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アプリケーションノート 迅速で自動化されたat-line AAV2ウイルスの定量測定

ハンドブック

遺伝子治療におけるバイオプロセシングを促進する 迅速で自動化されたat-line AAV2ウイルスの定量測定

遺伝子組み換えアデノ随伴ウイルス (rAAV) は、増えている臨床試験数とその有望な結果によって示されるように、遺伝性疾患に対する遺伝子治療の分野で最も有望なウイルスベクターの1つです。 既に欧州のGlybera (uniQure) と米国のLuxturna (SparkTherapeutics) によって2つの製品が上市されています。 それでもAAVのバイオプロセスと製造における分析方法はまだ開発の初期段階にあり、継続的な強化を必要としています。

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ドキュメント名 アプリケーションノート 迅速で自動化されたat-line AAV2ウイルスの定量測定
ドキュメント種別 ハンドブック
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このカタログの内容

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APPLICATION NOTE 30 遺伝子治療におけるバイオプロセシングを促進する 迅速で自動化されたat-line AAV2ウイルスの定量測定 Hongshan Li, ForteBio, Fremont, CA Terese Joseph, Benedict Kang, Amanda Rose, Kurt Boenning and Todd Sanderson, Pall Corporation, MA イントロダクション Octetの定量アッセイもはるかに高速です。96ウェルプレートの定 量測定は、機器のモデルによりますが5分~60分で測定できます。 遺伝子組み換えアデノ随伴ウイルス (rAAV) は、増えている臨床 試験数とその有望な結果によって示されるように、遺伝性疾患に Octetシステムは生物学的製剤のR&Dのさまざまな段階でタンパ 対する遺伝子治療の分野で最も有望なウイルスベクターの1つで ク質の特性評価に日常的に使用され、薬物とターゲットの相互作 す。 既に欧州のGlybera (uniQure) と米国のLuxturna (Spark 用における結合親和性や速度論解析、およびバイオプロセスサン Therapeutics) によって2つの製品が上市されています。 それでも プルのタンパク質濃度の測定などに使用されています。タンパク質 AAVのバイオプロセスと製造における分析方法はまだ開発の初 製剤の定量に使用されているのと同じ原理がAAVウイルス粒子の 期段階にあり、継続的な強化を必要としています (Ref.1) 。 分析にも適用されます。Octetプラットフォームは、シンプルなDip and Read™アプローチを使用して、96および384ウェルマイクロプ AAVウイルス粒子を定量化するための迅速かつat-lineで正確な レートに分注されたサンプルを迅速に分析します。サンプル中の標 メソッドは、遺伝子治療のバイオプロセッシングに不可欠です。 的ウイルス粒子の濃度は、直接結合アッセイによって決定されま キャプシド力価は一般的にELISAで測定されますが、空のキャプ す。リガンドと呼ばれる捕捉分子でコーティングされたバイオセン シド力価と完全なキャプシド力価の区別、および比率は超遠心分 サーは、結合相互作用を測定するために高度に並列で、かつ自 析 (AUC) で取得され、ウイルスゲノム力価はddPCR測定されます 動で、検体を含む溶液に浸されます。典型的な定量分析では、濃 (Ref.2) 。 現在用いられているこれらの手法は一般的に時間がか 度既知の検体を使用して標準曲線が作成され、未知サンプルの濃 かり、多くの人手を要します。そのためバイオプロセスの開発や 度が標準曲線から補間されます。濃度は結合の初期勾配に基づく 製造をモニタリングするために必要な、at-lineで迅速なウイルス力 相互作用の初期結合率から、または結合が平衡に達する点から計 価の測定には実用的ではありません。本資料では、ForteBioの 算可能です。 OctetプラットフォームにおけるAAV2の迅速でハイスループットな キャプシドアッセイの開発について報告します。これは、バイオプ このアプリケーションノートでは、AAV2ウイルス粒子を定量化する ロセス環境でウイルス力価のat-lineの一般的なアッセイ方法として ためのアッセイの開発について説明します。このアッセイは、ストレ 用いられているELISAやddPCRと比較して、優れた精度と信頼性 プトアビジンバイオセンサーに固定化されたヘパリンを使用して を示しています。 AAV2ウイルスを捕捉することにより実現されました。私たちはワー キングアッセイを使用して、精製されたAAV2粒子だけでなく複雑 なバイオプロセスマトリックスにおいても、ダイナミックレンジが Octetシステムとバイオレイヤー干渉法 4.15x108 –2.66x1010 gc/mL (ゲノムコピー/mL) で定量化できる Octet®システムによる濃度測定の原理は、ELISAなどの確立され ことを示します。使用するOctet機器に応じて、定量アッセイは30 たイムノアッセイと同様です。 しかしながらOctetプラットフォームの 分未満で完了することができ、ELISAおよびddPCRベースの方法 定量プロトコルはいくつかのメリットを提供します。Octetは溶液中 と比較して、アッセイのタイムラインを大幅に加速させることができ の検体がバイオセンサー表面へ結合するのをリアルタイムで測定 ます。Octetアッセイは適切なキャプチャー分子を使用し、ここで します。ラベル化、二次バインダー、その他の検出試薬は必要あり 説明するアッセイ開発ステップに従うことで、任意のAAV血清型に ません。この相互作用リアルタイムモニタリング機能により、特異的 拡張できます。 および非特異的結合の明確な識別が可能になり、アッセイ開発時 間を劇的に短縮できます。 1
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SAX Biotinylated Biocytin Virus biosensor heparin quenching binding 図1: Octet AAV2アッセイのワークフロー。 アッセイの方法は、適切なビオチン化捕捉分子を使用して、本資料に記載され ているステップに従うことで、任意のAAV血清型に拡張することができます。 メソッド また、アッセイのパフォーマンスに最適化された次の条件を評価 および決定しました。 ForteBioのOctet AAV2ウイルスアッセイは、クルードライセートお よび細胞培養上清中のAAV2ウイルス濃度をモニタリングするため • サンプル準備の前に、すべての試薬とサンプルを室温に完全に に設計されています (図1) 。 ForteBioが提供するHigh Precision 戻します。 凍結サンプルは完全に解凍し、使用前に十分に混 Streptavidinバイオセンサー (SAX) は、始めにビオチン化ヘパリ ぜます。 ンでコーティングされ、次にビオシチンでブロックされます。 ヘパリ • バイオセンサーは使用前に最低10分間1x PBSで水和します。 ンでコーティングされたバイオセンサーはあらかじめForteBioの • 私たちForteBioは30°Cでアッセイを実行することをお勧めしま バッチバイオセンサー準備プロトコルを使用してバッチで準備する す。異なる温度で測定すると、このプロトコルで説明されている ことができます。 アッセイ時間の変更が必要になる場合があります。サンプルプ レート温度を設定するには、Octet System Data Acquisitionソフ 必要な備品・試薬 トウェアで [File] > [Experiment] > [Set Plate Temperature]を選 択し、目的の温度を入力します。 • Octet Data AcquisitionおよびData Analysisソフトウェアを備え たOctetシステム (バージョン11.1以降) • 回転数とアッセイ時間は、AAV血清型に応じて最適化する必要 があります。 AAV2の場合、400 RPMの回転数が選択され、アッ • High Precision Streptavidin (SAX) バイオセンサー (ForteBio: セイに使用されました。 18-5117) • サンプルプレート:96ウェル/黒/平底/ポリプロピレン製マイクロ • 実験ウィザードでBasic Kineticsを設定します。 プレート (Greiner Bio-One: 655209, Octet RED96eシ SAXバイオセンサー上へのビオチン化ヘパリンの固定化量は、さ ステム用) および384ウェル傾斜 (ForteBio: 18-5080) または384 まざまな濃度のビオチン化ヘパリンを使用したスカウティング実 ウェル平底の黒/ポリプロピレン製マイクロプレート 験で最適化する必要があります (図 2) 。 AAV2の場合、25 μg/ • 1x PBS、ダルベッコリン酸緩衝生理食塩水 (Sigma: D8662) mLのビオチン化ヘパリンを使用して、5分間のインキュベーション • ステップでリガンド固定化シグナルの飽和を達成しました。バイオ ビオチン-ヘパリン (Creative PEGWorks HP-207) センサーを使用してAAV2を検出する前に、PBSで調製した25 • EZ-Linkビオシチン (Thermo Scientific: 28022) μg/ mLのビオシチンを使用した30秒間のクエンチングステップ • 精製AAV2ウイルスのストック が続きます。クエンチングステップは非特異的結合 (NSB) の防止 • sample diluentバッファー (ForteBio: 18-1104) に重要です。 またはユーザーで選択したバッファー。最もよいパフォーマン スを得るためには、バッファーでサンプルを1:100に希釈するこ 0.60 とをお勧めします。 0.50 AAV2アッセイの開発と最適化 0.40 実用的なアッセイを開発する最初のステップは、リガンドとしての 0.30 この手順書に記載されている捕獲分子の決定です。リガンドは対 象の抗原に特異的に結合し、かつ最適な固定化濃度に調整され る必要があります。Octet AAV2アッセイのリガンドを選択する際 0.20 100 µg/mL 25 µg/mL に、我々はさまざまなリガンドのビオチン化バージョンと抗AAV抗 12.5 µg/mL 体をAAV2陽性対照サンプルに対してスクリーニングしました 6.25 µg/mL 0.10 0 µg/mL (データは示していません)。スクリーニング実験から、AAV2検出 感度と定量ダイナミックレンジのパフォーマンスが優れていたた 0 め、バイオセンサーに固定化するリガンドとしてビオチン-ヘパリン -0.05 を選択しました。 0 100 150 200 250 300 350 400 Time (sec) 図2: ビオチン-ヘパリン固定化濃度スカウティングアッセイ 2 Binding (nm)
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AAV2標準曲線の準備 AAV2標準曲線は、濃度既知の精製AAV2を使用して作成されま す。精製されたAAV2の一連の標準希釈液は、ダイナミックレンジ 決定のための実験に使用されます。ストック溶液を適量のサンプル 希釈液で希釈して、各濃度の標準サンプル1 mLを準備します。 標 準サンプル濃度は、作成したい標準曲線の範囲を反映するように 調整します。典型的なプレートマップを図3に示し、図4および5は、 ダイナミックレンジとアッセイワークフローデザインを決定するため に、推奨されるキャリブレーターサンプルの希釈を示しています。 図3: 標準サンプルを含むプレートマップ。 サンプルウェルはピンク色で表示さ れています (B: バッファー、L: 固定化サンプル、Q: クエンチ)。 図4: AAV2ウイルス定量実験の設定。 図は既知サンプルのプレートマップと濃度を示しています。 図5: AAV2ウイルス定量実験用に設定されたOctetソフトウェア。 図はプレートの設計とアッセイステップのシーケンスとパラメーターを示しています。 3
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AAV2ウイルスの結合と標準曲線の生成 表1に、最高2.66x1010 gc/mLまでの精度でAAV2ウイルス定量 アッセイ例を示します。標準曲線は、未知サンプルの範囲をカバー 記述されたアッセイセットアップと標準のバイオセンサー水和プロト する必要があります。最も正確な結果を得るには、1つの標準サン コル(アッセイバッファーで10分間水和)を使用して、AAV2ウイル プルがアッセイで検出された定量範囲を超えている必要がありま ス結合アッセイを回転数400RPMで実行します。各ステップのアッ す。 このAAV2の例では、最高の精度と正確性を実現するための セイ時間を図4に示します。ゼロgc/mL(サンプル希釈バッファー 推奨範囲は4.15x108 – 2.66x1010 gc/mLです。一部のAAVウ のみ)のサンプルウェルをネガティブコントロールとして使用しま イルス血清型はダイナミックレンジが制限されている場合があります す。キャリブレータまたはテストサンプルの結合生データを図6に示 が、より広いダイナミックレンジが適切な場合もあります。ダイナミッ します。 クレンジは、AAV2ウイルスサンプルの性質によっても影響を受ける 場合があります。一般に実際のダイナミックレンジは対象のウイルス 図6のウイルスキャプチャーステップは、ForteBioデータアナリシス によって異なります。 ソフトウェアを使用して分析され、図7に示すように検量線が生成さ れます。分析ソフトウェアは、確定された検量線を使用してテストサ ンプル濃度を生成します。 All steps aligned by step association (biosensor location) Loading Quenching Virus capturing Virus capturing 1.0 1.0 0.8 0.6 0.8 0.4 0.6 0.2 0 0.4 -0.2 -0.4 0.2 -0.6 -0.8 0 0 200 400 600 800 1000 1200 1400 1600 1800 1000 1200 1400 1600 1800 Time (sec) Time (sec) 図6: SAXバイオセンサーでのAAV2検出の全体の結合センサーグラム:SAXバイオセンサーは、最初にビオチン化ヘパリンで固定化され、ビオシチンでクエンチされ、さまざまな濃 度のAAV2サンプルと結合しました。Octetアッセイは30分以内に完了します。 0.9 Known conc. Conc. avg (*108 Sample ID (*108 gc/mL) gc/mL) Conc. CV (n=2) Standard 1 266 206.5 0.8 0.7 Standard 2 133 133.1 1.7 Standard 3 66.5 71.4 1.1 0.5 Standard 4 33.2 30.5 8.7 Standard 5 16.6 17.6 3.3 Standard 6 8.3 8.4 9.5 0.3 Standard Fitting Curve Standard 7 4.3 4.3 5.4 Unknown & Control Neg Control 0 0 0 0.1 表1: クアドルプリケート作成したキャリブレーター (4.15x108 – 2.66x1010 gc/mL) から 0 計算された平均濃度、%CVを示しています。 0 50 100 150 200 250 300 Concentration (µg/mL) 図7: AAV2 検量線 4 Binding Rate Binding (nm) Binding (nm)
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また、各標準サンプルのポイント間に十分な分離があること、およ Calculated びそれらが重複しないことを確認することも重要です。 Spiked conc. conc. Assay buffers (*108 gc/mL) (*108 gc/mL) Recovery (%) Note: 定量したい未知のウイルスサンプルがバイオリアクター Sample diluent Assay buffers 99.1 99.1 AAV2ウイルスであり、バイオリアクターの実行全体を通じてメディ TE 0.1% pluronic 100 104.6 104.6 アマトリックスが変化している場合(たとえば、培地補充を行ったな Medium 100 103.6 103.6 ど)、サンプルを1:100に希釈してマトリックスの干渉を排除しま Lysis buffer 100 92.7 92.7 す。 Sample diluent 50 49.9 99.8 TE 0.1% pluronic 50 51.7 103.4 データ分析 Medium 50 51.5 103.0 1 Octet Data Analysisソフトウェアを開きます。 Data Lysis buffer 50 47 94.0 Selection/Sensor-Assayから列を選択し、Processingをクリッ Sample diluent 25 23.2 92.8 クします。 associationステップをクリックし、[Quantitate TE 0.1% pluronic 25 29 116.0 Selected Step]を選択します。次に、ポップアップウィンドウで Medium 25 22.3 89.2 [Yes]をクリックすると、定量ウィンドウが表示されます。結果をク Lysis buffer 25 25.4 101.6 リックし、標準曲線方程式に[4PLweighted (Y2)]を選択します。 Sample diluent 12.5 11.9 95.2 結合率方程式に[R equilibrium]を使用し、[Calculate Binding TE 0.1% pluronic 12.5 14.1 112.8 Rate!]を押します。最後にレポートを保存します。 Medium 12.5 10.6 84.8 2 データテーブルをMicrosoft®Excel®にコピーし、キャリブレー Lysis buffer 12.5 13.8 110.4 タ計算の%CVを決定します。 %CV =(標準偏差/平均)* Sample diluent 6.25 6.41 102.6 100。 CVはアッセイのセットアップ中にレプリケートグループの TE 0.1% pluronic 6.25 6.12 97.9 情報が入力されたときに、データ分析ソフトウェアによって自動 的に計算することもできます。 Medium 6.25 4.83 77.3 Lysis Buffer 6.25 8.28 132.5 3 AAV2ウイルスアッセイのダイナミックレンジは、定量の%CVが Sample diluent 3.13 2.75 87.9 ≤10%である連続範囲に設定してください。 TE 0.1% pluronic 3.13 3.09 98.7 4 検量線を調べて、グラフ上の複製データポイントが重複し Medium 3.13 3.1 99.0 ていないことを確認します。データポイントの重複は、キャ Lysis buffer 3.13 4.72 150.8 リブレータが明確に区別できないことを示します。 表2: さまざまなマトリックスでのAAV2添加回収試験 5 前述した基準に従って、またはアッセイ基準に基づいてダイナ ミックレンジを選択します。最高の望ましい範囲で正しく定量す るために、次に高いデータポイントを検量線に追加します。 120 6 未知のAAV2ウイルスサンプルは、確立されたアッセイ範囲に希 100 釈する必要があります(図2を参照)。 80 添加回収試験 60 さまざまなマトリックスの効果をテストするために、AAV2サンプル をさまざまなバッファーで希釈しました。 対照試料は最初に異な るバッファーで1 : 5に希釈し、次に出発物質としてSample Diluent 40 Sample Diluent で1 : 20に再び希釈しました。 サンプル希釈バッファーを使用し TE 0.1% Pluronic て、添加および回収試験を実施しました。 6.25 x 108 gc/mL以 Medium 上、低いCV (<15%) で良好な回収率 (>90%) (表2) が異なるバッ 20 Lysis Buƒer ファーシステム全体で得られ、アッセイが異なるバイオプロセス バッファーシステムで適切に機能することを示しています (図8) 。 0 0 20 40 60 80 100 120 Spiked Conc. (*108 gc/mL) 図8: AAV2添加回収試験の比較 5 Recovered Conc. (*108 gc/mL)
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AAV2ウイルス定量の再現性評価 バイオプロセス最適化の主要なアプリケーションは、ウイルス精製 中の回収量のモニタリングです。Octetアッセイを使用してAAV2 再現性の評価のために、ろ過濃縮前 (サンプルA) と後 (サンプル の精製プロファイルを評価できるかどうかをテストするために、さ B) の2つのサンプルをn=2で分析しました。表3の結果は、R2値が まざまな精製ステップから7つの異なるサンプルをサンプル希釈 0.99で10%未満のCVで良好な一貫性を示しています。 液で100倍に希釈し、同一の測定条件で分析しました。図10は、 Octetアッセイ、ddPCR、ELISAの比較を図9に示します。データ さまざまなバイオプロセスサンプルを30分未満で同時に検出でき は、3つの技術間で非常に類似した結果を示しています。サンプル ることを示しています。このアッセイ時間は、バイオプロセスのat- A (ろ過濃縮前) とサンプルB (ろ過濃縮後) の両方につい lineモニタリング用にさらに最適化できます。 て、ddPCR、ELISA、およびOctet法を使用して同様の傾向が得ら れました。結果はさらに、濃縮によりAAVベクター力価が向上する ことを示しています。 Calc conc. Conc. Avg. conc. Sample Binding rate (*108 gc/mL) Dilution factor (*1012 gc/mL) (*1012 gc/mL) %CV S2-1 0.5554 41.0 200 0.82 0.88 9.64 S2-2 0.5928 47.0 200 0.94 S5-1 0.7609 82.7 200 1.65 1.75 7.69 S5-2 0.7942 92.3 200 1.84 表3: 異なるウイルス精製プロセスからの2つのサンプルをn=2で分析しました。 Comparison of AAV2 Quantitation Sample Quantitation 18 1800 16 1600 14 1400 12 1200 10 1000 8 800 6 600 4 400 2 200 0 0 ddPCR Octet ELISA S1 S2 S3 S4 S5 S6 S7 Before Enrichment After Enrichment Processed Samples 図9: ddPCR、ELISA、およびオクテットプラットフォームの比較 [ #/mL: gc/mL 図10: バイオプロセッシングサンプルのOctet AAV2力価測定。異なる精製ステップ (ddPCR and Octet) ; capsids/mL (ELISA) ]。 からサンプルを取得し、同時にアッセイしました。 6 #/mL gc/mL (*E8)
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ディスカッション References Octetシステムの操作手順はシンプルで簡単です。マイクロタイター 1 Downstream bioprocessing of AAV vectors: industrial challenges & プレートにサンプルを配置するDip and Read方式であるため、サン regulatory requirements, Hebben, M, Cell and Gene Therapy Insights, 2018, Mar 14, pp. 131-146. プルの精製が不要で、サンプルの前処理時間を大幅に節約できま 2 Accurate Quantification and Characterization of Adeno-Associated す。このテクノロジーは非常に用途が広く、複数のAAV血清型の特 Viral Vectors, Dobnik D et al., Microbiol. , 2019, 10:1570. doi: 10.3389/ 異的力価アッセイを設計するために広く使用できます。ここでは fmicb.2019.01570. Octetプラットフォームを使用して、高速、高スループットで堅牢な AAV2キャプシド定量法を開発しました。Octetアッセイによって測 定された力価は、ELISAおよびddPCRから得られた結果とよく相関 しています。Octetアッセイでは、約2-logのダイナミックレンジが得ら れました。このアッセイは、プロセス関連のサンプルを定量化できま す。ELISAでは約5時間、同数のサンプルではddPCRでは約8時間 と比較して、サンプルは1時間未満で定量できます。 Octet定量 アッセイは、バイオセンサーに適切な捕獲リガンドをコーティングす ることにより、様々なウイルス粒子の力価を測定するための堅牢な 分析方法です。私たちは迅速かつ簡単に測定できるウイルス力価 をat-lineで測定すると、バイオプロセスに関するほぼリアルタイムの フィードバックが可能になり、ウイルス製造に必要なリソースと時間 を大幅に節約できると考えています。 7
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ザルトリウス・ジャパン株式会社 〒140-0001 東京都品川区北品川1-8-11 www.fortebio.com Tel: 03-6478-5200 Fax: 03-6478-5494 E-mail: fortebiojp@sartorius.com © 2020 Sartorius BioAnalytical Instruments, Inc. All rights reserved. Fortebio and Octet are trademarks of Sartorius AG and/or any of its affiliated entities. Specifications subject to change without notice. For Research Use Only. FB_4019_J Rev B