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制御機器の基礎知識 (7) 各論 半導体リレー

ハンドブック

リレー編

制御用リレーの仕組みや選び方・使い方を解説した制御機器の基礎知識【リレー編】。
下記章がありますが、本章では、半導体リレーについて紹介しています。
他の章や制御用リレーのカタログは制御用リレー特集 https://www.aperza.jp/feature/page/102/  にてご確認ください。

1. 制御用リレーとは
2. 総論
3. 各論 ヒンジ形リレー
4. 各論 プランジャ形リレー
5. 各論 リードリレー
6. 各論 特殊用途リレー
7. 各論 半導体リレー
8. 資 料 編

※規格に関しては、必ず現行規格のご確認をお願いいたします。
※NECA Webサイトにも、リレー編を掲載しています。https://www.neca.or.jp/standard/howto/relay/

※本コンテンツの商用目的、営利目的での利用、また無断転載を禁じます。
(本コンテンツは、一般社団法人 日本電気制御機器工業会及び第三者が有する著作権により保護されております。)
※本コンテンツを利用に関して生じたいかなるトラブル、直接・間接の損害に対し、日本電気制御機器工業会及び発行者はいかなる責任も負いません。

このカタログについて

ドキュメント名 制御機器の基礎知識 (7) 各論 半導体リレー
ドキュメント種別 ハンドブック
ファイルサイズ 1.3Mb
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このカタログの内容

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リレー 編 各論 半導体リレー
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制御機器の基礎知識 リレー編 3 各論 目次 3.5 半導体リレー .............................................................................. 144 3.5.1 ソリッドステートリレー(SSR) ..................................... 144 3.5.1.1 概説 ................................................................................... 144 3.5.1.2 原理と構造 ....................................................................... 145 3.5.1.3 種類 ................................................................................... 147 3.5.1.4 定格・性能と特性 ........................................................... 151 3.5.1.5 正しい選び方 ................................................................... 153 3.5.1.6 上手な使い方 ................................................................... 154 3.5.1.7 故障の原因とその対策 ................................................... 157 3.5.1.8 検査と試験 ....................................................................... 159 3.5.2 フォト MOS 形リレー ......................................................... 161 3.5.2.1 概説 ................................................................................... 161 3.5.2.2 動作原理 ........................................................................... 161 3.5.2.3 特性 ................................................................................... 162 3.5.2.4 正しい選び方 ................................................................... 166 3.5.2.5 上手な使い方 ................................................................... 167 Copyright 2018 NECA All rights reserved.
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3.5 半導体リレー、3.5.1 ソリッドステートリレー(SSR)、3.5.1.1 概説、3.5.1.1.1 定義、3.5.1.1.2 沿革

制御機器の基礎知識 リレー編 3 各論 3.5 半導体リレー 半導体リレーとは、電磁リレーのように機械的接点がなく、入力として与えられる“1”又は“0”の電 気信号によって動作するトランジスタ及び IC 回路を中心とする電子回路で構成されたリレーである。 機能で別けると、次のように大別される。 a) スイッチング素子としてトランジスタを中心に構成された主に論理機能を持ったもの b) スイッチング素子としてトライアック又はトランジスタを中心に構成された回路で、それぞれ交流負 荷、直流負荷の開閉機能を持ったもの c) 原理的には b)同様であるが、主にロジック回路と制御対象のの負荷とのインターフェイス機能に重点 を置いたもの d) 出力素子に MOS-FET を用い、これを光電素子で駆動することによってリレー機能売るようにしたも の などがある。 一般的には a)を無接点ロジックリレー、b)をソリッドステートリレー、c)を I/O リレー、d)をフォト MOS 形リレーと呼んでいる。 ここでは、ソリッドステートリレー及びフォト MOS 形リレーについて述べる。 3.5.1 ソリッドステートリレー(SSR) 3.5.1.1 概説 3.5.1.1.1 定義 ソリッドステートリレー(Solid State Relay)は、フォトカプラや発光ダイオード、トランジスタ、トラ イアック、サージ吸収用 IC 回路等電子部品で入力/制御/出力回路を構成し、負荷回路をオン、オフ制御 するリレーであり、その頭文字をとって“SSR”とも呼ばれている(以下本章では SSR という)。 SSR には入力、出力の直交流の組合せによって、次のような構造と動作を行うものを SSR という。 a) 入力端子と出力端子は電気的にフォトカプラにより絶縁されていること。 b) 入力/出力の関係は、次のいずれかによること。 直流入力 直流出力(トランジスタ、FET 等) 交流出力(トライアック、サイリスタ等) 交流入力 直流出力(トランジスタ、FET 等) 交流出力(トライアック、サイリスタ等) c) 負荷の ON/OFF、電力制御に用いられる。 3.5.1.1.2 沿革 1.2で述べたように、1960年代電子交換機への更改時、制御装置系が電子化され、さらに1970年代のディ ジタルシステムへの更改時には制御装置とともに通話路装置も電子化され、交換システムからは電磁部品 が大幅に縮減された。これと並行して汎用の制御用リレー市場においてもSSRが登場したが、こちらの市 144 Copyright 2018 NECA All rights reserved.
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3.5.1.2 原理と構造、3.5.1.2.1 動作原理

制御機器の基礎知識 リレー編 場は交換機市場程劇的な変化はなく、1.3で述べた状況で推移した。 現在、代表的な適用分野は、有機ガス等の影響を受け難い構造のシステム分野(エアコン、洗濯機、フ ァンヒータなど)、高速・高頻度開閉、バウンスの影響がないため高精度の制御に使用されるシステム分 野(PLC、精密ヒータ制御、精密モータ制御など)及び長寿命で、開閉頻度の高い制御機器に使用される システム分野である。 また、それらを担う代表的な製造業者は、国内では、オムロン株式会社、パナソニック株式会社、NKK スイッチズ株式会社及び富士通株式会社あり、海外では、TE Connectivity Corporation、celduc® relais CARLO GAVAZZI Crydom CROUZET、Excel Cell Electronic Co.、Ltd.及びMicropac Industries, Inc.である。 3.5.1.2 原理と構造 3.5.1.2.1 動作原理 図 3.5.1 は有接点リレーの原理図である。入力として与えられた電圧によりコイルを励磁し、その電磁 力によって出力となる接点を開閉するものであり、よく知られているものである。 入力端子 出力端子 図 3.5.1-有接点リレー 図 3.5.2 は、代表的なゼロクロス方式 SSR のブロック図である。この図のように、入力信号を光に変え るフォトダイオードと光により電気絶縁された伝送部と光を制御信号に変えるフォトトライアックからな るフォトカプラを用いたものを、フォトトライアックカプラ方式 SSR と呼ぶ。 SSR 操作 制御部 負荷側 3 1 負荷 ゼ ロ ク ロ ス ~ 回 路 操作電源 4 フォトトライアックカプラ トライアック スナバ回路 2 負荷電源 図 3.5.2-ゼロクロス方式 SSR SSR は、操作入力電圧を印加する操作側(入力)端子と負荷及び負荷電源を接続する負荷側(出力)端 子がある。操作側と負荷側は、フォトカプラによって絶縁分離されており、信号の伝達は、光で行われる。 145 Copyright 2018 NECA All rights reserved.
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3.5.1.2.2 構造

制御機器の基礎知識 リレー編 操作側は、入力抵抗とフォトカプラ入力部の発光ダイオードからなり、負荷側はトライアックとサージ 吸収用のスナバ回路より構成されている。また制御部は、フォトカプラの受光素子とゼロクロス回路によ り構成され、受光素子としてはフォトトライアック、フォトサイリスタ、フォトトランジスタなどがある。 動作原理は、まず操作側端子 3、4 間に操作入力電圧が印加されると、フォトカプラ入力部の発光ダイオ ードに電流が流れ発光する。受光素子であるフォトトライアックは、光を受けると共に、ゼロクロス回路 により負荷電源電圧がゼロ付近になったとき ON し、トライアックに点弧信号を与える。トライアックの 点弧信号により負荷側端子 1、2 間が ON して負荷電流が流れる。 復帰については、トライアックで負荷を制御しているため、操作入力電圧を除去しても負荷側はすぐに OFF せず、負荷電圧がトライアックの保持電流以下となったときに負荷側は OFF する。すなわち SSR の 動作復帰は、抵抗負荷で電流と電圧の間に位相差がなければ、図 3.5.3 に示すように、負荷電源電圧のゼ ロ付近で行われる。 負荷電源電圧 入力信号 負荷電流 図 3.5.3-抵抗負荷の動作波形 このようにゼロクロス機能を持った SSR の特長として、負荷電源電圧が 0 付近で ON するため、負荷電 流の立ち上がりがゆるやかになる。つまり電流上昇率 di/dt が小さくなるため、突入電流を小さくできる。 また、高周波雑音の発生が少なくなるなどの特徴をもっている。以上フォトカプラ方式の SSR について動 作原理を簡単に説明したが、この他にゼロクロス機能を持たない方式の SSR や、入力が交流で出力も交流 のもの、入力が直流で出力も直流のものなど、いくつかの種類のものがある。これらについては 3.5.1.3 で 詳しく説明する。 3.5.1.2.2 構造 代表例として図 3.5.4、図 3.5.5 に外観及び内部構造図を示す。図 3.5.4 は、電流定格が 1~3 A 程度で、 プリント基板タイプのものである。 プリント基板に各種部品、リード端子を取付けた後、エポキシ樹脂で封止し、耐候性を備えさせており、 また放熱板の取付けなしで使用できるよう熱設計されている。 146 Copyright 2018 NECA All rights reserved.
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3.5.1.3 種類、3.5.1.3.1 取付け方式による種類

制御機器の基礎知識 リレー編 フォトカプラ等の電子部品 コンデンサ ケース リード端子 エポキシ樹脂 プリント基板 a) 外観 b) 内部構造 図 3.5.4-内部構造電流定格 1~3A 程度の SSR 例[1] タブ端子 コンデンサ 充填樹脂 ケース プリント フォトトライアック プリント トライアック 基板 放熱板 パネル取付け面 a) 外観 b) 内部構造 図 3.5.5-電流定格 10A 以上の SSR 例 図 3.5.5 は電流定格が 10 A 以上で、ファストン端子タイプのものである。内部電子部品はシリコン樹脂 やエポキシ樹脂などにより封止されており、耐候性をそなえている。またパネル取付け面は、アルミなど の放熱の良い金属でできており、発熱した熱を効率よくパネル面などに逃がすような構造となっている。 入出力端子とケースやパネル取付け面は、電気的には絶縁分離されており安全設計となっている。このほ かに端子としてねじ端子及び有接点リレーのようなプラグインタイプなどがある。 3.5.1.3 種類 3.5.1.3.1 取付け方式による種類 a) パネル取付け形 パネル面あるいは放熱板に直接ねじ止めし、放熱しようとする構造のものである。その構造を 図3.5.6に示す。図3.5.6 a)は、ねじ端子タイプのものであり、図3.5.6 b)は、タブ端子タイプのも のである。これらの構造のものは、負荷電流が比較的大きいものが多く、最大負荷電流は放熱板 に取付けた状態で5 A以上のものが多い。 147 Copyright 2018 NECA All rights reserved.
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制御機器の基礎知識 リレー編 a) ねじ端子タイプ[2] b) タブ端子タイプ[3] 図 3.5.6-パネル取付形 b) プラグイン形 ソケット取付けタイプで図 3.5.7 a)、図 3.5.7 b)のようなものである。 図 3.5.7 a)は、ピン端子構造のもので、図 3.5.7 b)はブレード端子構造のものである。最大負荷電流は 1 ~5 A 程度のものが多い。 なお、このタイプのものはヒンジ形電磁リレーと電気的及び外形的に置き換え可能なものもある。 a) ピン端子 b) ブレード端子 図 3.5.7-プラグイン形 c) プリント基板用 プリント基板に実装し、はんだ付けして使用するものである。その構造を図 3.5.8 a)~図 3.5.8 c)に示 す。図 3.5.8 a)はフラットタイプのケースに実装したものであり、図 3.5.8 b)は SIP タイプのケースに実 装したものである。図 3.5.8 c)は IC の DIP タイプのものである。最大負荷電流は 1~3 A 程度のものが多 い。 148 Copyright 2018 NECA All rights reserved.
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3.5.1.3.2 ゼロクロス機能の有無による種類

制御機器の基礎知識 リレー編 a) フラットタイプ b) スリムタイプ c) DIP タイプ (バーチカルタイプ) 図 3.5.8-プリント基板用 3.5.1.3.2 ゼロクロス機能の有無による種類 a) ゼロクロス機能のあるもの 負荷電圧が 0 V 付近で ON する機能があり電流の立ち上がり di/dt を小さく押さえることができる。ま た、入力と出力の絶縁はフォトカプラを使用しているものが多い。この方式のブロック図を図 3.5.2 に、 また動作波形を図 3.5.3 に示す。 b) ゼロクロス機能のないもの 交流の位相に関係なく、操作入力が加わるとすぐに出力が ON する方式で、主にフォトカプラで入力 と出力を絶縁したタイプが多く、回路が簡単にできる特長がある。この方式のブロック図を図 3.5.9 に、 また図 3.5.10 に動作波形を示す。なお、OFF するときは負荷電流の 0 付近で OFF する。 SSR 操作 制御部 負荷側 3 1 負荷 ~ 操作電源 4 フォトトライアックカプラ トライアック スナバ 回路 2 負荷電源 図 3.5.9-非ゼロクロス方式 SSR 149 Copyright 2018 NECA All rights reserved.
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3.5.1.3.3 入出力形式による種類、3.5.1.3.3 内蔵フォトカプラによる種類

制御機器の基礎知識 リレー編 負荷電源電圧 入力信号 負荷電流 図 3.5.10-抵抗負荷動作波形 3.5.1.3.3 入出力形式による種類 a) 直流入力、交流出力形 操作入力には、直流電圧又は電流を加え、出力は交流を ON/OFF できるもので、出力素子はトライア ック、サイリスタなどが使用される。 b) 交流入力、交流出力形 操作入力は交流電圧を加え、出力は交流を ON/OFF できるもので、出力素子はトライアックサイリス タなどが使用される。 c) 直流入力、直流出力形 操作入力は直流電圧又は直流電流を加え、出力は直流を ON/OFF できるもので、出力素子は、トラン ジスタ、FET が使用される。 d) 交流入力、直流出力形 操作入力は交流電圧を加え、出力は直流を ON/OFF できるもので、出力素子はトランジスタ、FET 等 が使用される。 3.5.1.3.3 内蔵フォトカプラによる種類 a) フォトトランジスタカプラ形 入力-出力間の絶縁として、フォトトランジスタカプラを用いたものである。直流出力形の多くはこ のフォトカプラが使用される。 b) フォトサイリスタカプラ形 入力-出力間の絶縁として、フォトサイリスタカプラを用いたものである。交流出力形のものには、 このフォトカプラが使用されているものもある。 c) フォトトライアックカプラ形 入力-出力間の絶縁としてフォトトライアックカプラを用いたものである。交流出力形の多くはこの フォトカプラが使用される。 150 Copyright 2018 NECA All rights reserved.
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3.5.1.4 定格・性能と特性、3.5.1.4.1 定格、3.5.1.4.2 性能

制御機器の基礎知識 リレー編 3.5.1.4 定格・性能と特性 3.5.1.4.1 定格 a) 定格絶縁電圧 絶縁の基準となる電圧で、絶縁距離(3~8 mm など)及び耐電圧(2 500~5 000 Vrms など)を満足す る電圧。 b) 定格負荷電圧 定格最大負荷電流と組み合わせて、SSR の適用を決定する電圧(~DC 30 V/~AC 480 V など)。交流 の場合は実効値(RMS 値)で表す。 c) 定格操作電圧 SSR を使用するために、操作入力部に加える基準となる電圧(DC 5、12、24 V など)。 d) 定格周波数 電気的定格を低減せずに使用できる電源周波数(50/60 Hz など)。 e) 定格最大負荷電流 SSR の動作状況を継続したまま、各部の温度上昇が許容値を超えないで、連続して負荷に通電できる 電流(1、2、3、5、10、20、40、50、100、150 A など)。 f) 定格操作電流 SSR を通常使用するために、操作入力部に流す基準となる電流(5、10、20 mA など)。 g) 定格非繰返し最大負荷電圧 OFF 状態において負荷側に加えうる非繰返し印加電圧の瞬時最大値。 h) 定格サージオン電流 定格の周波数で正弦波 1 サイクル間、直流の場合は規定の時間、負荷側に流しうる非繰返し性の最大 許容電流ピーク値。 i) 定格最大入力逆電圧 操作入力部に逆極性の電圧を印加したとき、永久破壊を生じない最大許容電圧。 j) 定格最大操作電流 SSR の操作入力部に連続して流すことのできる電流の最大値。 k) 臨界オン電流上昇率 指定の温度、指定の OFF 電圧、指定の操作入力及び指定の周波数で、トライアックを OFF 状態から ON 状態に切り替えるとき、トライアックが耐えることができる最大のオン電流上昇率。 3.5.1.4.2 性能 a) 絶縁抵抗 入力端子、出力端子間及び、入出力端子、金属ケース間の絶縁抵抗。 b) 耐電圧 入力端子、出力端子間及び、入出力端子、ケース間に加えて耐えられる電圧。 c) 動作電圧又は動作電流 (以下、操作入力を入力、負荷出力を出力とする。) 出力を動作させるための入力電圧又は入力電流の最小値。 d) 復帰電圧又は復帰電流 出力を復帰させるための入力電圧又は入力電流の最大値。 151 Copyright 2018 NECA All rights reserved.
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3.5.1.4.3 特性

制御機器の基礎知識 リレー編 e) 動作時間 入力が印加されてから出力が動作するまでの時間。 f) 復帰時間 入力を取り去ってから出力が復帰するまでの時間。 g) 最小負荷電流 最大、最小負荷電圧範囲内で、負荷を正常に開閉できる最小の負荷電流。 h) オン電圧 出力が ON 状態で定格最大負荷電流を流したときの出力端子間の電圧の実効値。 i) 漏れ電流 出力が OFF 状態で、定格負荷電圧を印加したときに出力端子に流れる電流。 j) 最大、最小負荷電圧 負荷側に加えうる電圧の最大値と最小値。 k) 入力インピーダンス 入力端子からみた SSR のインピーダンス。 l) 使用周囲温度 SSR の性能が保証できる周囲温度の範囲を示す。 3.5.1.4.3 特性 a) 負荷電流 - 周囲温度特性 一般に SSR は、周囲温度が高くなると流せる負荷電流は少なくなる。これは、スイッチング素子とし て使用されているトライアックやトランジスタは、その接合部温度に上限があるためでその温度は 125 ℃から 150 ℃程度である。また同じ周囲温度でも放熱板がある場合の方が、ない場合に比べ大きい 負荷電流が流せる。 図 3.5.11 に、負荷電流-周囲温度特性の一例を示す。 25 A 放熱板あり 20 負 荷15 電 流 10 放熱板なし 5 -20 0 20 40 60 ℃ 周囲温度 図 3.5.11-負荷電流-周囲温度特性 横軸に周囲温度、縦軸に負荷電流をとり、放熱条件をパラメータとして表現したものである。 152 Copyright 2018 NECA All rights reserved.
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3.5.1.5 正しい選び方、3.5.1.5.1 負荷条件

制御機器の基礎知識 リレー編 周囲温度 20 ℃において放熱板がある場合 20 A の負荷電流が流せるが、放熱板がないと 7 A になる。 また、放熱板がある場合でも、周囲温度が 80 ℃になると負荷電流は 6 A になる。 b) サージオン電流特性 SSR のサージオン電流は非繰返しで交流 1 サイクルの時間で規定されているが、その時間がさらに長 くなった場合は、どの位の電流が流せるかを表したものが図 3.5.12 に示すサージオン電流特性の一例で ある。 サ15 ー ジ オ ン 電10 流 ( A ピ ー5 ク ) 0.01 0.03 0.1 0.3 1 2 3 5 0.02 0.05 0.2 0 .5 時間( s ) 図 3.5.12-サージオン電流特性 この特性は、異常時、ヒューズやサーキットプロテクタなどとの保護強調設計に使用するものである。 横軸にサージが加わっている時間、縦軸に電流値をとったものである。 例えば、30 ms で 125 A のサージ電流を許容できたものが、300 ms では 65 A となり、3 s では 40 A に 低下することを示している。 3.5.1.5 正しい選び方 3.5.1.5.1 負荷条件 a) 負荷電圧 出力素子に、トライアック又はサイリスタを使用する SSR は交流専用である。また、トランジスタを 使用する SSR は、一般に直流専用である。その他 FET を使用したもので、直流専用であったり、直流 交流両方使えるものなど各種あり、目的にあった SSR を選ぶ必要がある。さらに負荷電源電圧が変動し た場合も、最大定格電圧を超えないように SSR を選定する。 b) 負荷電流 負荷電流が流れると、出力素子で電力損失が起こり、素子の温度が上昇する。したがって使用周囲温 度、放熱条件により、負荷電流-周囲温度特性から目的にあったものを選定する。 c) 突入電流 ランプ、モータ、ソレノイドなどの負荷では、SSR が ON した瞬間、突入電流があり、その値は定常 電流の 10 倍程度になることもある。このような場合は、ゼロクロス機能を持った SSR を選択すること によって突入電流を少なくすることができる。 153 Copyright 2018 NECA All rights reserved.
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3.5.1.5.2 入力条件、3.5.1.6 上手な使い方、3.5.1.6.1 SSRの駆動方法

制御機器の基礎知識 リレー編 3.5.1.5.2 入力条件 a) 直流入力形、交流入力形 入力に加える電圧は直流で動作するものと、交流で動作するものがあり、使用回路に合ったものを選 定する。 3.5.1.6 上手な使い方 3.5.1.6.1 SSRの駆動方法 a) 入力信号電圧 入力信号電圧の範囲は保証されているが、入力電圧がリップル分を含んでいる場合も図 3.5.13 に示す ように、その谷の電圧が動作電圧以上、山の電圧が最大操作電圧以下の範囲であれば問題ない。 入 力 信 号 電 圧 又 は 定格動作電圧又は電流の 電 許容範囲内であること 流 時 間 図 3.5.13-入力信号電圧 b) 駆動回路 図 3.5.14 は SSR 駆動回路の例である。 a)は接点により駆動する場合である。b)はトランジスタで駆動するものでトランジスタのベースに入 力が入るとトランジスタが ON し、SSR の入力端子に電圧Vcc が印加される。c)は TTL による駆動回路 である。入力が入ると IC の出力は“0”となり、SSR の入力端子に 5 V が印加される。d)は CMOS によ る駆動回路である。一般に SSR の入力電流は数 mA 程度であり、CMOS の出力では足りないため、トラ ンジスタで増幅して SSR を駆動するものである。 SSR Vcc 負荷 Vcc SSR 入力信号 負荷 + AC + ~ AC - ~ 入力 - a) 接点による駆動 b) トランジスタによる駆動 SSR 負 Vcc SSR + 負荷 5 V 入力信号 AC ~ - CMOS IC + TTL IC AC ~ - c) TTL IC による駆動 d) CMOS IC による駆動 図 3.5.14-SSR の駆動回路 154 Copyright 2018 NECA All rights reserved.
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3.5.1.6.2 負荷回路

制御機器の基礎知識 リレー編 3.5.1.6.2 負荷回路 a) 小容量負荷 SSR は入力がなくても出力に数 mA の漏れ電流が流れるため、小容量負荷の場合復帰しなくなること がある。このようなときは、図 3.5.15 のように負荷に並列にブリーダー抵抗を接続し、見かけ上の負荷 電流を増やさなければならない。 ブリーダー抵抗 R SSR + 負荷 AC ~ - 図 3.5.15-小容量負荷 ブリーダー抵抗 R は、次の式を目安とする。 R < 負荷の復帰電圧 (3.5.1) 漏れ電流−負荷の復帰電流 なお、R のワット数は、E2/R 以上必要である。また、SSR を ON させるためには、流さなければなら ない最小電流の指定があり注意を要する。 b) ノイズ対策 負荷回路には大きなノイズ電圧がのっている場合が多く、その電圧は 1 kV 以上に達することもある。 これが SSR の出力回路のトライアックに印加されると、トライアックの耐電圧を超え、入力がないにも かかわらず出力が ON してしまうことがある。このように、トライアックの OFF 電圧を超えるようなノ イズの侵入が考えられる場合は、図 3.5.16 のようにサージ電圧吸収素子(例えばバリスタ)をつけるこ とが望ましい。 SS 負荷 + AC ~ - サージ電圧吸収素子 図 3.5.16-ノイズ対策 155 Copyright 2018 NECA All rights reserved.
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制御機器の基礎知識 リレー編 負荷電源電圧 入力電圧 負荷電流 出力端子電圧 図 3.5.17-誘導負荷の動作波形 c) 誘導性負荷 例えば、図 3.5.17 に示すように、ソレノイドバルブなどの誘導性負荷は、インダクタンスのため、負 荷電源電圧に対し負荷電流の位相が遅れる。そのような状態で SSR が OFF するとき、立ち上がりの速 い電圧(dv/dt が大きい)が出力端子にかかると、トライアックが OFF できなくなる場合がある。 したがって、トライアックが ON したままとなり負荷電流を切ることができなくなる場合がある。 この対策としては図 3.5.18 に示すように出力端子と並列に CR の直列回路(サージキラーあるいはス ナバともいう)を追加しトライアックにかかる dv/dt を小さくする必要がある。 C の値としては 0.1 µF、R の値としては 100 Ω 程度のものがよく使用される。またこの CR を使用し た SSR も多い。 SSR SSR 誘導性負荷 + C + AC R ~ AC ~ - - 図 3.5.18-サージキラー(スナバ) 図 3.5.19-接点との並列接続 また、図 3.5.19 のように誘導性負荷でかつ SSR と有接点リレーの接点を並列で使用した場合、SSR が OFF で接点を ON の状態から OFF した時、負荷側から非常に大きな逆起電圧が発生し、SSR を ON させ てしまうことがある。したがってこのような使い方は好ましくない。 d) 突入電流 ランプ、モータ、ソレノイドなどの負荷には、突入電流があるためゼロクロス方式の SSR を使用し、 ON 電流上昇率 di/dt を小さくするとともに、その電流値と時間を測定し、保証値以内であることを確認 することが望ましい。 156 Copyright 2018 NECA All rights reserved.
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3.5.1.7 故障の原因とその対策、3.5.1.7.1 負荷側の過電圧保護

制御機器の基礎知識 リレー編 e) 直流負荷 直流負荷用の SSR で誘導性負荷を ON/OFF する場合は、逆起電圧が発生し SSR を破壊することがあ るので、図 3.5.20 のようにダイオードにより逆起電圧を吸収しなければならない。 SSR + DC 負荷 - 図 3.5.20-直流負荷 f) 並列接続、直列接続 SSR を並列あるいは直列に接続して使用することは、SSR に使われる出力素子の熱的バランスや安定 な動作確保のために避けなければならない。 3.5.1.7 故障の原因とその対策 SSR の故障の原因は、外来ノイズ及びサージなどによる過電圧、あるいは負荷短絡等による過電流が多 い。 SSR を用いて、高信頼性回路を設計するためには、SSR の特性・限界値などを理解し、適切な保護回路 を負荷する必要があり、ここでは、それらの方法について説明する。 3.5.1.7.1 負荷側の過電圧保護 SSR の出力回路にサージ電圧吸収素子を付け、過電圧から SSR を保護することについては、3.5.1.6.2 で 説明したので、ここでは保護素子の選び方について述べる。 サージ吸収素子としては、現状ではサージ耐量が大きく、応答性が速い酸化亜鉛系バリスタが一般的に 良く使われている。図 3.5.21 はその電圧-電流特性である。 負荷電圧が AC 100 V の場合は、バリスタ電圧が約 200 V の素子を、また負荷電圧が AC 200 V の場合は バリスタ電圧が約 400 V の素子が使用されサージ耐量は、1 000 A 以上のものが良い。 電 流 バ リ ス タ 電 圧 0 電圧 バ リ ス タ 電 圧 図 3.5.21-サージ吸収素子の電圧-電流特性 157 Copyright 2018 NECA All rights reserved.
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3.5.1.7.2 操作入力側の通電圧保護、3.5.1.7.3 操作入力側の通電圧保護

制御機器の基礎知識 リレー編 3.5.1.7.2 操作入力側の通電圧保護 SSR の操作入力を交流で使用する場合、スイッチ開放時に過電圧が発生する場合もあり、3.5.1.7.1 と同 様にサージ吸収素子を入れておいた方が賢明である(図 3.5.22)。 SSR + ~ - 図 3.5.22-操作側の過電圧保護 3.5.1.7.3 操作入力側の通電圧保護 誤結線あるいは負荷の絶縁劣化等により、誤って負荷を短絡した場合、過電流が SSR に流れ、SSR を破 壊する。 この過電流から SSR を保護する方法には、半導体保護用の速断ヒューズや高速型のサーキットプロテク タなどにより、電流を遮断する方法と(図 3.5.23)、限流リアクトルや限流抵抗を電源に直列に挿入し過 電流を抑制する方法(図 3.5.24)とがある。 SSR SSR 負荷 負荷 限流リアクトル + 速断ヒューズ + AC ~ AC ~ - - サージ電圧吸収素子 図 3.5.23-速断ヒューズを挿入した場合の短絡保護 図 3.5.24-限流リアクトルを入れた場合の短絡保護 ここでは、速断ヒューズを用いて電流を遮断する方法について説明を加える。 ヒューズと SSR は、過電流に対し保護協調を取ったものを選ばなければならない。つまり、図 3.5.25 に 示すように、遮断時間電流特性が、SSR のサージ電流特性範囲内でなければならない。 158 Copyright 2018 NECA All rights reserved.
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3.5.1.8 検査と試験、3.5.1.8.1 形式検査

制御機器の基礎知識 リレー編 SSR のサージ電流特性 電 流 ( A ) ヒューズの遮断時間電流特性 時間(s ) 図 3.5.25-SSR のサージオン電流特性とヒューズの遮断時間電流特性の関係 3.5.1.8 検査と試験 3.5.1.8.1 形式検査 形式検査は SSR の1つの形式につき製品のすべての品質、特性項目を満足するかどうかを 判定するための検査である。 a) 外観 b) 動作及び復帰電圧(又は電流) c) 絶縁抵抗 d) 耐電圧 e) 温度上昇 f) 動作及び復帰時間 g) オン電圧 h) 漏れ電流 i) ゼロクロス電圧 j) 最小負荷電流 k) 耐サージ電流 l) 耐ノイズ性 m) 耐振動性 n) 耐衝撃性 o) 端子強度 p) 耐寒性 q) 耐熱性 r) 耐湿性 s) はんだ付性(はんだ付端子の場合) t) はんだ耐熱性(はんだ付端子の場合) 159 Copyright 2018 NECA All rights reserved.
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3.5.1.8.2 受渡検査、3.5.1.8.3 試験

制御機器の基礎知識 リレー編 3.5.1.8.2 受渡検査 受渡検査は、出荷検査ともいわれ、すでに形式試験に合格したものと同一設計、製造による製品の納入 に際して行われ、必要と認められる品質項目が満足するかどうかを判定するための検査である。この検査 は出荷の都度実施するため、重点項目を取り上げ、一般に次のような項目が実施される。 a) 外観 b) 動作及び復帰電圧(又は電流) c) オン電圧 d) 漏れ電流 e) 耐電圧 3.5.1.8.3 試験 a) 動作電圧(又は電流) 動作電圧(又は電流)は SSR の出力端子に定格負荷電圧と定格負荷電流の負荷を接続し、操作端子に 操作入力電圧(又は電流)を印加したとき出力が ON する電圧(電流)を測定する。 b) 復帰電圧(又は電流) 定められた負荷電流が流れている SSR の操作入力電圧(又は電流)を徐々に下げていったとき、出力 が OFF したときの電圧(又は電流)を測定する。 c) 動作及び復帰時間 SSR の入力側は定格操作入力電圧(又は電流)とし、出力側は定格負荷電流が流れる抵抗を接続し、 定格負荷電圧を加え、入力信号を ON/OFF し入力信号波形と負荷両端の電圧波形をオシロスコープ又は、 同等以上の方法で測定を行い、入力電圧(又は電流)を加えてから出力が ON するまでの時間と入力電 圧(又は電流)を取り去ってから出力が OFF するまでの時間を求める。 d) オン電圧 SSR の出力部を動作状態に保って、出力端子間に定格電流を流し、出力端子間の電圧を測定する。 e) 漏れ電流 SSR の出力部を非導通に保ち、出力部に定格負荷電圧を加え定格負荷電流が流れる定格負荷抵抗を接 続して、出力端子部に流れる電流を測定する。 f) ゼロクロス電圧 1) ゼロクロス電圧直流試験方法 SSR の操作入力を開放し、出力側に定格負荷電流が流れる負荷抵抗を接続し、ゼロクロス電圧以上 で、定格負荷電圧相当以下の直流電圧を印加する。次に入力側に定格操作電圧(又は電流)を加え、 直流負荷電源の電流を徐々に減少させ、出力が ON となった直前の出力端子間の電圧を測定する。 2) ゼロクロス電圧交流試験方法 SSR の出力側は定格負荷電流が流れる定格負荷抵抗を接続し、定格負荷電圧を印加する。 入力側には定格操作電圧(又は電流)を負荷の交流電圧のピークに同期させて印加する。 入力側及び出力側を同時に観測できるストレージタイプのオシロスコープ又は同等以上の測定器 により、出力が ON する直前の出力端子間の電圧を測定する。 160 Copyright 2018 NECA All rights reserved.
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3.5.2 フォトMOS形リレー、3.5.2.1 概説、3.5.2.2 動作原理

制御機器の基礎知識 リレー編 3.5.2 フォト MOS 形リレー 3.5.2.1 概説 3.5.2.1.1 定義 フォト MOS 形リレーは、入力素子である発光素子(LED)の光を、光電素子で電圧に変換し、出力素 子である MOSFET を導通、非導通の状態にすることで、負荷を ON/OFF させる半導体リレーである。この 構成要素のため、微小アナログ信号からパワー駆動回路に至る幅広い負荷への適用を可能にしている。 3.5.2.1.2 沿革 フォトMOS形リレーは電磁リレーと従来の半導体リレーの特長を併せ持つリレーとして市場に出た。電 磁部品と半導体の弱点を相補っているため、開閉回数が多く、また多数のリレーが搭載されるFA機器や半 導体検査装置などが代表的な適用事例として挙げられる。 また、近年の半導体技術の進歩に伴い、特に信号用途ではメカニカルリレーと比較して、小型で低消費 電力での動作が可能となっている。一方、構成要素が半導体素子であるため、寄生抵抗や寄生容量が存在 する、温度特性がある、定格以上の過負荷に対して弱い、などの欠点がある。 なお、この製造を担っている代表的な製造業者は、国内では、パナソニック、オムロン、東芝と日立、 海外では、IXYS、インフィニオンなどがある。 3.5.2.2 動作原理 a) 等価回路と構造 フォト MOS 形リレーの等価回路を図 3.5.26 に示す。フォト MOS 形リレーは、入力素子の発光素子 (LED)と、この LED からの光を電圧に変換する光電素子、出力素子である MOSFET の 3 種類の半導 体素子で構成される。出力素子である MOSFET は、双方向の負荷制御が可能となる様に二つのチップが 逆直列に接続されている。また MOSFET と光電素子の間には MOSFET のゲート電圧の充放電制御を行 う充放電回路が配置されている。図 3.5.27 にこれらの半導体素子のパッケージ内の配置を示す。発光素 子(LED)と光電素子は、電気的に絶縁され、光学的に結合されている。 MOSFET LED 充 放 電 光 回 路 光電素子 MOSFE 図 3.5.26-等価 回路 図 3.5.27-構造[4] b) 動作原理 図 3.5.28 にフォト MOS 形リレーの動作原理を示す。動作時としては、入力端子に信号電流が流れる と、発光素子(LED)が発光し、この光を受けて光電素子が電圧を発生させる。この電圧は充放電回 路を通って MOSFET のゲートを充電する。このゲート電圧が設定電圧値に達すると MOSFET は導通 状態となり、負荷を ON させる。復帰時には、入力端子の信号電流が切られ、発光素子(LED)の発 161 Copyright 2018 NECA All rights reserved.