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端子台の規格について規格体系や概要、更には、これからの接続機器技術についてなどをまとめた資料です。
このカタログについて
ドキュメント名 | 端子台の規格動向と国際標準化 |
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ドキュメント種別 | ホワイトペーパー |
ファイルサイズ | 1.4Mb |
取り扱い企業 | 一般社団法人日本電気制御機器工業会 (この企業の取り扱いカタログ一覧) |
この企業の関連カタログ
このカタログの内容
Page1
端子台の規格動向と
国際標準化
1. 端⼦台と接続構造について
2. 端⼦台の規格体系
3. 端⼦台の規格の変遷
4. 端⼦台規格の国際標準化対応
5. 端⼦台規格の概要
6. これからの接続機器技術について
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1. 端⼦台と接続構造について
制御盤、配電盤をはじめとして、あらゆる産業分野の電気機械装置に必須の部品の⼀つが
「端⼦台」です。電線を接続・分岐・中継するには⽋かせない重要部品です。
⼀⼝に端⼦台といっても、⽤途に応じて様々な種類があります。以下に⽰す以外にも、
様々な機能を有する広い意味での端⼦台(ダイオードやバリスタ付等)も存在します。
①端⼦台
標準的な端⼦台
(ねじ式、ばねアップ式、ねじなし式等)
②断路端⼦台
負荷のない状態で断路する⽤途
の断路端⼦台
③アース端⼦台
銅導体と⽀持体(レール)とで、
電気的・機械的に接続するアース端⼦台
④ヒューズ端⼦台
ヒューズを保持する⽤途のヒューズ端⼦台
⑤プリント回路板(PCB)端⼦台
導体とプリント板との間を接続する⽤途の
プリント回路板端⼦台
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1. 端⼦台と接続構造について
⽤途とは別に端⼦台の重要な観点として、“接続構造”があります。接続が担保できないと
重⼤な事故・故障につながります。接続機器と⾔うように、端⼦台にとって、接続構造は
命でもあります。
①ねじ式
広い意味でのねじ締め⽅式です。標準的なねじだけでなく、スタッド式、クラン
プ式、押締式等があります。ここにはありませんが、作業の煩雑さを軽減したね
じアップ式もあります。
・ねじ ・スタッド ・クランプ ・押締
②ねじなし式
ねじなし式です。タブ、ラグ、ラッピング、ばね式等があります。
・タブ ・ラグ ・ラッピング ・ばね式
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2. 端⼦台の規格体系
端⼦台の規格は「低圧開閉装置及び制御装置」のIEC 60947-1のシリーズに属しています。
端⼦台にはIECだけで4つの規格があります。
IEC 60947-7-1は標準的な端⼦台の規格です。この規格は端⼦台シリーズの親規格となり
ます。他にアース端⼦台向けの規格(IEC 60947-7-2)、ヒューズ端⼦台向けの規格
(IEC 60947-7-3)、プリント回路板端⼦台向けの規格(IEC 60947-7-4)があります。
なお、これらのIEC規格に対して全てJIS規格が制定されています。⼀部差異はあるものの、
IEC規格と整合を図ることで、JIS規格準拠で性能上ほぼIEC規格に準拠することができま
す。製品の国際競争⼒強化にもつながります。
また、他の規格群として、海外には、欧州EN規格、⽶国UL規格、カナダCSA規格等が、
国内には、業界団体のNECA規格等があります。
低圧開閉装置及び制御装置
IEC 60947-1
Ed.5 2007/06
Amd.1 2010/12
Amd.2 2014/09
銅導体⽤端⼦台
IEC 60947-7-1 JIS C 8201-7-1制定 2010/05
Ed.3 2009/04 改正 2016/09
銅導体⽤保護導体端⼦台
IEC 60947-7-2 JIS C 8201-7-2制定 2012/07
Ed.3 2009/04
ヒューズ端⼦台に対する安全要求事項
IEC 60947-7-3 JIS C 8201-7-3制定 2019/03
Ed.2 2009/04
銅導体⽤プリント回路板端⼦台
IEC 60947-7-4 JIS C 8201-7-4制定 2020/03
Ed.2 2019/01
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3. 端⼦台の規格の変遷
従来、端⼦台の国内規格は、NECAが原案作成し1982年に制定したJIS C 2811でした。そ
の後、IEC 60947-7-1の制定に伴い、1995年に規格改正しています。しかしながら、グ
ローバル競争の激化により、JIS規格の国際規格との整合化の流れの中で、端⼦台の規格に
おいても、IEC 60947-7-1 の翻訳規格として、JIS C 8201-7-1を2010 年5 ⽉に制定し
ました。⼀⽅で、⼆重規格となる弊害を避けるため、JIS C 2811 はJIS C 8201-7-1 の制
定後1年6ヶ⽉の経過措置を経て、2011年12⽉に廃⽌されました。
なお、JIS C 2811にはIEC 60947-7-1に規定されていない事項も含まれていること、公共
建築⼯事標準仕様書等で引⽤されていること、また、過去に検討された技術や経緯を蓄積
しておくことも重要であることから、JIS C 2811については、技術的内容を変更すること
なく、NECA規格として2012年に制定しました。
改 翻
訂 訳
IEC規格 統 新しいJIS規格IEC 60947-7-1 JIS C 8201-7-1
合
改
訂
JIS C 2811はNECA
規格として存続
⽇本独⾃のJIS規格 NECA規格
JIS C 2811 NECA C 2811
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4. 端⼦台規格の国際標準化対応
JIS規格の国際標準との整合化に伴い、様々な点が変更になりました。
適⽤範囲として、旧JIS規格ではAC・DC600V以下でしたが、AC1000V以下DC1500V以
下に変更になりました。
また、ヒートサイクル試験の内容の変更、絶縁抵抗や振動・衝撃・環境試験関係の規定の
削除、ニードルフレームの規定が追加されました。
ねじなし端⼦台については、40℃を1分間保持し、20分で30℃以下に冷却し10分間保持
し、また20分で40℃まで上げる、というサイクルをNECA規格では200回、IEC規格では
192回繰り返し、緩みや破損がないことを確認することが規定されています。
ニードルフレーム試験は、炎を絶縁壁の45°下から10秒間当てて、燃焼時間を測定する試
験です。30秒未満で合格となります。
主な変更点
項⽬ NECA C 2811 JIS C 8201-7-1(旧JIS C 2811) (IEC 60947-7-1)
適⽤範囲 AC600V以下 AC1000V以下DC600V以下 DC1500V以下
絶縁抵抗 20MΩ 規定なし
ねじ締端⼦台
ヒートサイクル ねじなし端⼦台 ねじなし端⼦台だけ規定
共に規定
耐振動
耐衝撃
耐寒・耐熱 規定あり 規定なし
耐湿度
ニードルフレーム 規定なし 規定あり
※規格の内容に関しては、必ず現⾏規格でのご確認をお願いいたします
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5. 端⼦台規格の概要
-JIS C 8201-7-1(銅導体⽤端⼦台)-
標準的な端⼦台の規格であるJIS C 8201-7-1の試験項⽬について、機械的・電気的・熱
的の特性毎に試験があります。
端⼦台の特徴的な試験として、機械的特性については、レール等⽀持体への端⼦台の取付
け、締付具の機械的強度、導体の取付け等があります。電気的特性については、電圧降下
の検証や温度上昇試験について、端⼦台を5極並べて⾏うことが特徴的です。
試験項⽬
カテゴリ 試験項⽬
⽀持体への端⼦台の取付け(8.3.2)
締付具の機械的強度(8.3.3.1)
機械的特性(8.3) 締付具への導体の取付け(8.3.3.2、8.3.3.3)
定格断⾯積及び定格接続容量(8.3.3.4、8.3.3.5)
空間距離及び沿⾯距離の検証(8.4.2)
絶縁試験(8.4.3)
電圧降下の検証(8.4.4)
電気的特性(8.4)
温度上昇試験(8.4.5)
短時間耐電流試験(8.4.6)
ねじなし端⼦台のエージング試験(8.4.7)
熱的特性(8.5) ニードルフレーム試験(8.5)
※規格の内容に関しては、必ず現⾏規格でのご確認をお願いいたします
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5. 端⼦台規格の概要
-JIS C 8201-7-1(銅導体⽤端⼦台)-
国際標準化の対応として、IEC規格を踏まえたJIS規格を策定しましたが、完全⼀致という
わけではなく、国内の実情に合わせた対応をしています。
標準断⾯積について、IECでは、IEC 60228による導体断⾯積とAWG/kcmilで構成され
ていますが、我が国の使⽤実情に合わないため、JIS C 2811で⽤いていたJIS C 3307及
びJIS C 3316の導体断⾯積の追加や、JIS C 3307及びJIS C 3316には規定がないが、実
際に使われている“より線0.5㎜2”及び“単線0.5㎜”を追加しています。
温度上昇試験・短時間耐電流試験・ねじなし端⼦台のためのエージング試験では、IECで
は定格10㎜2 未満の電線は単線で⾏うとしていますが、単線接続を⽬的にしていない端⼦
台も多く存在しているため、より線の使⽤ができるようになっています。
IECとJISとの差
項⽬ IEC 60947-7-1 JIS C 8201-7-1
・IEC 60228の断⾯積
標準断⾯積 ・AWG/kcmil
以下を追加
・JIS C 3307/JIS C 3316の断⾯積
・“0.5㎜2”及び“0.5㎜”
温度上昇試験・ 定格10㎜2 未満は 以下を追加
短時間耐電流試験 単線で実施 ・端末処理したより線の使⽤可
ねじなし端⼦台 定格10㎜2 未満は より線の使⽤等を含め,製造業者が指
エージング試験 単線で実施 定する接続形態に従う
※規格の内容に関しては、必ず現⾏規格でのご確認をお願いいたします
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5. 端⼦台規格の概要
-JIS C 8201-7-1(銅導体⽤端⼦台)-
IEC 60947-7-1 は2009年に改正されました。その改正を踏まえ、JIS C 8201-7-1も、
2016年に改正しました。
主な改正内容として、以下が挙げられます。
1)端⼦台1極中に⻩⾊と緑を同時に使⽤してはならない(アース端⼦台との区別明確化)
2)断路端⼦台の評価試験(付属書D)の追加
JIS C 8201-7-1の改正
銅導体⽤端⼦台(⼀般⽤端⼦台)
JIS C 8201-7-1 2010年制定
銅導体⽤保護導体端⼦台(アース⽤端⼦台)
JIS C 8201-7-2 2012年制定 改正
端⼦台1極中に⻩⾊と緑を同時に使⽤する
改正点
1)端⼦台1極中に⻩⾊と緑を同時に
区別明確化 使⽤してはならない。
2)断路端⼦台の評価試験(付属書D)
IEC 60947-7-1:2009 MOD JIS C 8201-7-1
(改正) 2016年改正
対応国際規格
IEC規格の2009年改正が2010年制定
のJISに盛り込めなかったため、
その内容も盛り込み2016年に改正
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5. 端⼦台規格の概要
-JIS C 8201-7-2(銅導体⽤保護導体端⼦台)-
銅導体⽤保護導体端⼦台(アース端⼦台)の規格としては、JIS C 8201-7-2があります。
特徴としては、端⼦台の⾊が緑と⻩⾊に指定されています。
安全要求事項としては、絶縁距離の適⽤がなかったり、電圧降下・短時間耐電流試験の際
に端⼦間同⼠だけでなく、端⼦とレール間の、2経路の測定が必要です。
また、電圧降下試験で、鉄製⽀持具は測定箇所のめっきを取り除くことが求められていま
す。
銅導体⽤保護導体端⼦台
特徴︓端⼦台⾊指定(緑/⻩)
・空間距離・沿⾯距離が適⽤されない
安全要求事項 ・端⼦台⾊指定による明確な区別
・電圧降下試験の際に、めっき処理・2経路必要
・短時間耐電流試験の際に、2経路必要
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5. 端⼦台規格の概要
-JIS C 8201-7-2(銅導体⽤保護導体端⼦台)-
JIS C 8201-7-1と7-2の対⽐
カテゴリ JIS C 8201-7-1 JIS C 8201-7-2
⽀持体への端⼦台の取付け
(8.3.2) ⽀持体への端⼦台の取付け(8.3.2)
締付具の機械的強度(8.3.3.1) 締付具の機械的強度(8.3.3.1)
機械的
特性 締付具への導体の取付け(8.3.3.2、 締付具への導体の取付け(8.3.3.2、
8.3.3.3) 8.3.3.3)
定格断⾯積及び定格接続容量 定格断⾯積及び定格接続容量
(8.3.3.4、8.3.3.5) (8.3.3.4、8.3.3.5)
空間距離及び沿⾯距離の検証
(8.4.2) 規定なし
絶縁試験(8.4.3) 絶縁試験(8.4.3)
電気的 電圧降下の検証(8.4.4) 電圧降下の検証(8.4.4)
特性 温度上昇試験(8.4.5) 温度上昇試験(8.4.5)
短時間耐電流試験(8.4.6) 短時間耐電流試験(8.4.6)
ねじなし端⼦台のエージング試験 ねじなし端⼦台のエージング試験
(8.4.7) (8.4.7)
熱的特性 ニードルフレーム試験(8.5) ニードルフレーム試験(8.5)
JIS C 8201-7-2の特徴
項⽬ 内容
空間距離及び沿⾯距離(7.1.3) ・常に接地させておくため適⽤しない
保護導体端⼦台の識別及び表⽰
(7.1.4) ・保護導体端⼦台は,緑及び⻩⾊の2⾊
保護導体端⼦台取付けレール ・熱定格電流値を追加
(7.1.7) ・短時間耐電流値及び熱定格電流値を超えなければ保護導体ブスバーとして使⽤可能
・2経路の電圧降下試験を実施
電圧降下の検証(8.4.4) ・クロメート処理した鉄製の⽀持具の接触点近辺の
クロムめっきは接続前に取り除く
短時間耐電流(8.4.6) ・2経路で短時間耐電流試験を実施
※規格の内容に関しては、必ず現⾏規格でのご確認をお願いいたします
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5. 端⼦台規格の概要
-JIS C 8201-7-3(ヒューズ端⼦台に対する安全要求事項)-
ヒューズ端⼦台の規格としては、JIS C 8201-7-3があります。ヒューズホルダー、
ヒューズ台等とも呼ばれ、ヒューズと電線とを接続するための器具に対する規格です。
太陽光発電等で需要も増加しています。
この規格は管形ヒューズ⽤のヒューズ端⼦台を適⽤範囲としています。熱的要求が厳し
く、ヒューズとの相性確認が必要となっているのが特徴です。
安全要求事項として、充電部への指の接触防⽌、定格電⼒損失値の制限、通常使⽤条件
下で発⽣する熱に対する耐久性、ヒューズ端⼦台とヒューズの互換性、端⼦台とヒュー
ズキャリアとの結合強度、ダミーヒューズでの試験、ゲージサイズの設定等の多くの内
容が要求されています。
ヒューズ端⼦台
特徴︓特殊⽤途のため熱的要求が厳しく、ヒューズとの相性確認が必要
・充電部への指の接触防⽌
・定格電⼒損失値の制限
・通常使⽤条件下で発⽣する熱に対する耐久性
安全要求事項 ・ヒューズ端⼦台とヒューズリンクの互換性
・端⼦台ベースとヒューズキャリアとの結合強度
・ダミーヒューズでの試験
・ゲージサイズの設定
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5. 端⼦台規格の概要
-JIS C 8201-7-3(ヒューズ端⼦台に対する安全要求事項)-
JIS C 8201-7-1と7-3の対⽐
カテ
ゴリ JIS C 8201-7-1 JIS C 8201-7-3
⽀持体への端⼦台の取付け ⽀持体へのヒューズ端⼦台の取付け
(8.3.2) (8.3.2)
締付具の機械的強度(8.3.3.1) 締付具の機械的強度試験(8.3.3.1)
ヒューズ端⼦台における導体の偶発的な緩
締付具への導体の取付け み及び損傷に対する試験(ねん回試験)
機械 (8.3.3.2、8.3.3.3) (8.3.3.2)
的特 引張試験(8.3.3.3)
性 定格断⾯積及び定格接続容量 定格断⾯積と定格接続容量との検証
(8.3.3.4、8.3.3.5) (8.3.3.4)
- ヒューズ端⼦台と管形ヒューズリンクとの互換性(8.3.4)
- 端⼦台ベースとヒューズキャリアとの結合の機械的強度(8.3.5)
空間距離及び沿⾯距離の検証
(8.4.2) 空間距離及び沿⾯距離(7.1.3)
絶縁試験(8.4.3) 絶縁性能試験(8.4.3)
電気 電圧降下の検証(8.4.4) 接触抵抗(8.4.4)
的特
性 温度上昇試験(8.4.5) 締付具の温度上昇(8.4.5)
短時間耐電流試験(8.4.6) 規定なし
ねじなし端⼦台のエージング試験 エージング試験(ねじなし式ヒューズ端⼦
(8.4.7) 台だけに適⽤)(8.4.7)
- 定格電⼒損失(8.5.2)
熱的 - 耐久性(8.5.3)
特性
ニードルフレーム試験(8.5) ニードルフレーム(注射針バーナ)試験(8.5.4)
※規格の内容に関しては、必ず現⾏規格でのご確認をお願いいたします
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5. 端⼦台規格の概要
-JIS C 8201-7-3(ヒューズ端⼦台に対する安全要求事項)-
JIS C 8201-7-3の特徴
項⽬ 内容
定格電⼒損失値(4.2) ・過負荷保護及び短絡保護(Pv)・限定的な短絡保護(Pvk)
動作条件(7.1.8) ・充電部への指の接触防⽌
ヒューズ端⼦台と管形ヒューズ
リンクの互換性(8.3.4) ・ゲージによる確認
端⼦台ベースとヒューズキャリア ・ねじ式、ねじ式及びバヨネット式、プラグ式⼜
との結合の機械的強度(8.3.5) はヒンジ式、について規定
定格電⼒損失(8.5.2) ・ダミーヒューズでの試験
耐久性(8.5.3) ・通常使⽤条件下で発⽣する熱に対する耐久性
ゲージ(附属書A) ・ゲージサイズの設定
IECとJISとの差
管形ヒューズリンクに関するJIS C 6575-2には,国際規格にはない直径11㎜×全⻑
40㎜以下の管形ヒューズリンクが追加されているため、ゲージサイズの設定等におい
て、相当の管形ヒューズリンクの⼨法を追加しています。
項⽬ IEC 60947-7-3 JIS C 8201-7-3
管形ダミー 管形ヒューズリンク 以下を追加
ヒューズリン(表2) ・直径5㎜×全⻑20㎜ ・直径10.3㎜×全⻑38㎜
ゲージ(表A.1) ・直径6.3㎜×全⻑32㎜ (JIS C 6575-2記載の直径11㎜×全⻑40㎜以下)
※規格の内容に関しては、必ず現⾏規格でのご確認をお願いいたします
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5. 端⼦台規格の概要
-JIS C 8201-7-4(銅導体⽤プリント回路板端⼦台)-
プリント回路板と電線とを接続するための器具である銅導体⽤プリント回路板端⼦台
(PCB端⼦台)の規格としては、JIS C 8201-7-4があります。
特徴として、腐⾷や異常過熱及び炎への耐性確認が必要となっています。
安全要求事項として、プリント回路板への電気接続及び機械的固定の形式(圧⼊、ねじ
込み、はんだ付け)、グローワイヤ試験での検証、気候シーケンス及び腐⾷試験(混合
ガス流腐⾷試験⼜は⼆酸化硫⻩試験)、絶縁材料によって接触圧⼒を加えるPCB端⼦台
のエージング試験といった内容が規定されています。
銅導体⽤プリント回路板(PCB)端⼦台
特徴︓腐⾷や異常過熱及び炎への耐性確認が必要
・プリント回路板への電気接続及び機械的固定の形式
(圧⼊、ねじ込み、はんだ付け)
・グローワイヤ試験
安全要求事項 ・気候シーケンス及び腐⾷試験
(混合ガス流腐⾷試験⼜は⼆酸化硫⻩試験)
・絶縁材料によって接触圧⼒を加えるPCB端⼦台の
エージング試験
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5. 端⼦台規格の概要
-JIS C 8201-7-4(銅導体⽤プリント回路板端⼦台)-
JIS C 8201-7-1と7-4の対⽐
カテ
ゴリ JIS C 8201-7-1 JIS C 8201-7-4
⽀持体への端⼦台の取付け
(8.3.2) ⽀持体へのPCB端⼦台の取付け(9.3.2)
締付具の機械的強度(8.3.3.1) 規定なし
機械
的特 締付具への導体の取付け
性 (8.3.3.2、8.3.3.3)
規定なし
定格断⾯積及び定格接続容量 最⼤断⾯積及び接続容量の検証(9.3.4)
(8.3.3.4、8.3.3.5) 最⼤断⾯積の検証(ゲージによる特殊試験)(9.3.5)
空間距離及び沿⾯距離の検証
(8.4.2) 空間距離及び沿⾯距離の検証(9.4.2)
絶縁試験(8.4.3) 絶縁試験(9.4.3)
電圧降下の検証(8.4.4) 接触抵抗の検証(9.4.4)
温度上昇試験(8.4.5) 温度上昇試験(9.4.5)
電気
的特 短時間耐電流試験(8.4.6) 短時間耐電流試験(9.4.6)
性
気候シーケンス及び腐⾷試験(9.4.7.1)
ねじなし式PCB端⼦台のエージング試験
ねじなし端⼦台のエージング試験 (9.4.7.2)
(8.4.7) 絶縁材料によって接触圧⼒を加える
PCB端⼦台のエージング試験シーケンス
(9.4.7.3)
熱的
特性 ニードルフレーム試験(8.5) グローワイヤ試験(9.5)
※規格の内容に関しては、必ず現⾏規格でのご確認をお願いいたします
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5. 端⼦台規格の概要
-JIS C 8201-7-4(銅導体⽤プリント回路板端⼦台)-
JIS C 8201-7-4 の特徴
項⽬ 内容
・プリント回路板への電気接続及び機械的固定の形式
取付及び設置(8.1.2) ・圧⼊、ねじ込み、⼜ははんだ付けによる
異常過熱及び炎に対する耐性
(8.1.5) ・グローワイヤ試験で検証
・気候シーケンス及び腐⾷試験
接触抵抗⇒低温保存試験⇒⾼温試験⇒
エージング試験(8.2.5) 混合ガス流腐⾷試験⼜は⼆酸化硫⻩試験⇒
接触抵抗
・絶縁材料によって接触圧⼒を加えるPCB端⼦台の
エージング試験シーケンス
⼤電流⽤プリント回路板
及びPCB端⼦台の例 ・接続⽅法について規定
(附属書C)
※規格の内容に関しては、必ず現⾏規格でのご確認をお願いいたします
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6. これからの接続機器技術について
ねじなし式は昨今のトレンドではありますが、しかしながら、省⼯数が全てというわ
けではありません。安全性・信頼性を重要視する分野においては、過去の実績を踏ま
え、ねじ式が求められるところも多くあります。ねじなし式の適⽤拡⼤は進むかもし
れませんが、ねじ式端⼦台はなくなりません。
特徴としては、汎⽤性、コストパフォーマンス、⼤電流、全市場に⻑年の実績がある
といった点です。
メリットのある分野としては、電⼒・インフラ・プラントといった実績が重視される
分野です。従来技術の延⻑ではありますが、⼀定の市場規模は今後も⾒込まれると想
定されます。
課題︓新技術の導⼊と、産業技術伝承の両⽴
ねじ式端⼦台
特⻑︓汎⽤性、コストパフォーマンス、⼤電流可、全市場に⻑年の実績
あり
メリットを⽣かせる分野例 製品例
⽕⼒発電 公共インフラ ⼤電流⽤端⼦台 ⼤型分岐端⼦台
化学プラント 分電盤・配電盤
アルミ電線⽤端⼦台
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6. これからの接続機器技術について
近年の⼈⼿不⾜といったキーワードを背景に、作業の効率化を進めるべく、昨今ねじ
なし端⼦台が着⽬されています。省スペース、省⼯数、耐振動性、技術不要、素早い
習熟といった点が特徴です。
メリットのある分野としては、耐振動性が求められる鉄道分野等、またその他の観点
での⼀般的な産業分野等が挙げられます。
製品例としては、プッシュインタイプのような⼯具・技術不要で省⼯数の端⼦台が代
表的です。
課題︓新技術の導⼊と、産業技術伝承の両⽴
ねじなし端⼦台
特⻑︓省スペース、省⼯数、耐振動性、技術不要、素早い習熟
メリットを⽣かせる分野例 製品例
ねじ式 / ねじなし
鉄 道 通 信 プッシュイン式端⼦台 ハイブリッド端⼦台
⼩型分岐 省スペース
⾵⼒発電 造 船 端⼦台 端⼦台
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執筆者⼀覧
接続機器技術専⾨委員会
⽒名 会社名
主査 辻 善樹 不⼆電機⼯業株式会社
副主査 新内 秀雄 IDEC株式会社
委員 ⾚沼 昇⼀ 株式会社パトライト
委員 富⽥ 博幸 キムラ電機株式会社
委員 飯島 ⼀憲 フエニックス・コンタクト株式会社
技術委員⻑ 野辺 武 パナソニック株式会社
2021年 3⽉1⽇ 第1版
編集 接続機器技術専⾨委員会
発⾏ (⼀社)⽇本電気制御機器⼯業会
〒105-0013東京都港区浜松町2-1-17松永ビル8F
TEL 03 (3437) 5727
FAX 03 (3437) 5904
URL︓https://www.neca.or.jp
E-mail︓webmaster@neca.or.jp
無断複写・転載を禁じる。
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