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対象機種
WD-3 シリーズ WD5 シリーズ
製品の概要から埋没方法まで分かりやすく解説!
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このカタログについて
ドキュメント名 | はじめてでもわかる水分センサーの埋設方法 |
---|---|
ドキュメント種別 | ハンドブック |
ファイルサイズ | 2.4Mb |
取り扱い企業 | 株式会社A・R・P (この企業の取り扱いカタログ一覧) |
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このカタログの内容
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水分 センサー導入マニュアル
はじめてでもわかる水分センサーの埋設方法
対象機種
WD-3 シリーズ
WD5 シリーズ
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目次
安全上のご注意 .......................................................................................................................................... 3
使用上のご注意 .......................................................................................................................................... 3
1. 製品の概要 ........................................................................................................................................ 4
2. 埋設時の注意事項 .............................................................................................................................. 4
外部の力を加えないでください .............................................................................................................4
センサー部を傷つけないでください .....................................................................................................4
堀出す際はケーブルを引っ張らないでください ...................................................................................5
床などに放置しないでください .............................................................................................................5
埋設後に強い力で土壌を押し固めないでください ................................................................................5
ケーブルを配線する際は他配線(特に電源ケーブル)と併走させないでください .................................5
3. 本製品の埋設方法 .............................................................................................................................. 6
埋設時のルール ......................................................................................................................................6
埋設の深さについて(土耕栽培) .........................................................................................................8
埋設の深さについて(高設栽培) .........................................................................................................8
果樹等に本製品を埋設する方法 ........................................................................................................... 10
空気抜きの方法 .................................................................................................................................... 10
4. よくあるご質問 ................................................................................................................................ 11
5. 故障かな? と思ったとき................................................................................................................. 17
6. 保管方法 ........................................................................................................................................... 18
7. 取扱説明書 ....................................................................................................................................... 18
8. お問い合わせ先 ................................................................................................................................ 20
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安全上のご注意
ここに記載する注意事項は、人身事故や破損・損害に結び付くものです。本製品を安全にご使用し
ていただくために、下記の注意事項を必ずお守りください。
⚫ ケーブルは、正しく接続してください。接続を間違えて電源を投入すると、機器の故障や発火
の恐れがあります。
⚫ 感電事故を避けるため、ぬれた手で接続ケーブルや電源に触れないでください。
⚫ 感電事故を避けるため、本製品を各種機器へ接続する際は、電源を切ってから接続して
ください。
⚫ 本製品に触れる前に、あらかじめ他の金属部分(水道の蛇口、ドアノブ等)に触れて体内の静電気
を放電してください。このとき、ガス管など発火する危険性のあるものには、絶対に触れない
ようにしてください。
使用上のご注意
本製品の故障を防ぎ正しくご使用いただくために、下記の注意事項を必ずお守りください。
⚫ センサー部の裏(製品ロゴの付いていない側)に傷を付けないでください。
センサー部の銅箔が露出すると特性が変化してしまいます。
⚫ 有機溶剤を本製品に付けないでください。ベンジン、アルコール、アセトン、エーテル、ケト
ン、シンナー、ガソリン系の有機溶剤が含まれる溶剤を本製品に付けると、変形や変色するこ
とがあります。
⚫ 本製品を火の中へ投入、加熱はしないでください。
⚫ 本製品の内部には、電子部品が使用されています。静電気を帯びた手(体)でコネクタ-の端子や
センサー部に触れると、電子回路の故障原因となります。お客様の不注意により生じた静電気
等による故障につきましては、保証の対象外となりますのであらかじめご了承ください。
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1. 製品の概要
本製品は、体積含水率・EC(電気伝導度)・温度の測定が可能な水分センサーです。測定用途に合わせ
て製品タイプを複数ラインアップしています。
表1-1 製品ラインアップ
WD-3 シリーズ WD5 シリーズ
測定項目 WT
WET WT W WET
WTA
体積 含水率を体積基準で測定します。
● ● ● ● ●
含水率 体積含水率=水体積/(空気+水+固体)×100%
物質の電気の通しやすさを表す値です。農業分
EC ● - - ● -
野では、肥料の塩類濃度の測定に利用します。
温度 温度を測定します。 ● ● - ● ●
2. 埋設時の注意事項
本製品を長くご利用していただくため以下の注意事項をお守りください。
外部の力を加えないでください
本製品を曲げたり、傷つけたりしないでください。
図2-1
センサー部を傷つけないでください
図2-2
・本製品をスコップ代わりに 使わないでください。
・本製品を土壌に突き刺すことは行わないでください。
・土は均等に被せて、土中で本製品が曲がらないようにしてください。
特に土壌の深いところに埋設している場合、土の重さで本製品が曲がる可能性があります。
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堀出す際はケーブルを引っ張らないでください
ケーブルが損傷し、発熱、故障の原因になります。
図2-3
床などに放置しないでください
本製品をハウスの床などに放置して、あやまって足や台車等で
踏んでしまうことがないよう十分にご注意ください。また、草
刈り機等の歯で本製品を切断しないようにしてください。
図2-4
埋設後に強い力で土壌を押し固めないでください
本製品に強い力が加わると電子回路が損傷し、発熱、故障の原
因になります。
図2-5
ケーブルを配線する際は他配線(特に電源ケーブル)と併走させないでください
本製品は、電源ケーブルからのノイズで誤動作する可能性がありますので配線に注意してください。
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3. 本製品の埋設方法
埋設時のルール
本製品は、根を張らせたい場所に埋設します。栽培サイクルごとに同じ位置に埋設すると安定した測
定ができます。そのために、“深さ”や“センサーの向き”を毎回、同じルールで埋設することが重要で
す。
埋設時の向き
本製品は水の流れを妨げる方向に埋設すると、センサー部に水が溜まり正しい測定ができません。
水が流れる方向
水が流れ る方向
図 3-1 埋設向き① 図 3-2 埋設向き②
縦
横
縦
横
図 3-3 埋設イメージ
縦方向でも横方向でもセンサー部に水が溜まらなければどの方向に埋設しても問題は
ありません。縦方向と横方向との違いは測定範囲が、縦長になるか、横長になるか
の違いです。
※ 測定範囲の詳細については 4 項“よくあるご質問”を参照ください。
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土壌に埋設する際の注意
土壌の状態を正しく測定するために、センサー部と土壌を密着させてください。センサー部と土
壌に隙間があると、土壌の状態を正しく測定できません。
良い例 悪い例
センサー部と土壌に センサー部と土壌に
隙間が無い
隙間がある
図 3-4 図 3-5
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埋設の深さについて(土耕栽培)
葉物の場合、深さ約 10 ㎝、トマトやナス等は約 20 ㎝が一般的です。また、2 か所の深さを同時に測
定すると、灌水の流量や時間を最適におこなうことができます。例えば、葉物などで種からの栽培を
する場合、深さ約 5cm と 10 ㎝を同時に測定すると、約 5cm の測定ポイントで種の発芽時期に必要
な水分を確認することができます。
約 5cm
約 10cm
約 10cm
1 台埋設 2 台埋設 約 20cm
1 台埋設 2 台埋設
図 3-6 葉菜類 図 3-7 果菜類
※ 品種や栽培方法等により埋設の深さは変わりますので目安としてお考えください。
埋設の深さについて(高設栽培)
高設栽培等において、最適な根の張り具合は培地全体に均等に根が張り巡らされているのが理想です。
その際に、本製品を使って培地の体積含水率を最適化してください。培地内の水分量が多いと根は酸素
を求めて培地上部に根を張ります。逆に培地内の水分量が少ないと、水を求めた根は横方向から地上部
に広がります。極端に水が少ないと根は水を求めて培地深く入り込みます。1台の水分センサーで水の
管理をおこなう場合は培地の下部に埋設し、2台目を使用する場合は上部(中央寄り)に埋設して水分
量の過不足を確認したうえで、潅水の流量や時間を決めてください。
1 台の場合は下部に埋設 2 台の場合は上部(中央寄り) 上部(表層)に近いと水の回り
と下部に埋設 込みが少ない場合があります。
図 3-8 高設栽培
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ポット栽培等で、土壌の表層に縦方向で埋設する場合は、下図を目安に埋設してください。
WD-3 WD5
WD5
ラベルが隠れるように
埋設してくだ土さのい表 層
WD-3
型番ラベルが隠れる
ように埋設してください
図 3-9 埋設目安
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果樹等に本製品を埋設する方法
① 本製品を埋設するための穴(直径 4~5cm)を掘る。
② 穴の中に縦方向に本製品を入れて、ふるいにかけた細かい粒子の土と水で埋め戻す。(※1)
③ 埋設時に入った空気を抜くために水をかける。(※2)
約 1~3 カ月程度で土壌構造(団粒構造)が元の状態に近づき正確な測定できます。
(※1)本来は横方向に埋設する方法が理想ですが、埋設用の穴を大きくすると、元の土壌構造
に戻るまで時間がかかります。その間に水が埋設用の穴に流れ込み、果樹に悪影響を与
える可能性があるためお勧めできません。
(※2)本製品は土壌に密着している必要があるため、細かい粒子の土と水で埋設してくださ
い。
図 3-10 果樹埋設イメージ
空気抜きの方法
● 埋設時は空気が入りやすいため、埋設後に水を撒くことで埋設時の空気を適切に抜くことができま
す。
● ごろ土など、石や粘土の塊が多いと、正しく測定できない場合があるので、ふるい等を使った土を
使ってください。
空気抜きのために踏み固めないでください。踏み固めることで、本製品に力が加わり、故障の原因と
なります。
図 3-11 空気抜き
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4. よくあるご質問
本製品の使用方法で、よくあるご質問と回答を記載しました。
Q1. 一般的な土壌の体積含水率の目安を教えて?
A. 黒土を例にあげると表 4-1 のような土壌の状態となります。
表 4-1 含水率と土壌の状態
体積含水率 (%) 土壌の状態
0 空気中を測定
0~20 カラカラの乾燥
20~30 土壌が乾いている状態
30~40 土壌に水分がある保湿状態
40~50 潅水後や雨が降った後の状態
50~60 降雨
100 水没の状態
※ 培地の種類や土の粒径や保水力により大きく変わるため目安程度にお考えください。
Q2. 補正(キャリブレーション)は必要?
A. 補正の必要はありません。
本製品は出荷時に補正をおこなっており、お客様で補正をおこなう必要はありません。本製品の
コンセプトは、購入後すぐに使えるという使いやすさを追求した製品です。
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Q3. 体積含水率を詳しく教えて?
A. 本製品は測定範囲の空間があり、測定範囲(体積)内の水分の割合を示した数値が体積含水率
となります。
測定範囲内の誘電率の変動を測定し、本体内部のマイコンで体積含水率に変換して出力しま
す。測定原理として、水と空気及び土粒子(土・石)の誘電率の大きな違い(水 80/空気 1/土
粒子 3~7)を利用して体積含水率を測定します。
水(誘電率が高い)>> 空気・土粒子(誘電率が低い)
この誘電率の大きな違いから体積中の含水率を求めています。尚、本製品では含水率 0%は空気
中、100%は水没した状態となります。
図 4-1 土壌三相分布
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Q4. 体積含水率と誘電率の関係は?
A. 体積含水率は、土壌の誘電率の変化により求めております。
誘電率が変化すると、センサー部の伝送路に流れる電気信号のスピードが変化します。この変化量
を測定しています。
<誘電率の変化を測定する方法>
センサー部にある外部の伝送路は、土壌の環境(誘電率)で信号波のスピードが変化しますが、本体
内部にある基準の伝送路は環境で変化しません。外部の伝送路と内部の伝送路の信号到達時間差に
よって誘電率の変化を測定します。(図 4-2)
図 4-2 誘電率測定原理
Q5. 溶液 EC 値とは?
A. 溶液 EC 値は溶液中の EC 値のことです。(図 4-3)
図 4-3 溶液 EC 値
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Q6. バルク EC 値とは?
A. バルク EC 値は土壌の中に埋設して測定した EC 値のことです。 (図 4-4)
土壌溶液
粘土、腐植等
図 4-4 バルク EC 値 図 4-5 土壌の構成
バルク EC 値は土壌の中に含まれる僅かな水分の EC 値を測定します。小さな値となるため測定する際
には注意が必要です。バルク EC 値は電気抵抗値(電気の流れる量)で測定しますので、水分の量が多
ければ電気抵抗値が変わります。(EC 値が変わる)土壌では灌水で体積含水率が変わってしまうことで
バルク EC 値が変わります。実際に EC 値が変動したのか、それとも水分の量によって変わったのか区
別する必要があります。日々の EC 値を比較するときは同じ体積含水率で比較することをお勧めいたし
ます。(例えば、灌水後に安定した含水率を基準として EC 値の値を比較するなど)また、バルク EC 値
は小さな値となりますので、土壌中に含まれる塩類の量が少ない圃場では測定できない場合もあります。
Q7. EC の測定原理を教えて?
A. センサー部の伝送線路に電気信号を流し、測定範囲の電気抵抗からEC値を測定します。
図 4-6 EC 値測定原理
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Q8. 測定範囲はどれくらい?
A. 測定範囲の参考値は下図を参照ください。
● WD-3 シリーズ
図 4-7 測定範囲(WD-3)
● WD5 シリーズ
図 4-8 測定範囲(WD5)
センサー部の表面が最も感度が強くセンサー部から離れるにしたがって弱くなります。尚、WD-3
は伝送路側(ロゴの逆側)がロゴ側に比べて感度が約7:3の割合で強くなります。WD5 は伝送路
がセンサー部の両面にあるので差分はありません。
WD-3伝送路
(片面)
WD5 伝送路 図 4-9 伝送路
(両面)
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Q9. 温度測定はどこで行っている?
A. 温度は本体内部で測定しております。
WD-3
本体内部の電子部品(サーミスタ)
で温度を測定
図 4-10 温度測定 (WD-3)
WD5
本体内部の温度測定用 IC
で温度を測定
図 4-11 温度測定 (WD5)
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5. 故障かな? と思ったとき
修理を依頼される前に下記の点検をお願いします。
● 体積含水率の確認
① 空気中を測定し体積含水率が基準値となることを確認してください。
② 水道水等に水没させた状態で体積含水率が基準値となることを確認してください。
図 5-1 空気中測定 図 5-2 ビンでの確認 図 5-3 バケツでの確認
表 5-1. 基準体積含水率
体積含水率 (%)
空気中 水中
WET 0±3 100±10
WD-3
WT / W 0±5 100±15
WET 0±3 100±10
WD5
WT / WTA 0±5 100±15
● EC 値の確認
センサー部を下図の様に、ロゴ面が見える面を上にして握ると EC 値は、約 1~2mS 前後とな
ります。値が変動しない場合は故障の可能性があります。(体積含水率は約 50%~80%程度に
なります)
図 5-4 EC 値測定
※ 図は WD-3 ですが WD5 も同様です。
● 温度
直射日光の当たらない場所で本製品以外の温度計と比較してください。
(温度精度:WET タイプは±1℃、WT タイプは±2℃です)
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6. 保管方法
本製品を使用しない場合は、付着した土や液肥等を柔らかいスポンジ等で水洗いし、力が加わらな
いように常温で保管してください。
※ 洗浄の際はセンサー部に傷を付けないようご注意ください。
7. 取扱説明書
取扱説明書は下記リンク先から確認できます(PDF ファイル)
WD-3 シリーズ
WD-3(水分センサー) WDR-1(ロガー)
http://www.arp- http://www.arp-
id.co.jp/hp/product/data/WD-3-XXX- id.co.jp/hp/product/data/WDR1_torisetsu.pdf
5Y_torisetsu.pdf
WD5 シリーズ
SDI モデル USB モデル モニターモデル
http://www.arp- http://www.arp- http://www.arp-
id.co.jp/hp/WD5-xxx- id.co.jp/hp/WD5-xxx- id.co.jp/hp/WD5-xxx-
SDI_torisetu.pdf USB_torisetu.pdf MON_torisetu.pdf
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●MEMO●
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8. お問い合わせ先
本書の内容に関するお問い合わせは下記までお願いいたします。
【お問い合わせ先】
株式会社A・R・P
〒259-1305 神奈川県秦野市堀川 166-1
TEL : 0463-88-5400 水分センサー担当
Email: wdorder@arp-id.co.jp
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