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産業用ロボットの導入状況、活用方法・目的、導入しない理由、協働ロボットの導入事例など、気になる“産業用ロボット活用の実態”を一冊にまとめました!
本調査では、工場で活用が広がる産業用ロボットの活用について、実際に現場で作業をする人たちに話を伺いしながら、活用例や技術の課題などについて探りました。「活用している」という人たちの他にも「活用を躊躇している」、あるいは「活用を考えていない」という人たちにも、その理由を聞きました。
<目次>
▼実態調査:アンケート結果
■回答者のプロフィール
■産業用ロボットの導入状況
■産業用ロボットの導入理由、活用方法
■産業用ロボットを導入しない理由
▼実態調査:技術者インタビュー
■ 「大手だけではなく、中小企業も産業ロボットを導入して成果を出せる」(産業機械メーカー)【日本】
■「協働(人協調)ロボット導入の課題」(電子部品メーカー)【日本】
■「中国における中小製造業の厳しい現実」(部品メーカー)【中国】
<概要>
調査時期:2021年11月4日〜11月11日
対象者: 生産技術にかかわる技術者の方
回答数:128
有効回答数:88
このカタログについて
ドキュメント名 | 工場での産業用ロボット活用みんな実際どうしているの?――技術者100名に聞きました! |
---|---|
ドキュメント種別 | ホワイトペーパー |
ファイルサイズ | 3.3Mb |
取り扱い企業 | 株式会社アペルザ (この企業の取り扱いカタログ一覧) |
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このカタログの内容
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アペルザ様_wp⑪_01[表1]
工場での
産業用ロボット活用
みんな実際
どうしているの?
技術者100名に聞きました!
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アペルザ様_wp⑪_02[はじめに]
は じ め に
本調査では、工場で活用が広がる産業用ロボットの活用について、
実際に現場で作業をする人たちに話をお伺いしながら、活用例
や技術の課題などについて探りました。「活用している」という
人たちの他にも「活用を躊躇している」、あるいは「活用を考え
ていない」という人たちにも、その理由を伺いました。
目 次
実態調査:アンケート結果
・回答者のプロフィール……………………………………………03
・産業用ロボットの導入状況………………………………………04
・産業用ロボットの導入理由、活用方法…………………………04
・産業用ロボットを導入しない理由………………………………05
実態調査:技術者インタビュー
・「大手だけではなく、中小企業も産業用ロボットを導入して成果
を出せる」(産業機械メーカー)【日本】………………………07
・「協働(人協調)ロボット導入の課題」
(電子部品メーカー)【日本】……………………………………08
・「中国における中小製造業の厳しい現実」
(部品メーカー)【中国】…………………………………………09
概 要
調査時期:2021年11月4日~11月11日
対象者:生産技術にかかわる技術者の方
回答数:128
有効回答数:88
02
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アペルザ様_wp⑪_03[アンケート]
回答者のプロフィール 製造業で生産技術や設計開発に携わる方を中心に、
88名の方に回答をいただきました。
Q 所属している 医療機器・器具
企業の業態 情報通信機器
1 3%
% 家電、事務機器
産業機械 7%
22% 部品加工・生産
10%
その他
22%
自動車・航空・船舶など輸送機器
電子部品・デバイス・電子回路 17%
18%
Q 所属している企業の 1~9人
従業員数 20,000人以上 6% 10~19人
8% 1%
10,000~19,999人 20~49人
4% 6%
50~99人
5,000~9,999人
7 9%
% 100~299人
3,000~4,999人 18%
3% 300~499人
6%
1,000~2,999人
14% 500~999人
18%
Q あなたの職種を 何を製造していますか?
教えてください 生産管理 1% Q 差し支えない範囲で
教えてください
保守/メンテナンス 1% 生産技術
33% 主 な 製 造 物 ● リレー ● コネクタ ● 金型
装置設計 5% ● 電動アクチュエータ
●自動車内装部品 ●カメラのレンズ ● ドラム缶
製造 5% ● タッチパネルモニター ● 鉄道用品 ● ICカード ●ゴルフカート
● 歯科用機器 ● 半導体製造装置 ●インバータ ●ばね
カメラのレンズ ●センサー ●ゴム部品 ● 米菓 ● 化粧品
品質管理
/品質保証 ……など、さまざまな回答がありました。
8%
その他 設計開発
12% 研究開発 25%
10%
023
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アペルザ様_wp⑪_04[アンケート]
Q あなたの職場では
産業用ロボットは導入していますか?
これから導入する
6% 導入している
54%
導入していない
40%
「導入している」という回答が、過半数以上を占めました。
産業用ロボットを「導入している」「これから導入する」と回答いただいた方に伺いました
Q 産業用ロボットは、何を導入
あるいは導入検討していますか?
自動運搬ロボット 1
一番多かったのは 円筒座標ロボット 2
「垂直多関節ロボット」。
極座標ロボット
今話題の「協働ロボット」 3
が3位に。 ヒト型ロボット 5
直交座標型ロボット 6
パラレルリンクロボット 8
協働ロボット 9
水平多関節ロボット
(スカラー型ロボット) 12
垂直多関節ロボット 15
0 2 4 6 8 10 12 14 16
Q 産業用ロボットにさせている
させようとしている作業は? 研磨 2
クリーンルーム作業 2
1位は「搬送やハンドリング」。 洗浄 4
2位に「組み立て」、
塗装 5
3位に「検査」と、
比較的オーソドックスな用途が 溶接 6
挙がっています。 部品加工 7
検査 13
組み立て 15
搬送・ハンドリング 19
0 2 4 6 8 10 12 14 16 18 20
Q 産業用ロボットを コロナ対策(密回避)
導入する理由は? のための省人化 3
短納期への要望を
かなえるため 5
1位はものづくりの現場らしい 労働力確保 12
「生産性向上」。
2位は「人件費の削減」 コストダウン 13
「単純作業を人にさせないため」 単純作業を人にさせないため 17
という理由でした。
人件費削減 17
生産性向上 24
0 5 10 15 20 25 30
03
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アペルザ様_wp⑪_05[アンケート]
産業用ロボットを「導入している」「これから導入する」と回答いただいた方に伺いました
Q 産業用ロボットを活用しどのような改善・改革を実現したか、あるいは考えているか教えてください。
皆さんからいただいた、フリーコメントでのご回答を紹介します。
省力化や生産性の面のほか、「付加価値の高い作業を人にやってもらいたい」
「危険な作業をロボットに任せたい」といったコメントをいただきました。
回答者のコメント(抜粋)
● 工程の無人化を目指す ●検査工程の自動化、シール貼り、グリス塗布など繰り返し作業の自動化を行った
●生産ラインの中のマテハンが主。製品タイプごとに違うパラメータを読み込み、ラインのタイプチェンジ作業の簡易化を実現した
●人以上に高速で、長時間、安定した精度で加工・セット取り外しなどができる
●溶接を手作業からロボットに変えて品質確保、生産性確保を実現した
●今後は溶接だけでなくハンドリングに力を入れてライン作業者の削減、労働力確保をしていきたい
●人による3K作業をロボット化してきました。今後も、3K作業をなくしていきたいと思います
●作業者の削減と危険作業のロボット化 ●少品種多量生産製品の検査に導入し、加工費の大幅削減が目的
●対象ワークが30kgと一般的にギリギリ一人で持てる重量なため禁止基準を無視したところで腰痛などの労災が頻発して
いる。そのため対策として自動検査装置の導入が急務であるが、無人化によりコストダウン、人材難解消、さらには品質
向上にも繋げたいと検討している
● 付加価値を生まない作業(運搬、並べ替え等)をロボットへ置き換えることで労務費圧縮を狙う。また、製品品質的な
部分も今後追求していく
●レーザ高速溶接による高品質、高生産性を実現した
● 自動化(生産性向上)が一番の目的ですが、生産技術として、製造部門に喜びにつながる仕事をしてもらうために、付加
価値を生まない単純な繰り返し作業はロボットにさせようと考えています
●人による単純繰返し作業によるポカミス防止、ばらつきの低減(品質安定化)
●協調ロボット導入により、作業員から単調作業を解放し、作業員はより付加価値の高い作業を行ってもらう
●人がワークの搬送を行っていたが、ロボット化することで工数削減・少人化ができた
●今まで人が手作業、目視していた部分をロボットを導入することで生産性が向上した
産業用ロボットを「導入していない」と回答いただいた方に伺いました
Q 産業用ロボットを導入しない理由は、
何が考えられますか? 過去にトライしたが失敗した 1
よい製品がみつからない 4
「導入にかける時間がない」と、多忙
さが背景と思われる理由がトップに。 導入にかけるお金がない 4
そもそも「必要がない」と思っている 必要がないから 5
ことも。 導入にかける時間がない 7
0 1 2 3 4 5 6 7 8
Q 導入しない理由について、詳細を教えてください。
フリーコメントでお伺いしました。
大きく、「したいと考えるができない」「必要がない」という理由に分かれるようです。
●
回答者のコメント 要求内容とコスト、タクトが見合わないため、導入実績が作られない
(抜粋) ● 汎用化が難しい製造工程。費用対効果が出にくい
●技術者がいない ● ロボットを使うような工程は少ない ●毎回仕様が異なるので、ロボット導入のメリットが見いだせない
● カスタム製造製品のため、作業性に一定の決まりがないため ●新規事業の開拓で検討していきたいから
●社内の予算がないのが理由です ●一品一葉の設備装置が多いため ●目の前の業務に追われているため
● 製造数が少ないので、ロボットによる量産効果はあま ●検討時間が足りない ●該当製品を探すのが難しい
りなさそうなので ●ロボットが必要なほどの作業量がないから
● 海外工場で生産するので、お金をかけられない。国内 ●本当なら単純作業はロボットに任せる方が効率は良いが、作業
生産なら導入可能ではあると思います の落とし込みと精査が不十分で導入の範囲と効果の試算がうま
● 手のひらサイズ程度の小型製品が多く、手作業による く出ていない。また、初期投資の費用もばかにならず、期間工
組み立てが中心のため で賄う手法をとっていることも導入に至らない要因である
● ●
● スケールが小さいのと複雑な作業が多い 会社の理解がない 複雑な製造工程のため
●予算と、人の手による作業が多い ●製品がもろいので、ロボットでの取り扱いが適しているか懸念
●生産量が少ないので自動機レベルで十分である ●生産数量が少ないため、人力で十分
●現行の機械で十分だから ● カスタム品が多い。産業用ロボットを導入するスペースや量
がないと思う
025
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アペルザ様_wp⑪_06[アンケート]
産業用ロボットを「導入していない」と回答いただいた方に伺いました
Q どうすれば産業用ロボットを 導入コストが決定のネックになっていることと、
活用しようと思いますか? そもそも「よい製品が見つからない」ということが挙げられていました。
顧客や仲間の企業の 分からない 3%
導入が増えてきたら 3%
たくさん売れたら もっと安ければ
3% 35%
ソフトウェアを
自動で作成してくれる 3%
よい製品が見つかれば・
もっと簡単であれば 提案されれば
24% 29%
Q 現在の産業用ロボットの技術や活用に課題があるとしたら、どういったことだと考えますか?
やはり「コストが高い」「難しい」ということが大きな課題になりがちのようです。
電力をたくさん消費する 6
動作精度が悪い・よくない 8
適切なロボット活用を提案してくれる人や企業がいない 12
導入するためにある程度の人員を割かなくてはならない 17
ニッチな用途に対応し切れない 21
サイズが大き過ぎる、場所をとる、重たい 21
導入に時間がかかる 22
工事や設置が難しい、やりづらい 22
導入するために、担当者に専門知識や技術が必要 41
導入コストが高額 43
0 5 10 15 20 25 30 35 40 45 50
Q 産業用ロボットは自分たちから仕事を奪い、自分たちの仕事もなくなると思いますか?
7割の方は「そうは思わない」という前向きな回答でした。
「一部、そう思う」と答えた方も、「ロボットが、人があえてする必要がない仕事を“奪ってくれる”」という前向きな理由
が目立つようでした。
その他 そう思う
2% 2%
そうは思わない 一部、そう思う
67% 29%
026
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アペルザ様_wp⑪_07[インタビュー]
interview 01 回答者プロフィール
Aさん/機械設計:約30年
産業機械メーカー(社員数100~299人) 仕事の内容
産業用ロボットは導入していますか?:している カスタム生産設備の機械設計
今回のお話 大手だけではなく、中小企業も産業用ロボットを導入して成果を出せる
Q 産業用ロボットを用いて で、エラー削減ができた。また工程をデジタル化
何をしていますか? したことで、作業中の記録が全てデータとして
残るようになり、トレーサビリティを確保できた。
垂直多関節ロボットを複数導入し、組み立て
工程の中で、「部品のピッキング」「ねじ締結」 結果として、生産数が増えるなどはないが、
「組み立て品の搬送」を分担させている。作業者 品質が向上したことにより次工程からの手戻りの
はそこに1人付いている。 減少しており、生産効率が高まっている。
作業管理や記録・閲覧は、作業者が持ってい また作業者からは、「中小企業では、この先も
るタブレット端末を使用している。 最先端のロボットにかかわることはないと思って
いたので、うれしい」と言われ、気持ちの面でも
良い効果があったようだ。
Q 導入前の課題について
さらにこれまでロボットに興味がなかった人た
教えてください
ちも、日ごろロボットに接するようになったこと
上記工程を1人の担当が手作業で行っていた。 で興味を持ってくれるようになり、学習への意欲
ねじ締めや調整作業が細やか、かつ複雑で難易度 を見せてくれる人も出てきた。
が高く、品質よく作業するには経験を積んでの習熟
が必要だった。習熟したとしても、やはり人による作
上手く行った背景として
業のため、ミスはゼロにできない。例えば作業時間 Q
が長くなってくると集中力が切れてしまい、チェッ 大きかったことは?
ク漏れやミスをするといったことも起こっていた。 もともと経営者が自動化や産業用ロボットの導
この工程のミスは後工程で発覚し、手戻りに 入に対するリテラシーが高く、売り上げが好調だっ
なった。すべて手作業の工程で、かつ作業記録も たタイミングで、そこにしっかり投資をしてくれた。
手書きのチェックリストなどの運用であったため、 また、SIerに導入を丸投げをせず、当社とSIerの
全数検査が行えず、抜き出し検査にとどまって 担当の双方が情報をしっかりと情報交換を行った。
いた。トレーサビリティが悪く、市場に出た後に
不良が発覚した際の検証にも苦労していた。 Q 今後の技術などへの期待は
何かありますか?
導入時の苦労は 今回は、補助金を申請して資金確保をしたこと
Q ありましたか? もあり購入が実現したが、やはり気軽に買える
ような値段ではない。せめて、1台の導入費用が
それほど苦労はしなかった。SIerと一緒に話
人ひとりの雇用の費用程度に抑えられるように
し合いながら、1カ月くらいで立ち上げられた。
なってほしい。また、ITリテラシーがそれほど高く
導入後、現場の作業者たちは、新しい仕組み ない人でも扱える、いろいろなことを手軽にやって
を使うということで最初は戸惑いを見せていた もらえるようなロボットが出てきてほしい。
ものの、徐々に慣れていってくれた。
今後は、
Q 導入後には Q どのようなことに取り組みたいですか?
どのような効果がありましたか?
人と近い距離で作業をする、協調ロボットを
難易度の高い工程をロボットに代替させること 導入したい。現場にも関心がある人が出てきている。
072
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アペルザ様_wp⑪_08[インタビュー]
interview 02 回答者プロフィール
Bさん/機械設計:約30年
電子部品メーカー(社員数500~999人) 仕事の内容
産業用ロボットは導入していますか?:している 生産技術:装置設計、設備導入・立ち上げ
今 回 の お 話 協働(人協調)ロボット導入の課題
産業用ロボットを用いて 直交ロボットやスカラロボットは、設置に安全
Q 何をしていますか? 柵やカバーなど安全対策が必要であったが、協働
ロボットではそれが不要になった。それで作業者
担当する工程で、作業自体は直交ロボット、
は、作業時に圧迫感を覚えることなくなり、ロ
搬送・ハンドリング(製品の出し入れ)などの
ボットの至近で作業が行えるようになった。
仕事は協働ロボットに任せている。
直交ロボットやスカラロボットは10m/s程度
直交ロボットやスカラロボットを以前から導入
の高速な動作が可能で、かつ力も強いため、うっ
しており、比較的最近導入したのが協働ロボットだ。
かりぶつかると非常に危険だ。自分自身もそれで
けがをしたことがある。一方、協働ロボットは
協働ロボットを 安全に配慮したゆったりな動作であり、身体など
Q 入れた目的は? が当たっても動作を停止するため、「ロボットの
特にハンドリングで人の作業時間が結構取ら 動きを怖く感じなくなった」という声もある。
れるため、そこを協働ロボットに作業を任せて、
生産性向上や品質向上を目指した。
Q 協働ロボットに
課題はありますか?
Q 協働ロボット 生産技術の観点でいえば、動作がゆっくりで
導入時の苦労は? ある半面、サイクルタイムをどのように短縮させ
以前から現場で直交ロボットやスカラロボット るかが課題だ。サイクルタイムを短縮させること
を導入しており、自身にも知識があったため、 で、高額な投資を回収しなければならないため。
技術面では大きく困らなかった。今回は新たに 協働ロボット1台が、人ひとり分の標準的な作業
「協働ロボット」の導入ということで、新たな 時間でこなせるようにしなければならないが、
知識が必要になり、ティーチング面で少しだけ 少し届いていない。市場の製品を見ている限り、
苦労した程度。また協働ロボットのコストが高額 高速すぎるか、少々ゆったりに感じられるかで、
であった。 ちょうどその間のような―人の作業速度と同等な
ロボットが見当たらない。そのため、現状ではモ
ノや人が近づくことで距離を短くすることで、サ
Q 協働ロボット導入の課題に対して、 イクルタイムを縮めるしかない。
どのように取り組みましたか?
協働ロボットを増やすのではなく、作業をする
装置を増やして、その間のやり取りに協働ロボット
を用いて、ラインの稼動率を高めた。 Q 今後は、どのように産業用ロボットを
活用していきたいですか?
箱詰めなど、まだ自動化できていない付加価
値の低い作業を協働ロボットにどんどん任せた
Q 導入してどのような い。その際には、梱包設計から工夫をしないと
効果や成果がありましたか? いけないので、商品設計側とも話し合うことに
作業者は、ハンドリングの手間や待ち時間から なるだろう。
解放され、より付加価値が高い組み立てなどの
業務に取り組めるようになった。
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アペルザ様_wp⑪_09[インタビュー]
interview 03 回答者プロフィール
Cさん/生産技術:約40年
中国の部品メーカー(社員数50~99人) 仕事の内容
国内や海外拠点で生産技術
産業用ロボットは導入していますか?:これからする (過去には自動車最終品メーカーに勤務)
今 回 の お 話 中国における中小製造業の厳しい現実
現在、 のために中国に出張してもらうにしても、部品を
Q 中国にいらっしゃるのですね。 空輸してもらうにしても、時間やコストがかかる。
長年勤めた自動車最終品メーカーを定年退職。 中国の企業でも、国営企業や大企業であれば
その後も「ものづくりの現場にいたい」と思い、 自動化やロボットの専門家を雇って、独自の自動
中国に渡って転職。現在、現地の中小製造業に 化技術を推進することが可能であるが、自分が勤
勤めて生産技術の指導などに携わる。 めるような民族系(非国営、民間)の中小企業で
は予算も人も限られているので、それと同じこと
をするのは非常に難しい。そのような優秀な人は、
Q 産業用ロボット導入を やはり非常に高額な報酬がもらえる大企業に取
検討している理由は? られてしまう。そういった現状に対して、非常に
今は国内市場が中心であるが、今後、グロー ジレンマを感じている。
バルな市場を見据えて大量生産をしていきたい 中国企業において、最先端のロボット開発や
ため、自動化の手段として直交ロボットの導入 自動化が進んでいるのは、ごく一部の大企業だ
を検討している。高騰する中国国内の人件費へ けであり、中小企業においてはそのノウハウが
の対策と、属人的作業を減らすことによる品質 育っていない。
の向上が目的だ。
Q 中国の中小企業は、
Q 導入検討は、 日本以上に厳しそうですね。
どのような状況ですか? 厳しいし、淘汰も激しい。中国の中小企業は、
「まだ、これから」といったところ。経営者の 依然と「品質より、安さ」を重視する世界。品質
自動化に関する課題感が強いものの、十分なコス についてはようやく、若手を中心にして目が向
トがかけられていない。自社内に、今後の自動化 き始めたといったところだ。日本の企業ドキュ
生産の全体構想を描ける技術者がおらず、「自社 メンタリー番組に出てくるような、中小企業が
の自動化に対する標準化とは何か?」がいまだ 結託して大きなことを成し遂げるという取り組
にあいまいなままプロジェクトが進み始めている みも、なかなか生まれづらい環境だ。
状態だ。
まず中国には産業用ロボットを導入するにあ この厳しい状況を
たり機材やシステムを調達するための取りまとめ Q 乗り越えるには?
役を担ってくれるような商社 (SIerなど)が非常に 日本の商社が、中国にも拠点を構えてビジネス
少ないようで、今もなかなか見つからない。こう をしてくれるのが理想。しかし、それは現実的
いう状況なので、ロボットを導入しようとすると、 ではないかと思うので、中国現地の企業と提携
工場の担当がメーカー一社一社をあたり、問い合 パートナー制度のような取り組みをして、人や
わせするしかない状況。産業用ロボットは買えば 技術の交流をして、保守を中国現地で行えるよ
すぐ使えるものではないし、導入のハードルが高く、 うな体制ができればよい。中国の中小企業は、
導入できたとしても保守が非常に大変になる。 どこも当社と同様な状況であるため、そうした
自分にも「日本の会社をどこか紹介してくれ」 ビジネスが生まれてくれると助かるし、日本の
とよく相談をされる。しかし、日本メーカーだと 商社にとっても商機になる可能性もあるのでは
地理的に距離があり、商習慣も異なる。設備保守 ないか。現実はなかなか、難しいかもしれないが。
092
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アペルザ様_wp⑪_10[奥付]
工場での産業用ロボット活用
みんな実際どうしているの?
技術者100名に聞きました!
発行日:2021年11月24日
発行:株式会社アペルザ
問合せ先:aperzacatalog-mail@mail.aperza.jp
リクエスト募集中!
ぜひお声をお聞かせください
https://forms.gle/e2M17aghUfWaFeyD8