1/16ページ
ダウンロード(1.1Mb)
CO₂インキュベーター、安全キャビネットなどの小型装置内からパスルーム、クリーンルームなどの部屋除染に至るまで過酸化水素ガスを使った空間除染システムの紹介です。
このカタログについて
ドキュメント名 | 過酸化水素ガス除染システム |
---|---|
ドキュメント種別 | 製品カタログ |
ファイルサイズ | 1.1Mb |
登録カテゴリ | |
取り扱い企業 | 株式会社オプティマ (この企業の取り扱いカタログ一覧) |
この企業の関連カタログ
このカタログの内容
Page1
過酸化水素ガス除染について
Page2
除染について
除染は、化学薬剤を気化又は噴霧させるなどで除染を行い、無
菌医薬品の製造工程で用いるアイソレーター、RABS (Restricted Access
Barrier System)や清浄区域又は無菌操作区域の空間や作業室を含む構造
設備に生存する微生物をあらかじめ指定された菌数レベルまで減
少させるのに用いられる。除染を無菌医薬品の製造における構造
設備に適用する場合は、除染剤及び除染条件の有効性に関するバ
リデーションを実施すると共に、作業者の安全性を確保すること。
2
Page3
除染化学薬剤について
ホルムアルデヒドによる除染から過酸化水素による除染へ
無菌製剤施設およびウイルス・遺伝子組み換えDNA実験施設、動物実験施設等では、以前よりホルムアルデ
ヒドを噴霧する除染が行われてきました。
しかし、ホルムアルデヒドは発がん性等、人体へ悪影響を及ぼすため、規制が強化され敬遠されつつあります。
このため、代替薬剤の一つとして、過酸化水素が使われるようになってきました。
なぜ、過酸化水素なのか?
過酸化水素は細菌などの微生物に接触することで、瞬間的に非常に強い酸化力を持つ『ヒドロキシラジカル
(・OH)<オー・エイチ基>』を発生し、その作用により、微生物を不活性化(つまり殺滅)します。
3
Page4
過酸化水素ガス除染による微生物不活性化
2008年の労働安全衛生法改正により、今まで滅菌や殺菌で一般的に使用されていた、「ホルムアルデヒ
ド」の規制が厳しくなりました。
4
Page5
環境にやさしい過酸化水素ガス除染
安全性が優れた過酸化水素を用いた除染
5
Page6
除染化学薬剤の種類
ホルムアルデヒドに代わる除染剤を比較したものです。過酸化水素は他の薬剤より比較的安全
で取扱いやすく実績もあります。
項目 過酸化水素 オゾン 二酸化塩素 過酢酸系除菌剤 ホルムアルデヒド
安全性 ◎ X X △ X
発がん性 なし なし データなし データなし あり
許容濃度 1ppm 0.1ppm 0.1ppm 設定なし 0.1ppm
殺菌メカ
酸化分解 酸化分解 酸化分解 酸化分解 タンパク質変性
ニズム
残留性 なし なし あり あり あり
臭気 無臭 オゾン臭 刺激臭 強い刺激臭 刺激臭
塩化物 酢酸が生成 吸着性が高い
生成物 水と酸素 酸素
ステンレスへの影響 液中の安定剤析出 ギ酸・凝結物残留
6
Page7
過酸化水素除染メカニズム(ドライタイプ)
除染
過酸化水素ガス濃度推移
低速投入
除染
高速投入
除染スタート
7
Page8
ドライタイプ
除染時間
腐食性が 結露なし バリデー
短い ションが
少ない 容易
当社は、高濃度過酸化水素を使
用してドライタイプを採用して
おります。
8
Page9
過酸化水素除染メカニズム(ウェットタイプ)
除染
H2O2濃度 過酸化水素ガス濃度の推移
結露発生
結露が発生すると過酸化水
素ガス濃度が下がる
。
滅除菌染
除染スタート Dry Air循環開始
時間
9
Page10
高濃度過酸化水素水による除染
➢ 35%溶液から水分を取り除き高濃度化(市販品50%又は60%を使用)
➢ 高濃度過酸化水素水をガス化し、水分に影響されにくい除染
➢ 高濃度ガス発生による短時間除染が可能
一般的な30-35%過酸化水素による除染
✓ 含まれる水分量が多く、空間内湿度が上がりやすい。
✓ 水分値(湿度)が高いと過酸化水素ガス濃度が上がらない。
✓ 容易に飽和状態となり凝縮(結露)する。
✓ 結露すると排気処理に時間が掛かる。
10
Page11
高濃度過酸化水素ガス除染の濃度
11
Page12
高濃度過酸化水素ガス除染の耐蝕性(金属)
過酸化水素水濃度 (wt%) 3 5 30 90
備 考
温度条件 (℃) RT 50 RT RT
軟鋼 ○ ○ × -
SUS304 ○ ○ ○ ◎
SUS316 ○ ○ ○ ◎
モネル ○ ○ - ◎
インコネル ○ ○ ○ ○
チタン ◎ ◎ ◎ ×
アルミ(未処理) △ △ × ×
アルミ(アルマイト) ◎ ◎ ◎ ◎
銅 × × × ×
12
Page13
高濃度過酸化水素ガス除染の耐蝕性(樹脂)
過酸化水素水濃度 (wt%) 3 5 30 90
備 考
温度条件 (℃) RT 50 RT RT
軟質塩化ビニル (PVC) - - ○ ○
硬質塩化ビニル (PVC) - - ◎ ◎
ポリスチレン (PS) - - - -
ABS (ABS) - - △ △
ポリエチレン (PE) - - ◎ ◎
ポリプロピレン (PP) - - ○ ○
ナイロン (PA) - - - -
アセタール樹脂 (POM) - - - -
アクリル樹脂 (MA) - - - -
フッ素樹脂 テフロン (PTFE) - - ◎ ◎
ポリカーボネート (PC) - - ○ ○
メチルペンテン樹脂 (TPX) - - ◎ ◎
PET・PBT (PET) - - ○ ○ 13
Page14
高濃度過酸化水素ガス除染の耐蝕性(ゴム)
過酸化水素水濃度 (wt%) 3 5 30 90
備 考
温度条件 (℃) RT 50 RT RT
スチレンゴム (SBR) ○ × × ×
クロロプレンゴム (CR) ○ × × ×
ニトリルゴム (NBR) ○ × × ×
ブチルゴム (IIR) ○ ○ ○ ×
天然ゴム (NR) ◎ × × ×
シリコンゴム (Q) ◎ ◎ ◎ ○
クロロスルホン化ポリエチレンゴム (CSM) ◎ - - -
フッ素ゴム (FKM) ◎ ◎ ◎ ◎
エチレンプロピレンゴム (EPM) ◎ ○ △ -
ウレタンゴム (U) - - - -
アクリルゴム (ACM) × - - -
フロロシリコンゴム (FVMQ) ◎ - - - 14
Page15
過酸化水素ガス除染時間
ホルムアルデヒド
高濃度過酸化水素
除 ガ 循 エ 除
ス 環 ア 染
湿 発 レ 終
ワンプッシュで 生 | 了 除染終了後は残留物無
自動除染開始 シ
ョ いので直ぐ入室可能
ン
除染時間はホルムアルデヒド薫徐の1/5~1/10の時間
15
Page16
高濃度過酸化水素ガス除染のバリデーション
装置の書類の承認
装置の工場立会試験(FAT)
出荷前検査
据付時適格性確認(IQ)
各部品のキャリブレーション検査
稼動性能適格性確認(OQ)
サイクル開発
稼動時適格性確認(PQ)
16