IoTテクノロジートレンドのトップ10をガートナーが発表
IoTビジネスに関心を持つ企業が増えてきているが、実際にIoT領域で必要となる全ての知識・技術やスキルを網羅的に保有している企業は少ない。
そのため、IoTを活用したビジネスに関心のある企業、もしくは今まさに始めようとしている企業は、自分たちに足りないものは何かを知り、それを念頭に置いた上で開発を進め、そこから生じるリスクを管理することが重要となってくる。
ではIoTビジネスを展開する上で必要なものとは何か? そのヒントとして、米調査会社ガートナーが発表したIoTテクノロジートレンドのトップ10を紹介しよう。
※本資料はTechFactoryの記事をまとめたブックレットです。
このカタログについて
ドキュメント名 | いま押さえておくべき IoTのテクノロジー TOP10 |
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ドキュメント種別 | 製品カタログ |
ファイルサイズ | 1Mb |
登録カテゴリ | |
取り扱い企業 | TechFactory|アイティメディア株式会社 (この企業の取り扱いカタログ一覧) |
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このカタログ(いま押さえておくべき IoTのテクノロジー TOP10)の内容
Page 1:Copyright © 2016 ITmedia Inc.BookletIoTビジネスで成功を目指すなら絶対に押さえておきたいテクノロジー10選ガートナーは、今後2年間を通じて、全ての企業・組織にとって重要性が増してくるであろう「IoT(Internet ofThings)」テクノロジートレンドのトップ10を発表した。初出:TechFactory 2016/3/15http://techfactory.itmedia.co.jp/tf/articles/1603/15/news026.html
Page 2:Copyright © 2016 ITmedia Inc. 2IoT(Internet of Things:モノのインターネット)システム/サービスの構築には、非常に広範囲の新しい技術と、それらを使いこなすためのスキルが必要となる。しかしながら、IoTビジネスに関心を持つ多くの企業が、IoT領域で必要となる全ての技術やスキルを保有しているわけではない。そのため、IoTに関して取り組みを進めている、あるいは近い将来開始する予定のある企業は、自分たちに足りないものは何か、その未熟性を念頭に置いて開発を進め、そこから生じるリスクを管理することが重要となってくる。米国の大手調査会社であるガートナー(Gartner)は、今後2年間を通じて、全ての企業・組織にとって重要性が増してくるであろうIoTテクノロジートレンドのトップ10を発表した。IoTビジネスを成功に導く上で、参考になる情報ではないだろうか?注目のIoTテクノロジー トップ101.IoTセキュリティIoTによって、広範囲に新しいセキュリティリスクと課題が生み出される。その対象はIoTデバイス自体だけでなく、IoTデバイスのプラットフォームやOS、ネットワーク通信、接続先のシステムも含まれることになる。IoTシステム/サービスを構築・運営する際は、通信を暗号化するとともに、IoTデバイスのなりすましやバッテリーを消耗させるようなDenial-of-Sleep攻撃といった新しい脅威に対処し、情報攻撃と物理的な改ざんの両方からIoTデバイスとプラットフォームを保護する必要がある。そのため、IoTセキュリティに関する技術・知見は欠かせない要素となる。しかしながら、多くのデバイスに実装されているシンプルなプロセッサとOSが、高度なセキュリティアプローチに対応していないという事実を踏まえると、IoTセキュリティは複雑な課題であるといえる。IoTビジネスで成功を目指すなら絶対に押さえておきたいテクノロジー10選
Page 3:Copyright © 2016 ITmedia Inc. 32.IoTアナリティクスIoTのビジネスモデルでは、顧客行動の理解やサービスの提供、製品の向上、ビジネスチャンスの発見などを目的に、さまざまな方法でセンサーやIoTデバイスが収集した無数の情報を分析しなければならない。ただし、IoTには従来と異なる新たな分析的アプローチが必要であり、新しいアナリティクスツールとアルゴリズムが求められるが、2021年末までにデータ量が増加し続ける中で、このようなIoTのニーズと従来のアナリティクスとの乖離(かいり)は、さらに広がっていくと予想される。3.IoTデバイス(モノ)の管理IoTシステムにおいて、長期間使用されることになるIoTデバイスは、安定的な運用を行っていくために管理・監視が必要となる。IoTデバイスの管理・監視には、デバイスモニタリング、ファームウェア/ソフトウェアアップデート、診断、クラッシュ分析/レポーティング、物理的な管理、セキュリティ管理などが含まれる。またIoTデバイスの管理は、IoTシステム/サービスに接続されるセンサーやデバイスの数が増えれば増えるほど煩雑になる。そのため、数千~数百万ものデバイスを管理・監視できるようなIoT管理ツールの導入が欠かせないものとなる。4.省電力の短距離IoTネットワークIoTデバイスの接続に無線ネットワークを使用する場合、範囲やバッテリー寿命、帯域幅、密度、エンドポイントコスト、運用コストなど、相反するさまざまな要件のバランスを考える必要がある。2025年末まで、省電力の短距離ネットワークが無線IoT接続の主流となり、その数は広域IoTネットワークを使った接続を上回ると予想される。IoTビジネスで成功を目指すなら絶対に押さえておきたいテクノロジー10選
Page 4:Copyright © 2016 ITmedia Inc. 4ただし、ビジネスと技術のバランスを取るためには、多くのソリューションが共存しなければならず、特定のテクノロジーやアプリケーション、ベンダーエコシステムを基盤にする圧倒的な勝者も集団も存在することはない。5.省電力WAN(広域ネットワーク)広いカバレッジを必要とし、比較的低い帯域幅、長いバッテリー寿命、低廉なハードウェアコストと運用コスト、高い接続密度を特長とするIoTアプリケーションにとって、従来の携帯電話通信網では技術的な機能と運用コストの最適な組み合わせを提供することができない。広域IoTの長期的な目標、それは数百bpsから数十kbpsまでのデータレートを実現しながら、全国規模のカバレッジ、最長10年のバッテリー寿命、低価格のエンドポイントハードウェア(5ドル前後)、ベースステーションや同様の基盤に接続している数十万に及ぶデバイスのサポートといった要件を満たすことである。最初の省電力広域ネットワーク(LPWAN)は、ベンダー固有のテクノロジーを基盤にしているが、長期的に見た場合、ナローバンドIoT(NB-IoT)が優位を占めることになる見込みだ。6.IoT向けプロセッサ強力なセキュリティと暗号化のサポートや消費電力、OSのサポートに十分な先進性、アップデート可能なファームウェア、内蔵のデバイス管理エージェントなど、IoTデバイスの能力は、使われているプロセッサとアーキテクチャによって決まる。どのハードウェアデザインでも同じように、機能、ハードウェアのコスト、ソフトウェアのコスト、ソフトウェアのアップグレードの可能性といった特性の間には、いずれかを追求すれば他方を犠牲にせざるを得ないという複雑なトレードオフの関係が存在する。このため、プロセッサ選びには深い技術的なスキルが求められる。IoTビジネスで成功を目指すなら絶対に押さえておきたいテクノロジー10選
Page 5:Copyright © 2016 ITmedia Inc. 57.IoT向けOSマイクロソフトの「Windows」やアップルの「iOS」をはじめとする従来OSは、当然ながらIoTアプリケーション用に設計されたものではない。そのため、大量の電力を消費するとともに高速なプロセッサを必要とし、IoTデバイス(組み込み機器)に求められるリアルタイム性が保障されていないケースもある。また、これらOSのメモリ使用量は小型のIoTデバイスには大き過ぎるため、IoT開発者が使用するチップをサポートしていないこともあり得る。こうしたこともあり、現在、多くの異なるサイズのハードウェアと機能ニーズをサポートできるよう、IoT固有の多様なOSが数多く開発されている。8.イベントストリーム処理一部のIoTアプリケーションは、リアルタイム分析が必要な超高データレートのデータを生成する。1秒当たりの生成イベント数が数万というシステムは一般的であり、一部の通信環境やテレメトリー環境では、1秒当たりの生成イベント数が数百万に上る。このような環境をサポートするために登場したテクノロジーが、分散ストリームコンピューティングプラットフォーム(DSCP)である。一般的に、DSCPでは並列アーキテクチャを使用することで、リアルタイム分析やパターン認識などの実行に伴う超高レートのデータストリームを処理している。9.IoTプラットフォームIoTプラットフォームは、IoTシステムに必要な数多くのインフラコンポーネントを単一の製品に同梱して提供される。これらのプラットフォームのサービスは、次の3つのカテゴリーに分類できる。1.通信、デバイスの管理と監視、セキュリティ、ファームウェアのアップデートなどの低レベルなデバイス管理と運用IoTビジネスで成功を目指すなら絶対に押さえておきたいテクノロジー10選
Page 6:Copyright © 2016 ITmedia Inc. 62.IoTデータの取得、変換、管理3.IoTアプリケーションの開発(イベント駆動型ロジックやアプリケーションプログラミング、ビジュアライゼーション、アナリティクス、エンタープライズシステムへのアダプターなどを含む)10.IoTの標準とエコシステムエコシステムも標準も、正確にはテクノロジーではないが、最終的にはAPIとして具体化される。IoTデバイスは、相互接続して通信を行わなければならないとともに、多くのIoTビジネスモデルは複数のデバイスと組織の間におけるデータ共有に依存しているため、標準およびこれらに関連するAPIは不可欠な要素となる。今後多くのIoTシステムが登場し、スマートホームやスマートシティー、医療といった分野では、これらのエコシステム間でビジネスと技術の激しい競争が繰り広げられる。IoT製品のメーカーは、複数の標準やエコシステムをサポートする派生品を開発するとともに、これら製品のライフサイクル全体を通じて、標準の進化や新しい標準と関連APIの出現に適応していくために、製品をアップデートしていく準備が必要となる。IoTビジネスで成功を目指すなら絶対に押さえておきたいテクノロジー10選TechFactory ブックレットIoTビジネスで成功を目指すなら絶対に押さえておきたいテクノロジー10選編集:TechFactory発行:アイティメディア株式会社Copyright 2016 ITmedia,Inc. All Rights Reserved.