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検査室のスタッフがデュマ法を活用すべき適切なタイミングを判断するのに役立ちます。
ケルダール法は、依然として窒素およびタンパク質測定の公定法分析ですが、1883年にジャン・バプティスト・デュマによって発明されたデュマ燃焼法はその代替としての人気が高まっています。
この人気は、デュマ法の使いやすさと測定の速さが主な要因です。つまり、従来法を採用するより、ターンアラウンドタイムや結果取得までの時間の方が優先される、あらゆる種類のラボアプリケーションとしての魅力の方が高いからです。ただし、いくつかの事項を考慮する必要があります。 このeBook は、検査室のスタッフがデュマ法を活用すべき適切なタイミングを判断するのに役立ちます。
目次
1. デュマ法
2. デュマ法とケルダール法のまとめ
3. デュマ法とサンプルサイズの議論
4. デュマ法の認証とサンプルタイプ
5. 接続型デュマ法の価値
6. 事例– デュマ法の高スループット測定
7. デュマ法ソリューション
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このカタログについて
ドキュメント名 | デュマ法のすべて |
---|---|
ドキュメント種別 | ハンドブック |
ファイルサイズ | 2.4Mb |
登録カテゴリ | |
取り扱い企業 | フォス・ジャパン株式会社 (この企業の取り扱いカタログ一覧) |
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このカタログの内容
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Eブック
デュマ法のすべて
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はじめに
ケルダール法は、依然として窒素およびタンパク質測定の公定法分析です
が、1883年にジャン・バプティスト・デュマによって発明されたデュマ燃焼法はそ
の代替としての人気が高まっています。
この人気は、デュマ法の使いやすさと測定の速さが主な要因です。つまり、従来
法を採用するより、ターンアラウンドタイムや結果取得までの時間の方が優先さ
れる、あらゆる種類のラボアプリケーションとしての魅力の方が高いからです。
ただし、いくつかの事項を考慮する必要があります。 この eBook は、検査室の
スタッフがデュマ法を活用すべき適切なタイミングを判断するのに役立ちます。
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目次
1. デュマ法 4
2. デュマ法とケルダール法のまとめ 6
3. デュマ法とサンプルサイズの
議論 8
4. デュマ法の認証とサンプルタイプ 9
5. 接続型デュマ法の価値 10
6. 事例
– デュマ法の高スループット測定 11
7. デュマ法ソリューション 12
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1. デュマ法
デュマ法の基本原理は、燃焼法であり、有機マトリックス中の全窒素含有量を測り
ます。 サンプルは純酸素環境で高温燃焼されます。
燃焼で発生した窒素酸化物を効率的に還元することで、定量的に N2 に変換しま
す。 水、硫黄、二酸化炭素などの他の揮発性燃焼生成物は、隔離されたり分離され
たりします。 熱伝導度ディテクターはガス内の窒素量を測定します。 結果は、変換
因子を使用して窒素をタンパク質に変換することにより、窒素の割合 (%) またはタ
ンパク質の割合 (%) として与えられます。
生成ガスの分析
一部のデュマ法は、最大 5 グラムでサンプルを計量し、燃焼させてマクロサンプル
を分析します。 しかし、燃焼後、得られたガスのすべてが分析されるとは限りません。
自動化技術開発の改善により、使用するサンプルははるかに小さくなりました。 こ
れは、マイクロサンプルとマクロサンプルの間で得られるすべてのガスを測定する
方法が進歩したためです。 例えば、FOSS Dumatec™ 8000 がその 1 つです。
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デュマテック 8000 の基本操作は、サンプルを純酸素下で迅速に燃焼して発生した
ガス中の窒素を測定するデュマ法を採用しています。 窒素は TCD(熱伝導度ディ
テクター)によって検知され、シグナル値が燃焼したサンプル中の窒素量 (N2) とし
て換算されます。
図 1 はデュマテックの動作原理を示しています。 サンプルマトリックスは、オートサ
ンプラーから燃焼管 (CR) にロードされ、触媒の存在下で酸素によって酸化物に高
温燃焼されます。 それによって得られる一酸化窒素は、銅によって窒素に還元され
ます。 水、二酸化炭素、その他の副産物は 3 つの非常に効果的なウォータートラッ
プと特許取得の CO2 吸引カルーセルによって分離され、完全に除去されてから、熱
伝導度ディテクター (TCD) で窒素が分析されます。 次いで、サンプルタンパク質含
有量が、タンパク質係数を乗じて窒素含有量から
算出されます。 この画期的なデザインの主な特徴は、燃焼で生じるすべてのガスが
分析されることです。
(CxHyNz)(s/l) + O2 (g) -> x CO2 (g) + y H2O (g) + z NO2 (g)
NO2 (g) + 2 Cu (s) -> 2 CuO (s) + 1/2 N2 (g)
図 1 デュマテック 8000 フロー図 AS: オートサンプラー; CR: 燃焼管; RR: 還元管; F1: ウォータートラップ
(水凝縮管); F2: ウォータートラップ (Perma Pure); F3: ウォータートラップ (シリカゲル); F4: CO2 フィルタ
(モレキュラー シーブ カルーセル); TCD: 熱伝導度ディテクター
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2. デュマ法とケルダール法の
まとめ
ケルダール法の代わりにデュマ法を選ぶべき?それとも両方必要?
ここで考慮すべきことを確認しましょう。 デュマ法の速さと利便性は、忙しいラボで
のタンパク質測定において最適な選択肢です。 一方、ケルダール法は、公定法分
析および特定のサンプルタイプにおける方法として確立された状態は変わりませ
ん。 事実に基づく主な違いは以下のとおりです。
• ケルダール法は、湿式化学が基本の技法で、分解や蒸留を含み測定に 90 分程
度かかる。 デュマ法は、燃焼法で、測定に4~5分程度しかかからない。
• 窒素の回収には多少の違いがあり、デュマ法を使用すると、一部のサンプルタイ
プではタンパク質の値がわずかに高くなる
• ケルダール法はサンプルサイズが大きいため、複雑なタイプのサンプルやタンパ
ク質濃縮が高いまたは低いサンプルに適している
• デュマ法の装置は、立ち上げに時間がかかるため、連続運転に適しているが、ケ
ルダール法は多目的で特殊な検査に適している
• ケルダール法は、EU における食品および飼料管理の公定法分析であり、依然と
して広く基準法とされている
文献を読む
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デュマ法とケルダール法の比較
デュマ法のまとめ ケルダール法のまとめ
• タンパク質検査で王座を狙っ • 2009年、欧州委員会は、食品お
ている。 飼料や穀物サンプル よび飼料管理の公式方法とし
で人気が高く、基準としての採 てケルダール法を承認した
用が増えている • 有機窒素とアンモニアに基づ
• 無機質部分を含む全窒素を測 いて窒素を測定する
定する • 湿式化学の技法は、1883年に
• 1883年にジャン・バプティスト・ カールスバーグ研究所でヨハ
デュマによって発明された燃 ン・ケルダールによって発明さ
焼法は、発熱反応によって有機 れました。現代のケルダール法
物を瞬時にその元素に変換す は、バッチ処理用に進化してい
るもので、化学物質は含まれな るため、一度に 20 サンプルを
い 扱うことが可能です。
• 一度に最大 117 サンプルのバ • サンプルサイズに制限がない
ッチを扱える高度に自動化さ ため、土壌などの複雑なサンプ
れた分析で迅速かつ便利 ルタイプに適している
• 使用される燃焼方法によってサ
ンプルサイズが制限される
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3. デュマ法とサンプルサイズの議
論
これまでのデュマ法は、サンプルサイズが 500 mg~ 1g の間で行われてきました。
デュマ法の自動技術が開発されたことにより、サンプルサイズは最大 900 mg まで
対応可能となり、結果までの時間が短縮されると共に、ガス消費量も削減できるよ
うになりました。
この開発では、すべての結果として得られるガスを測定するという画期的な技術機
能が採用されています。 この技術は、第1章の動作原理に記載されています。また、
下のリンクから技術記事もご覧ください。
技術記事では、世界穀物ネットワーク (WGN) のリングテストのサンプルを用いた
内部調査のデータに基づいてサンプルサイズが違っても測定結果にはごくわずか
な違いしかないことを示す研究データが記載されています。 基準データは、30 以
上のリファレンス ラボラトリーから提供された分析結果に基づいています。
FOSS 世界穀物ネットワーク リングテストと比較して行われた研究によって、穀物サ
ンプルは優れた反復性および正確性のあるマイクロサンプル重量で測定すること
ができることがわかりました。 これにより、サンプル量に関する懸念はなくなります。
さらに、効果的なサンプル前処理ソリューションにより、肉などの非常に不均質なサ
ンプルタイプでも、小さなサンプルサイズで分析することができるようになりました。
文献を読む
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4. 接続型デュマ法の価値
接続性は、最新の分析ソリューションの重要なメリットであり、結果データへの自由
なアクセスと共有を可能にします。 例えば、ラボラトリー全体の品質管理と基準試
験データの生成を促進します。
この動画は、燃焼法(窒素/タンパク)分析機器をネットワークに接続し、どこからで
もデータにアクセスして管理する方法について説明します。 時間を短縮できるだけ
ではなく、手作業によるデータ入力を原因とした入力ミスのリスクを回避できます。
ビデオを観る
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5. デュマ法の認証とサンプルタイ
プ
ケルダール法は、依然として粗タンパク質/タンパク質分画の公定法分析と見なさ
れています。例えば、欧州委員会は、ケルダール法を公的規制のコミュニティ方法と
して認定しました (EC No 152/2009)。
それにもかかわらず、デュマ法には、直接的なデュマ基準分析において多くの産
業や商業研究所での適用を可能にする幅広い標準と分析規制があります。 さら
に、NIR や FITR などの直接メソッドのキャリブレーションにも適しています。 例え
ば、フォスのデュマテック 8000 システムは、AOAC、AACC、ASBC、OIV など公式に
承認された方法を遵守しています。
デュマ法の公式承認方法と使用できるサンプルタイプの
一覧
• ISO 16634-1:2008 食品、 第1部:脂肪種子と 飼料
• ISO/TS 16634-2:2009 食品、 第2部:シリアル、穀物、
粉砕シリアル
• ISO 14891:2008 牛乳および乳製品
(IDF 185:2008)
• AACC Method 46.30 動物飼料、穀類、油料種子
• ICC Standard No. 167 食品および飼料の穀類および
穀物製品
• AOAC 990.03 動物飼料
• AOAC 992.23 穀粒および油料種子
• AOAC 997.09 ビール、麦汁、醸造穀類
• AOCS Ba 4e-93 動物飼料、油料種子ミール、油料種子
• AOCS Ba 4f-00 大豆ミール
• OIV-MA-AS323-02A マストとワイン
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6. 事例
デュマ法の高スループット測定
サンプルを投入するだけで、最新のデュマ法では、自動化機能が独自に提供されま
す。
このビデオの事例では、機器が作動中はラボ職員が他の作業を行えることがわか
り、機器を導入するメリットは明白です。 バッチ検査にサンプルを投入しておけば、
ラボ職員は他の作業に集中できます。
同時に、機器をネットワークに接続することが可能です。 これにより、測定データの
共有やリモートアクセス、さらにはリモートサポートの対応が可能となり、高効率な
サービスを提供できます。
ビデオを観る
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7. デュマ法ソリューション
Dumatec™ 8000
Dumatec™ 8000 は、多忙なラボに 1 サンプルあたり 3 分、低コストで信頼性の高
いタンパク質測定結果を提供します。
燃焼で得られたすべてのガスから瞬時に、信頼性の高い結果をたった3~5分以内
に提供します。 さらに、デュマテックは30分で立ち上がるため、革新的な設計によっ
て高い稼働時間と少ないキャリブレーション時間を実現します。 デュマテックは、非
常に信頼性が高く、すべてのキャリブレーション範囲での精度を確保します。
オートサンプラーは最大117サンプルを扱うことができるため、オペレータの作業時
間は低くなり、手間が軽減されます。デュマテックが測定中はオペレータが他の作
業に費やす時間が増え、ラボの運用効率が格段に改善されます。
Dumatec™ 8000 は、運用コストが低いこともメリットの1つです。 ヘリウムと酸素
の消費量は非常に低く、 ガスの消費量を制限することで、消耗品の使用も最適化
される設計になっています。
独特な3段階式水除去システムでガスから水を取り除くことで、液体サンプルを正
確に分析することが可能です。
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デュマテックは、フォスの新しいデジタルサービス FossManagerTM と接続できます。
ラボ管理または品質管理マネージャがリモートで機器にアクセスして測定結果や
機器の設定を見ることができます。 この新しいサービスを採用することにより、ラボ
ではラボ全体ですべての機器が標準の操作手順を順守していることを確認できま
す。 さらに、ラボでは、データ検査における品質管理をリモートで行うこともできま
す。
FossManager は、設定および測定結果を自動バックアップしてデータを保護し、監
査の追跡およびトレーサビリティを改善します。 また、このサービスを採用すること
で、データの損失もなくなります。
詳しくはこちら
サンプルタイプ
食品、動物飼料など、液体、
固体のサンプル
測定成分
窒素/タンパク質
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