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ゼオライト粒度分布の擂潰(すりつぶし)時間依存性

事例紹介

弊社D18S装置の擂潰時間とゼオライトの粒度分布の関係を明らかにした

■概要
石川工場で生産している石川式撹拌擂潰機の性能を把握するために、ゼオライトを標準材料として、擂潰時間と粒度分布の関係を実験により明らかにする。
まず、D18S(卓上機)を用いて、ゼオライトの粒度分布と擂潰時間の関係について実験を行った。
D18Sで15分、30分、1時間、2時間、4時間と擂潰時間を変化させて、サンプルを2gずつ採取した。
このサンプルをレーザー回折粒子径測定機で粒度分布測定を行った。

※レーザー回折粒子径測定は、外部機関に依頼した。

■結論
粒度分布において粒度のピーク値(最頻値)擂潰時間1時間までは0.4μmであった。
擂潰時間2時間以降は、0.1μmであった。
粒度のばらつきを表す標準偏差は、擂潰時間が長くなれば小さくなっていた。
しかし、2時間以上は飽和し、3μmでほぼ一定となった。
このことから、今回の実験範囲では、D18Sでのゼオライトの粒度分布と擂潰時間の関係は以下のように言える

(1) 粒度(最頻値)は擂潰時間が長いほど、小さくなる傾向にある。2時間以上はほぼ一定でその値は、0.1μmである。
(2) ばらつきを表す標準偏差は擂潰時間が長いほど小さくなる。しかし、2時間以上はほぼ一定でその値は、3μmである。

これにより、擂潰時間が長いほど、粒度(最頻値)もばらつき(標準偏差)の小さくなるが、2時間を過ぎると一定となる

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このカタログについて

ドキュメント名 ゼオライト粒度分布の擂潰(すりつぶし)時間依存性
ドキュメント種別 事例紹介
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取り扱い企業 株式会社石川工場 (この企業の取り扱いカタログ一覧)

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このカタログの内容

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レーザー回折粒子径測定機を用いた D18S におけるゼオライト粒度分布の擂潰時間 依存性について 株式会社石川工場 【概要】 D18S を用いてゼオライトの粒度分布と擂潰時間の関係について実験を行った。 D18S で 15 分、30 分、1 時間、2 時間、4 時間と擂潰時間を変化させて、サンプルを 2g ずつ採取し た。このサンプルをレーザー回折粒子径測定機で粒度分布測定を行った。 ※レーザー回折粒子径測定は、外部機関に依頼した。 【結論】 粒度分布において粒度のピーク値(最頻値)擂潰時間 1 時間までは 0.4μm であった。擂潰時間 2 時間以降は、0.1μm であった。 粒度のばらつきを表す標準偏差は、擂潰時間が⾧くなれば小さくなっていた。しかし、2 時間以上は飽和 し、3μm でほぼ一定となった。 このことから、今回の実験範囲では、D18S でのゼオライトの粒度分布と擂潰時間の関係は以下のように 言える (1) 粒度(最頻値)は擂潰時間が⾧いほど、小さくなる傾向にある。2 時間以上はほぼ一定でそ の値は、0.1μm である。 (2) ばらつきを表す標準偏差は擂潰時間が⾧いほど小さくなる。しかし、2 時間以上はほぼ一定でそ の値は、3μm である。 これにより、擂潰時間が⾧いほど、粒度(最頻値)もばらつき(標準偏差)の小さくなるが、2 時間を 過ぎると一定となる 【背景・目的】 石川工場で生産している石川式撹拌擂潰機の性能を把握するために、ゼオライトを標準材料として、擂 潰時間と粒度分布の関係を実験により明らかにする まず、D18S(卓上機)を用いて、上記関係を明らかにする実験を行った。 【擂潰時間と粒度分布の関係の導き出し方】 以下の手順で擂潰時間と粒度分布の導き出す (1) ゼオライトを擂潰する前に、オーブンで 15 分ゼオライトを乾燥させる(擂潰後に水分で凝集する ことを避けるため) (2) ゼオライトを所定の時間が擂潰する
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(3) 擂潰後、再度オーブンで乾燥させる(擂潰後に水分で凝集することを避けるため) (4) サンプルを 2g採取する。 (5) サンプルをレーザ回折粒子径測定機で測定を行う。測定結果は粒径の体積として表示される。 (6) その値をレーザ回折粒子径測定機付属の粒子数変換ソフトで変換して、粒子数分布のデータ を取得 ※体積→粒子数の変換には、球の体積で除する原理を用いている 【実験機器】 ・石川式撹拌擂潰機:D18S ・レーザ回折粒子径測定機:HORIBA 製 LA-950V2 ・送風低温乾燥炉:東京理化製 WFO-420 【実験結果】 レーザ回折粒子径測定機で測定した体積比粒度分布を図 1 に示す 図1.粒度分布の擂潰時間依存性(体積比) 10 8 6 4 2 0 0.01 0.1 1 10 100 1000 10000 粒子サイズ [μm] 0.25 h 0.5 h 1 h 2 h 4 h ※横軸は対数表示 15 分擂潰では、まだ、500μm 以上の粒子が残っているが、擂潰時間が⾧くなると、10μm 以下の粒 子が増加してくる。特に、2 時間以上の擂潰時間では、1μm 以下の粒子数が増加してくる。 しかしながら、体積比の粒度分布は、我々が知りたい粒子数の粒度分布とは内容が全く異なる。 体積比を粒子数比に換算するには、測定機の付属のソフトウェアで換算する。その原理は、体積を球と 仮定して、粒径の半分(半径)の 3 乗で除することである。 500μm と 10μm とでは、体積が 50 の 3 乗倍異なる。上記の 0.25h(15 分)の粒度分布では、 10μm と 500μm とでは、体積比で 10 倍あるが、粒子数に換算すると、逆に 10μm の方が多くなる 計算となる。 頻度 [%]
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上記体積比の粒度分布の擂潰時間依存性を粒子数比に換算したグラスを図 2 に示す。 図2.粒子分布の擂潰時間依存性(粒子数比) 1.2 1 0.8 0.6 0.4 0.2 0 0 0.5 1 1.5 2 粒子サイズ [um] 0.25h 0.5h 1h 2h 4h 粒径 2μm 以上の数量は非常に小さいので、表示を 0~2μm とした。 擂潰時間 1 時間までは、分布の右側がブロードで粒径 1μm 以上でも分布している。 図 3.に最頻値(最も分布が多い値)の擂潰時間依存性を示す。 最頻値の擂潰時間依存性(粒子数比) 0.5 0.4 0.3 0.2 0.1 0 0 1 2 3 4 5 擂潰時間 [時間] 最頻値は、1 時間までは、0.4μm である。 2 時間以上は粒径 0.1μm となり、それ以上は 4 時間でも変化はない。 よって、最頻値は擂潰時間が⾧くなると小さくなるが、2 時間程度で飽和して、それ以上は 0.1μm で一 定となる。 規格値 粒子サイズ [um]
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さらに、分布のばらつきを示す標準偏差の擂潰時間依存性を図 4.に示す。 ばらつき(標準偏差)も最頻値と同様に、擂潰時間が⾧くなると小さくなる。 しかし、2 時間程度以上で飽和して、それ以上は一定となっている。 図4.標準偏差の擂潰時間依存性(粒子数比) 5 4 3 2 1 0 0 1 2 3 4 5 擂潰時間 [時間] 標準偏差 [um]