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顕微鏡でアルミニウムの組織を観察する場合の適切な切断、埋込、研磨の方法をご説明いたします。
このカタログについて
ドキュメント名 | アルミニウムの試料作製方法 |
---|---|
ドキュメント種別 | 事例紹介 |
ファイルサイズ | 2Mb |
登録カテゴリ | |
取り扱い企業 | 株式会社三啓 (この企業の取り扱いカタログ一覧) |
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このカタログの内容
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PRESI
LAB’NOTE
アルミニウムの試料作製方法
はじめに
アルミニウムは 19 世紀後半に登場したことを考えると、鉄や銅に比べてかなり新しい金属です。 アルミニウ
ムは、純粋な状態では存在しません。 それは鉱石の形で存在し、最もよく知られているのはボーキサイトです。
今日、鉄鋼に次いで世界で最も広く使用されている金属の 1 つです。 この元素は地球の地殻に最も豊富に存在
する元素の 1 つです。
MANUFACTURING OF ALUMINUM
アルミニウム
Adding
記号: Al Bauxite MANUFACTURING lime
Crushing water
原子番号: 13 Caustic
soda Heating
tank
密度: 2,7
質量: 27 g.mol-1
融点: 660°C Decanter
Calcination
Dehydration
by heating
アルミニウムの製造は複数の工程に分
Aluminum
かれています: oxide crystals Press filter
Alumina
・まず第一に、ボーキサイト鉱石の抽
出があります (酸化アルミニウム Red mud residue
Oxygen Electrolytic
Al2O3 60%、酸化鉄 Fe2O3 20%、酸化 Aluminum
tank
REFINING
ケイ素 SiO2 及び酸化チタン TiO2 少 Electric
power
Holding furnace
量 を含む) Alloying
elements
Siphon
1600°C
or +
• その後にボーキサイトは高温高圧下
で苛性ソーダを使用してアルミナ分を
Ingot casting Continuous casting
抽出します。
・このアルミナを氷晶石浴で溶解しま
す。槽には電流を流します。電気分解 LAMINATION
として知られているこの方法は陰極に
アルミニウムを引き寄せます。
Fig. 1: Aluminum processing
Coils Foil Wire Foil Wire
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アルミニウムは物理的および化学的特性を失うことなく無限にリサイクルできる金属です。アルミニウムのリサ
イクルは ボーキサイトからアルミニウムを抽出するよりもエネルギーの集約プロセスが少なく済みます。
種々の元素の添加はアルミニウムの性質を改善します:
・マグネシウムは耐食性を向上させます。
• シリコンは鋳造における合金の可鍛性を高めます。
• 銅はアルミニウムを硬くします。
• 亜鉛とマンガンはアルミニウム合金の製造における重要な添加元素です。
2 つのアルミニウムの製造方法:
鍛造アルミニウム(展伸材)
グループ アルミニウム 又は合金
鍛造アルミニウム(熱間変形を受ける)はスラブ、又
はビレットに鋳造され、その後、圧延、鍛造、押し出
しなどの熱間プロセスを介して形を作ります。 1 アルミニウム (含有率 99.00%)
鍛造アルミニウムの最も一般的に使用される番号指示
は EN AW が前に付いた 4 桁の番号 (NF EN 573-1) で 2 アルミニウム – 銅
す。
3 アルミニウム – マンガン
最初の数字は、アルミニウムが属する合金グループを
4 アルミニウム – シリコン
決定します。
グループ 1 の 2 桁目は、アルミニウムに含まれる不純
5 アルミニウム – マグネシウム
物に対応します。
他のグループの 2 桁目は、合金の化学組成の変化に対
6 アルミニウム – マグネシウム-シリコン
応します。グループ 1 合金の 3 桁目と 4 桁目は 99%
を超えるパーセンテージを表し、他のグループではそ
のグループ内の合金を特定します。 7 アルミニウム – 亜鉛
例: EN AW - 2024 は、銅 4%と マグネシウム 1.5%を含
むアルミニウム合金です。 8 その他のアルミニウム合金
(W(鍛造)は鍛造合金を指します)。
Table 1: アルミニウム合金グループ
鋳造アルミニウム(鋳造材) 例: EN AC - 42000 は微量のマグネシウムとシリコン 7%
鋳造アルミニウムは金型で鋳造され、冷却後に完成品 を含むアルミニウム合金です。
を取り出します。鋳造品の再加工はほとんど行われて 記号による識別には添加された合金の化学記号と文字
いません。鋳造部品は自動車産業、航空機産業、ハン EN AC (鋳造合金の「鋳造」に対応する C) の後にそれ
ドリング装置産業など向けです。 ぞれの質量含有量が含まれます。
上記の例は EN AC - AlSi7Mg と表記されます。
鋳造アルミニウムの規格は NF EN 1780-1、-2、-3 が
適用されます。
最後に規格 NF EN 1706 は各合金の機械特性と化学組成
識別番号は一連の 5 桁で、最初の数字は表 1 の鍛造合
限界を示します。
金を示します。最後の 3 桁は化学物質を表します
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アルミニウムの表面処理
アルミニウムの表面処理は 2 種類あります:
陽極酸化処理 に入れられます。アルミナ層
陽極酸化処理はアルミニウムの保護と装飾などの機能の付加を目的としてア は下述の反応によって形成さ
ルミナの変換によって層を作成する表面処理方法です。 れます。
硫酸アルマイトが最も一般的に使用されています。部品を陽極として硫酸浴
3 O2+ 4 Al 2 Al 2O3
この層は多孔質です。沸騰水中でのシーリングステップによってアルミナ層の細孔を封じます。中間着色ステ
ージはシーリングの前に行うことができます。
いくつかの種類のアルミニウム合金はこの処理用に特別に開発されており、陽極酸化の厚さは 5 ~ 50µm の範
囲です。
この表面処理は耐食性を向上させて美的目的にも使用されます
粉体塗装
静電粉体塗装とも呼ばれる粉体塗装は粉体塗料をスプレーで塗布できるプロセスです。粉末は電界によって正
極に帯電し、部品は負極に帯電させます。窯での最終硬化は塗料を重合させて部品に永久に固定します。この
プロセスで部品は優れた防食特性と耐久性を得て、きれいな外観を保ちます。
アルミニウム及びその合金の利点と用途
アルミニウムとその合金には多くの特性があります:
・機械的耐性: アルミニウムに合金を追加することで改善されます。
• 耐食性: 酸化層がアルミニウム上に自然に形成され、腐食から保護されます。アルマイト表面処理により、耐食性を
さらに向上させることができます。
• 非常に優れた熱伝導性と電気伝導性: 放熱用途にアルミニウムがよく使用される理由です。アルミニウムの電気伝導率
は銅の 65% です。
• 軽さ: 航空宇宙および航空学で特に高く評価されており、この特性はこれらの分野で非常に重要です。
• 不浸透性: アルミニウムは光、臭い、又は微生物を通さないので食品や医薬品の包装に使用されています。
アルミニウムは航空宇宙産業や自動車産業で使用されています
アルミニウムは航空宇宙産業や自動車産業で使用されています.
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アルミニウムは食品及び製薬業界でも広く使用されています。
建築部門では窓、出窓、外部ファサードのプロファイルなどの製造にアルミニウムが広く使用されてい
ます。
金属組織観察用試料の作製
試料材質に関係なく、検査面を取得するために以下の作業を順番に行います。
・「切断」:検査対象の生産物の切り出し (必要な場合)
・「埋込」:切り出した試料の形状の標準化 (必要な場合)
・「研磨」:試料の表面状態の改善
・ 試料の特性評価: 「金属組織学エッチング」 (必要な場合) と光学顕微鏡観察、又は電子顕微鏡によって
試料の微細構造を明らかにする。
=> 上記の工程は厳密に行う必要があります。先のステップが不十分な場合は次のステップに移れません
切断
切断の目的は、アルミニウムの物理化学的特性を変えることなく、検査に適した表面を得るために、
生産品の正確な部分を切り出すことです。言い換えれば、歪みによる硬化の原因となる可能性のある
過熱や変形を避けることが不可欠です。切断は、次に続く試料作製条件と検鏡に影響を与える基本的
な作業工程です。
プレシは中型および大型の湿式高速切断機及び小型精密切断機まで幅広い製品ラインアップを有して
います。切断する試料のサイズ、個数、精度に適した切断機をご提供します。
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切断機ごとにそれぞれカスタマイズし
た消耗品と付属品があります。クラン
プシステムと切断砥石、防錆冷却剤の
選択は金属組織学の切断を成功させる
ための重要な要素です
Fig 2: メカトーム T202 Fig 3: メカトーム T330
Fig. 4: ターボ部品 - EVO 400 Fig. 5: インタークーラー部品 - ST310
Fig. 6: プロファイル部品 - T330 Fig. 7: 回転部品 - T210
=> クランプ、試料を保持することは必須です。試料が適切に保持されていないと、切断が失敗する可能
性が生じます。切断砥石、試料、切断機に害を及ぼす恐れあります
上の写真では切断する部品の形状に応じて異なるクランプを使用しています。コパルホルダーとクイッククラン
ピングバイスを使用しました。両方ともメカトーム ST310、EVO 400、メカトーム T330 、メカトーム T215で使
用できます。
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消耗品
試料の切断面を過熱させずに、焼けの無い切断面を得るためには、切断機の循環冷却システムに水と防錆冷却剤
を混合した冷却水を使用します。防錆冷却剤は試料と切断機を腐食から保護します。
アルミニウムと
アルミ合金
MNF
UTW
精密切断
S (Ø 180mm) C
中容量切断
MNF
大容量切断
MNF
Table 2: 適切な切断砥石の選択
=> 切断面の不良、切断砥石の過度の摩耗や破損を避けるために、適切な切断砥石を選択する必要があります。
切断砥石は試料の材質、硬さで決まります。
埋込
試料が複雑な形状、壊れやすい、又は、サイズが小さいため、取り扱いが難しい場合があります。埋込みは形
状と寸法を標準化し、壊れやすい材料を保護するので、試料の取り扱いが容易になります。良好な研磨結果と
分析結果を得るには、高品質な埋込みが不可欠です。
試料を埋込む前に、例えば、切断時のバリを除去するために、粗い研磨紙で試験片のバリ取りを行う必要があ
ります。エタノールでの洗浄(超音波洗浄はさらに効果的です)もお勧めです。バリ取り、アルコール洗浄(脱
脂)によって、試料と埋込樹脂の密着性が向上します。
埋込樹脂の収縮は試料と樹脂の境界に隙間をつくります。その隙間に入った砥粒、研磨屑が後の工程で研磨ク
ロス上に落ちると、試料の研磨面に傷が付く心配があります。隙間のある試料には、各工程間の超音波洗浄機
による洗浄をお勧めします。
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埋込には選択肢が 2 つあります
試料のエッジ観察の目的、又は、硬さ試験の準備として金属組織学的試料作製が行われる場合は加熱加圧埋込
(熱間埋込)が推奨されます。加熱加圧埋込には埋込機(埋込プレス)が必要です。
熱加圧埋込に必要な埋込機は
+ POINT
メカプレス 3 です。:
メカプレス 3 による成型試料の上面
・自動埋込機(埋込プレス)
と底面は完璧な平行です。
・使いやすい: 埋込条件のメモ
リと調整
・時間短縮:成型時間が短い
・モールド径: 25~50mm まで
ミリとインチの 6 種類の型径を
選択可能
Fig 8: メカプレス 3
常温硬化埋込(冷間埋込)が推奨される場合は:
・試料が壊れやすい/圧力に弱い場合
• 試料がハニカム構造などの複雑な形状をしている場合。
• 試料数が多く、一度にたくさん埋込みたい場合
常温硬化埋込用機器:
+ POINT
樹脂収縮抑制、透明度向上、樹脂含浸などで埋込試
料の品質が大幅に向上します
Fig 5: プレッシャーべセル
+ POINT
樹脂収縮抑制、透明度向上、樹脂含浸などで
埋込試料の品質が大幅に向上します。.
Fig 6: 真空含浸装置 ポリバック
常温硬化樹脂は液体のメニスカス(界面張力によって表面が凹状の曲面になる)のために、上面の平坦性を
損ないます。研磨作業の前に研磨紙でメニスカスを除去します。この作業で埋込成型品の両面(上面と底面
(研磨側))を確実に平行にすることが大切です。.
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消耗品
ユーザーのニーズを満たすために、PRESI はいろいろな種類の冷間埋込用成形型を提供しています。ミリ、インチの直径
で 20 ~ 50 mm の範囲で用意しています。透明アクリル樹脂、シリコンゴム、テフロン、ポリエチレンなどの異なる材質
の成形型があります。円筒形以外では、長方形の埋込成形型があります。
アルミニウムと
アルミ合金
フェノリック
加熱加圧埋込
アクリリック
KM-U
Cold process
Table 3: 適切な埋込樹脂選択
«ハニカム» インタークーラーを埋め込む場合は真空含浸装置ポリバックの使用をお勧めします。ポリバックは
埋込樹脂がサンプルに浸透するのを助けながら気泡を最大限に除去します。
硬質アルマイト層を観察する場合は、できる限りアルマイト層が観察できるように低収縮の埋込樹脂を用いて
試料を埋め込んでください。
研磨
試料作製プロセスの最後の重要な工程は研磨です。原理は単純です。各ステップは前の砥粒よりも細かい研磨
剤を使用します。目的は平坦な表面に仕上げて、顕微鏡分析、硬さ試験、微細構造又は寸法検査などの金属組
織管理の検査を妨げる条痕、残留欠陥を排除することです。
プレシ社は粗研磨から超精密仕上げまで、少量から大量の試料個数まで対応する幅広い製品ラインアップの中
からお客様のニーズに最適な手動研磨機と自動研磨機を提案しています
Fig 11: ミニテック 300 SP1 Fig 12: メカテック 300 SPC
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手動研磨機ミニテックシリーズは自動研磨と同等の仕上げが可能な最先端の技術が組み込まれています。
使いやすく、信頼性が高く、頑丈で、あらゆるニーズに対応できます
自動研磨機メカテックシリーズはプレシ社の全ての知識、経験、技術を集約した自動研磨機です。高機能・高
品質の自動研磨機メカテックは試料数、試料サイズに応じて最適な仕上がりを提供します。
研磨条件と消耗品
以下のすべての研磨条件は最も一般的な自動研磨用です (手動研磨の場合は Head Speed( 試料回転機の回転速
度)のパラメーターは考慮しないでください).
研磨条件の最初の工程(No.1)はすべて「面出し」と呼ばれ、試料 (及び埋込樹脂) の表面を平らにするために材
料を迅速に除去することから成ります。以下に示すものは標準ですので、必要に応じて変更してください。
適用する圧力は試料 サイズによって異なりますが、一般的に次の条件が適用されます。研磨前のステップでは、
埋込直径 10 mm あたり 1 daN (例: Ø40 mm = 4 daN) で、工程が進む毎に 0.5 daN ずつ力を減らします。
ダイヤモンド研磨剤はサスペンションを使用しています。
アルミニウムの一般的な研磨条件 N°1
Platen Head
Suspension / Rotation direction
N° Support Speed Speed Time
Lubricant platen / head
(RPM) (RPM)
1 P320 Water / Ø 300 150 1’
9µm LDM /
2 TOP 150 135 4’
Reflex Lub
3µm LDM /
3 RAM 150 135 3’
Reflex Lub
1µm LDM /
4 NT 150 135 1’
Reflex Lub
5 SUPRA SPM / Water 150 100 1’
注意:金相用の試料切断機によって切断した試料の面出し研磨は耐水研磨紙 P320 からのスタートで十分です。
もっと多くの材料を研磨で除去する必要がある場合は、P320 より粗い番手を使用する必要があります。
粗研磨では研磨盤とヘッドの回転方向を逆にしないでください。逆にすると平坦性に悪影響を及ぼす可能性が
あります。ただし、大量の材料を除去する必要がある場合は、逆回転方向が役立ちます。
ダイヤモンドポリッシングは単結晶ダイヤモンドサスペンションを使用して行うことができます。しかし、一
般に多結晶ダイヤモンドサスペンションも有効です。 (ダイヤ砥粒がアルミニウムに刺さる場合がありますので
注意してください)。ダイヤモンドサスペンションはアルミ以外の材料も研磨する場合に消耗品の種類を減らせ
ます。在庫管理の手間と在庫数を減らすのに役立ちます。
砥粒が材料に刺さる(埋没する)場合は、単結晶ダイヤモンドサスペンションで研磨する必要があります。
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Fig. 13: SPM lensx20 finish Fig. 14: SPM lensx50 finish
アルミニウムの研磨で最も重要な部分は、コロイダルシリカ(SPM) を使用した最終仕上げです。この SPM は
水で 7 倍まで希釈できます。
このステップの間、研磨剤ができるだけ研磨クロス上に残るように、試料ホルダーの回転は研磨盤に対して逆
方向で行う。
Fig. 15: Alu braze lensx5 Fig. 16: Alu braze lensx50
Fig. 17: Aluminum wire lensx5 Fig. 18: Aluminum wire lensx10
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Fig. 19: Anodised aluminum lensx10 Fig. 20: Anodization lensx10
図 13 ~ 20 は、さまざまなアルミニウム試料に研磨条件 No. 1 を使用した後の研磨結果を示しています。
研磨条件 No.2 はアルミニウムとその合金の研磨に使用できます。
研磨条件 No.2
Platen Head
Suspension / Rotation direction
N° Support Speed Speed Time
Lubricant platen / head
(RPM) (RPM)
1 P320 Water / Ø 300 150 1’
9µm Diamond
2 MED-R 150 135 4’
MED R / Ø
3µm LDP /
3 RAM 150 135 3’
Reflex Lub
1µm LDP /
4 NT 150 135 1’
Reflex Lub
5 SUPRA SPM / Water 150 100 1’
研磨条件 No.2 で面出し研磨の後に MED-R を使用しま
す。 MED-R は良好な平坦度を維持する研磨ディスクで
す。耐水研磨紙による多段階研磨に替わる樹脂パッド
です。
研磨砥粒は専用に開発したダイヤモンド砥粒と潤滑剤
を組み合わせた MED-R サスペンションを使用します。
溶接検査には研磨条件 No.3 を適用します。
Fig. 21: SPM finish – Range MED-R lensx10
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研磨条件 No.3
Platen Head
Suspension / Rotation direction
N° Support Speed Speed Time
Lubricant platen / head
(RPM) (RPM)
1 P320 Water / Ø 300 150 1’
9µm Gel 2+
2 TOP 150 135 4’
poly / Ø
3µm Gel 2+
3 ADR II 150 135 3’
poly / Ø
研磨条件 No.3 は三段階で構成されており、試薬でエッチングした後、三眼ルーペで溶接部を観察するのに十分で
す。
Fig. 22: Aluminum weld Fig. 23: Aluminum weld
使用するダイヤモンドサスペンションは Gel 2+ 懸濁液です。Gel2+にはダイヤモンドサスペンションの中にルーブ
リカントが含まれています。溶接検査の試料研磨は手研磨が多く用いられています。手研磨の場合、研磨剤と潤
滑剤が 1 本に入っている サスペンションが便利です。
MICROSTRUCTURE
アルミニウム及びその合金の組織はケラー試薬、バーカー試薬、ソーダ溶液、フッ化水素酸溶液などのさまざ
まな試薬を使用して現出することができます。例示した顕微鏡写真は全て PRESI VIEW ソフトウェアを使用し
て作成しました。
Fig. 24: Structure lensx10 Fig. 25: Structure lensx50
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Fig. 26: Aluminum 2024 CS lensx10 Fig. 27: Aluminum 2024 CS lensx50
Fig. 28: Structure Aluminum lensx20 Fig. 29: Structure Aluminum lensx20
図 24 ~ 29 はケラー試薬を使用して現出したアルミニウム合金の組織です。
PRESI
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Tel.: +33 (0)4 76 72 00 21 | Email: presi@presi.com