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使用環境が頻繁に変わる小型・可搬型のシステムや厳しい環境に設置されることが多いプロセスアナライザーにおいて、とくに大きなメリットをもたらす
ブルカー・オプティクスは 1974 年に FT-IR の分野に参入以来、真空光学系や超高分解分光計をはじめ、研究用FT-IR における新たなスタンダードを創り続けています。
現在では、ルーチン分析に最適な A4 サイズのコンパクトモデルから 0.001cm-1 という世界最高の波数分解能を有するハイエンドモデルまで、さまざまなタイプの FT-IR を提供しつつ、顧客に対する技術サポートの充実と更なる技術革新に努めています。
FT-IR 分光計の心臓部ともいえる干渉計への取り組みもそのひとつであり、ブルカー・オプティクスの分光計が優れた性能を発揮する理由も、独創的かつ理想的な干渉計のデザインにあります。ここでは、ブルカー・オプティクスのもつ数多くの革新的な技術の中から、最新の FT-IR、FT-NIR ならびに FT-Raman に搭載される RockSolidTM(ロックソリッド)干渉計について紹介します。
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このカタログについて
ドキュメント名 | 【アプリケーションノート】高性能 RockSolid 干渉計 |
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ドキュメント種別 | 製品カタログ |
ファイルサイズ | 704.8Kb |
登録カテゴリ | |
取り扱い企業 | ブルカージャパン株式会社 (この企業の取り扱いカタログ一覧) |
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このカタログの内容
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Bruker Optics
Application Note
高性能 RockSolidTM干渉計
はじめに
ブルカー・オプティクスは 1974年に FT-IRの分野に参
入以来、真空光学系や超高分解分光計をはじめ、研究用
FT-IRにおける新たなスタンダードを創り続けています。
現在では、ルーチン分析に最適な A4サイズのコンパクト
モデルから 0.001cm-1という世界最高の波数分解能を有す
るハイエンドモデルまで、さまざまなタイプの FT-IRを提
供しつつ、顧客に対する技術サポートの充実と更なる技術
革新に努めています。FT-IR分光計の心臓部ともいえる干
渉計への取り組みもそのひとつであり、ブルカー・オプティ
クスの分光計が優れた性能を発揮する理由も、独創的か
つ理想的な干渉計のデザインにあります。ここでは、ブル
カー・オプティクスのもつ数多くの革新的な技術の中から、
最新の FT-IR、FT-NIRならびに FT-Ramanに搭載され
るRockSolidTM(ロックソリッド)干渉計について紹介し
ます。 換処理することで、最終的に必要とされるスペクトルが得ら
れますが、スペクトルの分解能、S/N、ベースラインの安定
性等は、インターフェログラムの精度に依存し、当然のこと
マイケルソン干渉計 ながらその精度は干渉計の性能に大きく依存します。
現在市販されている数多くの FT-IRが採用する一般的な 最適な干渉状態を保つため、一般的には移動鏡に発生す
マイケルソン干渉計は、図 1に示すように、2枚の平面鏡(M1 る振動や傾きに伴う光軸の揺らぎを補償するための機構を
およびM2)と1枚の半透鏡(BS、ビームスプリッター:理 固定鏡側に付与する方式(オートアライメントやダイナミック
想的には入射光の 50%を反射し、残りの 50%を透過させ アライメントと呼ばれる機構)が採用されています。しかし
る光学素子)で構成されます。干渉計に入射した光はビーム ながら、この方式では干渉状態は保てても、干渉計からの
スプリッターにより分割され、2枚の平面鏡に向かいます。 出射光束に揺らぎが発生してしまうため、試料ならびに検出
2枚の平面鏡のうち、1枚は固定され、もう一方は光軸に沿っ 器の受光面に結ばれる焦点も揺らぐことになり、結果として
て平行に移動するリニア走査機構を有します。固定鏡と移動 付加的なノイズや不安定性の原因となります。
鏡、それぞれで反射された二つの光束はビームスプリッター
に戻り再び合成されます。このとき、移動鏡が光軸に対して
TM
前後に往復運動することにより二つの光束の間に光路差が RockSolid 干渉計
連続的に変化し、これにより波長ごとに異なる周波数をもつ RockSolidTM干渉計は、シーソーの両端にキューブコー
変調光の重ね合わせである干渉光、いわゆるインターフェロ ナーリフレクターを一つずつ配置し、シーソーをピボット
グラムが得られます。このインターフェログラムをフーリエ変 ベアリングで保持・搖動させるという独特な機構をもちま
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RockSolidTM干渉計に採用されるキューブコーナーリフレ
クターは、偏角 5秒以内という厳格な規格のもと製作され
ており、これは 1 km離れた地点から発振された光を光源
の位置から半径 1 cmの範囲内に戻せるということを意味
します。これにより、RockSolidTM干渉計は一般的なマイ
ケルソン干渉計が使うような特別なアライメント機構を一
切必要としません。また、RockSolidTM干渉計が採用する
ピボットベアリングでは、機械的な摩擦抵抗が全く発生し
ないためスムースな走査が可能です。さらに、ピボットベ
アリングの支点とシーソーの重心を一致させることでベア
リングへの余分な負荷を排除し、またすべての光学素子を
ひとつの構造体の中に組み込むことで、振動や温度変化
等の環境変動による影響を受け難い、長期の安定性と耐
久性に優れる性能を実現しています。
特別なアライメントを必要とせず、高い安定性と耐震
図 1. 一般的なマイケルソン干渉計のレイアウトおよび代表的な
アライメント機構の模式図 性、耐久性を有するRockSolid
TM干渉計は、使用環境が
A. 正常にアライメントがとれている状態 頻繁に変わる小型・可搬型のシステムや厳しい環境に設置
B. 移動鏡 M2 が傾き、移動鏡からの反射光軸が傾いた状態
C. 移動鏡の反射光軸の揺らぎに合わせて固定鏡 M1 の傾きを調整し干渉 されることが多いプロセスアナライザーにおいて、とくに大
状態を保つ
→ ただし、検出器 D に対する光軸が揺らいでしまう(受光素子上で焦点が きなメリットをもたらします。また光学的スループットと走
揺らぐ) 査精度の点においても優れるRockSolidTM干渉計は、現
す(図 2)。キューブコーナーリフレクターは、3枚の平面 在では研究開発用の分光計にも採用され、Rapid-Scanや
鏡を直角に組み合わせた、ちょうど立方体の一角を切り出 Step-Scan等より高度な制御が求められる測定モードもサ
したような構造をもち、多くのマイケルソン干渉計が採用 ポートしています。
する平面鏡と異なり、その傾きに関係なく常に入射光束
を元の方向へ反射させる「再帰性反射機能」を持ちます。 RockSolidTM干渉計を採用する装置群
FT-IR: ALPHA、Mobile-IR、LUMOS、
TENSORシリーズ、VERTEX 70/70v、EM 27
FT-NIR:MATRIXシリーズ、MPA、TANGOシリーズ
FT-Raman:MultiRAM
図 2. RockSolidTM干渉計の概略図
ブルカー・オプティクス株式会社
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