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生産現場向けに解説!デジタルツインへのファーストステップ
現実世界から収集したデータをデジタル空間上に構築し、モニタリングやシミュレーションを可能にする仕組み「デジタルツイン」。
生産現場におけるデジタルツインでは、現実に存在する工場を丸ごとコンピュータ上に再現します。
デジタルツインを構築するメリットは、現実世界では試験や検討が難しい事柄を容易に繰り返して試せるようになること。
たとえば生産計画の最適化や工場レイアウトの検討、異常検知ができます。
そして、デジタルツインの実現にあたっては、「データのデジタル化」「データの診断」「シミュレーション」の3つのステップを順に踏んでいくことが大切です。
このホワイトペーパーでは、生産現場のデジタルツインの全体像と成功事例、実現に向けた3ステップについて初心者向けに解説しています。
このカタログについて
ドキュメント名 | デジタルツインの全体像と成功事例、実現に向けた3ステップとは |
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ドキュメント種別 | ホワイトペーパー |
ファイルサイズ | 3.1Mb |
登録カテゴリ | |
取り扱い企業 | ウイングアーク1st株式会社 (この企業の取り扱いカタログ一覧) |
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このカタログの内容
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スライド 1
デジタルツインへの
ファーストステップ
Introducing the Digital Twin
生産現場においてデジタルツインが役に立つと分かっていても、
どこから手を付ければよいのか分からない人も多いのではないでしょうか。
本コンテンツでは、まずデジタルツインの全体像と利用例を紹介し、
続いて具体的な着手の手順について解説します。
INDEX Section1. 生産デジタルツインとは Section2. STEP1 データのデジタル化 Section3. STEP2 データの診断 Section4. MotionBoardの紹介
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スライド 2
section.1-1 生産デジタルツインとは
生 生産現場におけるデジタルツインとは、現実に存在する工場を丸ごとコンピュータ上に再現したものです。
産 そこでは生産設備の3Dモデルを使って、現実の設備の稼働情報や人の動きをはじめとするあらゆる情報を再現します。
デ 現実世界をそっくりそのまま再現するという概念であることから「デジタルの双子(デジタルツイン)」とよばれます。
ジ
タ
ル 現実世界 デジタル空間
ツ
イ
ン
こちらの画像探し中 こちらの画像探し中
「数ヶ月後にこの設備が故障する確率が高い」 → 「あらかじめ部品を取り寄せておこう」
デジタル空間上に構築したデジタルツインを利用することで、 デジタルツインの大きな特徴は「リアルタイムで予測でき
さまざまなシミュレーション可能です。たとえば生産量が変 る」、「現実世界にフィードバックできる」ということです。
わったときや不具合が起きたときの予測です。それらをリア リアルタイムで現場の稼働状況をセンサーで取得するため、
ルタイムでデジタルツインに反映することで、最適な生産計 常に最新の情報を基にシミュレーションできます。シミュ
画を立てたり、現場への指示や調達、機械のメンテナンスを レーションで得られた結果から、将来発生する可能性のある
したりといった準備ができます。 問題に対して準備することもできるのです。
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Section.1
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section.1-2 生産デジタルツインはどんな用途に使えるのか
生 デジタルツインを構築すると、現実世界では試験や検討が難しい事柄を容易に繰り返し試すことができます。
産 たとえば生産量を最大化できるような生産計画の変更や、作業員の移動距離が最短になるような工場レイアウトの検討、
デ シミュレーションと現実の差異から異常を検知するといったことがあげられます。
ジ
タ
ル
ツ
イ
ン
生産計画の最適化 工場レイアウトの検討 異常検知
生産量のシミュレーションにより、 工場レイアウトの良しあしは生産 デジタルツイン上で生産進捗のシ
生産工程を最適化し効率的な生産 性に直結します。設備の配置換え ミュレーションを行い、シミュ
計画をデジタルツイン上で検討で には大きな手間と時間がかかりま レーション結果と実際の進捗を比
きます。また、在庫量を最小化で すが、デジタルツインであれば、 較することで、生産進捗の遅れや
きる投入順序を試すといった用途 さまざまなパターンのレイアウト 設備の異常を自動検知できます。
も考えられます。 を短時間に比較検討できます。 改善もタイムリーに可能です。
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Section.1
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section.1-3 デジタルツイン実現へ向けた3ステップ
生 デジタルツインの実現にあたっては、一気にデジタルツインを構築しようとするのではなく、段階を踏んで進めていくことが重要です。
産 実現へのステップは大きく3つに分けられます。第1にデータのデジタル化、第2にデータの診断、第3にシミュレーションとなります。
デ 1つずつ進めていくことが、無理のないデジタルツイン環境の構築への近道になります。
ジ
タ STEP1 STEP2 STEP3
ル データのデジタル化 データの診断 シミュレーション
ツ デジタイゼーション デジタライゼーション デジタルトランスフォーメーション
イ
ン
アナログデータを データを活用して リアルタイムデータを用いて
デジタル化します 現場を可視化し、診断します シミュレーションします
生産日報や生産管理板など、紙や 収集したデータを活用してダッ 工場レイアウトの検討は、3D CAD
ホワイトボードに記録されている シュボードで可視化し分析します。 データや工場内をスキャンした点
アナログデータを、電子帳票に直 さまざまなデータを用いて、現場 群データ元にレイアウトシミュ
接入力します。またPLCを介して の進捗状況やトラブルなどをリア レーションツールを使います。生
設備データを収集したり、設備の ルタイムに見える化し、個別の業 産設備の寿命や故障は構造解析
IoT化によりデータを収集します。 務・製造プロセスを改善します。 ツールを用います。
次ページからは、着手しやすい STEP1 と STEP2 について具体的に解説していきます !
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Section.1
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section.2-1 データのデジタル化とは?
S デジタルツイン実現のファーストステップはデータのデジタル化です。
T デジタルツインは現場のデータを使って仮想空間に現実そっくりのモデルを構築していくため、デジタルデータが不可欠です。
E 例えば紙に記入していた作業日報を直接電子入力する、設備の状態をデジタルで収集する、タブレット入力の活用などが必要です。
P
1
FA機器からデータ収集する 古い設備をIoT化する タブレット入力
デ
ー
タ
の
デ
ジ
タ
ル
化 制御機器のセンシングデータを 古い設備でも稼働状況のデータを さまざまなデータを紙に記録して
IoTデータに変換して収集・蓄積 自動で取得できるよう、IoT化す いる場合、Excelなどへの転記/入
することが必要不可欠です。制御 ることが可能です。カメラにより 力が必要になり、間接作業時間が
装置のデータを収集し、FA機器か メーターの数値を読み取ったり、 増えてしまいます。現場で直接、
らクラウドにデータを送信したり、 光センサーにより表示灯の点灯を タブレット端末を用いて電子帳票
専用ソフトウェアを使うことでNC 検知したり、製品の通過地点にセ に入力することで、間接作業が不
工作機械や生産ロボットからデー ンサーを設置し出来高やサイクル 要になり、専用ツールを用いるこ
タ収集したりします。 タイムを記録したりできます。 とでデータ集計も容易になります。
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Section.2
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section.2-2 データ活用の成功事例
S
T ヤマハ株式会社
E
P タブレット入力システムを導入、報告書の作成工数をゼロにするとともに、
1 リアルタイムで状況把握が可能に
デ
ー
タ 実施した背景・従来の課題 改善後
の
デ
ジ 作業日報を紙に書き、業務が終 帳票ソフトウェアを導入し、
タ わったあとExcelに入力。その後 iPadを使って現場で入力するこ
ル リーダーが月単位で収集して製 とに。月当たり100時間だった
造月報を作成。そのため報告の 伝票の入力時間を10時間にまで
化
サイクルが遅く業務改善が後手 減らすことができた。また月に
に回っていた。 80時間の集計業務が無くなった。
電子帳票作成ツールとデータ分析・可視化ツールを導入。報告書の作成工数がゼロになり、生産能率・不良率を可視化
できるようになりました。これにより年間2000万円ものコスト削減 効果を得ることに成功しました。
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Section.2
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section.2-3 Step1:データのデジタル化のまとめ
S
T STEP1 STEP2 STEP3
E データのデジタル化 データの診断 シミュレーション
P デジタイゼーション デジタライゼーション デジタルトランスフォーメーション
1
デ
ー
タ
の
デ アナログデータを データを活用して リアルタイムデータを用いて
ジ デジタル化します 現場を可視化し、診断します シミュレーションします
タ
ル
化
以上で第1ステップのデジタル化が完了となりますが、ここでデジタル化のポイントを振り返ってみましょう。各種
の制御装置や加工機械をはじめ、現場は活用できるアナログデータであふれています。これらをデジタルデータとし
て取得することが、デジタルツインの第一歩となります。データをデジタル化することで、紙の使用量の削減や紙の
保管コストをなくすペーパーレス化にも貢献でき、さらに業務の自動化や省人化による生産性向上も期待できます。
データのデジタル化が完了したら、次はデータの診断に進みましょう。
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Section.2
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section.3-1 データの診断とは?指標の評価①
S ステップ1で収集した各種のデジタルデータは、分析、集計および可視化することで活用できるようになります。
T 良品率や歩留まり、工程能力指数といったKPI(Key Performance Indicator:重要業績評価指標)の変化を定量的に評価し、容易に理
E 解できるようになります。またさまざまなデータを掛け合わせることで、多面的に良しあしの診断を行うことができるのです。
P
2
デ
ー
タ
診
断
設備の稼働データ×停止要因データ 生産進捗管理
停止ロスについて分析するダッシュボードです。左には 現場に大きな画面を用意して誰でも見られるようにする
時間稼働率などが表示されています。右側に停止要因の ことで、全体の状況を全員が理解し、対応につなげるこ
パレート図、チョコ停・ドカ停割合のグラフ、日別停止 とが可能になります。同じ画面を共有することで、ライ
時間遷移の割合が表示されており、停止要因を調べるこ ン責任者などが遠方にいても、現在、現場で何が起きて
とができると共に、カイゼン実施後の効果測定にも使用 いるかをリアルタイムで把握することが可能になり、迅
することができます。 速な意思決定ができます。
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Section.3
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section.3-2 データの診断とは?指標の評価②
S 生産現場のKPIは本来、経営のKPIと連動していますが、それぞれが異なる指標を持っていることがほとんどでしょう。
T しかし生産現場の状況をデータで可視化すれば、経営指標に紐づく生産現場のKPIの進捗が明らかになります。
E これにより経営上のボトルネックや改善点を発見できるようになります。
P
2
Point
デ
ー KPI 生産現場と経営サイドのKPIはつながっています。
タ
実際には部署が分かれていたり、権限や責任範囲が異なったりするため、
診
断 それぞれが個別に目標を決め、診断を行っていることが少なくありません。
しかし現場の品質管理が診断できる状態であれば、それに紐づく経営サイド
のKPIの変動も見えてきます。現場の改善やロスが経営上どのようなインパク
トを与えるのかが見えてくるため、正しい経営判断が下せるようになります。
品質管理のKPIは原価管理のKPIに換算することができる
品質管理のKPIである不良率や歩留まりは、不良廃棄費や材料ロス費に換算でき、すなわち原価管理のKPIとなります。
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Section.3
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section.3-3 データの診断の成功事例
S
T 国内大手製造メーカー
E
P 25項目の製造管理指標を一元的に見える化
2
家庭用燃料電池の製造工程において、デジタル化されたデータの一元管理を実現しました。4M3Hの変化点や生産進捗、品質デー
デ タなど全25項目の製造管理指標を見える化し、製品・工程設計力の工場や職人技の汎用化・自動化などの生産革新と品質革新を推
ー 進しています。
タ
診 実施した背景・従来の課題 改善後
断
• 設計変更が発生した際に、あわせて管理工程図 • データ入力が容易なBIツールを導入
や作業指図書が修正されているかを確認したい
• 紙の台帳で管理していたデータのデジタル化と • ビデオカメラと連動した作業ナビゲーションを開発し、品質異常
見える化をしたい 検知と映像データを照らし合わせた分析が可能に
• 分散していたスモールデータをビッグデータ化
したい • 品質管理、生産プロセス管理を定量的に実施できるように
あらゆるモノとプロセスをつないだデータをリアルタイムにデータ化できた。リアルタイムで起こっている
変化点や工程異常に対して俊敏に反応しアクションを起こす工場への変革の支援が可能に。
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section.3-4 データの診断とは?その他の用途
S 3Dマップを使った設備の稼働状況監視の例
T
ダッシュボードではKPIの可視化だけでなく、たとえば工場内でトラブルが発生した際に、
E
P 現場にいなくても原因箇所の特定ができるといった活用も可能です。
2
デジタルツインダッシュボード 設備総合効率
デ
ー
タ
診
断
3Dモデルの情報をリアルタイムで反映させるダッシュボー 設備総合効率※は時間稼働率、性能稼働率、良品率の3つの
ド。AGV(無人搬送車)などが現実と同じように動きます。 データを掛け合わせて表されます。現場のセンサーや装置
現場の状況を直感的に把握することができます。例えば、 のデータからOEEを日別や要素別に見て、なぜ停止してい
赤いランプ(停止中)の装置をクリックすると、設備の不 るのか視覚的に確認できます。良品率が悪い場合などはク
具合詳細が示されます。 リックすれば不良詳細が現れます。
※設備総合効率:OEE(Overall Equipment Effectiveness)
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section.3-5 Step2 データの診断のまとめ
S 生産デジタルツインのはじめの2つのステップについて紹介してきました。生産デジタルツインは、
T
E リアルな工場とデジタルなモデルを同期させることで、生産活動の最適化を支援する仕組みです。
P
2 生産計画や工場レイアウト設計、異常検知など、実際に試すのは難しいことを、試したい場面で
活用できます。いきなり完全なデジタルツインを実現するのではなく、投資対効果が見込める部
デ
ー 分から着手することがお勧めです。
タ
診 ここで改めて3つのステップを見てみましょう。
断
STEP1 STEP2 STEP3
データのデジタル化 データの診断 シミュレーション
デジタイゼーション デジタライゼーション デジタルトランスフォーメーション
アナログデータを データを活用して リアルタイムデータを用いて
デジタル化します 現場を可視化し、診断します シミュレーションします
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section.4-1 データ診断に役立つ「MotionBoard」
ウイングアーク1stの「MotionBoard」は、
集約されたデジタルデータを分析、可視化するBIツールです。
現場を直感的に把握できるグラフィカルなダッシュボードの作成を、ノンプログラミングで作成できます。
データの直接入力が可能、また連携サービスの幅広さなど、柔軟で操作性が高いBIツールです。
の
紹 POINT1
介
リアルタイムで現場の進捗情報を取得、
集計してダッシュボードに表示できるため、
どこにいてもラインの状況を把握することができます。
POINT2
作業者ごとの進捗状況の色わけ、
計画数に対する実績数の集計、グラフ化などを随時行い、
トラブルの原因解明や計画の達成につなげます。
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MotionBoard
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section.4-2 データのデジタル化と集計・可視化をシームレスに連携できるMotionBoard
特長 1 特長 2 特長 3
の
紹
介
多彩なダッシュボード 3Dマップ機能 カメラ連携機能
MotionBoardには多彩なダッシュボード 3Dマップでは、オブジェクトとデータ 数値データだけでなく、現場に設置した
が用意されています。管理図や部品表を を3D空間にマッピングすることにより、 カメラ映像を組み合わせることも可能で
はじめとして、製造業独自の表現が重点 空間情報を可視化します。オブジェクト す。数値データだけでは追いきれない現
的に開発されており、製造業の現場で力 の色や動きによって、現場のデータの変 場の状況を、映像によってより深く分析
を発揮します。 化を視覚的に把握することが可能になり することができるようになります。
ます。
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製造データ活用ソリューションの お問い合わせや個別のご相談は
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