯磨き粉のチューブ のような曲がらないといけない容器では、高い伸び率が重要な要素となります。 延性のある材料、例えばゴム等は高い伸びを示しますが、ガラスやセラミック等の脆性 材料は塑性変形をしないため、伸び率が非常に低くなる傾向があります。高い伸び率を 必要な場合は、SLA光造形用材料(レジン)においては、硬質材料ではDurableレジンか Toughシリーズレジン、弾力が必要な場合は硬質ゴム/TPUライクなFlexible 80Aレジン、 あるいは軟質シリコンライクなElastic 50Aレジンをお選びください。SLS用材料(パウダー) では、Nylon 11パウダーが最も優れた伸び率を有しています。 伸び率のトップ材料 ● Durableレジン ● Toughレジンシリーズ 光造形(SLA)方式 ● Flexible 80Aレジン ● Elastic 50Aレジン 粉末焼結積層造形(SLS)方式 ● Nylon 11パウダー FORMLABS: 試作用材料の選定:考慮すべき�の基本的な特性 �
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衝撃強さ:どれだけ衝撃を吸収でき るか 衝撃強さとは、材料が壊れることなく衝撃や衝突のエネルギーを吸収する能力です。 衝撃強さとは、突然の衝撃に対応する材料の能力を意味し、靭性とも呼ばれます。ポリ カーボネートやナイロンのように靭性の高い材料は、衝撃を吸収して破断する前に塑性 変形することができます。シンプルに言えば、衝撃強さに優れた材料は、床に落として も壊れないということです。 一般に強度と言われる特性の中でも「衝撃強さ」あるいは「靭性」は、「剛性」とは 異なります。急激な力が加わる衝撃を吸収するためには、硬さを表す剛性よりも柔軟な 材料が高く評価されるためです。 Formlabsの材料の中で最も高い衝撃強度を持つのは、SLA光造形用材料(レジン)では 前項でも触れた80AショアデュロメーターのFlexible 80Aレジン、あるいは50Aショア デュロメーターのElastic 50Aレジン、そしてDurableレジンがあり、その他ではTough シリーズのレジンとGrey Proレジン等があります。SLS用材料(パウダー)で衝撃強さ に最も優れるのは、炭素繊維複合材のNylon 11 CFパウダーで、次いでNylon 11です。 衝撃強さのトップ材料 ● Flexible 80Aレジン ● Elastic 50Aレジン 光造形(SLA)方式 ● Durableレジン ● スタンダードレジン ● Grey Proレジン ● Nylon 11 CFパウダー 粉末焼結積層造形(SLS)方式 ● Nylon 11パウダー FORMLABS: 試作用材料の選定:考慮すべき�の基本的な特性 �
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引張強さ:どこまでの引張力に耐えられる か 引張強度とは、その材料が耐えられる最大の引張力を示すものです。 引張強さに優れた材料とは、引張力が加わった際にも破断せずに耐えることができるも のを指します。また、最大引張強さとは引張力を加えた際に、材料が破断せずに耐えら れる最大引張力を示す指標です。引張強さに優れた代表的な材料は、炭素繊維やガラス、 鉄(鋼)等が挙げられます。 材料に加わる引張力が最大引張強さに達すると、脆性材料は塑性変形せずに突然破断し、 延性材料は多少の塑性変形を起こした後に破断します。現在の3Dプリンタ用材料は、PP (ポリプロピレン)やABS等の射出成形用材料並みの引張強さを持つまでに進歩してい ます。光造形方式の3Dプリントで使用する樹脂材料は、上記のような熱可塑性樹脂では なく光硬化性樹脂であるため、一般に成形材料に使用される樹脂には対応していません が、熱可塑性樹脂では実現できない耐熱性などメリットも多くあります。 Formlabsの材料で引張強さに優れた材料は、SLA光造形用材料(レジン)ではRigidレジン ファミリー製品や、各種スタンダードレジン、Grey Proレジン、Toughシリーズのレジン があります。SLS用材料(パウダー)の最大引張強さでは、炭素繊維複合材のNylon 11 CF が最高で、Nylon 12、Nylon 11と続きます。 衝撃強さのトップ材料 ● Rigidレジンシリーズ ● Toughレジンシリーズ 光造形(SLA)方式 ● スタンダードレジン ● Grey Proレジン ● Nylon 11 CFパウダー 粉末焼結積層造形(SLS)方式 ● Nylon 12パウダー ● Nylon 11パウダー FORMLABS: 試作用材料の選定:考慮すべき�の基本的な特性 �
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荷重たわみ温度:どれほどの耐熱性があるか 荷重たわみ温度(HDT)とは、材料に特定の荷重をかけた状態で温度を上げていき、一定 以上のたわみが発生した温度のことです。 荷重たわみ温度、または熱たわみ温度とは、高温環境での使用に適した材料かどうかを 示す指標で、規格で定められた所定の荷重(MPa)をかけた状態で試験片に規定のたわみ が発生する温度を指します。 発熱体の筐体や取付部品、射出成形用金型、流体のコネクタ、バルブ、ノズル等、高温 の液体や気体に接触する部品の材料には、高い荷重たわみ温度が求められます。 よくある誤解は、荷重たわみ温度とその材料が使用できる温度をイコールと考えてしま うことです。荷重たわみ温度はASTM規格で定められた「所定の荷重をかけた状態」で 「厚み2mmの試験片」が「既定のたわみを起こす温度」であるため、その温度までは 使用できる、あるいはその温度以上は使用できないという意味ではなく、上記試験での 参考値であるという点を考慮しなければなりません。 Formlabsの材料で荷重たわみ温度に優れたものは、SLA光造形用材料(レジン)では High TempレジンやRigid 10Kレジンとなり、SLS用材料(パウダー)では炭素繊維複合 材であるNylon 11 CFパウダーや、ガラス充填材料のNylon 12 GFパウダーとなります。 荷重たわみ温度のトップ材料 ● High Tempレジン 光造形(SLA)方式 ● Rigid 10Kレジン ● Nylon 11 CFパウダー 粉末焼結積層造形(SLS)方式 ● Nylon 12 GFパウダー FORMLABS: 試作用材料の選定:考慮すべき�の基本的な特性 �
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クリープ:長期間荷重を受けるとどの程度変形するか クリープとは、材料が機械的応力により時間の経過と共に変形する現象を指します。 荷重たわみ温度、または熱たわみ温度とは、高温環境での使用に適した材料かどうかを クリープとは、材料が荷重下で長い時間をかけてゆっくりと変形する現象です。クリープ が大きい材料は、小さい材料よりも変形しやすいということになります。クリープは他の 材料特性よりも測定に長い時間を要し、時間、荷重、温度によって変化します。 大きな荷重や温度に耐え、長期にわたって形状を保持する必要がある部品には、クリープ の少ない材料を選ぶことが重要です。例えば重量物を支える、またはタービンのブレード のように繰り返しの負荷に耐えて機能を果たす部品等、高い負荷や温度に耐えるだけで なく、長期にわたって形状を保持する必要がある部品にはクリープの少ない材料を選定 することが重要です。 Formlabsの材料の中で最もクリープが少ないのは、SLA光造形用材料(レジン)では、Rigid 4000レジンやGrey Proレジンとなり、SLS用パウダーではNylon 11 CFパウダーが最もクリープ を起こしにくい材料です。 FORMLABS: 試作用材料の選定:考慮すべき�の基本的な特性 �
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多面的なアプローチで材料 を選定する プラスチック部品の開発/設計者は、実際の業務では単一の特性だけを見て材料を決定する ことはあまりなく、これまでの経験やコンピュータ上でのシミュレーション結果等を参考 に、複数の特性とそのバランスを見て材料選定を行います。 本書のようなガイドを参考資料として様々な材料とその特性についての情報を得ることは 可能ですが、それと同じくらい大切なのが、多くの材料を実際に使ってみるという経験で す。日常的に使っているものがどんな材料で作られているかを調べ、その材料の機械的特 性を考えてみましょう。その部品はどういう環境でのどんな使い方が想定され、どんな特 性が材料には必要でしょうか? 以下ではFormlabsのエンジニアリング用レジンを用いた事例をご紹介します。 FormlabsのDurableレジンが持つ高い靭性と衝撃強さは、日用品や消費財の容器の試作には最適だ 。 家庭用の洗剤やシャンプーといった消費財の容器には、使用者の手で曲げても元の形状に 戻るような高い伸び率が求められます。 また、落下しても壊れることのないよう十分な衝撃強さも求められます。今回の試作では、 Durableレジンを採用しました。 FORMLABS: 試作用材料の選定:考慮すべき�の基本的な特性 �
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. 曲げ弾性率が高く、クリープを起こしにくいFormlabs Grey Proレジンは、このコンピュータモニタ のブラケット部の試作に最適な材料だった。 PCディスプレイ用スタンド等に使用されるブラケットには、高い曲げ弾性率、つまり剛性 が要求されます。また、取付後に部品が変形することなく、時間が経過しても機能を果た し続けるよう、低クリープな材料を選定することも重要です。こうした要件に最適だった のがGrey Proレジンでした。 ガラス充填強化材料のSLS用パウダーであるNylon 12 GFは、高い弾性率と衝撃強さ、そして高い荷重 たわみ温度を備える。繰り返し脱着を行うダクト部品やねじ部、ソケットにも最適な材料だ。 ねじ部やソケット部を備える部品は通常、メンテナンス等で繰り返し脱着が行われ、高い 負荷に晒されても形状や寸法精度を確実に保持する必要があります。また、ダクトや配管 部品では流体が高温であるケースもあるため、耐熱性に優れた材料である必要があります。 こうしたケースではNylon 12 GFのような強度と耐熱性に優れた材料が推奨されます。 FORMLABS: 試作用材料の選定:考慮すべき�の基本的な特性 ��
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F ormlabsの3Dプリント用材料 30種を超えるFormlabsが自社開発した3Dプリント用高機能材料の詳細は、Formlabsの Webサイトにてご確認ください。また、材料選定についてのご相談は、Formlabsの3D プリントエキスパートまでお気軽にご相談ください。本ページ右下のボタンまたはQR コードからオンラインミーティングをご予約いただけます。 Formlabsの3Dプリント用材料 Formlabs製3Dプリンタの詳細: 3Dプリンタ詳細ページ オンラインミーティングご予約 Formlabs株式会社 スマートフォンでご覧の方は右のQRコード、 PCでご覧の方は下のボタンから予約ページ 〒140-0001 東京都品川区北品川3-6-9 Ubiz品川 1階 にお進みください。 Tel: 03-6718-4004 Email: jp-sales@formlabs.com formlabs.com オンライン予約ページへ