技術者100人に聞きました!
今後どうなる!? 2022年版
日本の自動車業界
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アペルザ様_wp42_02[はじめに]
は じ め に
自動車メーカー各社では、自動運転の技術開発やスマート
シティへの取り組みなど、これまでの「クルマづくり」の枠を
飛び越えた、夢あるチャレンジを繰り広げています。その一
方で、今も続く半導体や材料の不足によるサプライチェーンの
混乱への対処、カーボンニュートラル対応など、とにかく
課題・難題が山積みです。
夢と波乱が入り混じった自動車業界の現場で働く技術者の
みなさんに、現在の業況や課題、人材育成について尋ねま
した。
目 次
実態調査:アンケート結果
・回答者のプロフィール……………………………………………03
・在籍企業の業況……………………………………………………05
・職場のデジタル化や人材について………………………………08
・今後の自動車業界はどう変わっていくべきか…………………12
・今後求められていくスキル………………………………………13
実態調査:技術者インタビュー
・「イノベーティブな会社に変わっていくため、カーボンニュート
ラル推進が一つのきっかけになれば」 Aさん カーボンニュート
ラル推進(元設計開発) 約30年 製造業(自動車・航空・船舶
など輸送機器)/二次サプライヤー、社員数1,000~2,999人…14
・「ベテランが失敗事例を共有してくれない」 Bさん 研究開発 約
10年 製造業(自動車・航空・船舶など輸送機器)/最終製品
メーカー(特殊車両)、社員数1,000~2,999人…………………15
概 要
調査時期:2022年10月20日~10月27日
対象者:自動車業界に所属する生産技術、生産管理、品質管理・保証、
保守・保全、設計
回答数:148
有効回答数:83
02
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アペルザ様_wp42_03[アンケート]
回答者のプロフィール 今回は自動車企業で働く、あるいは自動車関連に関わる、
主に生産技術、生産管理、品質管理・保証、設計開発に関わる
84名の方に、自動車業界の業況、現場で感じていることに
ついてお尋ねしました。
Q 所属する企業の業態を ※今回は、自動車業界や自動車部品などに関わる方限定としています。
教えてください。
その他 14%
自動車・航空・船舶など輸送機器
情報通信機器 1% 49%
部品加工・生産 8%
電子部品・デバイス・電子回路
11% 産業機械 17%
Q 所属する企業の
従業員数を教えてください
1~9人 1
10~19人 2
20~49人 2
50~99人 7
100~299人 9
300~499人 9
500~999人 15
1,000~2,999人 11
3,000~4,999人 7
5,000~9,999人 6
10,000~19,999人 7
20,000人以上 8
0 2 4 6 8 10 12 14 16
Q あなたの職種を
3 その他 2%
教えてください 生産管理 %
5 生産技術 31%
保守/メンテナンス %
製造 7%
11% 設計開発 17%
装置設計
品質管理/品質保証 12%
研究開発 12%
03
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アペルザ様_wp42_04[アンケート]
Q 在籍している企業について
教えてください
その他 10%
一次サプライヤー 29%
システム開発 5%
部品加工、製造 27%
二次サプライヤー 14%
最終製品メーカー15%
その他 ● 金属熱処理・金属表面処理・塗布加工業 ● 設備 ● 検査装置メーカ
● 二次または三次サプライヤー ●1次、2次、3次サプライヤー(取引先による)
● 部品加工に用いる加工油 ● 自動車部品の検査装置を提供 ● 取引先によりさまざま
Q 在籍する拠点について 国内・中国・北米など 1%
教えてください(国籍)
欧州 1% 上記以外のアジアパシフィック 5%
北米 1%
中国 2%
国内 89%
04
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アペルザ様_wp42_05[アンケート]
在籍企業の業況について
Q 在籍している企業の、現在の業況についてどう思いますか?
「良くも悪くもない」が最多で48%、 最終製品メーカー
次いで多かったのが「悪い」で24%でした。
最終製品メーカーのみに絞って集計したところ、回答者全
何とも言えない・ かなり良い1% 体と比較すると上位回答は概ね同傾向でした。ただし「良
分 い」と回答した人の比率が8%と少なくなった一方、「かな
か ら な い 8% り良い」が8%と多くなりました。
何とも言えない・ かなり良い
分からない 8%
かなり悪い 良い 23%
2% 17% 良い
8%
悪い 悪い
24 良くも 良くも
% 悪くもない 23% 悪くもない
48% 38%
業績が「かなり良い」「良い」と回答した方の業態 業績が「かなり悪い」「悪い」と回答した方の業態
18% 自動車・航空・ その他 17% 自動車・航空・
その他 船舶など 船舶など
輸送機器 輸送機器
47% 部品加工・ 44%
生産
13% 産業機械
電子部品・ 電子部品・ 13%
デバイス・
電子回路 産業機械 デバイス・
6% 29% 電子回路 情報通信機器
9% 4%
業績が「かなり良い」「良い」と回答した方
Q どのようなことが要因と考えますか?
「かなり良い」
国内需要の増加 1
0 1 2 3 4
「良い」 「海外需要の増加」の回答がもっとも多くなりました。
製品販売価格の値上げ 1
建機、半導体関連部品需要の増加 1
報道や株式関連のポジティブな影響 1
人件費や原価が下がった 1
国内需要の増加 2
海外需要の増加 3
0 1 2 3 4
025
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アペルザ様_wp42_06[アンケート]
Q 業績につながった取組みについて、何が考えられますか?
「かなり良い」
従来顧客からの評価の高さ 1
0 1 2 3 4
「良い」 「従来顧客からの評価の高さ」が最多。
次いで、「時流に合った新しい市場ニーズ開拓」と「環境対応への取り組み」となりました。
親会社が好況 1
コネクテッドカー関連の取り組み 1
デジタル化の推進による効率化や自動化 1
自動運転関連の取り組み 1
人材の質やスキルの向上 2
環境対応への取り組み 3
時流に合った新しい市場ニーズ開拓 3
従来顧客からの評価の高さ 4
0 1 2 3 4
【「時流に合った新しい市場ニーズ開拓」を選択された方】 具体的にはどのようなニーズやサービスですか?
● 電動化 ● SDGs ● 電動化技術の研究・開発から量産へ ● 欧州向けバッテリー製造拠点が増えたことへの素材供給対応
業績が「悪い」「かなり悪い」と回答した方
Q どのようなことが
要因と考えますか? 「国内需要の減少」「材料や部品価格の高騰」が同数で最多でした。
その他 5
人件費アップ 5
海外需要の減少 5
製品販売価格の値下げ 9
材料や部品価格の高騰 16
国内需要の減少 16
0 2 4 6 8 10 12 14 16 18
その他 ● 自動車業界の変化による競争の激化 ●自社設計 ●コロナによる部品欠品 ●資材調達の納期遅延 ●自社設計
Q 課題については 「人材不足や離職の増加」が最多。
何が考えられますか? 次いで「時流に合った新しい市場ニーズが開拓できていない」が多くなりました。
その他 5
よく分からない 2
従来顧客からの評価が落ちた 4
製品品質の低下 5
業務や生産効率の低下 8
人材の質やスキル低下 9
時流に合った新しい市場ニーズが開拓できていない 11
人材不足や離職の増加 12
0 2 4 6 8 10 12 14
その他 ● コロナ ●原料費高騰 ●値上げの交渉力 ● SCMの崩壊 ●自動車車体部品以外の自動車部品が不足している
026
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アペルザ様_wp42_07[アンケート]
Q 業況は新型コロナウイルス問題の影響を
受けていると思いますか?
「どちらともいえない」が38%で最多。
次いで「かなり受けている」が25%、「受けている」が21%。概ね、「受けている」と考える回答者が目立ちました。
かなり受けている
どちらともいえない 25%
38%
受けている
21%
あまり受けていない
17%
【「かなり受けている」「受けている」を選択された方】 例えばどのような影響を受けていますか?
● 部品欠品 ● 客先生産調整など ●供給先が不足している ● 物流コスト上昇・物流の遅延 ● 原材料の入手が困難になった
● 部品不足による生産量の低下 ● 中国からの部品が入ってこない ● 工場閉鎖、生産調整による休業
● 4輪・2輪の生産規模縮小の影響 ● 受注量の低下 調達品の納入遅延多いため生産等に影響あり
●自動車そのものの販売低調、中国などロックダウンによる部品欠品
Q このところの半導体不足は自社の生産において
どのような影響を受けていますか? 「部品供給が不安定」が最多でした。
業務プロセスの混乱、機能不全など 5
影響を受けていない 3
部品価格の高騰 9
開発や生産の期間が長引く 9
部品供給が不安定 15
0 2 4 6 8 10 12 14 16
Q 国内と海外とで
業況が違うと感じますか? 「国内と海外、両方悪い」が過半数を占めました。
何とも言えない・分からない
29% 国内と海外、両方悪い
54%
海外だけが良い
17%
07
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アペルザ様_wp42_08[アンケート]
職場のデジタル化や人材について
Q あなたの職場ではデジタル化や自動化は進んでいますか?
「自動化への取り組みが始まったばかり」との回答が42%で最多。次いで「自動化が進んでいる」が34%となりました。
回答者の多くが、業況の回答に関係なく自動化に着手している傾向でした。
かなり自動化が
手作業ばかりで 進んでいる 「最終製品メーカー」の回答者だけで見た場合
属人化している 4%
20% 自動化が 「自動化が進んでいる」という回答が59%で最多でした。
進んでいる
34% 手作業ばかりで かなり自動化が
進んでいる
属人化している
8% 7%
自動化への 自動化が
取り組みが
自動化への取り組み 進んでいる
始まったばかり
が始まったばかり
42% 31% 54%
業況が「かなり良い」「良い」 業況が「かなり悪い」「悪い」
手作業ばかりで かなり自動化が 手作業ばかりで かなり自動化が
属人化している 進んでいる 属人化している 進んでいる
13% 13% 13% 4%
自動化への 自動化への
取り組みが 自動化が 取り組みが 自動化が
始まったばかり 進んでいる 始まったばかり 進んでいる
40% 34% 46% 37%
「手作業ばかりで属人化している」と回答した方の企業規模
100人以下の企業に在籍する回答者が35%で最多でした。 5,000人以上
10%
100人以下
35%
1,000人以上、5,000人未満
15%
300人以上、1,000人未満
100人以上、300人未満 15%
25%
028
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アペルザ様_wp42_09[アンケート]
Q 若手技術者のスキルについて、
どう思いますか? 「技術力が低下している」が54%で過半数でした。
技術力が低下している
54%
技術力が高まっている
16%
よく分からない
29%
技術力が高まっている
● 教育訓練 ●入社時に選定 ●リモートワークが主となり、個々人がスキルを伸ばす時間が増えたこと
● 本人の努力 ● 新しい会社で、立ち上げ途上にあるから ● 向上心豊富な人材が多い
●セミナーなどを積極的に利用 ●デジタル化が進んだため
技術力が低下している
● 技術が伝承されていない ●テレワークのため会社に来たがらない若手が急増
● CAEなどの各種ツールの普及で基礎を知らないエンジニアが増えた ●法的に対応した製造安全意識の低下(品質と人体安全両方)
● 自動化され技術的知識がなくても業務ができる部分が増えた ● 技術の伝承遅れ
● 指示待ち人間が増えた。余計な仕事をしないという考えが増えた
● 失敗させられない・失敗できない環境と真の自己啓発のやりにくさ。OJTが必要な技能などが実機でできないため、知識の
みの詰め込みだけの経験値となってしまっている(頭でっかち)
● 基礎学力の低下、人材が集まらない、教育できていない ● 熟練工のノウハウの伝達が難しい ● 現地現物の考え方が希薄
● 働き方改革による就労時間の短縮等により、技術習得するための時間制限がある ● ゆとり世代で考えない
● 組織が細分化され、守備範囲が狭くなっていている。そのため、幅の広い知識を持つ人材が減っている ● 実力者が減ったから
● 教えている中堅技術者のスキルが不十分、以前より低下
● 若手の仕事へのモチベーションが低い。技術継承がうまくいっていない ● 伝える手立てがなく、OJTを企業も若手も嫌う
● 経営陣の先読み不足 ● 長期的な人材育成計画が無く育成が不十分 ● 後継者がいない
● 現場経験を積む機会がすくなくなっている ●リアルなモノづくりをしていない ● 職場の業務実態の変化
●分業化、丸投げ ●人手不足、技術の伝達のための工数がない
●メーカーの短期開発に対応するために、ベテラン社員の力業で対応しているため ●人力作業が多いこと
● 教える側のリソース不足 ● 実経験の機会・回数が減っている
●労働人口が少なくなっているのか新規(新卒)の雇用が少なく、過去の退職者の再雇用多い ●十分な教育を受ける時間がない
●デジタル化や自動化が進み、手作業が減って感覚が磨かれない
●自ら問題解決にチャレンジしない(どうすればよいかの回答を求めてくる) ●人を育てることをしない 技術者を大切にしない
● 若手に技術移管ができていない ● 技術伝承やノウハウの蓄積に関する社内システムが足りない ●人材不足
●人材の流出、入社時の基礎知識の低下など ● 研修不足 ● 経験の不足
09
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アペルザ様_wp42_10[アンケート]
Q 日本国内の技術者のスキルについて、
海外と比較してどう思いますか?
海外と比較した場合においても、「技術力が低下している」が55%で過半数でした。
技術力が低下している
技術力が高まっている 55%
5%
よく分からない
40%
技術力が高まっている
● 教育訓練 ● 差別化のため ● 教育の機会が増えた ● 吸収力が高いと思われるため
技術力が低下している
● 給与体系 ●人材不足 ● 国外に流出している ● 政府にも問題がある ●モチベーションの低下 ●失敗が許されない環境
● 定着社員の質量に違い ● 考えなくなってきている ● 技術者に対する評価の低下 ● 主要生産現場が日本にない
● 海外へ技術者が流出している ●今の給与で満足しているから ● 主体が海外を基軸にしている
● 技術の伝承に手こずっているから ● 技術の伝承に力が入っていない ● 高年齢者しか周りにいなくなった
● 現場が海外に出ていっているため ● 経験者の離職、モチベーションの低下 ● 新しいことに取り組むことを良しとしない
● 若者の技術離れが多いのではないかと思う ● 権利の主張ばかりで義務責任を果たせていない
● 先人を真似ているだけで原理原則の理解が不十分 ● ゆとり教育が実施された以降の人材は考え方が甘い
● 業務や残業の縛りに追われて知識を得る時間がない ● 属人化が定着していて新しい技能習得の意欲が低下している
●デジタル化や自動化で誰がやっても同じようになってきたため
● 海外、特に途上国の技術者は、とにかく真面目で愚直に学んでいる
● 国外法的届出や遵守事項の情報集めが少なく、弊職で対応している
● 技術革新の意欲が損なわれているような体制になっている気がします
● 派遣社員にすべて任せて、自分で仕事をしないので、技術を覚えない
●日本が低下しているというよりは停滞していて海外が急激に伸びている印象
● 職務履歴、経験からの技術蓄積、スキルアップ不足。待遇悪くモチベーション低い
● 仕事に対する評価が低いため前向きな発想を抱かなくなっている(特に給与や賞与)
● 手作業よりもITを活用した管理業務を推進したい会社側の意向に対してITノウハウが浸透していない
● 納品で海外(今年で中国とタイ)に出向くことが多いが、外国人のスキルが上がっていると思いました
●元々海外の焼き直し技術からの発展が日本の特徴だったと思うので、新しいイノベーションを起こせる会社が少なくなっている
● 中国、韓国メーカーの技術力が上がっており、相対的に国内メーカの技術力が低下傾向にある。中国、韓国メーカーによる
露骨な引き抜き攻勢も一因
10
Page11
アペルザ様_wp42_11[アンケート]
Q 職場の士気はどうですか?
「日々淡々としているが、少し元気がないと思う」「まずまずのやる気がある」が同比率で36%。
著しく士気が低下していると答えた回答者の比率は少なくなりました。
業況の回答別でみていくと、上位の回答項目の傾向は概ね変わりませんでしたが、「かなり良い」「良い」と回答した方に
ついては、回答者全体の場合より「やる気と使命感に満ちている」という回答が増え、「かなり悪い」「悪い」と回答した方
については「疲弊や士気の低下が感じられる」「離職や休職の急増、パワハラなどアクシデントで険悪」の回答が目立つ
結果になりました。
よく分からない 2% やる気と使命感に満ちている 2%
離職や休職の急増、
パワハラなど
アクシデントで険悪
5% まずまずのやる気がある
36%
疲弊や士気の低下が
感じられる 日々淡々としているが、
18% 少し元気がないと思う
36%
業況が「かなり良い」「良い」
日々淡々としているが、
少し元気が やる気と やる気と使命感に満ちている
ないと思う 使命感に ● 最先端技術開発など、未来に向けた業務のため。
満ちている
47 ●
% 会社の方針のため
13% まずまずのやる気がある
● 目標が明確 ● 好況 ● 新規事業が好調
●熟練者の定年退職による士気低下 ●新しい取り組みなど積極的な活動
日々淡々としているが、少し元気がないと思う
●
まずまずの 少人数である事と海外経験が少ない
●
やる気がある コロナ禍でのFace to Face コミュニケーションの減少
● 終身雇用の安定から決められたことを実施すれば生活できる給与
40% がもらえるため、若い人に野心がない
業況が「かなり悪い」「悪い」
離職や休職の急増、パワハラなど まずまずのやる気がある
アクシデントで険悪 まずまずの
●
9% やる気がある リモートワークメインなのでよくわからない
●
向上心豊富な人材が多い
23% ● 自分のチームは量産開発案件がなく抱えている案件も少ないから
日々淡々としているが、少し元気がないと思う
● 仕事量が減少しているため ● 仕事が楽しくなくなっているから
●効果を出しても対価に反映しないので無難な道を選んでしまう
● あまり明るい材料がない ● 国力が衰えている ● 時代変化
疲弊や士気の低下が感じられる
● 人材不足 ●モチベーションの低下
● 業況改善→処遇改善がいつ実現されるか? 先が見えないため
日々淡々と ● 作業者に向けた発信がないから ● 会社の低迷
疲弊や士気の しているが、 ● 働き盛りの中間層が少なく社員の高齢化の傾向あり活気や意欲が
低下が 少し元気が 感じられない
感じられる ないと思う
36 離職や休職の急増、パワハラなどアクシデントで険悪
32% % ● モチベーションが維持できない ● 経営基盤の不透明
1021
Page12
アペルザ様_wp42_12[アンケート]
自動車業界の今後はどうなる?
Q あなたの在籍している企業の業況について、
今後10年間でどのように変化すると思いますか?
「良くも悪くもならない」が31%と最も多く、次いで「良くなる」と「かなり悪くなる」がともに24%でした。
回答者が感じている業況の良しあしにより、悲観度が顕著に変わりました。
何とも言えない・ かなり良くなる1%
分 か ら な い 21%
良くなる
24%
かなり悪くなる
24%
良くも悪くもならない
31%
業況が「かなり良い」「良い」 業況が「かなり悪い」「悪い」
「良くも悪くもならない」がちょうど半分で最多でした。 「かなり悪くなる」が59%と過半数でした。
何とも言えない・ かなり良くなる 何とも言えない・ 良くなる
分からない 6% 分からない 18%
19% 14%
良くも悪くも
ならない
良くなる 25%
25%
かなり
良くも悪くも 悪くなる
ならない 59%
50%
102
Page13
アペルザ様_wp42_13[アンケート]
Q 今後、自動車業界はどのように変わっていくべきですか?
「自動運転の発展や普及」が最多。次いで「環境配慮対応が活性されること」が多くなりました。
リースなど実車販売以外のビジネスの開拓 18
多様性のある働き方や人材活用推進 32
コネクテッドカーの進化 34
技術系人材育成の強化 35
環境配慮対応が活性されること 47
自動運転の発展や普及 50
0 10 20 30 40 50 60
【「技術系人材育成の強化」を選択された方】 今後、どのような技術者が求められると思いますか?
● パワエレ ● 発想力 ● AIの活用 ● DX推進者 ● IT技術者 ● 給与の向上 ●デジタルに強い ● 設計を読み解く力
● 各種ロボットの技術者 ● オールマイティーな技術者 ●システム系に特化した人材 ● エンジニアリングのできる人
●自ら考えて行動ができる人物 ● 時代の変化についていく技術者 ● 営業も設計もできる技術者
● AIに取り組むことのできる技術者 ●ソフト、電気、メカ含め、設計者 ● 課題を見つけて自ら学習する人材
●知識のみでなく、実績のある技術者 ●アイデアとそれを現実化できる行動力 ●別分野の知識を応用する柔軟性のある技術者
●これからの社会ニーズを敏感に感じ取れる技術者 ●データの利活用などのデータサイエンティストほか
● 専門性に特化した人材、総合的な技術者の二面化 ●付け焼刃ではない基礎力がしっかり身についている人
●法的に合致した、設備設計、および届出が一人でできるような人材育成
●1つの項目に特化してるだけじゃなくある程度、幅広い知識が必要
● 前例や既存のルールにとらわれない考え方や行動ができる技術者
● 費用対効果だけでなく将来のビジョンを考えられる技術者の育成が求められる
●自社で取り組むべき内容と、自社以外で取り組むべき内容を分けて考えられる技術者
● 将来の製品動向を常に意識し、必要とされる技術を先回りして検討を進められる技術者
● ひとつの分野の専門職だけでなくプロジェクトマネージャーとして違う分野の技術者をまとめられるタイプ
●一人で、企画計画して、設計して、外注開拓して製造のチャックまで一人で誰の協力なしで新事業を立ち上げられる技術者
● よくも悪くも「作業」に近い仕事は自動化マニュアル化が進んだので、若手中堅技術者には個々人のユニークスキルを向上する
時間と余裕ができました。特定の分野に特化したスペシャリストが求められると思います
●メーカー・サプライヤー問わず、加工のことが十分に理解できたうえで図面を描ける人材が必要である。頭を使わず過去の内容・
手法・形状を踏襲するばかりではなく、良くも悪くも個々の考えを仕事に反映できるような環境作りも同様に必要です
Q 今後、自動車業界はどのように変わっていくべきですか?
「自動運転の発展や普及」が最多。次いで「環境配慮対応が活性されること」が多くなりました。
その他 3
特にない 3
コスト計算や原価の把握 20
プレゼンやコミュニケーションスキル 24
環境配慮対応の知識 29
自動車以外の分野のビジネスの把握 32
最新ITやデジタルの知識 55
設計・製造技術や手法に関する深い知見 55
0 10 20 30 40 50 60
その他 ● これ以上の技術や知識の上達は見込めない。トップまで到達してます
● 素早く対応できる適応力 ● ロボットの導入と活用
13
Page14
アペルザ様_wp42_14[インタビュー]
interview 01 回答者プロフィール
Aさん/カーボンニュートラル推進(元設計開発):約30年 仕事の内容
製造業[自動車・航空・船舶など輸送機器]/二次サプライヤー(社員数:1,000~2,999人) カーボンニュートラル推進
現在の業況:「良くも悪くもない」 今後10年の業況は?:「良くも悪くもならない」
今回のお話 イノベーティブな会社に変わっていくため、カーボンニュートラル推進が一つのきっかけになれば
Q カーボンニュートラル Q もともとは設計開発を長くやっていらっ
推進について しゃったとのことですが、新たに勉強しなけ
ればならないことがやはり多いでしょうか。
専任の少数精鋭チームで推進している。顧
客も周囲の同業もカーボンニュートラルをどん カーボンニュートラルについては、自分の
どん進めているため、当社としても取り組みは キャリアにとってほぼゼロスタートに近い。
必須であり、積極的に取り組んでいる。現在、 情報収集するだけではなく、自分自身が勉強
中堅からベテランでチーム構成しているため、 し、さらに情報を咀嚼するところから始めた。
今後2050年までコミットしていかなければ もちろん、それが自分だけで閉じていてはい
ならないことを考えると、なるべく早く20代 けないので、それをいかに社内へ啓発してい
若手が加わってほしいと考えている。 くのかが、まさに今の課題だ。
Q 今のカーボンニュートラルと、 カーボンニュートラルの推進においては、
これまで環境対応と関連した ISO とで Q 新たな技術へのチャレンジが必要とのこと
取り組みの違いはありますか? でした。その一方で、若手技術者のスキ
ルや、海外と比較した際の技術者のスキルにつ
この部署も、もともと品質保証関係で、そこ いて、「技術力が低下している」とお答えいただ
にカーボンニュートラル推進のミッションが加 いていました。こちらについてはいかがですか?
わった形である。しかしISOの取り組みや考え
方とは大きく異なる。例えばISO 14001(環境) 当社だけかもしれないが、若手のエンジニア
は決められた規格を社内で遵守していくことに は、自身の抱えている仕事や課題がこなせれ
なるが、カーボンニュートラルに関しては規格 ばよいと考えている。向上心がない。また年
が存在せず、達成目標を社内で決めなければな 齢にかかわらず、社内のことしか興味がない
らない。省エネ対応や再生可能エネルギーの採 人も多い。社内全体的には、過去の成功体験
用といったところは既存技術で取り組めること による固定概念から抜け出せていない雰囲気
が多いが、CO2削減やカーボンニュートラル がある。業績については「よくも悪くもな
となると新技術の開発が必要だ。 い」と答えたが、そうした社風がビジネスが
いまいち振るわない一因になっていることは
否定できないと思う。
Q 目標値の設定などは
社内の人たちには、「世の中は、もっと進ん
どうしているのですか?
でいる!」ということを感じてもらい、既存
会社としてはカーボンニュートラルを目指 の仕事のやりかたからの脱却や、新たなチャ
す旨を宣言しているが、会社が一丸となって取 レンジといった課題を自分ごとにしてもらわ
り組むための目標値の設定などが、まさにこれ ないとならない。変わっていかなければなら
からである。他社より一歩遅れてしまっている ない。カーボンニュートラル推進が、その一
のではと思っている。社内の認知もまだまだ足 つのきっかけになればよいと考えている。
りていないので、欧州の動向などをわれわれで
調査して情報共有するなどを行っている。
14
Page15
アペルザ様_wp42_15[インタビュー]
interview 02 回答者プロフィール
Bさん/研究開発:約10年 仕事の内容
製造業[自動車・航空・船舶など輸送機器]/最終製品メーカー(特殊車両)(社員数:1,000~2,999人) 製品のデジタル化やIoT化
現在の業況:「何とも言えない・分からない」 今後10年の業況は?:「良くも悪くもならない」
今回のお話 ベテランが失敗事例を共有してくれない
Q 開発している製品は IoT を取り入れて れない。自分の失敗が社内に記録に記録として
いるということで、デジタルの最先端に 残るのが嫌なようだ。われわれ研究部門では、
取り組まれているかと思います。自社の 果たして役に立つのか分からないような深いと
設計・製造において、デジタル化については、 ころまでのぞき込んで調査していく。学術的な
進み具合はどうですか? 情報や一般的な情報を収集するだけでは解決で
事務処理のペーパレス化や、日々のPC作業 きないことも多い。やはりベテランのナレッジ
の自動処理などに取り組んでいる現状だ。顧客 が重要だが、彼らが退職してしまったらそれが
や同業を見渡してもあまりデジタル化が進んで 失われてしまう。
いない。IT業界などと比較をすると、10年く
らい遅れているのではないかと思う。その一方、 業況については「何とも言えない・分か
クラウドシステムの導入などは進んでいる。 Q らない」と回答していただいていました。
社会の動きによって売り上げや受注が変動す
Q 若手技術者のスキルについては る。今、「良くはない」のは間違いない。世
「技術力が低下している」とお答えいただ
の中、カーボンニュートラルやCO2削減と
いていました。
いった動きの中で電動化が進む一方、自社製
技術伝承がうまくいっていないと感じられる。 品はパワーを要することから油圧制御は今後
自社や業界がというより、日本の製造業全体で も必要で石化燃料からの依存の脱却が難しい。
そういう傾向が感じられる。若手の育成をする そうした面でも、ビジネス的には不利なので
にしても、ベテランも忙しい中で「いかにそこ はと思う。それでも、少しずつ電動化の検討
から逃げるか」と考えている人が少なくなさそ は進めている。依然と続く半導体不足、材料
うだ。技術伝承は口伝えで行われがちで、「俺 不足などの影響も受けている。部品単価も高
の背中を見て育て」のような風潮もある。また、 くなっていると思う。
会社が仕事の属人化をなくそうとしようとする
一方で、それをよしとしない人も多いと思う。 リーマンショックの前の製造業の景気が比較
的よかった頃を経験しているため、今の状況
とどうしても比較してしまう。今の若手は、
Q そうした事態を解消するために、
製造業の良い時代を経験していないこともあ
デジタル化がカギかと思います。
り、よい状況ではないと思っているだろう。
ナレッジが共有・活用できるデータベース これから入ってくる若手にも、その雰囲気が
の構築が必要。データを単に蓄積して形骸化し 影響してしまいそうだ。
てはならない。製品の品質が人の命にもかかわ
課題は多いが、デジタル化や自動化などに
る。製品の品質を高めるためには、日々の設計
もっと取り組んでいくしかない。
製造でPDCAを確実に回すことが重要で、そ
のためにもナレッジの共有が重要だ。
共有したいナレッジでは、現場の実体験に
よる情報、中でも「失敗事例」が肝だと考えて
いるが、ベテランがなかなかそれを共有してく
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技術者 100 名に聞きました!
今度どうなる !?日本の自動車業界
【2022 年版】
発行日:2022年11月16日
発行:株式会社アペルザ
問合せ先:aperzacatalog-mail@mail.aperza.jp
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