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100mgサンプルを用いた デュマ法による低コストなタンパク質定量測定

その他

これまでのデュマ法は、サンプルサイズが 500mg~1gの間で行われてきました。
デュマ法の自動技術が開発されたことにより、サンプルサイズは最大900mgまで対応可能となり、
結果までの時間が短縮されると共に、ガス消費量も削減できるようになりました。

この技術記事では、この開発に関連する主要技術と、30以上のリファレンス ラボラトリーを含むグローバル リングテストのデータに基づいた、
サンプルサイズによる影響がごくわずかであることを示す研究データを紹介しています。

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このカタログについて

ドキュメント名 100mgサンプルを用いた デュマ法による低コストなタンパク質定量測定
ドキュメント種別 その他
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登録カテゴリ
取り扱い企業 フォス・ジャパン株式会社 (この企業の取り扱いカタログ一覧)

このカタログの内容

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100 mg サンプルを用いた デュマ法による 低コストなタンパク質定量測定 2019年8月 JP fossanalytics.com
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これまでのデュマ法は、サンプルサイズが 500mg~ 1g の間で行われてきました。 デュマ法 の自動技術が開発されたことにより、サンプルサイズは最大 900mg まで対応可能となり、結 果までの時間が短縮されると共に、ガス消費量も削減できるようになりました。 この技術記事 では、この開発に関連する主要技術と、30 以上のリファレンス ラボラトリーを含むグローバ ル リング テストのデータに基づいた、サンプル サイズによる影響がごくわずかであることを 示す研究データを紹介しています。 背景と原理 依然としてケルダール法がンパク質定量の基準である一方で、スループットと研究の効率 を高めたい多忙な研究室では、デュマ法の人気が高まっています。 デュマの一般原理は、燃焼法であり、有機マトリックス中の全窒素含有量を測定します。 サン プルは純酸素環境で高温燃焼されます。 燃焼から発生する窒素酸化物を効率的に還元す ることで、定量的に N2 に変換します。 水、硫黄、二酸化炭素などの他の揮発性燃焼生成物 は、隔離されます。 結果は、変換因子を使用して窒素をタンパク質に変換することにより、 窒素の割合 (%) またはタンパク質の割合 (%) として得られます。 従来のマクロ分析 一部のデュマ法は、最大 5 グラムでサンプルを計量し、燃焼させてマクロサンプルを分析し ます。 しかし、燃焼後、得られたガスのすべてが分析されるとは限りません。 そのため、バラストタンク内のアリコート 1 または 5 ml の結果ガスに対して精製および分 析のための特別な設計が実装されています。 当然、これは結果として生じるガスがすべて均 質化されているかどうか、5 リットルのバラストタンクで得られたアリコート 1 または 5 ml の 代表性がどうかということは不確実となります。 2
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この不確実性によって、通常、サンプルサイズが大きいことが重要とされてきた試料作製が それほど重要でないということになります。 サンプルサイズを少量にする技術の開発 自動化技術開発の改善により、使用するサンプルははるかに少量になりました。 これは、 マイクロサンプルとマクロサンプルの間で得られるすべてのガスを測定する方法が進歩し たためです。 例えば、FOSS デュマテック™ 8000 窒素分析器がその 1 つです。 デュマテック 8000 の基本操作は、サンプルを純酸素下で迅速に燃焼して発生したガス中 の窒素を測定するデュマ法を採用しています。 窒素は TCD(熱伝導度ディテクター)によっ て検知され、シグナル値が燃焼したサンプル中の窒素量 (N2) として換算されます。 3
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図 1 はデュマテックの動作原理を示しています。 サンプルマトリックスは、オートサンプラー から燃焼管 (CR) にロードされ、触媒の下で高温で酸素によって酸化物に燃焼されます。 そ れによって得られる一酸化窒素は、銅によって窒素に還元されます。 水、二酸化炭素、その他 の副産物は 3 つの非常に効果的なウォータートラップと特許取得の CO2 吸引カルーセルに よって分離され、完全に除去されてから、熱伝導ディテクター (TCD) で窒素が分析されます。 次いで、サンプルタンパク質含有量が、タンパク質因子を乗じて窒素含有量から算出されま す。 この画期的なデザインの主な特徴は、燃焼で生じるすべてのガスが分析されることです。 (CxHyNz)(s/l) + O2 (g) -> x CO2 (g) + y H2O (g) + z NO2 (g) NO2 (g) + 2 Cu (s) -> 2 CuO (s) + 1/2 N2 (g) AS He O PC 2 F1 F2 CR RR F3 TCD F4 図 1 デュマテック 8000 フロー図 AS: オートサンプラー; CR: 燃焼管; RR: 還元管; F1: ウォータートラップ (水凝縮管); F2: ウ ォータートラップ (Perma Pure); F3: ウォータートラップ (シリカゲル); F4: CO2 フィルタ (モ レキュラー シーブ カルーセル); TCD: 熱伝導度ディテクター 6 少ないガス消費で素早い結果 1 3 すべてのガスが検出されるため、少量サンプルサイズを使用することができます(以下のリン グテスト結果を参照)。当然、ガス消費量が削減されるため、ラボの経費削減に貢献できます。 4 5 デュマテック 8000 システムを使用すれば、二酸化炭素吸着管内で二酸化炭素がガスから 分離されます (図 1 の F4)。 二酸化炭素吸着管は脱ガス炉内で再生されます。 6本の二酸 化炭素吸収管は特許のカルーセルに組み込まれています。 2 4
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吸着と脱着の操作は同時進行します。 この特許取得の工程が分析時間を大幅に短縮します。 吸着と脱着の操作は同時進行します。 分析サイクルでは、ラインに接続されている1本の吸 着管が測定中のサンプルの二酸化炭素を吸着している間に、残りの吸着管は脱ガス炉の 中で吸着した二酸化炭素を外気に放出しています。 この特許取得の工程が分析時間を大 幅に短縮します。 規格の準拠 デュマテックの動作原理は、デュマ法の基準に準拠し、 Dumatec 8000ソリューショ それが認証されています。ラボではデュマテック 8000 ンおよびその他の少量サン を直接デュマ法の基準分析や NIR や FITR など、間 プルサイズソリューション 接的なメソッド キャリブレーションに適応できるよう は、AOAC、AACC、ASBC、 になりました。 さらに、デュマテック 8000 では、最先 OIVなど、食品および飼料中 端技術を採用して、サンプルあたり3~5分で分析が のタンパク質含有量の製品 行えます。これが現在のデュマ法でベンチマークとな 宣言について公式に承認さ っています。 れた方法となっています。 リファレンス ラボラトリーの結果に対する性能 研究によると、サンプルサイズが少量であることによる結果への精度と再現性に与える影 響はごくわずかです。 そのような研究の一つは、FOSS が実施した小麦粉のタンパク質含 有量の再現性および正確性を FOSS の年次世界穀物ネットワーク (WGN) リングテストと 比較したものです。 WGN リングテストは、30 以上の国際リファレンス ラボラトリーが参加して行い、基準検査 によく使われる Infratec™ 近赤外線 (NIR) 穀物分析器の人工神経ネットワーク (ANN) キ 5
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ャリブレーションの性能を追跡するのにも使用されています。 これは、局所 NIR 検量モデ ルの基準分析結果をカバーし、現在、異なる穀物ネットワークおよび FOSS ANN 検量モデ ル WB003034 で使用され、小麦および大麦の全粒におけるタンパク質と水分を同時に判 断しています。 デュマテック 8000 の研究 デュマテック 8000の性能を調査するために、サンプルタイプWheat W3 WGN2013は、3つ の異なるサンプル量で連続30日間にわたって測定されました。 100 mg、200 mg、300 mg でデュマテック 8000 を使用して 30 日間連続して測定しました。 毎日の定期検査では、 各サンプル量は3つの重複が見られました。 平均は、乾燥物質 (DM) の各日の出力に対し て計算されました。 30 日間で、3つの異なる層 (100~300mg) で得られた平均タンパク質含有量 (DM) 結果 は、すべて10.80%であった。 一方、タンパク質の基準試験の平均は 10.80% で、ラボ間の標 準偏差は 0.12% でした。 図 1 には、3 層サンプル量測定の 1 日平均値としてのデータの傾向が示されています。 ま た、以下が結論付けられます。 • マイクロサンプル重量 (100、200mg) のタンパク質結果の変動は、マクロサンプル重量 (300mg) よりもわずかに大きい。 ただし、その違いは小さい。 サンプル量基準ごとに標 準偏差を比較すると、その差はほとんどごくわずかである。 • すべての測定値の平均値は、各サンプル量層でまったく同じである。 タンパク質含有量の 平均は 10.80% となった。 WGN の結果による基準データと比較して、値は、すべてのラボ の平均値 10.80% と同じである。 したがって、タンパク質定量に明らかなサンプル量の影 響はない。 Protein% measured by Dumatec on different sample amount on various days 10.95% 10.90% 10.85% 10.80% 10.75% 10.70% 10.65% 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 100mg 200mg 300mg 図 1 3つの異なるサンプル量で 30 日間連続で測定した W3 WGN による小麦サンプルの タンパク質含有量 6
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サンプル重量層に基づくすべての系列の標準偏差を図 2 に示します。 これは、0.029% (100mg) から 0.025% (300mg) の範囲内で、サンプル量間の標準偏差の差が非常に小さ いという以前の仮定を裏付ける結果となっています。 異なる小麦サンプル重量の標準偏差はデュマテックで数日間分析 Standard Deviation on differしenたt wheat sample weight analyzed by Dumatec on vもarのiouでs dすay。s 0.06% 0.05% 0.04% 0.03% 0.02% 0.01% 0.00% 100mg 200mg 300mg 図 2 デュマテック 8000 が連日分析した異なる小麦サンプル (W3 WGN 2013) 量の標準偏差 図 2 で示されるとおり、標準偏差は低く、良好なパフォーマンスを示しています。 サンプル 量を減らすことによって、標準偏差は 0.025% から 0.029% にわずかに増加しています。 た だし、標準偏差はほぼ一貫していると見ることができます。 したがって、サンプル重量が少 なくても、サンプル量が多い場合と比較して一定のタンパク質含有量と良好な標準偏差を 維持することができます。 WGN タンパク質含有量データを表 1 に示しています。 平均タンパク質含有量は、標準偏 差を有する乾燥物質中で 10.80% として計算されています。 3 つの異なるサンプル量層の 調査で得られたすべての W3 タンパク質含有量の平均も、同じ平均値となっています。 サ ンプルサイズが少量の場合と、多量の場合におけるデュマテックの調査によると、結果は WGNテストとほぼ同じであることから、異なるサンプル量で得られた結果の差はごくわず かであることが証明されました。 表 1 W3 WGN 小麦プロテイン含有量 DM 結果 ラボ コ ード 1 4 5 8 12 15 17 18 W3% 10.50 10.79 10.80 10.90 10.90 10.88 10.70 10.60 ラボ コ ード 19 30 31 33 35 36 平均 基準 W3% 10.86 10.91 10.72 10.67 10.79 10.85 10.80 0.12 7
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結論 FOSS 世界穀物ネットワーク リングテストと比較して行われた研究によって、穀物サンプル は優れた反復性および正確性のあるマイクロサンプル重量で測定することができることが わかりました。 これにより、サンプル量に関する懸念はなくなります。 さらに、効果的なサン プル前処理ソリューションにより、肉などの非常に不均一なタイプのサンプルでも、例えばサ ンプルに温度変動の影響を与えない水冷ミルを使用して、少量サンプルでも分析できます。 より少量のサンプルサイズを使用できるようになることで、ラボでも迅速なデュマ分析を活 用し、低い運用コストで高スループットを実現できるようになります。 フォス・ジャパン株式会社 東京都江東区 東陽2-4-14 三井ウッディビル1F 電話: 03 5665 3821 Fax: 03 5665 3826 E-mail: info@foss.co.jp HP: www.fossanalytics.com/ja-JP#