1/16ページ
ダウンロード(1.4Mb)
3Dプリンティングの材料別の研磨条件をご紹介する技術資料です
このカタログについて
ドキュメント名 | 3Dプリンティングの試料作製 |
---|---|
ドキュメント種別 | 製品カタログ |
ファイルサイズ | 1.4Mb |
取り扱い企業 | 株式会社三啓 (この企業の取り扱いカタログ一覧) |
この企業の関連カタログ
このカタログの内容
Page1
PRESI
LAB’NOTE
顕微鏡観察試料の作製
3D プリンティング
イントロダクション
3 次元(3D)プリンティングとは、3 次元デジタルモデルに基づいて材料の層を重ね合わせることによって製
品を生成するために使用されるすべてのプロセスを指します。 「3D プリンティング」という用語は「一般の
人々」の分野で最もよく使われていますが、「アディティブマニュファクチャリング(AF)」という用語は
専門家、換言すれば、産業用アプリケーションで最も一般的に使用されています。
この製造プロセスは、部品を製造するための通常の技術とは大きく異なります。AF は材料を追加することで
プロセスが進行し、機械加工は材料を除去することで進行します。従って、3D 印刷に特定のツール(切削工
具や金型など)は必要ありません。
3D 印刷は、3 つの異なるプロセスに分類できます。どのプロセスを使用する場合でも、原理は常に同じです。
まず、パーツの3Dデジタルモデルを設計し、次に Gコードで指示をプリンターに送信します。プリンターは、
材料の層を積み重ねてしてパーツを作成します。
プロセ スの 3 つのカテゴリ ー
材料のデポジション
熱溶解積層法(FDM) 又は融合フィラメント加工 (FFF) は溶融した熱可塑性材料を層ごとに堆積させる技術。材料
が固化するにつれて、部品が形作られます。元々、使用されていた材料はプラスチックだけでした。しかし、科学
技術の発展により金属(銅および銅合金)、炭素繊維、さらには木材をベースにした複合材料で3Dプリンター用フ
ィラメントが製造できるようになりました。
光を使った凝固術
光造形 (SLA)は紫外線レーザービームを使用して、感光性液体ポリマー(「フォトポリマー」と呼ばれます)
を固化させます。SLA プリンターは、液体フォトポリマーのリザーバー、穴あきプラットフォーム、紫外線エ
ミッター及びコンピューターで構成されています。
紫外線に接触すると、ポリマーは即座に硬化して第 1 層が形成されます。プラットフォームを下げて、第 2 層
の製造を開始できます。部品が完成するまで、この操作を繰り返します。プラットフォームが上昇して完成し
た製品が現れます。部品を溶剤ですすいで余分な樹脂を除去し、UV オーブンで燃焼させて重合プロセスを完
了します。
PRESI LAB’Note | Metallographic preparation in 3D printing | www.presi.com 1
Page2
ポリジェット(マテリアルジェット)プロセスも光重合の原理に基づいています。感光性材料は、支持体の上
に一滴ずつ堆積されます。その後に紫外線にさらされると、樹脂が瞬時に硬化します。このプロセスの利点
は、マルチマテリアルに対応する点とカラー部品を印刷できることです。
レーザー焼結法 (SLS),は強力なレーザービームを使用して材料の温度を急速に上げることができま
す。
原理は、粉末粒子を非常に正確な点で組み立てて、それらを合金化するために加熱することです。そして、新
しい層が堆積され、再び加熱されて、前の層と融合します。この操作は、完成した部品が得られるまで繰り返
されます。最も一般的な材料はポリアミド(ナイロン)ですが、ガラス粉末やセラミックも使用できます。
接着剤による粉末凝集
3 次元プリンティング (3DP) はプラットフォーム上に敷き詰めた複合材料の薄い層の上に細かい粒子を積み重ね
るために着色剤を混ぜた接着剤のしずくを滴下させて固めていきます。最後のパーツが完成するまで、レイヤ
ーを作るためプラットホームは下がっています。
上記のプロセスは、主にポリマー部品の印刷に使用するために開発されてきました。
しかし、金属の積層造形は近年勢いを増しており、多くの研究開発を経て技術的に進歩した結果、ますます革
新的な製造方法が可能になり、より幅広い使用可能な材料が生み出されています。
金属の積層造形プロセスには、主に次に挙げる方法があります:
直接金属レーザー焼結法 (DMLS),は「粉末床溶融結合」と呼ばれる 3D プリンティングの代表的な造形方式のひ
とつです。この方式は SLS プロセスと同じ原理に基づいています。金属粉粒子を焼結、又は融合させるために
レーザービームを使って精度良く加熱してレイヤーを形成しながら最終部品を造形します。
直接レーザー積層構造 (DLAC): 集中エネルギー材料堆積技術。
プリンターノズルから金属粉末、又はワイヤーの形状で材料を供給します。強力な熱源を用いて、材料を出口
ですぐに溶かします: 具体的にはレーザービーム(電子ビーム(EBM)又はプラズマで加熱する既存の技術)を
使用します。この方法は粉末床溶融プロセスを用いた場合とは異なり、部品を直接印刷できます。
コールドスプレー: 目的はコールドメタライゼーションによって部品をコーティングすることです。金属粉末粒
子はサブストレート上に最大 1200m /秒の高速で、約 50 バールの圧力の下、窒素、又はヘリウムなどのガス中
で噴霧されます。衝撃時に粒子が変形することで堆積物を保護して品質を保証します。
Stratoconception は製造する部品をいくつかの層に分解するハイブリット 3D プリンティングプロセスで
す。各レイヤーはレーザー、ミリング、ワイヤーソーなどの切断によって作成されます。組立て及び最後の部
分を再構成するため インサート、ブリッジ、入れ子を使って位置決めします。
PRESI LAB’Note | Metallographic preparation in 3D printing | www.presi.com 2
Page3
=> この他に様々な技術がメーカー各社によって開発されています。そして、全ての開発が
既に述べたプロセスカテゴリをさらに細分化しています。
殆どの金属が積層造形に使用可能です。最も普及しているのは、軽量性を理由にアルミニウム(主にアルミ合
金)、そして、機械的特性を理由に鋼が用いられます。チタン、コバルトクロム、ガリウム、超合金(インコ
ネル)、貴金属(金、プラチナ、銀)も業界で広く使用されています。
但し、金属粉末は高価であるため、非常に大きな部品の製造に 3D プリントは使用されないことに注意すること
が重要です。
3D プリントの分野は大きな利点を提供することで急速に進化しています。
主な利点は次のとおりです。
• コストを増やすことなく、複雑な形状の部品を製造する機能。レイヤーを追加する製造プロセスによって、
「従来の」製造方法よりも簡単に正確な部品形状を実現できます。使用する材料が少ないため、場合によっ
てはコストが低くなります。
• 製品を作成するための特定の金型が不要です(射出成形で金型装置や成形型が使用されるのとは対照
的)。3D プリンターで製造した部品のコストは使用した材料の量、製造に要した時間と後処理の時間だけで
す。
• カスタマイズした部品が簡単に作れます。立上げコストが低く、 3D デジタルモデルを修正するだけで製造を
パーソナライズできます。
• 低コストで迅速にプロトタイピングが可能です。部品製造が速くなることで「設計」サイクル(設計、テス
ト、改良、変更など)を大幅に加速します。
• 使用できる材料の幅が広いです。最も一般的に使用される材料はプラスチックです。さらに、金属や複合
材料は特定のニーズを満たすために、益々多くの産業用途を見出しています。
しかし、製造に お ける 3D 印 刷には、いくつかの 制限があ ります :
• ほとんどの 3D 印刷プロセスに於いて、製品の物理的特性は使用された材料ほどには良くありません。
しかし、場合によって、直接金属レーザー焼結(DMLS)は優れた精度、細密さ、機械的特性を備えた部品を製
造します。
• 積層造形は、量産する製品の数量に制限されます。即ち、生産運転が大規模な場合は既存の大量生産型製
造ラインに太刀打ちできません。
compete with other processes for very large production runs.
• 部品の公差と精度には制限があります。その制限は印刷プロセスによって異なります。
そして、部品は特性、公差、表面仕上げを最適化するために仕上げ作業が必要となることがあります。3D
プリントされた部品を「プリンター」から取り出して、すぐに使用できるケースは僅かです。通常、印刷
中の不均衡を補うなどのために部品を固定したサブストレートを外して、紙やすりで研磨、艶出し研磨、
塗装などが必要です。
=> 3D プリンティングは多くの産業分野で使用されていますので、多くの部門でアプリケーションが見出されてい
ます。
例えば: 自動車 (チタン製ブレーキキャリパー)、 航空機 (機体軽量化), 造船 (船舶エンジン用プロペラ), 発電(ガ
スタービンブレード), 医療 (チタンインプラント), 宇宙航空 (伸縮式アルミ製ミラー、衛星アンテナサポート、ロ
ケットエンジンターボポンプ, 建設 (鉄橋), 時計、宝飾品、金細工職人などです。
PRESI LAB’Note | Metallographic preparation in 3D printing | www.presi.com 3
Page4
. 金属組織学的試料作製が必要となるのは金属 3D プリントの場合が殆どです。
金属組織学の試料作製
一般的なプリンティングテクノロジー、プロセス、デベロップメント、トランスフォーメーションのオペレー
ション及び仕上げ処理は部品に含まれる材料の特性と微細構造組織に影響を与えます。
これらの影響の全ては次に挙げる金属組織の品質管理と結びついています。
気孔率、寸法測定、引裂き強さ試験、微細構造観察、介在物及び/又は不純物の検査、硬さ試験、粒度管理な
ど。
検査面を取得するには、材料に関係なく一連の作業が必要です。
作業のステップは下述の順番で行います:
• 切断: 必要に応じて大形の被検査物からの試料を切り出し
• 埋込: 必要に応じて研磨作業中の試料の取扱いを容易にするために樹脂中に埋込む
• 研磨: 条痕の下に発生した検査面の変質層を削って、磨いて除去。平坦で条痕の無い鏡面に仕上げる
• 腐食: 必要に応じて組織成分ごとにコントラストを与えて検査面の組織を明瞭に識別するため
に化学薬品などでエッチングを行った後、光学顕微鏡、電子顕微鏡で観察を行う。
=> 上述した作業は厳密に正しく行わなくてはいけません。
PRESI LAB’Note | Metallographic preparation in 3D printing | www.presi.com 4
Page5
切断
切断の目的は、当該材料の物理化学的特性を変えることなく、検査に適した面を得るために、必要な部分を正
確に採取することです。言い換えれば、材料の劣化につながる可能性のある金属の加熱や変形を避けることが
不可欠です。切断は試料作製の最初のステップです。切断で大きな破壊、断裂、歪みを起こした試料は研磨で
は修復できませんので、切断機、切断砥石、切断条件の選定は非常に重要です。
プレシ社は小型から大型まで、精密切断から高速切断まで切断装置を豊富に取り揃えています。試料の材質、
サイズ、目的に応じて、最適な切断装置を選ぶことができます。
図 1 メカトーム T210 図 2 メカトーム T260 図 3 メカトーム T330
切断はバイスに試料を固定できれば成功です。後は試料材質に最適な切断砥石を選定するだけです。プレシ社
は多種多様なバイスを用意して試料をしっかり固定。さらに大容量タンクを備えた循環冷却システムで切断面
に十分な水を供給しますので、試料に焼けが入る心配がありません。
=>試料のクランプが不十分な場合、試料にダメージを与え、砥石の破損、切断機の故障が発生する場合があり
ます。緩み、締め過ぎの有無を必ず確認してから切断を開始します。
防錆剤・防腐剤
切断機のバイスなどの金属部品は水、切削屑などで非常に錆びやすいです。乾燥させておくため、使用していな
い時は常にカバーをオープンにします。循環冷却システムのタンクの水には必ず防錆剤を入れて、錆び付きを防
ぎます。夏場は冷却水が腐りやすいので、防腐剤を入れることもお勧めします。
切断砥石の砥材にはダイヤモンド、CBN、シリコンカーバイド、アルミナがあります。又、結合材にはメタルと
レジンがあります。結合材を用いない電着タイプは切削力が非常に高いです。
一般に鉄鋼材料にアルミナを、銅、アルミなどの延性質な非鉄金属材料にシリコンカーバイドを、セラミック
ス、ガラスなどの脆性材料にダイヤモンドを使用するなど、切断する試料の材質に適した砥石を選択します。
プレシ社は金属材料に対して万能な極薄砥石 UTW、プラスチック材料専用の切断砥石 ELD を用意しています。
PRESI LAB’Note | Metallographic preparation in 3D printing | www.presi.com 5
Page6
金属材料
ポリマー
セラミックス
材料 非鉄系 鉄系
UTW S
UTW S
Ø180 UTW
Ø180 LM / LM+
精密切断 MNF S Ø180 mm
A LR
LM+ MNF
CBN
LR
A AO
MNF T
中形切断 S LM / LM+
LM+ MNF
CBN LR
LR F
A AO
MNF
大形切断 T S LM / LM+
LM+
MNF CBN LR
LR
表 1 切断砥石の選定のガイド
=> 切断する材料に対して不適切な切断砥石を使用すると焼ける、割れる、減りが速い、切り込まない、
目詰まりする、切断面が汚いなどの不具合が生じる場合があります。
埋込
複雑な形状、壊れやすい、又はサイズが小さい試料は取り扱いが難しい場合があります。試料を埋込むことで
形状と寸法が標準化され、取り扱いが容易になります。
=> 壊れやすい材料を保護して、研磨を仕上げて良好な分析結果を出すためには、高品質な埋込みを行うことが不可欠
です。
切断した試料を埋込む前に、粗い番手の研磨紙でバリ取りする必要があります。切削液、手指の脂を落とすた
めにエタノールで洗浄します。超音波洗浄器の使用も有効です。バリ取りと脱脂作業により、埋込樹脂と試料
の密着性は向上します。
埋込み時に試料と埋込樹脂の間に隙間が発生すると、研磨工程で縁ダレや研磨砥粒、切り屑の入り込みの問題
が起きます。特に隙間に入った屑が仕上げ工程で研磨クロス上に落ちると、界面からの放射線状の点線模様の
条痕が鏡面試料に入ります。このようなコンタミを防ぐには、密着性の良い埋込樹脂の選定、各ステップの間
に流水とスペシメンドライヤーによる洗浄と乾燥、又は超音波洗浄器の使用をお勧めします。
加熱加圧埋込と常温硬化埋込:
• 加熱加圧埋込はエッジ検査の目的、又は硬さ試験目的で金属組織学的試料作製が行われる場合に推奨されま
す。加熱加圧埋込には埋込機が必要です。
PRESI LAB’Note | Metallographic preparation in 3D printing | www.presi.com 6
Page7
加熱 加圧埋込 用の埋込装 置と して
メカプレス 3 を お勧め します: + ポイント
• 自動埋込装置です 埋込機で成形した試料の上面と底面
• 簡単操作: 埋込条件の設定変 し完全に平行です。
更可能及びメモリ機能付き
予熱機能、間欠冷却などで高品
質の埋込みが可能
•モールドサイズは 25.4mmから 50mm
まで 6 種類の中から選べます
図 4 メカプレス 3
• 常温硬 化埋込を推奨する場合:
• 試料が熱、圧力の影響を受けやすい場合
• 試料が複雑形状の場合
• 埋込む試料の数が多い場合.
常温硬化埋込み試料の品質向上に役立つ機器:
+ ポイント
収縮の低減、透明度アップ、試料に樹脂を充填する
ことで埋込品質を向上します。
図 5 プレッシャーべセル
+ ポイント
低粘度のエポキシ樹脂を電子部品、多孔質材
料、複雑異形試料に真空中で含浸させます。
図 6 真空含浸装置 ポリバック
常温硬化樹脂で埋込成形した試料の上面(試料面の逆側)は界面張力により凹凸が生じます。尖った端部で指
を怪我する心配がありますので、研磨作業前に研磨紙で面取り研磨を行います。又、面取り作業によって、
成形品の上面と底面が平行になります。
埋込成形型
プレシはお客様のニーズに応えるため、レンズ効果が期待できるKM2.0 から繰り返し使用可能なポリエチレ
ンモールド、丈夫なテフロンモールドまで用途に合わせた成形型を用意しています。サイズも φ20mm~
φ50mm まで。シリコンラバーモールドを使えば角形に埋込むこともできます。
PRESI LAB’Note | Metallographic preparation in 3D printing | www.presi.com 7
Page8
ポリマー材料 金属材料 セラミックス
エポキシ /フェ
加熱加圧埋込 - ノール/アリリ -
ック
常温硬化埋込 KM-U KM-U KM-U
表 2 試料材質別の推奨埋込樹脂
セラミックス材料とポリマー材料は脆性であり、種類によっては高温、高圧に対して影響を受ける場合があ
るので、常温硬化埋込を推奨します。
研磨
試料作製プロセスの最後の重要なフェーズは研磨です。原理は単純で、各ステップは前のステップよりも細か
い番手、粒径の研磨剤を使用します。試料の材料組織から歪みを取り除き、材料本来の姿が具現化するように
平坦な鏡面に磨き上げます。研磨目的は顕微鏡による観察、寸法計測、硬度測定、様々な分析に必要な試料面
を作製することです。具体的には、研磨装置、研磨消耗品、研磨条件の 3 要素を適切に組み合わせて、解析の
妨げになる条痕、縁ダレ、脱落、レリーフ、刺さり込み砥粒、スミアリング、洗浄染み、隙間などの無い試料
面を作製します。
プレシ社はニーズに合わせて選択できるように手動研磨装置から自動研磨装置まで幅広く取り揃えています。
図 7 図 8 図 9 図 10:
ルキューブ ミニテック 300SP1 メカテック 250SPI メカテック 300SPS
仕上りに個人差が出やすい手研磨に於いて、手動研磨装置ミニテックには自動研磨装置と同等の再
現性を提供するため、給水、タイマー、加圧表示、研磨盤回転数、メモリ機能に最先端の技術が組
み込まれています。
自 動研磨装置メカテックは個別荷重、全体荷重の 2 つの自動モードを、研磨盤のサイズはφ200mm
φ250mm、φ300mm まで、ヘッドは揺動機能の有無を必要に応じて選択できます。
自動供給機ディストリテック 5.1(オプション)と組み合わせれば、研磨剤の過剰供給を防止して、研磨盤上に
砥粒と潤滑剤を定量供給しますので、コストを抑えながら、再現性の高い試料を繰り返し作製できます。
研磨条件は株式会社 三啓のラボがお客様の試料の最適研磨条件を作成して無料提供しています。条件出しの
手間要らずに導入したその日から試料作製を行えます。
PRESI LAB’Note | Metallographic preparation in 3D printing | www.presi.com 8
Page9
研磨条件
以下の研磨条件表は自動研磨用です。手動研磨の場合は面出し研磨、粗研磨について変更が必要です。
研磨条件表の最初のステップは面出し研磨です。面出し研磨は試料材質、サイズ、切断状態、埋込状態によっ
て時間が長くなり、或いは消耗品の交換頻度が増える場合があります。
加圧力の目安は試料直径 10mm に対して 1daN です。例えば試料の直径が 40mm ならば圧力は 4da を設定します。
研磨クロス(バフ研磨)はステップの進行する毎に 0.5daN ずつ低く設定します。
番号 N°1 N°2 N°3 N°4 N°5
ポリマー 鉄鋼
材料 軟金属 チタン セラミックス
硬質金属
Table N°3: Choice of polishing range
N°1 ポリマー
回転数 ヘ ッ ド 回転方向
研磨剤/ 潤滑剤
N° ベース (RPM) 回 転 数 時間 (分)
(RPM) 研磨盤/ ヘッド
1 SiC P600 Ø / Water 300 150 1’
9µm LDP /
2 TOP 150 135 4’
Reflex Lub
3µm LDP /
3 STA 150 135 3’
Reflex Lub
Al2O3 n°1 /
4 NT 150 100 1’
Water
顕微鏡写真 2: PLA– 顕微鏡写真 1: PLA –
STA 3µm 対物 5x TOP 9µm 対物 5x
PRESI LAB’Note | Metallographic preparation in 3D printing | www.presi.com 9
Page10
顕微鏡写真 3: PLA –
NT Al O N°1 対物 5x
Range N°2 コバルトクロム合金
回転数 ヘッド 回転数
研磨剤 / 潤滑剤
N° ベース (RPM) 回 転 数
研磨盤 /ヘッド 時間 (分)
(RPM)
1 SiC P320 Ø / Water 300 150 1’
9µm LDP /
2 TOP 300 150 4’
Reflex Lub
3µm LDP /
3 RAM 150 135 2’
Reflex Lub
1µm LDP /
4 NT 150 135 1’
Reflex Lub
Al2O3 n°3 /
5 NT 150 100 1'
Water
顕微鏡写真 4: コバルトクロム合金 – 顕微鏡写真 5: コバルトクロム合金
耐水研磨紙 P320 対物 5x TOP 9µm 対物 5x
PRESI LAB’Note | Metallographic preparation in 3D printing | www.presi.com 10
Page11
顕微鏡写真 6: コバルトクロム合金 顕微鏡写真 7: コバルトクロム合金
RAM 3µm 対物 5x NT 1µm 対物 5x
Range N°3 アルミニュウム合金
回転数 ヘッド 回転方向
研磨剤 / 潤滑剤
N° ベース (RPM) 回転数 研磨盤 / ヘッド 時間 (分)
(RPM)
1 SiC P320 Ø / Water 300 150 1’
2 SiC P1200 Ø / Water 300 150 1’
3µm LDM /
3 RAM 150 135 3’
Reflex Lub
1µm LDM /
4 NT 150 135 1’
Reflex Lub
5 SUPRA SPM / Water 150 100 1'
顕微鏡写真 8: アルミニュウム合金 – 顕微鏡写真 9: アルミニュウム合金 –
耐水研磨紙 P1200 対物 5x RAM 3µm 対物 5x
PRESI LAB’Note | Metallographic preparation in 3D printing | www.presi.com 11
Page12
顕微鏡写真 10: アルミニュウム合金 – 顕微鏡写真 11: アルミニュウム合金 –
NT 1µm 対物 5x SUPRA SPM 対物 5x
Range N°4 チタン合金
回転数 ヘッド 回転方向
研磨剤/ 潤滑剤
N° ベース (RPM) 回転数
研磨盤/ヘッド 時間 (分)
(RPM)
1 SiC P320 Ø / Water 300 150 1’
9µm LDP /
2 TOP 150 135 5’
Reflex Lub
3 SUPRA SPM / Water 150 100 5’
顕微鏡写真 12: チタン合金– 顕微鏡写真 13: チタン合金 –
耐水研磨紙 P320 対物 5x TOP 9µm 対物 5x
PRESI LAB’Note | Metallographic preparation in 3D printing | www.presi.com 12
Page13
顕微鏡写真 14: チタン合金–
SUPRA SPM で最終仕上げ 対物 5x
Range N°5 セラミックス
回転数 ヘッド 回転方向
研磨剤/ 潤滑剤
N° ベース (RPM) 回転数 研磨盤 / ヘッド 時間 (分)
(RPM)
Tissediam
1 Ø / Water 300 150 2’
40µm
Tissediam
2 Ø / Water 300 150 2’
20µm
9µm LDP /
3 TOP 150 135 5’
Reflex Lub
3µm LDP /
4 NWF+ 150 135 2’
Reflex Lub
5 SUPRA SPM / Water 150 100 2'
上記の研磨条件は標準的な参考条件です。試料の種類、サイズなどに応じて加減する必要があります。
又、チタン合金以外の材料の研磨は観察目的によって、全てのステップを行う必要はありません。
最終仕上げのステップ終了時点で研磨した試料はエッチング無しで観察できる場合もあります。
しかし、エッチングを行うことで金属材料の場合、コントラストがつくので結晶粒、マトリックスをはっきり
観察できます。
PRESI LAB’Note | Metallographic preparation in 3D printing | www.presi.com 13
Page14
検鏡
顕微鏡写真は PRESI VIEW ソフトウエアで編集しました。
顕微鏡写真 15: 焼結鋼 3µm まで研磨 対物 顕微鏡写真 16: 耐食鋼 1µm まで研磨 対物 50x
硬さ試験
顕微鏡写真 17 及び 18: チタン合金 SPM で最終仕上げ 対物 20x
顕微鏡写真 19: インコネル アルミナ N°3 で最終仕上げ 顕微鏡写真 20: コバルトクロム合金
対物 20x 1μm まで研磨 対物 50x
PRESI LAB’Note | Metallographic preparation in 3D printing | www.presi.com 14
Page15
顕微鏡写真 21: アルミ合金 SPM で最終仕上げ 顕微鏡写真 22: アルミ合金 SPM で最終仕上げ
対物 5x ケラー試薬でエッチング 対物 5x
顕微鏡写真 23: アルミ合金 SPM で最終仕上げ 顕微鏡写真 24: アルミ合金 SPM で最終仕上げ
対物 20 x ケラー試薬でエッチング 対物 20x
顕微鏡写真 25: アルミ合金 SPM で最終仕上げ 顕微鏡写真 26: アルミ合金 SPM で最終仕上げ
対物 50x ケラー試薬でエッチング 対物 20x
PRESI LAB’Note | Metallographic preparation in 3D printing | www.presi.com 15
Page16
顕微鏡写真 27: PLA ポリマー A アルミナ N°1 で最終仕上げ 顕微鏡写真 28: PLA ポリマーアルミナ N°1 で最終仕上げ
対物 5x 対物 20x
プレシ製品 正規代理店
株式会社 三啓
試料作製サポート部
〒136-0075
東京都江東区新砂 1-6-35 N ビル東陽町
電話 03(5665)0515 / FAX03(5665)0520
https://www.sankei-coltd.co.jp
PRESI
www.presi.com
Tel.: +33 (0)4 76 72 00 21 | Email: presi@presi.com