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~ お客様にとって世界最高の特殊精密切削工具を作る〜
切削のプロフェッショナルとして
工具の開発・製造から、切削加工への技術提案、
医療術具の製造まで、お客様の「困った」を解決
掲載内容
・切削工具に関する基礎知識
・株式会社東鋼 7 つの 特徴
・東鋼が得意とする商品・サービス
・特殊精密切削工具の開発事例
・よくある質問
・設備・会社紹介
◆詳細はカタログをダウンロードしご覧いただくか、お気軽にお問い合わせ下さい。
このカタログについて
| ドキュメント名 | 特殊精密切削工具カタログ |
|---|---|
| ドキュメント種別 | 製品カタログ |
| ファイルサイズ | 3.3Mb |
| 登録カテゴリ | |
| 取り扱い企業 | 株式会社東鋼 (この企業の取り扱いカタログ一覧) |
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このカタログの内容
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~ お客様にとって世界最高の特殊精密切削工具を作る ~
特殊精密切削工具
カタログ
切削のプロフェッショナルとして
工具の開発・製造から、切削加工への技術提案、
医療術具の製造まで、お客様の「困った」を解決
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目次
Ⅰ. 切削工具に関する基礎知識 ・・・P.03
Ⅱ. 株式会社東鋼 7つの特徴 ・・・P.11
Ⅲ. 東鋼が得意とする商品・サービス ・・・P.13
Ⅳ. 特殊精密切削工具の開発事例 ・・・P.20
Ⅴ. よくある質問 ・・・P.50
Ⅵ. 設備・会社紹介 ・・・P.54
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切削工具に関する基礎知識
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切削工具に関する基礎知識
切削工具の基礎知識⑴
切削加工で使用する工具は、旋盤加工とフ
ライス加工とで、切削工具に求められる条
件が異なります。
例えば、旋盤加工では切削工具が材料に衝
突するのは加工開始時の1回のみで衝撃力は
この瞬間しか作用しません。衝突後、バイ
トの刃先は回転する材料に常に接触してい
ることになるため連続的な接触に耐え得る
耐摩耗性が求められます。
一方フライス加工では、切削工具と材料が
接触・非接触を繰り返すために、衝突する
度に大きな衝撃力が作用します。そのため
にフライス加工で使用する工具には断続的
に発生する衝撃に耐え得る粘り強さが求め
られます。このように加工方法によって選
択する切削工具は異なります。
①旋盤加工
旋盤加工で使用する切削工具はバイトです。バイトは刃が一つの単刃工具で柄の部分を「シャンク」、
刃部を「チップ」、チップを取り付ける座の部分とシャンクを合わせて「ボデー」と言います。バイト
はこのチップとボデーの結合方法によりいくつかの種類に分類されます。
■スローアウェイバイト
スローアウェイバイトとは、刃先が摩耗や欠損した場合に容易にチップを交換後、ねじや押え金でシャ
ンクに固定する構造のバイトを指し、別名クランプバイトとも呼びます。チップの交換のみで使用する
ことが出来る点から、生産性とコスト面で優れているため、現在ではバイトの主流として用いられてい
ます。
■ろう付けバイト
ろう付けバイトとは、チップをボデーにロー付けした構造のバイトを指し、別名付け刃バイトとも呼び
ます。使用用途によって変わりますが、ろう付けバイトはチップをグラインダーで成形してから使用し
ます。そのため、スローアウェイバイトで削ることが難しい特殊形状の場合に選定されます。
■完成バイト
完成バイトとは、熱処理された高速度工具鋼製のむく(solid)の工具のことです。断面が、丸、正方形、
長方形、台形の形状で端面を除き、研磨されています。使用時は刃部を成形してから用います。
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切削工具に関する基礎知識
切削工具の基礎知識⑵
②フライス加工
フライス加工で使用する切削工具では刃物が回転することでワークを削り取ることから多刃
工具がほとんどです。工作機械によって取り付ける刃物は違いますが、大きく「フライス」
と「エンドミル」の2種類の切削工具を使用します。
■フライス
フライスとは、円筒または円板の外周や端面に多数の切刃をもった回転工具のことを指しま
す。それぞれ取り付けるフライス盤によって切削工具が違い、立てフライス盤には正面フラ
イスを取り付け、横フライス盤には平フライスまたは側フライスを取り付けることで平面加
工を行います。
■エンドミル
エンドミルとは、ドリルに似た形状を持ち、外周刃と底刃で切削し、軸に直交する方向に穴
を削り広げる工具のことを指します。一度に加工できる面積が小さいため、ワークによって
フライスとの使い分けが重要となります。
③穴あけ加工
穴あけ加工では、穴の精度や目的によって様々な種類がございますが、一般的に穴をあける
ドリルと穴をあけた後に穴の精度を整えたり表面をきれいにするリーマという工具に分類さ
れます。
■ドリル
ドリルとは、フライス盤で使用するエンドミルと似た形状を持ち、軸方向に推進し、円形の
穴をあける切削工具です。ドリルは構造によって分類することや刃部の材料で分類すること、
さらにはシャンクの形態によって分類することがございます。例えば、構造で分類する場合
には、刃部とシャンクが全て同じ材質で一体となっているソリッドドリルや切れ刃に超硬
チップをろう付けした付刃ドリル、ドリル先端に超硬などの工具材料をろう付けした先むく
ドリル、さらにはソリッドドリルの先端部を交換式にしたヘッド交換式ドリルがございます。
これらはワークや使用機械の種類によって使用する種類が異なります。
■リーマ
リーマとは、ドリルであらかじめ切削した穴を要求された精度と面相度に仕上げる工具のこ
とを指します。そのため、リーマ自体には穴あけをする能力はありません。リーマもドリル
同様に構造によって分類することや刃部の材料で分類すること、さらには取り付け方法に
よって分類することがございます。例えば、構造で分類する場合には、刃部とシャンクが全
て同じ材質で一体となっているソリッドリーマや刃部とシャンクが溶接された溶接リーマ、
刃部をろう付けしたろう付けリーマ、スローアウェイチップを機械的に取り付けた植刃リー
マなどがございます。こちらもワークや使用機械の種類によって使用する種類が異なります。
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切削工具に関する基礎知識
ドリルの基礎知識❶
ドリルとは、被削材に穴を開けるための切
削工具です。ドリルを回転させ、先端の切
れ刃を被削材に接触させることにより、切
り屑を排出しながら穴を開けていきます。
ドリルの使用用途は、金属材料を加工する
だけではなく、ガラスなどの脆性材料、プ
ラスチックやアクリルなどの樹脂材料、木
工材料、土木の現場で使用されるコンク
リートの加工、及び医療用として人骨を削
る際にも用いられています。
ドリルに求められる特性は、①狙ったとこ
ろに真っ直ぐに穴を開けられること(求心
性)、②開いた穴がより正円に近いこと
(真円度、振れ精度)、③切りくずの処理
がスムーズであること(排出性)、④切削
熱に強いこと(耐熱性)、⑤長期間使用出
来ること(高寿命、耐摩耗性)が挙げられ
ます。
①逃げ面
穿孔する際、加工面との不必要な摩擦を避けるために逃がした面です。逃げ面が複数面からなる場合は、
切れ刃に近い順に第1逃げ面、第2逃げ面などといいます。ドリルは回転しながら軸方向に進むことで被
削材を削り、切りくずを後方に排出させて穴をあけていきます。逃げ面は、被削材が切削された面に触
れる箇所であり、加工時の摩擦抵抗などに大きな影響を及ぼします。
②ねじれ角(リード角)
逃げ面についている角度です。逃げ角は一般的に7°~15°に設定されています。被削材とドリルの摩擦を
避け、ドリルの送り運動に支障をきたさないように、切れ刃の逃げ面には逃げ角が付けられています。
逃げ角を小さくすると切れ刃の剛性は向上しますが、スラスト抵抗が増加します。反対に、逃げ角を大
きくすると切れ刃は鋭利になりスラスト抵抗は減少しますが、チッピングや欠損が生じやすくなります。
③先端角
ドリルの先端の角度です。最も一般的な角度は118°です。先端角は、切削抵抗と切り込み量に影響し、
被削材やドリルの材質などによって最適な角度は変わってきます。先端角を大きくした場合、切りくず
の排出性、加工能率、工具寿命が向上するといったメリットがあります。一方で先端角を小さくした場
合、食い付き、切れ味が向上するといったメリットがあります。したがって、一般的にはアルミや真鍮
などの軟質材で被削性の良い材料は先端角の小さいドリル、チタンやステンレスなどの硬い被削材や高
能率加工では先端角の大きいドリルが最適です。
④ねじれ角
ドリルの軸を0°とした時に切れ刃がどれくらい傾いているかを示す角度です。一般的にねじれ角は約30°
で、これよりも小さい場合を弱ねじれ、大きい場合を強ねじれと呼びます。ねじれ角は、切りくずを穴
の外に出す働きと切削油を切れ刃まで届ける役割を持っています。ねじれ角が小さいとスパイラル長さ
が短いため切りくず排出性は良くなりますが、すくい角が小さく切削抵抗が大きくなります。反対に、
ねじれ角が大きいとすくい角が大きくなり切削抵抗は小さくなりますが、切れ刃コーナが鋭利になり、
チッピングや欠損が生じやすくなります。
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Page7
切削工具に関する基礎知識
ドリルの基礎知識➋
⑤マージン
ランド上の二番取りをしていない円筒面部分です。穴を開ける際にドリルの外周におけるガイドの役割
を果たします。バニッシュ効果により加工面粗さを向上させます。通常、1つの切れ刃につき1つのマー
ジンを取り付けますが、マージンを2つ設けたダブルマージンにすることで穴加工精度を向上させます。
⑥マージン幅
マージンの幅のことです。マージン幅はドリルのガイド性と摩擦抵抗に影響します。一般的には、ドリ
ル径の5~10%程度に設定されています。マージン幅を小さくすると摩擦抵抗は小さくなりますが、ガイ
ド性が悪くなります。一方で、マージン幅を大きくすると摩擦抵抗は大きくなりますが、ガイド性は良
くなります。
⑦チゼル角
ドリルの端面から見た時にチゼルエッジと切れ刃がなす角のことです。
チゼル角は切削能力がなく、被削材を「こじる」ような作用をします。チゼル角を大きくすると、切削
抵抗や振れが大きくなります。一方で、チゼル角を小さくすると、刃先の強度が不足し、欠損しやすく
なります。チゼル角はドリルの先端角や逃げ角によっても変化します。チゼル角は被削材や加工条件に
応じて適切に設定する必要があります。
⑧チゼルエッジ
穴を開ける際、ドリルの回転の中心となる部分のことです。チゼルエッジは切れ刃として機能しないた
め、被削材を加工する際、押しつぶしている状態になります。また、チップポケットが無く切削速度も
低いため、大きなスラスト抵抗がかかります。チゼルエッジが大きいとスラスト抵抗が増加し、求心性
が悪くなります。反対に、チゼルエッジが小さいとスラスト抵抗が減少し、求心性が良くなります。ア
ルミや真鍮などの軟らかい被削材に対しては、チゼルエッジを小さくすると切れ味が良く、ドリルが切
り込みやすくなります。反対に、チタンやステンレスなどの硬い被削材に対しては、チゼルエッジを小
さくすると割れやすくなるため、大きい方が適しています。
⑨シンニング
ドリルの先端部のチゼルエッジに切れ刃を作るために設ける溝のことです。シンニングは、チゼルエッ
ジを短くすることにより、切れ味を良くして切削抵抗を減らし、切りくずの排出性を向上させます。ま
た、切削抵抗や切りくずの排出性が改善されることにより、ドリルにかかる負荷が低減されるため、ド
リルの寿命を延ばします。
⑩リップハイト
ドリルを回転した時の、切れ刃の高さの差のことです(JIS B 0171)。リップハイトはドリルを回転させ
た時、軸に対し均等になるように設ける必要があります。均等でないと、ドリルの先端が振れやすくな
り、加工後の穴が曲がったり、ドリルが折損する可能性があります。
⑪溝
隣り合った切れ刃とヒールとの間に設けられた切りくずを排出するための溝のことです。溝は、切削す
る際にできる切りくずを外に排出する役割を持っています。
⑫溝長
軸に平行に測った切れ刃先端又は外周コーナーからの溝の切上げを含む溝の長さのことです。溝長は穴
の精度やドリルの寿命に影響を与えます。溝長を短くすると、切りくずの排出性が悪くなります。しか
し、溝長を長くしすぎるとその分だけドリルが長くなり、ドリルの剛性が低下し、折損しやすくなりま
す。
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Page8
切削工具に関する基礎知識
ドリルの基礎知識➌
⑬溝幅
軸直角断面上の、溝の幅のことです。溝幅は、一般的にはドリルの外径の10~20%程度とされています。
溝幅を大きくすると、切りくずの排出性が良くなりますが、ドリルの剛性が低下します。一方で、溝幅
を小さくすると、切りくずの排出性が悪くなりますが、ドリルの剛性が向上します。
⑭リード
ドリルが1回転した時、軸方向に進む距離のことです。リードは、ドリルのねじれ角や切れ刃の形状に影
響します。リードを長くすると、ねじれ角が大きくなり切れ刃が鋭利になりますが、切りくずの排出性
が悪くなります。一方でリードを短くすると、ねじれ角が小さくなり切れ刃が鈍くなりますが、切りく
ずの排出性が良くなります。
⑮ランド幅
軸直角断面上の、ランドの幅のことです。ランド幅は、ドリルの外径の5~10%程度が適切とされていま
す。ランド幅を大きくすると、ドリルの直進性や穴の真円度が向上しますが、摩擦が増えて熱が発生し
やすくもなり、ドリルの寿命に影響を与えます。一方で、ランド幅を小さくすると、摩擦は減りますが、
ドリルの直進性や穴の真円度が低下します。
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Page9
切削工具に関する基礎知識
エンドミルの基礎知識❶
エンドミルはドリルと異なり、ワークの上
面や側面、ポケット、溝などを加工する工
具です。
そのため、三次元に動かして使用すること
がほとんどです。
その中で求められることは、荒加工時の重
切削に強いこと、仕上げ加工時の高い精度、
切りくずの処理がスムーズであること(排
出性)、切削熱に強いこと(耐熱性)、長
期間使用出来ること(高寿命、耐摩耗性)
が挙げられます。
①刃長
刃長とは、文字通り刃部の長さのことで、一度に切削可能な深さに影響します。刃長を長くすると深い
溝加工や側面加工ができますが、剛性が低くなりビビりが発生しやすくなります。反対に、刃長を短く
すると剛性が高くなり切削性能が良くなりますが、深い溝加工や側面加工には適していません。
②第 1 外周逃げ角(外周二番角)
第 1 外周逃げ角(外周二番角)とは、外周刃における外周と第 1 外周逃げ面とのなす角です。逃げ角を大
きくすると、刃先強度が不足し、チッピングや欠損が生じやすくなります。また、ビビりの原因にもな
ります。反対に、逃げ角を小さくすると、被削材とのクリアランスが少なく切れ刃の摩耗が急速に進行
します。
③外周すくい角
外周すくい角とは、外周刃のすくい角です。外周すくい角は切れ味と刃先強度を決める上で、最も重要
なものです。外周すくい角を大きくすると、切れ刃が鋭利になり、切れ味が向上しますが、刃先強度は
低下します。反対に、外周すくい角を小さくすると、刃先強度が向上しますが、切れ味は低下します。
④ランド幅
ランド幅とは、第 1 外周逃げ面と第 2 外周逃げ面の幅です。切れ刃強度を保持するための必要な部分で
す。ランド幅を広くし過ぎると刃先強度は上がりますが、切り込みが多くできません。反対に、ランド
幅を狭くし過ぎると切り込みは多くできますが、刃先強度が下がるため、折損しやすくなります。
⑤チップポケット
刃先によって生成された切りくずを収容及び排出するために必要なくぼみです。チップポケットが大き
いほどより多くの切りくずを収容できるため、切削効率が良くなります。反対に、チップポケットが小
さいほど収容できる切りくずは少なくなるため、切削効率が悪くなります。
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切削工具に関する基礎知識
エンドミルの基礎知識➋
⑥芯厚
芯厚とは、中心部分の厚みのことです。芯厚は剛性とチップポケットを決める上で、最も重要なもので
す。芯厚を大きくすると断面の面積が広くなり、剛性が高くなりますが、チップポケットが小さくなる
ため切りくず排出性が悪くなります。反対に、芯厚を小さくするとチップポケットが大きくなり、切り
くず排出性が良くなりますが、断面の面積は狭くなるため剛性が低くなります。
⑦溝
外周刃のすくい面を構成し、切りくずを排出するための溝のことです。溝は、切削する際にできる切り
くずを外に排出する役割を持っています。溝を深くすると切りくずを収容できるチップポケットが大き
くなり、切りくず排出性が良くなりますが、剛性は低くなります。反対に、溝を浅くすると剛性は高く
なりますが、チップポケットが小さくなり、切りくず排出性が悪くなります。
⑧外周刃
外周刃とは、外周にある切れ刃のことです。外周刃の形状は、普通刃・テーパ刃・ラフィング刃の 3 種
類に分類されます。加工する際は、使用用途に合わせて適切な形状を選択する必要があります。詳しく
は外周刃の形状表をご覧ください。
⑨底刃
底刃とは、刃部端面にある切れ刃のことです。底刃の形状は、スクエア刃・ボール刃・ラジアス刃の3
種類に分類されます。加工する際は、使用用途に合わせて適切な形状を選択する必要があります。詳し
くは底刃の形状表をご覧ください。
⑩コーナー
コーナーとは、外周刃と底刃とが繋がる角のことです。被削材を加工する際、最初に接触する部分です。
コーナーを鋭くするほど、切れ味が良く食い込みやすくなりますが、強度が下がるため、衝撃により
コーナーが欠ける場合があります。エンドミルの中にはコーナーに R が施されているものもあります。
⑪ギャッシュ
ギャッシュとは、加工の際に発生する切りくずの収容と排出を促す溝のことです。底刃にあるチップポ
ケットになります。ギャッシュは切りくず排出性を安定して高められるために、加工面精度を向上させ
る効果があります。ギャッシュが小さいと加工中に切りくずが詰まってしまい、折損しやすくなります。
⑫第1底刃逃げ角(底刃二番角)
第 1 底刃逃げ角(底刃二番角)とは、軸に直交する面と第1底刃逃げ面とのなす角のことです。加工面の表
面粗さに影響を及ぼします。第 1 底刃逃げ角を大きくすると切削抵抗が減少し、安定した加工が可能に
なり、加工面の表面粗さが良くなります。反対に、第1底刃逃げ角を小さくすると切削抵抗が増大し、た
わみや振動が増加するため、加工面の表面粗さが悪くなります。
⑬すかし角(ディッシュ)
底刃全体が被削材に接触しないように、コーナーから刃具中心に向かって逃がした角度のことです。す
かし角は一般的に 1~5°程度に設定されています。すかし角を設定することで摩擦の発生や切削時の負
荷を抑制することができます。また、切削抵抗を低減させ、加工面のキズを防止する効果があります。
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株式会社東鋼 7つの特徴
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株式会社東鋼 7つの特徴
① 50,000種以上の特殊精密切削工具の開発実績
創業80年以上の東鋼は、これまでに多くのお客様に特殊精密切削工具をご
提供しており、日本のものづくり現場を支えてきました。長年培った豊富
な経験と技術ノウハウで、あなただけの特殊工具の開発をいたします。
② 磨かれた切削理論と豊富な材料知識をベースとした工具提案力
当社の営業は技術営業としての役割を担っております。そのため、ただお
客様に工具をご提供するだけでなく、磨かれた「切削理論」と豊富な「材
料知識」をベースにして、最適な工具をご提案しております。
③ 失敗できない時に選ばれる「東鋼品質」の工具製造技術
東鋼の特殊精密切削工具は、決して安くはありません。しかし、レーシン
グカーや航空機といった、人の命も抱えるような安心・安全が求められる
業界の部品加工には、必ずといっていいほど東鋼の工具が採用されます。
失敗できない時に選ばれる精密切削工具の製造技術が当社の強みです。
④ 設計~熱処理~製造まで担う精密切削工具の一貫生産体制
お客様にとって世界最高の工具をご提供すべく、当社では3D-CADによる
設計から、海外製の工作機械も用いた高精度加工、さらに熱処理炉まで内
包することで、高品質な工具を製作する体制を整えています。
⑤ 新たな市場を開拓するチャレンジ精神
東鋼では、お客様のご紹介も多くいただいており、業界問わずお客様のお
困りごとを解決しております。現在では医療用術具・機器の設計開発にも
携わっており、先入観のない工具提案で多数のオリジナル製品の開発もし
ています。
⑥ ISO・第二種医療機器製造販売許可も取得した安心の生産体制
当社は医療業界への参入もしているため、一般的な工具メーカーが取得し
ているISO9001を上回るISO13485や第二種医療機器製造販売許可を取得
しており、安心・安全の生産体制を構築しております。また東鋼では、医
療用術具に関する特許も取得しています。
⑦ 小回りの利いた特殊精密切削工具の単品・小ロット対応
東鋼では、特殊精密切削工具や医療用術具に関して一本から製造対応して
おります。研究開発用、または臨床実験用の段階から、当社が工具開発を
サポートいたします。
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東鋼が得意とする商品・サービス
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東鋼が得意とする商品・サービス
特殊ドリルの開発
加工条件や被削材に合わせて工具の長寿命化を
ご提案いたします!
このような方にオススメ
✓ ドリルの寿命が短くて困っている・・・
✓ ドリルが折れてしまう・・・
✓ 加工径がばらついてしまっている・・・
✓ ハイス製のドリルを製造してほしい・・・
✓ 斜面に穴加工したい・・・
当社による「特殊ドリルの開発」の特徴
❶被削材や製品の形状に合わせた特注ドリル提案
当社では高品質なドリルを製造することが目的ですが、お客様にとってドリルは穴を開けるた
めの手段でしかありません。そのため当社では、お客様の目的とする部品をいかに精度よくか
つ効率的に製造することができるかを考え、そのための最適な特注ドリルをご提案させていた
だきます。形状が少し変わっただけでも、ドリルの寿命が変化いたします。ですので、最適な
ドリルを設計する段階が非常に重要であり、お客様からしっかりと情報を頂くことが肝要です。
➋累計50,000種以上の精密切削工具の開発実績
東鋼は、創業80年以上の切削工具メーカーです。これまでに当社では、日本のものづくりを代
表する自動車や、マザーマシンである工作機械、さらには安全を象徴する航空業界、さらには
医療業界向けといった、様々な業界のお客様に精密切削工具をご提供してまいりました。その
数は累計で50,000種類以上にも及びます。当社のお客様の多くは、「失敗できない時は東鋼に工
具製造を依頼」という判断をされています。この長年積み重ねてきた実績こそが、日本の製造
業を当社の精密切削工具が支えているという何よりの証拠です。
➌ダイレクトにお客様のニーズをつかむ密着型工具コンサルティング
当社は、規模的には中小工具メーカーではありますが、現場の声を伺い工具を提供する割合が
非常に高いことが大きな特徴であり、当社の付加価値の源泉であると考えています。なぜなら、
人を介してしまうとお客様の声を直接聞くことができないから。「お客様にとって世界最高の
工具を作る」と謳う以上、お客様が本当に抱えている工具への悩みや課題を捉える必要があり
ます。
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東鋼が得意とする商品・サービス
特殊段付きドリルの開発
折損・切屑の巻き付け・ツールマークを抑えた
高精度な段付きドリルをご提案いたします!
このような方にオススメ
✓ 使用する段付きドリルの折損を防ぎたい・・・
✓ 使用する段付きドリルへの切屑の巻付きを抑えたい・・・
✓ 段付きドリルの加工径寸法が出ない・・・
✓ オイルホール付きの段付きドリルが欲しい・・・
✓ ザグリ穴も同時に加工できる段付きドリルが欲しい・・・
当社による「特殊段付きドリルの開発」の特徴
❶段付きドリルの設計ノウハウを活かしたVAVE解決提案多数
当社では既存の段付きドリルの改造依頼も非常に多く頂いております。ドリル自体の問題から
加工ワークに対する問題まで多くの悩みを頂いています。折損や切り屑の巻き付き、加工径寸
法が出ない、等のお悩みをお持ちのお客様は、お気軽にご相談ください。
➋サイクルタイム短縮と同軸度を実現する段付きドリル
通常大径部を加工するドリルと小径部を加工するドリル2本使用するところを、段付きドリル1
本使用することで、サイクルタイムの短縮に貢献しています。小径部の長手方向の管理におい
ても段付きドリルの精度で賄うことが可能となります。また、高精度のCNC工具研削盤で段付き
ドリルを製作している為、段付きドリルで加工した2段穴は、同軸度の高い加工を実現します。
➌段付きドリルに限らないお客様にとって最適なご提案
加工径の段差が大きい段形状においてウェブ厚を小径に合わせると、大径のウェブ厚が足りず
折損の原因となります。小径の加工長が短い場合は、再研磨回数に限りがあり段付きドリルの
メリットを生かせません。このような場合は段付きドリルの提案をしておりません。当社が提
供する製品はお客様のご要望や用途に合わせて製作する付加価値の高い工具です。したがって、
お客様の要望に適さない製品については別途改めて別の工具を提案することとしています。
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東鋼が得意とする商品・サービス
特殊エンドミルの開発
加工条件や被削材に合わせて、エンドミルの長寿命化
をご提案いたします!
このような方にオススメ
✓ エンドミルの寿命が短くて困っている・・・
✓ エンドミルのたわみを防ぎたい・・・
✓ エンドミルのビビリを抑制したい・・・
✓ エンドミルのチッピングを抑制したい・・・
✓ エンドミルの刃数は何枚刃が最適か相談したい・・・
当社による「特殊エンドミルの開発」の特徴
❶お客様のお困りごとを解決するための徹底したヒアリング
エンドミルは目的に沿った最適なものを選ばなければ、加工速度や精度が落ち仕上げ面が悪く
なる場合や必要以上の応力による工具破損と機械故障を引き起こす場合がございます。加工条
件が少し変わっただけでも、エンドミルの寿命が変化します。ですので、エンドミルは設計段
階が非常に重要であり、お客様からしっかりと情報を頂くことが肝要です。当社が長年にわた
りご依頼いただいている背景にはお客様のニーズを深くまで捉えるヒアリング力があります。
➋先入観にとらわれない斬新な特殊工具の設計・製造
当社には、創業以来50,000点もの工具製造実績がございますが、先入観にとらわれることのない
斬新な特殊工具の設計・製造に取り組んでおり、常に成長を続けています。例えばエンドミル
の切削加工におけるトラブル事例として、ビビリやバリ、折損による工具寿命の短命化が挙げ
られますが、その問題を引き起こすのはお客様が工具寿命の基準としている摩耗と面粗度と
いった要因がございます。
➌設計~熱処理~製造まで担う精密切削工具の一貫生産体制
当社は、他社にはない自社専用の熱処理炉にて熱処理工程を行っており、高精度CNC工具研削盤
や高精度CNC工具研削盤を多数保有しております。したがって、設計から熱処理、高精度工具製
造、仕上げ、検査までワンストップで対応でき、当社の強みとする各工程レベルのノウハウで
はなく全工程を加味した上での多数のノウハウを遺憾なく発揮することが可能です。
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東鋼が得意とする商品・サービス
特殊リーマの開発
加工条件や被削材に合わせて、リーマの長寿命化をご
提案いたします!
このような方にオススメ
✓ リーマの寿命が短くて困っている・・・
✓ 仕上げ面の面粗度が悪い・・・
✓ リーマの加工面にツールマークが入る・・・
✓ リーマの加工径が公差から時々外れてしまう・・・
✓ 製作したいリーマの案が固まっていない・・・
当社による「特殊リーマの開発」の特徴
❶お客様の使用方法に合わせた、最適なリーマのご提案
リーマは、加工される被削材や下穴の状態、加工環境に合わせた設計を行うことが非常に重要
です。当社では、お客様に最適なリーマをご提案するために徹底したヒアリングを実施してお
ります。そのためにも、「切削理論」と「材料特性」について一貫した知識を持つ社員による、
密着型工具コンサルティングを行っております。お客様のニーズに寄り添った密着型工具コン
サルティング、これこそが当社の強みであると自負しております。
➋累計50,000種以上の精密切削工具の開発実績
東鋼は、創業80年以上の切削工具メーカーです。これまでに当社では、日本のものづくりを代
表する自動車や、マザーマシンである工作機械、さらには安全を象徴する航空業界、さらには
医療業界向けといった、様々な業界のお客様に精密切削工具をご提供してまいりました。その
数は累計で50,000種類以上にも及びます。当社のお客様の多くは、「失敗できない時は東鋼に工
具製造を依頼」という判断をされています。この長年積み重ねてきた実績こそが、日本の製造
業を当社の精密切削工具が支えているという何よりの証拠です。
➌設計~熱処理~製造まで担う精密切削工具の一貫生産体制
当社は、他社にはない自社専用の熱処理炉にて熱処理工程を行っており、高精度CNC工具研削盤
や高精度CNC工具研削盤を多数保有しております。したがって、設計から熱処理、高精度工具製
造、仕上げ、検査までワンストップで対応でき、当社の強みとする各工程レベルのノウハウで
はなく全工程を加味した上での多数のノウハウを遺憾なく発揮することが可能です。
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東鋼が得意とする商品・サービス
特殊総型工具の開発
工具設計(材質・形状)から加工条件とコーティング
まで、最適な総型工具をご提案いたします!
このような方にオススメ
✓ 総型バイトのサイクルタイムを短縮したい・・・
✓ 総型バイトの摩耗を抑えたい・・・
✓ 総型バイトのビビリを抑えたい・・・
✓ ダブテール加工で刃のチッピングを抑えたい・・・
✓ ダブテールや総型バイトで深い溝加工をしたい・・・
当社による「特殊総型工具の開発」の特徴
❶製品形状から補正計算を元に設計される総型工具
当社では、お客様が求める製品形状を元にして総型バイトの製造をしております。その際にポ
イントとなるのが、被削材に合ったスクイ角を設定し、製品形状から補正計算をしている点で
す。製品寸法をそのまま総型バイトに反映させても、実際の加工では見掛けの形状と実際に刃
が作用する形状が異なる為、狙った寸法、形状に転写することはできません。そのため、形状、
寸法から補正計算を行った総型バイトの設計を行っております。
➋積極的なVA・VE提案力で、コストダウンを実現
当社は、設計~熱処理~製造までの一貫生産体制を整えており、その中でデザインレビューを
通じて具体的な課題に対する議論を繰り返しています。例えば、2工程に分けて加工をしていた
箇所を1つの工具に集約して1工程で加工が出来るようにすることや、再研磨回数を増やすため
の形状変更など、お客様のご要望や加工環境に合わせた工具を提案し、トータルでのコストダ
ウンを実現します。
➌切削加工中に起こるトラブルを解決
総型工具を使用して切削加工した際に起きやすいトラブルとしては、刃のチッピング、スクイ
面・ニゲ面の異常摩耗、切屑の巻き付き、加工寸法にバラつきが出る、面粗度が粗いといった
多くのトラブルが発生する可能性がございます。当社は、長年培ってきた高い技術力とノウハ
ウにより、これらのトラブル解決に貢献いたします。
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東鋼が得意とする商品・サービス
特殊ハイス工具の開発
ハイスの材質特性を活かした工具形状提案と
ハイス工具への材質変更による寿命向上!
このような方にオススメ
✓ 工具メーカーが廃業してしまったためハイス工具を製造で
きるメーカーを探している・・・
✓ ハイス工具の調達先を海外から国内に切り替えることを検
討している・・・
✓ 超硬工具の工具寿命に悩んでいる・・・
✓ 精度・品質のバラツキがある・・・
当社による「特殊ハイス工具の開発」の特徴
❶ハイス工具の設計・製造から熱処理までワンストップ対応
また近年は、ハイス製工具から事業撤退をする工具メーカーも多く、ハイス製工具をつくれる
メーカー自体がそもそも少なくなっています。そのため当社には現在、数多くのお客様より
「既存のハイス製工具を同等品質以上で作ってほしい」というご相談を多くいただいています。
さらに当社では、自社で熱処理を行う生産体制がゆえに、他社メーカーよりもハイスの熱処理
に向き合ってきた自負があります。
➋ハイスの特性を活かした工具形状提案
当社では工具材質の特性を最大限に活かした上で、工具形状のご提案を行っています。特にハ
イスに関しては、一定の硬度がありつつ靭性もあるため、特に断続切削が多いような場合はハ
イスの特性を活かすことができます。また工具材質だけでなく、ワーク材質との相性も重要に
なります。この2つの要素を考慮した上で、理想的な刃型を当社ではご提案いたします。そのた
め、切れ味抜群で寿命向上も実現する、世界に一つだけのお客様のための特注ハイス工具を製
作することができます。
➌ハイス工具への材質変更による長寿命化
一般的には超硬製のドリルやエンドミルが使用されることが多いですが、靭性に関してはハイ
ス製工具に軍配が上がります。そのため、工具の寿命向上を目的とする場合は、ハイス製工具
の方が適している場合もございます。当社では、工具の使用環境を考えて、従来のSKD材からハ
イスへ変更することで寿命が2倍に向上した事例もございます。またSKH51から、より硬度が高
いSKH57に変更することで1回の再研磨当たりの加工回数を増加させた事例もございます。
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特殊精密切削工具の開発事例