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地上と車両間の通信を長距離無線LAN製品でIP化 高速化・IP化を生かし新たなアプリケーション導入も可能に
◆ポイント
長距離無線LANや光バックホールの冗長化構成、車両内スイッチまで一括で提案
現地調査も踏まえ、路線ごとに最適なネットワーク構成を検討しシステム設計
想定外の問題に直面した際もオンサイトで調査して問題解決まで支援
◆導入製品
移動体向けワイヤレスブロードバンド [RADWIN]
APRESIA® アプレシア
MOXA
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このカタログについて
ドキュメント名 | 【導入事例】日本ケーブル様 |
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ドキュメント種別 | 事例紹介 |
ファイルサイズ | 1.1Mb |
登録カテゴリ | |
取り扱い企業 | エイチ・シー・ネットワークス株式会社 (この企業の取り扱いカタログ一覧) |
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このカタログの内容
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導入事例
日本ケーブル株式会社 様
地上と車両間の通信を長距離無線LAN製品でIP化
高速化・IP化を生かし新たなアプリケーション導入も可能に
▪ 長距離無線LANや光バックホールの冗長化構成、
車両内スイッチまで一括で提案
Point ▪ 現地調査も踏まえ、路線ごとに最適なネットワーク構成を
検討しシステム設計
▪ 想定外の問題に直面した際もオンサイトで調査して
問題解決まで支援
日本ケーブル株式会社
昭和28年創業。ダム工事用貨物
索道の建設でスタートし、スキー
箱根登山ケーブルカー様 筑波山ケーブルカー様
場・観光地における旅客輸送分野
に進出。現在では輸送設備の総
合メーカーとして、日本各地のス 設備更新に伴い にも対策が必要になります。誘導無線で使ってい
キー場・観光地におけるロープウェ 誘導無線の代替手段を検討 る周波数帯と、インバータの発振周波数が重なり
イやチェアリフト、ケーブルカー ノイズが生じてしまうからです。誘導無線は、法
などの豊富な建設実績を持つ。さ 日本ケーブル株式会社は、ロープウェイやチェ 令に基づき設備ごとに許可を得て運用しているた
らに長年培った技術を応用し、立 アリフトなどの索道輸送設備から、ケーブルカー め、周波数帯の変更が容易ではなく、利用できる
体駐車装置や傾斜地輸送設備な などの地上系輸送設備まで、さまざまな輸送設備 周波数帯も限られています。インバータと重なら
どにも製品展開。圧雪車やスノー を取り扱う総合メーカーだ。設備の設計から製造、 ない周波数帯を使うには、別の通信方式に切り替
モービル、人工降雪機など多彩な 建設施工、そして保守や更新まで一貫して手掛 える以外に方法はありません」
リゾート関連機器、さらにグループ け、創業以来培ってきた豊富なノウハウと技術力
会社を通じてリゾート運営事業も を武器に、日本全国に数々の実績を残している。 2.4GHz帯での独自構築から
手掛ける。 「近年では、スキーヤー・スノーボーダー以外に 届け出制の4.9GHz帯に転換
www.nipponcable.com も雪山観光を目的とした観光客や、夏期営業を行 パートナーの支援で信頼性も向上
うスキー場が増加するなど、旅客輸送需要が多
様化してきています。このような市場の中で当社 そこで日本ケーブルが着目したのが、屋外用の
は5割強の国内シェアを持っています」と、同社 長距離無線LANだった。近年では、さまざまな産
担当者は説明する。 業分野で通信のIP化が進んでおり、無線LANで
旅客輸送設備の多くは長期にわたって運用さ 使われる周波数帯はインバータとは大きく異なる
れ、安全性や快適性、コスト効率などを維持する ため、ノイズも受けにくい。また、誘導無線では
ために継続的な点検保守が欠かせない。ある程 路線全長に渡って誘導線を敷設する必要がある
度の歳月を経た設備では、大規模な保守として のに対し、無線LANは最小限の工事で済む。そ
機材更新が行われ、その際には新たなテクノロ のうえ、無線LANは災害にも強い。
導入製品 ジーが取り入れられるケースも多い。近年では、 こうしたメリットから同社では顧客に対し、イン
ワイヤロープを巻き上げるモータをインバータ駆 バータ化とセットで無線LAN通信を提案するよう
・長距離無線LAN 動に切り替えるとともに、電気設備も全面刷新す になっていった。当初は、屋外用無線LANでは
「RADWIN FiberinMotion®」
・高信頼イーサネットスイッチ るケースが多いという。インバータ導入の課題に 最も一般的な周波数帯である2.4GHz帯を採用
「APRESIA」 ついて同社担当者は、以下のように説明する。 し、自社でネットワークを設計・構築して輸送設備
・産業用イーサネットスイッチ「MOXA」
「インバータを導入することで、駅と車両の間 に導入していたが、最近では4.9GHz帯を採用
で保安信号や音声を通信する誘導無線システム し、設計・構築はパートナーに委託している。同社
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全体システム構成 凡例 : 基地局(RW-5T00-J150) L2スイッチ(Apresia5412GT-HRSS) た際にエイチ・シー・ネットワ-クスの支援が得
■ 全長 1,634m られたのは心強かったですね。実際に現場に
■ トンネル部 118m 訪れ問題の調査・解消に尽力してくれました
し、貸し出し機材の迅速な手配や回避策を探
光バックホール(冗長構成)
る検証環境の構築、またこれまで確認されて
無線 LAN基地局 いなかった不具合をメーカーに報告して修正
山頂駅 してもらうなど、さまざまな支援をしていただ
きました」と話す。
トンネル部 ネットワークに対する意識が変わり
山麓駅 新たなアプリケーションの道筋も
従来の物理配線・アナログ通信は視覚的に
担当者はその経緯を以下のように説明する。 現地でのトラブルシュートなど 分かりやすかったが、無線LANやIP通信は直
「2.4GHz帯はオープンな周波数帯である 心強いサポートも 感的には分かりづらい。そのせいか日本ケー
ため、秘匿性に懸念がありました。自営無線 ブルの社内や事業者の中で、IP通信や無線
局はハードルが高いので、ある程度クローズ こうして日本ケーブルは、複数の更新プロ LANの導入に慎重な意見があったという。
な周波数帯で、かつ導入しやすい手段を探し ジェクトで4.9GHz帯を取り入れてきた。 「ケーブルカーやロープウェイは人間を運
ていました。そこで採用したのが、長距離伝 2020年までに導入を完了したのは、筑波山 ぶ設備であるため、何よりも安全が優先され
送が可能なうえ、届け出制の専用周波数帯で ケーブルカーと箱根登山ケーブルカーの ますし、その保安信号には信頼性が求められ
安心感もある4.9GHz帯です。採用のきっか 2路線。いずれも機材更新でインバータ化さ ます。そのため、最初は当社で無線LANを
けは、ある展示会で当社社員がエイチ・シー・ れるのに伴う誘導無線からの移行だ。 構築していましたが、専門企業の力を借りた
ネットワ-クスのブースを訪れ説明を受けたこ 「RADWIN FiberinMotion®」や「APRESIA」 ほうが、より一層安全性も高められると考え、
とでした」 といった機材はおおむね共通しているが、具 エイチ・シー・ネットワークスにお願いしました。
説明を受けた直後から、高速通信を生かし 体的な構成はそれぞれの路線で大きく異なっ 今回採用したRADWIN製品は、輸送設備や
たアプリケーションとして、車両やゴンドラ内 ている。 鉄道、防災分野など信頼性が求められる用途
のインフォメーションや広告配信などを想定 「ロープウェイやケーブルカーは、路線ごと で豊富な採用実績があり、保安信号にも適し
し、顧客にも提案していたという。その後、 に地形などの要件に合わせて設計・施工され ています。社内での徹底した検証や顧客先の
2.4GHz帯よりメリットがあると判断し、数年 るいわば“一点もの”であり、ネットワークも同 理解もあって、先般の無線LAN導入に至りま
前から更新プロジェクトで4.9GHz帯を導入 様です。エイチ・シー・ネットワ-クスは、何度 した」(同社担当者)
するようになっていった。 も現地に足を運んで、それぞれの路線に最適 こうした心理的なハードルも乗り越えて採
「当社はIP通信の専門ではないため、ネッ な構成や配置を検討してくれました」と同社 用された今、日本ケーブルでは無線LAN・IP
トワーク設計に関しては不慣れな点がありま 担当者は語る。 通信による新たなアプリケーションにも期待
した。これまで採用していた2.4GHz帯の機 具体的に筑波山ケーブルカーでは、日本の を寄せている。誘導無線に比べ桁違いの通
材は、調達元のメーカーからは設計や構築の ケーブルカーとしては珍しくトンネルがあり、 信容量により、車両やゴンドラ内外のカメラ
支援は得られませんでした。エイチ・シー・ネッ かつ路線が大きくカーブしている。そこで、 映像伝送など、これまで不可能だった用途へ
トワ-クスは、まさに当社に足りない部分を 筑波山頂駅と山麓側の宮脇駅に加え、途中 の道筋が開いたのだ。
補ってくれる強力なパートナーといえます」と にも複数の無線LAN基地局を配置し、合計6 「誘導無線は音声通話さえ聞き取れないこ
同社担当者は話す。 カ所の基地局でトンネル内も含む路線全体を ともありましたが、それが見違えるほどクリア
カバーした。加えて基地局間を接続するバッ になりました。通信容量にはまだまだ余裕が
クホールにはリングプロトコルを採用し、途中 ありますし、IPネットワークならさまざまな通
車載システム構成 の光ファイバーが1本切断されたとしても通 信を容易に取り込めます。以前から要望が
信を維持できるようにしている。 あったインフォメーションやセキュリティカメラ
ケーブルカー車上
一方の箱根登山ケーブルカーは、山頂側 なども実現できるようになるでしょう。将来的
の早雲山駅から山麓側の強羅駅まで一直線 には、ケーブルカーの自動運転なども期待で
の路線で、途中に電波を遮る障害物もないこ きるかもしれません。現状、鋼索鉄道には、
とから、基地局は路線両端の駅の2カ所のみ 乗務員の配置が義務づけられていますが、規
で、バックホール構成もシンプルだ。ただ、 制改革が行われれば自動運転も夢ではありま
並行して行われていた駅舎工事の影響で電 せん。将来的なアプリケーションの導入に取
ケーブルカー 波が遮られる事態が発生したため、エイチ・ り組んでいくためにも、エイチ・シー・ネットワ
車内 シー・ネットワ-クスがアンテナ配置の調整な -クスには今後も良きビジネスパートナーとし
どを行って対応したという。 てご支援いただけたらと思います」と同社担
凡例 : 移動局(RW-5R00-J150) アンテナ
同軸ケーブル M.12 STPケーブル 当時のエイチ・シー・ネットワ-クスの支援に 当者はエイチ・シー・ネットワ-クスへの今後の
L2スイッチ(MOXA TN-5305) ついて同社担当者は「想定外の不具合が生じ 期待を語る。
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※本事例に記載の製品を輸出される場合には、外国為替および外国貿易法の規制ならびに米国輸出管理規則など外国の輸出関連法
CAT.NO.HCNET-057 Printed in Japan 202012 規をご確認の上、必要な手続きをおとりください。なお、ご不明な場合は、弊社担当営業にお問い合わせください。