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よくわかる!ムーグ製油圧サーボ弁の選定ガイドと該当製品シリーズのご紹介
1950年に創始者・ビル・ムーグがサーボ比例弁を発明してから、当社のサーボ弁の歴史は始まりました。
サーボ弁の第一人者であるムーグが、サーボ弁の選定する際の基本をお教えします。
このカタログについて
ドキュメント名 | サーボ弁選定ガイド |
---|---|
ドキュメント種別 | ハンドブック |
ファイルサイズ | 680.5Kb |
登録カテゴリ | |
取り扱い企業 | 日本ムーグ株式会社 (この企業の取り扱いカタログ一覧) |
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このカタログの内容
Page1
サーボ弁の選定ガイド
WHAT MOVES YOUR WORLD
Page2
一般産業用の代表的アプリケーションにおける要求
[ L/min ]
10,000
ダンパ試験機
衝突試験機
震動台
大型プレス
ダイキャストマシン
制振装置
1,000
ダイクッション
石油探査
圧延機
クローラ型車両
射出成形機
製材 中型プレス
フライトシミュレータ
鋳型振動
船舶スタビライザ
疲労試験機
100 クレーン、ホイスト マテハン
動的試験機
油圧ロボット
内圧試験機
船舶操舵 農業機械 静的試験機
工作機械
研削盤
コンベア
中空成形
タービン制御
10
引張試験
モータースポーツ
加振機
1
1 10 100 1,000
[ Hz ]
周波数応答特性 ー 90°位相遅れ点(±25%指令時)
2
定格流量 Pv=7MPa
Page3
サーボ弁の選定
● 2つの重要なパラメータである制御系のパワー・レベルとその周波数応答特性は、アプリケーションの条件を満足したもので
なければなりません。
● サーボ弁の性能に余裕を持たせ過ぎると、コストが高くなったり、システムの性能が逆に低下することもあります。
ムーグでは、制御特性を使用条件によりマッチさせるため、各種の標準サーボ弁を取り揃えております。
正しいサーボ弁の選定基準
本書は、サーボ弁の、2つの重要なパラメータを決定する際のガイドとなるものです。
● コントロール・パワーまたは流量
● 周波数応答
この2つのパラメータの兼ね合いにより、必要なサーボ弁の形式が決まります。
各サーボ弁のそれぞれのカタログには、下に示すような、二次的パラメータが記載されています。
● 定格圧力
● 電気仕様
● 取付方法
● 静的および動的性能
● アクセサリー(内蔵フィルター、機械的入力装置、ゼロ調整装置など)
● 外形寸法
サーボ弁による制御の特徴
サーボ弁は、絞り効果を利用して定圧供給源とアクチュエータ間の流量の調整を行ないます。
そのため、サーボ弁を最も良い条件で使うには、できる限り、アクチュエータのすぐそばに取り付け、負荷応答時間を短かく
しなければなりません。
また、何台ものサーボ弁を同一供給源で、作動させることも可能です。
サーボ弁を使用した場合、他のいかなる種類の油圧装置を使用するよりも優れた制御精度や動特性が得られます。
しかし、系の効率は、サーボ弁の絞りの効果によるパワーの損失があるため、他の場合に比べ、やや低下します。
3
Page4
サーボ弁を選定する際の重要なパラメータ
サーボ弁の容量
■ 負荷条件に合うこと
アクチュエータは、普通、供給圧における最大出力(場合によってはトルク)で大きさが決定されます。
これが最大負荷加速力であり、また、最大負荷保持力です。ついで、サーボ弁の容量を、限界負荷速度条件に合わせて決めます。
これは、一般に、同時に要求される負荷速度と負荷力で表します。
無負荷時の速度は、流量と圧力が平方根関係にあるのでかなり速くなります。
QNL :無負荷時にサーボ弁を流れる流量
Q =Q PS QL :負荷時の流量NL L
P - P PS :供給圧S L PS- PL :負荷圧力差
■ 標準サーボ弁仕様に符合していること
サーボ弁の容量は、普通、サーボ弁圧力降下7MPaの場合の値で表されます。
この定格流量は、供給圧7MPaであれば負荷圧力差が0のときに最大制御流量に等しくなります。
サーボ弁の定格流量は次の式で求めるQR以上のものを選定します。
7 QR :圧力7MPa時のサーボ弁の定格流量QR=QNL QNL :上式で求めた、無負荷時にサーボ弁を流れる流量
PS PS :実際の供給圧
サーボ弁の容量は、システムの精度を低下させないように不必要に大きめに選ばない事が重要です。
100% 100% Q :Ki P -P
(無負荷時の最高速度) S LQNL Q :制御流量
A :アクチュエータ面積
サーボ弁の入力電流 i :入力電流
K :定数
100%
75%
50%
25%
0
(中立状態のサーボ弁)0 負荷圧力差(PL) 100% =PS(最大負荷圧力差)
0 負荷力(PLA) PSA(最大負荷力)
電流および負荷圧力に対する制御流量特性
サーボ弁の定格流量の公差は、通常±10%です。
4
負荷速度(Q / A)
負荷流量(Q)
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サーボ弁の周波数応答特性
サーボ弁の位相遅れが90°のときの周波数は、その応答性を比較するのに使うことが可能です。
位置遅れが90°以下の周波数範囲にあるサーボ弁の周波数応答特性は、減衰比が0.5と0.7の間の二次伝達関数で近似値を出
すことができます。そのため、90°位相点は、サーボ弁の応答を比較する上においては、便利で、しかも簡単な方法です。
4 250 近似可能な範囲
2 225 代表的なサーボ弁応答
減衰係数が0.7の二次周波数応答特性
0 200
90°位相遅れの周波数
-2 175
- 4 150
- 6 125
- 8 100
-10 75
-12 50
-14 25
-16 0
5 10 20 30 50 100 200 300 500
周波数(Hz)
サーボ弁の周波数応答は、入力信号の振幅や供給圧によって変化します。そのため、条件を統一しないと相対的な比較ができ
ません。比較する際には、±40%の正弦波入力信号および21MPaの供給圧で測定した応答を使うのがよいでしょう。サーボ
弁の応答は、供給圧を高くすると若干よくなります。(各サーボ弁のカタログを参照してください)
■ 閉ループ制御(電気的フィードバック付)
最高の性能を発揮させるためには、サーボ弁の90°位相遅れの点における周波数は、負荷の共振周波数の3倍以上が望ましい
とされています。負荷の共振周波数は、普通、負荷の質量と流体の圧縮性で決定され、油柱共振とも呼ばれます。
1 Ko Fn :負荷の共振周波数(Hz)
Fn=
2 M Ko :流体のスティップネス(N/m)π M :負荷の質量(kg)
β: 流体の体積弾性係数 普通 0.7-1.4GPa
4βA
Ko= η A :両ロッドシリンダの面積(m
2)
X X :ピストンの全ストローク(m)
η: 体積効率
A X AX :ピストンのストロークによる吐出量(m3)
η= V :サーボ弁のコントロール・ポートとシリンダ・ピストン間の全流体容量(m3)V
5
入出力振幅比(dB)
位相遅れ(度)
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負荷共振周波数を上げるために、ときには、アクチュエータの面積を大きくした方がよいこともあります。そのためには、サーボ
弁を大きくし、油圧供給装置の流量を上げる必要があります。もし、負荷共振周波数が、サーボ弁の90°位相点より高いと、系
のループ・ゲイン(および精度)は、おそらく、サーボ弁の応答によって制限を受けます。
※ もし、取付構造が弱いと、負荷共振周波数は、アクチュエータの全体のスティップネス(KA)で決定されることになります。そ
して、このKAは流体のスティップネス(KO)と構造物のスティップネス(KS)の兼ね合いで決まるもので、次の式で表されます。
K = KO・KSA KO+KS
■ 計算例
選定の手順
つぎの手順に従って、正しいサーボ弁を選定してください。
A. 可能な供給圧Ps(MPa)と静止時※の所要負荷力Fs(N)からアクチュエータの面積A(cm2)を決定します。
※動的な負荷力Fdが与えられている時は、Fs=1.3×FdとしてAを求めます。
A= Fs ×0.01
Ps
B. 限界負荷速度 XL(cm/sec)とこの速度におけるアクチュエータの所要負荷力 FL(N)から、サーボ弁の負荷時の流量
QL(L/min)と負荷圧力差PL(MPa)を求めます。
QL=A XL×0.06 PL=
FL ×0.01
A
C. 無負荷時の流量(QNL、L/min)を計算します。
QNL=Q
PS
L PS-PL
D. サーボ弁の定格流量(QR、L/minただし、圧力降下7MPaにおいて)を求め、10%の安全率を加えます。
QR=1.1×Q
7
NL Ps
E. フィードバック制御系の負荷共振周波数を計算します。(前ページ参照)
サーボ弁の90°位相遅れ点の周波数は、負荷共振周波数の3倍以上を目安にします。
F. サーボ弁の所要流量(手順D)と周波数(手順E)は7~8ページの表とチャートを参考に求めます。
G. 流量容量と周波数が、同等かあるいはそれ以上のサーボ弁ならば、どんなサーボ弁でも十分です。
ただし、サーボ弁の定格流量が大き過ぎると装置の精度に悪影響が出ますので選定に際してはご注意ください。
H. データ・シートやカタログには、それぞれのサーボ弁のインフォメーションが載っており、定格電流、電気的接続、最大
供給圧、パイロット供給などを選択する際の詳細な説明が記載されています。
I. サーボ制御系の精度にサーボ弁のヒステリシス特性やスレショルド特性、中立点変動特性が影響しますので選定の判断
材料にします。
6
Page7
サーボ弁 性能表
定格流量 周波数応答特性
分 類 型 式 定格圧力 Pv=7MPa ー 90°位相遅れ点(±25%指令時)
5 L/min 80 Hz
D633 28 MPa 10 L/min 80 Hz
DDV-EFB 20 L/min 80 Hz40 L/min 80 Hz
D634 35 MPa 60 L/min 65 Hz100 L/min 65 Hz
10 L/min 200 Hz
20 L/min 200 Hz
DDV J841 21 MPa 30 L/min 200 Hz40 L/min 200 Hz
60 L/min 200 Hz
80 L/min 150 Hz
20 L/min 120 Hz
40 L/min 90 Hz
80 L/min 90 Hz
D661-G..A 35 MPa 90 L/min 120 Hz
120 L/min 80 Hz
160 L/min 80 Hz
200 L/min 80 Hz
EFB-ServoJet 80 L/min 60 Hzパイロット弁 D661 35 MPa 160 L/min 60 Hz
200 L/min 60 Hz
D662 35 MPa 400 L/min 50 Hz625 L/min 50 Hz
D663 35 MPa 900 L/min 35 Hz
D664 35 MPa 1,450 L/min 35 Hz
D665 35 MPa 2,500 L/min 25 Hz3,800 L/min 25 Hz
80 L/min 82 Hz
D681 35 MPa 160 L/min 82 Hz
200 L/min 82 Hz
D682 35 MPa 400 L/min 72 HzEFB-DDVパイロット弁 625 L/min 72 Hz
D683 35 MPa 900 L/min 72 Hz
D684 35 MPa 1,450 L/min 72 Hz
D685 35 MPa 2,500 L/min 25 Hz3,800 L/min 20 Hz
4 L/min 210 Hz ※
10 L/min 210 Hz ※
G761/761 31.5 MPa 19 L/min 210 Hz ※
38 L/min 180 Hz ※
63 L/min 100 Hz ※
95 L/min 80 Hz ※
J072/072 21 MPa 152 L/min 70 Hz ※
228 L/min 50 Hz ※
5 L/min 65 Hz
10 L/min 65 Hz
MFB G631/631 31.5 MPa 20 L/min 65 Hz40 L/min 65 Hz
60 L/min 65 Hz
75 L/min 65 Hz
3 L/min 70 Hz
5 L/min 70 Hz
11 L/min 70 Hz
J869 21 MPa 21 L/min 70 Hz
32 L/min 70 Hz
42 L/min 70 Hz
64 L/min 70 Hz
J079-100 35 MPa 114 L/min 90 Hz ※228 L/min 60 Hz ※
3 MFB J079-200 35 MPa 760 L/min 80 Hz段 パイロット弁 J790-200 25 MPa 1,300 L/min 60 Hz ※
J790-400 25 MPa 2,000 L/min 50 Hz ※
J790-600 25 MPa 3,500 L/min 45 Hz ※
※ ±40%指令時
7
Page8
サーボ弁 制御条件
[ L/min ]
10,000
1,000
100
10
1
10 100 1,000
[ Hz ]
周波数応答特性 ー 90°位相遅れ点(±25%指令時)
D633 G761 / 761
D634 J072 / 072
J841 G631 / 631
D661-G..A J869
D661, D662, D663, D664, D665 J079-100, J079-200
D681, D682, D683, D684, D685 J790-200, J790-400, J790-600
8
定格流量 Pv=7MPa
Page9
製品一覧
D633 D634 J841
D661-G..A D661, D662, D663, D664, D665 D681, D682, D683, D684, D685
G761 / 761 J072 / 072 G631 / 631
J869 J079-100, J079-200 J790-200, J790-400, J790-600
9
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©2015 Moog Inc. 日本ムーグ株式会社
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