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製造現場における3次元データ活用の課題と解決策をご紹介
製造現場で3次元データの活用が難しい理由や問題点、
iCAD SX が実現する “3次元ものづくり”の解説本です。
【資料概要】
■組立段階における、3次元データと2次元データの併用による問題
■組立観点からのDR(デザインレビュー)の必要性
■設計者への問い合わせ、製図作業に時間がかかるといった課題
■「iCAD SX」による設計と組立の並行検討で、リードタイムを短縮
■視覚的に分かりやすい3次元データで、効率アップ・技術継承に貢献
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このカタログについて
ドキュメント名 | 3次元データを製造現場で活用しないのはもったいない! <機械設計3DCAD活用本> |
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ドキュメント種別 | ホワイトペーパー |
ファイルサイズ | 1.1Mb |
登録カテゴリ | |
取り扱い企業 | iCAD株式会社 (この企業の取り扱いカタログ一覧) |
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このカタログの内容
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『3 次元データを製造現場で活用しないのはもったいない!』
近年、3 次元 CAD の普及により、様々な企業において 3 次元設計の取り組みが行なわれている。干
渉問題や部品集計など 2 次元特有の課題を解決するだけでなく、設計の初期から、機械の動き・形状・
構成を 3 次元で検討することで、後工程で発覚するヒューマンエラーの削減や設計品質の向上が実現
可能となった。このように、3 次元設計の導入により設計品質は大きく向上しつつある。一方で、製造現
場における 3 次元データの活用事例はきわめて少ない。これは 3 次元 CAD 導入の本来あるべき姿では
なく、その効果を十分に発揮できていないのではないか。そして、どのような改善策が必要なのか。本稿で
はこの問題を考察する。
製造現場での 3 次元データ活用の現状と課題
我々は日々多くの製造業のお客様先にご訪問させて頂いているが、製造現場で 3 次元データを活用
している事例はきわめて稀である。多くの場合は、今後の課題として製造現場での 3 次元データ活用が
あげられている。
その最も大きな要因のひとつとして、設計段階の様々な検討結果を 3 次元データに蓄積しているが、
製造現場では、出図された図面(2 次元データ)を確認しながら作業をすることが大半であること。特に組
立現場では、組立手順書を作成する際、図面を都度、確認しながら手順の明文化を行ったり、現物を
撮影して手順書に添付するなど、多くの労力を要していることがほとんどだ。また設計変更時には作り直し
が発生するため、生産準備工数の圧迫も課題となっている。
図1 3 次元データと 2 次元データの併用による弊害
ベテラン依存から抜け出せない・出図前後の DR 回数・頻度が増加
そもそも機械は構造が複雑で部品点数が多いという特徴があり、これを図面で読解することには一定
のスキルが必要とされる。図面で読解することが困難ゆえに完成イメージをすぐに持てない。さらに組立の
作業工程や、組立方法を検討するとなると、豊富なノウハウを持ったベテランに頼ってしまうという状況に
陥りがちである。この状態が定常化すると、若手担当者が経験を積む機会が失われ、技術継承できない
状態が続いてしまうことになる。
次に、設備開発においては、出図前後に設計と組立の合同で DR を行なうことになる。これは、設計
段階で、組立観点での変更・改善があれば事前に見つけ、後からの予期せぬ設計変更を防止すること
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を目的とする。たとえば工具のスペース確保や人力で作業できるかなど組立観点の意見が出ることで、締
結方法の変更や、機器の仕様または部材変更などを事前に改善することが可能となる。
しかし、図面が複雑であれば、どうしても図面の説明に時間を要し議論がはかどらず、極論すると組立
観点での意見が全く出ない設計者だけの DR という状態になってしまう。その結果、組立現場で不具合
が発覚するなど、納期遅れの原因になることもある。
図2 組立観点からの DR の必要性
設計者への問い合わせ工数が増大・製図作業に時間がかかる
組立段階における不具合・不明点に関しては、設計者への問い合わせを行なうことになる。図面が複
雑で不明点が増えてしまうと、問い合わせ回数が増えてしまい、また図面が複雑だからこそ、不明点の説
明や理解に時間がかかってしまう。
ようやく設計者の意図を理解したとしても、事前に検討していた段取りが適用できない場合も出てくる。
結果として、作業工程や工法変更、場合によっては設計変更など手戻りによる工数増加につながってし
まうケースが発生する。
最後に、設計における課題として、組立現場向けの図面作成工数があげられる。この段階で作成する
図面では、見やすく、わかりやすくするために、部品表・風船・注記など時間をかけて製図することになる。
設計意図を伝えるための製図表記は時間がかかるうえに、複数図面にまたがる際の転記漏れが発生す
るなど、ヒューマンエラーが発生しやすい作業である。他にも多くの要因があるが、出図後の手戻りによって
納期遅延につながる。
図3 組立現場向けの図面作成の課題
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あるべき姿を具現化する COLMINA 設計製造支援 iCAD SX
ここまで現状の課題について事例に基づき検証を行なった。改善のための基本的な考え方は、まず設
計情報を蓄積した 3 次元データをそのまま現場で活用することで、現場担当者が視覚的に機械の構造
を理解し、図面読解を起因とした無駄な工数を削減すること。そして、3 次元データに組立ノウハウや過
去のトラブルシューティング情報を蓄積し、最適な組立段取り、工法立案など創造的作業に集中できる
環境を実現することだと考える。
図4 3 次元データを現場で活用するメリット
FUJITSU Manufacturing Industry Solution COLMINA 設計製造支援 iCAD SX(以下
iCAD SX と呼ぶ)は、設計データを組立現場でそのまま活用することで、前述した効果はもちろんのこと、
設計と同時並行で組立準備を開始することで、生産リードタイムの短縮を実現できる。
また、一般的なモックアップツールとは違い、同一データで設計~組立検討まで行なうことができる。その
ため、設計変更があった場合でも、変更箇所のみリロードし、手間なく設計変更内容を反映することが可
能となる。
図5 iCAD SX が実現するリードタイム短縮
設計データをそのまま活用して手順検討し現場でフル活用
組立検討の場面では、データ変換などの付帯作業をなくし、組付手順や組付方法などの検討に専念
することで、きわめて効率的にプロジェクトを進行することができる。
iCAD SX では、設計データをそのまま活用し、組立手順を検討する中で、組付情報を確認しながらの
作業コメント入力や、ユニット組立が必要な部分をユニット化することができる。さらに、3 次元データを利
用しながら組立手順書の作成に活用することができる。
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図6 3 次元設計データをそのまま活用し検討実施
また、3 次元設計データに手順検討者が付加した情報を、そのまま現場でフル活用することが可能に
なる。事前に入力した作業コメントの確認や、組付け部品・方向をアニメーション表示で確認することで、
効率化とともにミスなく組付けを行なうことができる。また、作業の進捗状況も常に確認できるため、事前
に段取りしたスケジュールと比較しながら進捗確認・調整を行なうことも可能となる。
図7 手順検討者の付加情報を現場でフル活用
このように、iCAD SX では、3 次元データで視覚的に機械の構造を理解しながら、組立手順の検討を
行ない、検討した情報を現場で確認・活用するといったメカ設計と組立現場での 3 次元データ活用を実
現する。設計から組立現場まで、シームレスに 3 次元データ活用することで、プロジェクト全体の作業効
率化やスピードアップ、転記漏れなど人為的なミスの削減などが可能となる。さらに、視覚的に機械の構
造を理解しながら作業を進めることは、ベテラン依存から脱却し、若手への技術継承にも貢献する。
これが 3 次元データ活用の本来“あるべき姿”だと考える。iCAD SX は設計の効率化だけでなく、業務
全体の変革を実現し、製造業における DX の推進に貢献する。
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3 次元データ活用に関する情報を iCAD 技術ポータルに集約
本稿では組立現場での 3 次元活用に関して考察したが、たとえば加工現場や営業、保守・メンテナン
ス等、3 次元データ活用によって効果を出せる場面はまだまだある。iCAD SX の開発コンセプトは「設計
から製造・保守サービスまで 1 つのデータでつながる」。
このような 3 次元データ活用に関する情報や、iCAD SX の最新情報は iCAD 技術ポータルにて掲載
しているため、皆様の情報収集にご活用頂ければ幸いである。
■iCAD 技術ポータルサイト
URL:https://cyplusvine.oatnd.com/top
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