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脱炭素社会のサスティナブルエナジーを実現する核融合。核融合の仕組みとそのキーデバイスである高周波加熱を起こす加速電源のご紹介
核融合は次世代エネルギー発電です。
ウランもプルトニウムも全く使わない。燃料は海水からとる水素です。(重水素と三重水素)これを核融合炉の中でプラズマを起こして核融合反応を起こします。1億度以上の高熱を発するエネルギーを発し、それにより発電をします。核分裂で発生委するような高レベルの放射性廃棄物を一切出しません。発電の課程で一切CO2を発生させない、脱炭素社会な、サスティナブルな、夢のエネルギーです。
プラズマにより核融合反応を起こしますが、そのプラズマを起こすのがジャイロトロンという高周波加熱装置です。東京電子は高周波加熱装置の一部であるジャイロトロンを駆動する電源を造っています。
核融合に対して重要な役目を担ってます。
関連メディア
このカタログについて
ドキュメント名 | 核融合発電を造る加速電源 |
---|---|
ドキュメント種別 | ハンドブック |
ファイルサイズ | 2.8Mb |
登録カテゴリ | |
取り扱い企業 | 東京電子株式会社 (この企業の取り扱いカタログ一覧) |
この企業の関連カタログ
このカタログの内容
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スライド番号 1
加速電源が造る
核融合ってなに?
What is
Fusion Energy ?
それは脱炭素社会の
サスティナブルエナジー
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スライド番号 2
未来を拓く持続可能なエネルギー、核融合。
人類にとって枯渇する化石燃料に頼ることのない
持続可能なエネルギーの開発は急務です。その次
世代エネルギーに最も近いのが核融合です。
「地上に太陽を!」の思いを胸にこれまで多くの
研究者がその開発に力を注いできました。
私たち東京電子もその研究者と共に核融合に必要
な高周波加熱を起こす加速電源を開発して参りま
した。
その核融合について、そして我々東京電子が加速
電源を通してどのような取組をしてきたかを紹介
します。
核融合ってなに?
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スライド番号 3
核融合とは?
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スライド番号 4
核融合とは
太陽や恒星で起こっているエネルギー源である核融合反応を人工的に再現し、その際に
放出されるエネルギーを利用する発電方法です。
その仕組みは、まず、高電圧パル
スを発生させられる加速電源で
ジャイロトロン(高周波加熱装
置)という発信器を駆動し、 1
億℃の熱を起こし、軽い原子核ど
うしを高温・高圧の状態で衝突さ
せて重い原子核に変える反応です。
図のように水素の同位体である重
核融合炉のプラズマ 水素と三重水素の原子核が融合し
核融合反応が起き、ヘリウムと中
性子ができます。核融合反応が起
こると、非常に大きなエネルギー
発生 が発生します。
電子 燃料(三重水素)の
原子核 東京電子は核融合反応の発端であ
る加速電源を造っています。
核融合反応
燃料(重水素)の
原子核
高周波加熱で起こす核融合の仕組み
高周波加熱装置 核融合炉
加速電源で ジャイロトロンを駆動し 高温プラズマで核融合反応を起こす
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スライド番号 5
核融合=フュージョンエナジー
たった1グラムの 水素燃料の核融合反応から発生するエネルギーは、タンクローリー
1台分の石油(約8トン)を燃やしたときと同じだけの熱に相当します。
燃料1グラム 石油約8トン
核融合エネルギーは
●核分裂と違いウランやプルトニュウムも必要としない
●高レベルの放射性廃棄物が出ない
●燃料である重水素と三重水素は海水から取り 出すので無尽蔵
●発電の過程でCO2を排出しない
脱炭素社会を担う次世代エネルギー
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スライド番号 6
ITERプロジェクトの取組
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スライド番号 7
ITERプロジェクトとは
ITERは新エネルギー開発の核融合実用化への実験炉として、2025年の運転開始を目
指し、日本・欧州・米国・ロシア・韓国・中国・インドの7極で進める超大型国際プ
ロジェクトです。
核融合は星や太陽のエネルギー源であり、これを地上に実現しようとしています。
ITERの目標は核融合炉と同じレベルの温度、密度などのプラズマを実現するこ
とです。 すなわち、三重水素、(トリチウム)と重水素という実燃料を用いて、大
出力長時間の燃焼を行うことです。それには超伝導コイルなどいろいろな新しい工
学技術が必要です。それに、 もちろん、核融合の安全性を実証するものでなければ
ならないと考えています。
ITER機構HPより
東京電子は量子科学技術研究開発機構(QST)と共に高周波加熱装置ジャイロトロン
用の加速電源の開発・供給でこのプロジェクトに参画しています。
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スライド番号 8
ITERプロジェクトにおける東京電子の役割
ジャイロトロンを高電圧パルスを発生させる加速電源で駆動しプラズマ温度を高温に
して核融合反応を起こします。
トカマク炉
高温プラズマ
トカマク装置
ジャイロトロン
ジャイロトロン
加速電源
池田亮介:ITER ジャイロトロ
ン実現に向けた開発研究および
実機の完成 J. Plasma Fusion
Res.Vol.97, No.2 (2021)
ITERの中心研究施設であるトカマク棟内部
核融合のKey Deviceである
東京電子の加速電源
加速電源
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スライド番号 9
加速電源システム
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スライド番号 10
加速電源システム
ITERジャイロトロンを運転するための高電圧電源システム
・直流高電圧電源部と高電圧スイッチ部の2つの装置により構成
・ジャイロトロンへ高速・高電圧のパルス電圧入力
・運転周波数は直流から5KHzまでのパルス運転が可能
・最大55KVの高電圧スイッチユニットを3台内蔵(アノード電極充電用、アノード電極放電用、
ボディ電源用)
直流高電圧電源部 高電圧スイッチ部
・直流高電圧電源部は、ジャイロトロンのアノード電極へ ・高電圧スイッチ部は、ジャイロトロンを運転・制御する
高電圧スイッチ部を介して高速・高電圧のパルス電圧を ためのアノード電極へ高速・高電圧のパルス電圧を供給
供給する直流高電圧電源と、ボディ電源へ制御電圧を する
供給するための高電圧スイッチにより構成される。 ・アノード電極に制御電源を供給するための充電用高電圧
・上位装置から直流高電圧電源及び高電圧スイッチを スイッチとアノードとカソード電極を短絡するための放
制御するため、IFコントローラ(主体はPLC)を設ける 電用高圧スイッチより構成される
アノード電極用正電源 : 10KV 最大電圧 : 55KV
アノード電極用負電源 : -20KV ピーク電流 : 10Ap
ボディ電極用電源 : 40KV 運転周波数 : DC~5KHz
外観寸法 : H2300 X W1200 X D1200(mm) 外観寸法 : H2300 X W1200 X D1200(mm)
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スライド番号 11
加速電源システム
概要
ITERジャイロトロンを運転するための高電圧電源システムにおい
て、加速電源はジャイロトロンの出力を制御するためのAPS(ア
ノード電源)とBPS(ボディ電源)により構成されています。
加速電源は、直流高電圧電源部と高電圧スイッチ部の2つの装置に
より構成されています。
●直流高電圧電源部の構成
直流高電圧電源部は、ジャイロトロンのアノード電極へAPS高電圧
スイッチを介して高速・高電圧のパルス電圧を供給する目的で使用
されるAPS直流高電圧電源とジャイロトロンのボディ電極へ制御電
圧を供給するためのBPS直流高電圧電源により構成されます。
●高電圧スイッチ部の構成
高電圧スイッチ部はジャイロトロンを運転・制御するためアノード
電極へ高速・高電圧のパルス電圧を供給する目的で使用されます。
アノード電極に制御電源を供給するための充電用高電圧スイッチと
アノード電極とカソード電極間を短絡するための放電用高電圧
スイッチの2台の高電圧スイッチユニットにより構成されています。
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スライド番号 12
加速電源の
高電圧パルスを作り出す技術
●HVスイッチングユニット
加速電源の技術の根幹を成すHVスイッチングユニット。55KV、10Apの高電圧パ
ルスを造りだすことによりジャイロトロンを駆動させプラズマを高温に加熱しま
す。
HVスイッチングモジュール
MOST FETを直列に90段(15段/1モジュー
ルx6モジュール)接続させることにより、
~55KVの高電圧、~1μsecオーダーの高速
スイッチングを実現。 55KVもの高電圧をか
けても各阻止に負担をかけることなく均等に
シンクロさせることが、他にはないスイッチ
ング技術です。
HVスイッチングユニット
●100μsecの高速スイッチング ●過電圧保護回路
高電圧スイッチの運転時に外的要因
により印加される可能性がある高電
圧サージに対して、スイッチングデ
バイスの保護を行うための過電圧保
護回路が内蔵。
(過電圧保護回路 特許第6469910号)
-55kVを印加したときのスイッチング波形
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スライド番号 13
動画
核融合ってなに? 脱炭素社会の夢のエネルギーです。
https://www.youtube.com/watch?v=OD2Vtqt2Rt4
東京電子のすべてがわかる!
東京電子TVを是非ご覧ください
https://www.youtube.com/@user-cy6yq5bg2p
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スライド番号 14
※この冊子に記載の情報は、2023年5月時点のものです。内容に関して予告なく変更さ
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※この冊子の記載内容およびブランド名、製品名、または商標は、東京電子株式会社に
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