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BLIテクノロジーは、現実世界の研究課題に取り組み、プロジェク トをより迅速に完了するために貢献します。
新型コロナウイルスCOVID-19は世界保健機関(WHO)によってパンデミックと宣言されました。 感染の拡大に伴い、世界中の研究者たちがワクチン開発の最初のステップとして、ウイルスの結合メカニズムを理解するために動き出しています。 以下ではこれらの結合メカニズムの洞察を与える最新の論文を2報紹介します。
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このカタログについて
ドキュメント名 | フライヤー COVID-19結合エピトープにおける最近の洞察 |
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ドキュメント種別 | 事例紹介 |
ファイルサイズ | 328.7Kb |
登録カテゴリ | |
取り扱い企業 | ザルトリウス・ジャパン株式会社 (この企業の取り扱いカタログ一覧) |
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このカタログの内容
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COVID-19結合エピトープにおける最近の洞察
新型コロナウイルスCOVID-19は世界保健機関(WHO)によってパ ケース 2
ンデミックと宣言されました。 感染の拡大に伴い、世界中の研究者
復旦大学と中国科学院の武漢ウイルス学研究所の科学者たちは、
たちがワクチン開発の最初のステップとして、ウイルスの結合メカニ
コロナウイルスに結合するSARS抗体を特定しました。Octet RED96
ズムを理解するために動き出しています。 以下ではこれらの結合メ
システムと適切なバイオセンサーを使用して、2019-nCoVに対する
カニズムの洞察を与える最新の論文を2報紹介します。
いくつかのSARS-CoV特異的中和抗体の結合親和性を迅速に決定
しました。 CR3022の結合エピトープは、10分ほどの短時間でクロス
ケース 1 競合試験を行うことで確認されました。
中国の研究者からウイルスのゲノム配列を受け取ってからわずか2
著者らは2019-nCoV RBDタンパク質を発現および精製し、構造を
週間後、テキサス大学オースティン校と国立衛生研究所(NIH)の
予測しました。次に、RBDを標的として、強力な中和活性を持ついく
チームは、ウイルスがヒト細胞に結合感染するタンパク質の三次元
つかのSARS-CoV特異的抗体を発現および精製しました。
原子スケールマップを作成し、決定的なブレイクスルーを成し遂げ
ました。論文はScience誌に掲載されました (References 1)。 ELISAとBLIによって、その中から一つのSARS-CoV特異的抗体
CR3022が2019-nCoV RBDと強力に結合することがわかりました。
バイオレイヤー干渉法(BLI)は極めて重要な役割を果たし、ウイル
CR3022は、速い結合(kon = 1.84×105 Ms-1)と遅い解離(koff =
スの結合メカニズムを迅速に決定することを可能にしました。この研
1.16×10-3 s-1)の結合速度を示し、KD = 6.3 nMでした。著者ら
究にはOctet RED96eシステムとAnti-Human Capture(AHC)バイ
はCR3022が治療薬候補に発展する可能性があると結論付けてい
オセンサーが使用されました。
ます (References 2)。
2つの実験が行われ、Fcタグ化2019-nCoV RBD-SD1およびACE2
を使用して、結合親和性が決定されました。SARS-CoV RBD特異 結論
性抗体S230、m396および80Rを使用して、交差反応性が確認され
ました。 ターゲット結合の特性評価は、分子の種類に関係なく、高親和性
で特異性の高い治療薬候補を選択するための重要な分析ステップ
著者らは、2019-nCoV RBDとSARS-CoV RBDの間の類似性が比 です。 速度論的解析は、親和性を構成する結合・解離ステップの
較的高いにもかかわらず、テストされた3つの抗SARS抗体のいずれ 詳細な情報を提供します。
についても2019-nCoV RBDへの結合が検出されないことを発見し
ました。これら3つの抗体のエピトープは、2019-nCoV RBD表面の BLIテクノロジーは、現実世界の研究課題に取り組み、プロジェク
トをより迅速に完了するために貢献します。
比較的小さな割合しか表していませんが、結合を示さないということ
は、SARS抗体と交差反応しない可能性があることを意味していま
す。したがって2019-nCoV Sタンパク質をプローブとして利用する References
治療デザインは有望であると考えられます。 1 Daniel Wrapp, Nianshuang Wang, Kizzmekia S. Corbett, Jory A. Goldsmith,
Ching-Lin Hsieh, Olubukola Abiona, Barney S. Graham, Jason S. McLellan,
SPRは同じ論文中で、ACE2が2019-nCoV Sに(KD = 14.7 nM)の Cryo-EM structure of the 2019-nCoV spike in the prefusion conformation,
親和性で結合したことを示しました。 BLIとSPRの両方で、新型コロ Science, 2020 Feb 19, pii: eabb2507, 10.1126/science.abb2507.
ナウイルスとヒト細胞のACE2親和性がSARSよりもはるかに高いこと
2
が示されました(KD = 325.8 nM)。 2019-nCoV Sの三次元原子立 Tian X, Li C, Huang A, Xia S, Lu S, Shi Z, Lu L, Jiang S, Yang Z, Wu Y, YingT.
Potent binding of 2019 novel coronavirus spike protein by a SARS corona-
体構造により、進行中の公衆衛生危機に対処するための医療対策 virus-specific human monoclonal antibody, Emerg Microbes Infect., 2020
の迅速な開発と評価が可能になるはずです。 Dec;9(1):382-385, doi: 10.1080/22221751.2020.1729069.
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