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外観検査の自動化に欠かせない技術の基礎が分かる1冊
工場のQCD改善には、製品品質を向上させる検査装置への設備投資が重要です。
外観検査装置に使用される技術の基礎がこの1冊で理解できます!
▼ 目次
1.はじめに
2.画像処理とは
(1)画像処理
(2)画像特徴抽出
(3)画像判定
3.前処理とは
(1)前処理の種類
(2)前処理フィルタ例
(3)前処理フィルタを適用した画像例
4.エッジ検出による検査
(1)前処理エッジ処理の方法
(2)エッジ処理フィルタ例
(3)エッジ処理
【関連キーワード】
画像処理、外観検査、官能検査、製品品質、QCD
産業用ロボット、カメラ、照明、AI処理ソフトウェア
株式会社FAプロダクツ、FAP、画処ラボ、ガショラボ、JSS
Team Cross FA、TXFA、ロボットSIer、システムインテグレータ
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このカタログについて
ドキュメント名 | 画像処理のエッジ検出とは?前処理や検査事例10選 |
---|---|
ドキュメント種別 | ホワイトペーパー |
ファイルサイズ | 2Mb |
取り扱い企業 | 株式会社FAプロダクツ (この企業の取り扱いカタログ一覧) |
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このカタログの内容
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画像処理のエッジ検出とは?前処理や検査方法を解説
株式会社 FA プロダクツ 植地祐奈
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画像処理のエッジ検出とは?前処理や検査方法を解説
目次
1.はじめに
2.画像処理とは
(1)画像処理
(2)画像特徴抽出
(3)画像判定
3.前処理とは
(1)前処理の種類
(2)前処理フィルタ例
(3)前処理フィルタを適用した画像例
4.エッジ検出による検査
(1)前処理エッジ処理の方法
(2)エッジ処理フィルタ例
(3)エッジ処理
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1. はじめに
外観検査では、カメラでワークの状態を撮像し、パソコンに画像を送って、ワークの仕様
が正しく製造されているかどうかを確認します。
しかし、画像にゴミのようなノイズがある、画像がぼやけているなどで、ワークの正確な
状態が見れないことがあります。そうすると、ワークの仕様(例えば、ワークの幅など)
の寸法測定をすることができないことが起こります。
正確な状態を見るために必要なことは、まずはノイズを取り除くことや、画像をシャープ
にしてぼやけを取り除くことです。次に寸法測定に必要なことは、画像の位置を決めるこ
とで、それが、画像のエッジ検出処理です。
今回は画像処理のうち、ワークのエッジ検出についてご紹介します。
2. 画像処理とは
図1では、インラインで外観検査を行うシステムのイメージを紹介します。
検査装置では、生産ラインを流れるワークの状態をカメラで写し、デジタル画像を取り込
んで画像処理装置に送ります。
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デジタル画像データは、
前処理 → 画像特徴抽出 → 判定 → 表示・出力
の順に画像処理され、ワークの仕様に対し OK/NG の合否を判定し、制御処理します。
(1) 画像処理
画像処理とは、画像データを表す画素の濃度値を数値化し、演算処理によってワークの仕
様に合った特徴を表すように、画像元図から抽出、変換、認識を行う画像処理方法です。
(2) 画像特徴抽出
画像特徴抽出の一つが、次のような画像の形状の特徴を検出する処理です。
• 重心
• 面積
• 周囲長
• 円形度
• モーメント主軸
(3) 画像判定
画像によって検査する目的は、ワークが仕様通り製作されているかどうかの判定です。
例えば、ワークの幅を検出し、設計通りのものかどうかを判定します。ワークはLSIの
ように非常に精密でコンパクトになってきていて、目で判断することは不可能です。画像
データから正確な情報を得るときに、画像のノイズなどで計測が不正確になっては困りま
す。そのために、画像の特徴を抽出する処理を行う前に必要なことが、次の章で紹介する
前処理です。
3. 前処理とは
画像の特徴を抽出するためには、生の画像に対して前処理をする必要があります。
例えば、生の画像にノイズによる点が広がっている場合に取り除くことや、ぼけた部分に
より画像が明確でないときに、境界を強調させて明確にする画像処理が必要です。
これを行う前処理が、前処理フィルタによる画像処理です。
空間フィルタを適用するイメージを、図2で紹介します。
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元画像の3×3ピクセルの画素に対し、ノイズを除去するような空間フィルタを適用する
ことで、3×3ピクセルの画素の中央の画素を変換します。
元画像の3×3ピクセルの画素変換を、元画像全体に適用することで、元画像全体でノイ
ズを除去する作用が働き、元画像からノイズ成分が除去された画像となります。
こうすることで、画像特徴抽出の処理を行う際に、障害となるノイズ画素がなくなり、正
確な特徴の抽出ができます。
(1) 前処理の種類
前処理は、不必要であるような情報を取り除く処理です。その種類を表1で紹介します。
表1 前処理例
前処理 処理内容
膨張 3×3 の画素の中心を、9 個の画素のうち、最も明るい濃度値に置き換え
収縮 3×3 の画素の中心を、9 個の画素のうち、最も暗い濃度値に置き換え
平均化 3×3 の画素の中心を、9 個の画素の平均の濃度値に置き換え
3×3 の画素の中心を、9 個の画素の中で明るい順に並べた 5 番目の濃度
メディアン 値に置き換え
エッジ抽出 画像中の輝度が大きく変化する箇所を検出
エッジ強調 画像をより鮮明になるように、画素を変換
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表1で紹介した前処理は、メーカーによっては、画像特徴抽出処理と混合する場合があり
ます。例えば、画像の境界を検出するためのエッジ強調処理は、前処理に含まれる場合
と、画像特徴抽出に含まれる場合があります。どちらのケースも、処理する方法はほぼ同
じであり、場合分けの問題です。
(2) 前処理フィルタ例
図3で前処理の例として、膨張と収縮のフィルタ処理について、ご紹介しましょう。
膨張フィルタは、3×3の9個の画素のうち、最も大きい濃度値、最も明るい濃度を、中
心の画素に置き換えます。図3では、0~8の濃度値の中で、8が最も大きいため、中心
の濃度値4を8に置き換えます。
画像が1080×1440ピクセルであれば、3×3のセグメントで処理した内容を、画
像全体の全セグメントに渡って処理します。
圧縮フィルタは、膨張とは逆に、3×3の9個の画素のうち、最も小さい濃度値、最も暗
い濃度を、中心の画素に置き換えます。
図3は0~8の濃度値の中で0が最も大きいため、中心の濃度値4を0に置き換えます。
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(3) 前処理フィルタを適用した画像例
図4では、膨張と収縮フィルタを適用した画像例を紹介します。
検査する元図では線跡がありますが、膨張フィルタを適用することで、線跡が消えます。
しかし、文字の部分も暗い画素で置き換わるため、文字部分が縮小します。
これに対して、収縮フィルタで画像を処理すれば、文字の部分が拡大し、元の文字の大き
さ程度に戻ります。
このように、膨張と収縮フィルタを適用することで、元図の線跡だけが消える画像処理を
行うことが可能です。
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4. エッジ検出による検査
図5では、画像のエッジを検出する手法のイメージをご紹介します。
円板型のワークの撮影画像から、円板の内径を計測することを考えてみましょう。
図5の最上位で描く円板の画像は、円板のエッジの周囲にあるノイズなどで、明確な境界
を見つけることができません。もちろん、ピクセル単位での話です。この様子をグラフで
描くと、縦軸を輝度値として、図5の上から2番目の図のように表されます。
この図を微分した図で表すと、一次微分図のように表され、極大値とした所が、画像の色
の変化が最も大きい境界、すなわちエッジです。
さらに、この境界は、二次微分図のゼロクロッシング点(マイナスからプラス、または、
プラスからマイナスに変わる0の位置)として表されます。
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(1) 前処理エッジ処理の方法
エッジを抽出するフィルタについて、手法ごとに表2で紹介します。
表2 エッジ抽出フィルタ
フィルタ名 エッジ抽出方法
左右に隣合う画素値の輝度の一次微分として,境界を検出
します。
縦方向と、横方向にエッジ検出を行い、その結果を合成し
ソーベルフィルタ ます。
左右に隣合う画素値の輝度の二次微分として,境界を検出
します。
縦方向と、横方向にエッジ検出を行い、その結果を合成し
ラプラシアンフィルタ ます。
画像の平滑化を行うガウシアンフィルタに、ソーベルフィ
キャニーフィルタ ルタを組み合わせて輪郭を検出するフィルタです。
(2) エッジ処理フィルタ例
図6では、ソーベルフィルタによるエッジ抽出について紹介します。
ソーベルフィルタは3×3の画素9個の画素に対して乗算を行い,画像の境界を抽出する
フィルタです。左右に隣合う画素の値の差から一次微分を求め、境界の検出を行います
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が、それぞれX方向とY方向のエッジ抽出フィルタがあり、2つの結果を足し合わせて境
界を検出します。一般的に、平滑化を行うフィルタと組み合わせて使います。
(3) エッジ処理
図7では、ソーベルフィルタを適用したイメージ図を紹介します。
ここでは「粗さがあるワークのリード間の寸法など、形状を計測する検査装置での画像検
査」と想定します。
• このワークをソーベルフィルタでエッジを抽出するときの図が、左下の図です。粗
さの部分もエッジとして検知するため、このままでは形状測定は不可能です。
• そのため、粗さのあるワークにメディアンフィルタをかけて、粗さ部分をぼかしま
す。この様子が、図7の上部真中の図です。
• メディアンフィルタをかけた画像に対し、ソーベルフィルタでエッジを抽出した図
が、上部右側の図です。
• 粗さによるエッジ抽出誤りがなくなるため、ワークの形状計測が可能となります。
画像処理システム導入のご相談は画処ラボへ
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この資料では、画像処理の中のエッジ検出について紹介しました。画像処理の方式はいろ
いろあり、同じ方式、例えばエッジ検出の方法でも、いくつかの手法があります。
検査対象の状況も、カメラの解像度、位置、照明の明るさや当てる位置など、その状況に
応じて画像が変わるため、画像処理の方式やアルゴリズムの処理順序も変わってきます。
さらに、同じエッジ処理でも、メーカーごとに独自の手法を開発しています。これは、多
くのワークを対象とした検査の経験から最適なものが選ばれていることでしょう。
こうしてみると、同じような飲料水を作るペットボトルの製造ラインでも、メーカーごと
に特色ある製造方法がありますから、ボトルの検査装置の方式も異なってきます。
そのため、検査装置で処理する画像処理の方式も、ボトル製造ライン独自の画像処理を行
っていると言っても良いでしょう。
したがって、製造ラインのワークの検査装置を設置し、画像処理の方式を選ぶとき、処理
パラメータのチューニングを行うときも、独自に開発が要求されます。
その製造ラインを多く手掛けていれば、経験から短時間で検査装置を完成できますが、経
験が不足していると、短時間での完成はできません。経験が豊富なメーカーなどに相談
し、自社にあったシステム導入を行いましょう。画像処理システムの導入をご検討の際
は、まずは画処ラボまでお気軽にお問合せください。
株式会社 FA プロダクツが運営する画像処理検証の専門施設「画処ラボ(ガショラボ)」
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社名:株式会社 FA プロダクツ(FA Products Inc.)
Web サイト:https://jss1.jp/
所在地:
つくばベース 茨城県土浦市卸町 2-13-3 TEL: 050-1743-0310 E-mail: jss_sales@jss1.jp
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