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見直しポイント・便利ツール・自動化事例の紹介
生産工程の改善活動の第一歩に、チョコ停改善をしませんか?
段取り変えにかかる時間を短縮して生産効率を上げられる手法をご紹介します。
▼ 目次
1.段取り替えとは
(1)内段取り
(2)外段取り
2.段取り替えをするには?改善のために事前に見直す内容
(1)ムダ作業の洗い出し
①トヨタ生産方式の7つのムダ
(2)作業の標準化
3.自動化による段取り改善の方法
(1)製品に合わせた治具の導入
(2)単機能なロボットセル設備の導入
4.段取り替えを自動化できるツール
(1)専用治具
① 書き込み治具の製造事例
② 基盤検査治具の製造事例
(2)多品種対応ハンド
① RG2グリッパー
② 3FG15 3指グリッパー
▼ 関連キーワード
段取り替え、トヨタ生産方式、治具、jig、ジグ、産業用ロボット
ロボットセル、ハンド、グリッパー、専用機、生産改善、工程改善
改善活動、JSS、株式会社FAプロダクツ、FAP、Team Cross FA、TXFA
このカタログについて
ドキュメント名 | 【簡単】段取り替えの基本と改善方法の解説 |
---|---|
ドキュメント種別 | ホワイトペーパー |
ファイルサイズ | 1.9Mb |
取り扱い企業 | 株式会社FAプロダクツ (この企業の取り扱いカタログ一覧) |
この企業の関連カタログ
このカタログの内容
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段取り替えの基本と改善方法を解説|自動化による改善事例やツールも紹介
株式会社 FA プロダクツ 植地 祐奈
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段取り替えの基本と改善方法を解説|自動化による改善事例やツールも紹介
段取り替えは製造現場において欠かせない作業の一つであり、生産ラインを止めて行う段
取り替えの場合は、その時間が製品ロスの時間に直結するため、収益に大きな悪影響を与え
てしまいます。段取り替えの改善は、徹底的なムダの抽出や作業工程の見直しが一般的でし
たが、産業用ロボット使用などによって、そもそも段取りが必要にならない工程への変更な
どが注目されています。本資料では、段取り替えの基本や改善のために事前に見直すポイン
トなどについて解説します。段取り替え改善の自動化についても紹介するので、生産工程の
革新を目指す人にとっての悩み解決に役立つでしょう。
目次
1.段取り替えとは
(1)内段取り
(2)外段取り
2.段取り替えをするには?改善のために事前に見直す内容
(1)ムダ作業の洗い出し
①トヨタ生産方式の 7 つのムダ
(2)作業の標準化
3.自動化による段取り改善の方法
(1)製品に合わせた治具の導入
(2)単機能なロボットセル設備の導入
4.段取り替えを自動化できるツール
(1)専用治具
①書き込み治具の製造事例
②基盤検査治具の製造事例
(2)多品種対応ハンド
①RG2 グリッパー
②3FG15 3 指グリッパー
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1. 段取り替えとは
段取り替えとは、製造現場において製品の品種や工程内容に合わせて、使用する装置機器
や治具を交換したり設定を変更したりすることです。段取り替えをスムーズに進めてロス
率を下げるためには段取りについての理解が欠かせません。ここでは、製造現場における
2 つの段取り替え(内段取りと外段取り)について紹介します。
(1) 内段取り
「内(うち)段取り」とは、生産に直接関係する機器や動作を停止させてから行う段取り
替えのことです。例えば、乾燥設備などの条件を変更する時、目的の温度に達するまでは
生産ができなくなります。手作業での組立工程ならば、工具を持ち替える時間は内段取り
時間に該当します。内段取り中は生産活動自体が停止してしまうため、段取り替えに時間
がかかればそれだけロス率が上がって収益を圧迫します。
(2) 外段取り
「外(そと)段取り」とは、生産中に使用している機器や動作を停止させずに、工程の外
でできる段取り替えのことです。例えば、内段取りで交換する機器をすぐに使える状態に
メンテナンスして条件設定をしておく、打ち抜き作業で使う金型を手の届く範囲に置いて
おくといったことが挙げられます。外段取りは生産活動には直接関係しないため、製品の
ロス率には影響しません。しかし、内段取りに関わる機器などの外段取りができていなけ
れば段取り替え全体に時間がかかってしまい、結果的にロス率を上げてしまう恐れがあり
ます。
2. 段取り替えをするには? 改善のために事前に見直す内容
段取り替えは製品ロスに直結する作業であり、内段取りだけでなく外段取りの見直しも重
要です。段取り替えの自動化ができればロスは減るかもしれませんが、その前に確認して
おくべきことがあります。ここでは、段取り改善のために見直すべき内容について紹介し
ます。
(1) ムダ作業の洗い出し
段取り替えに限らず、あらゆる作業には「ムダ」が潜んでいるのが一般的です。例えば、
組立工程の内段取りで、交換に必要な治具がその場になければ、「治具を探す」「治具を
取りに行く」といったムダが生じます。このトータルのムダ時間が長くなるほど製品ロス
時間も増えてしまい、ムダがあるままでは段取り改善の効果は下がります。
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① トヨタ生産方式の 7 つのムダ
工程に関するムダの考え方の代表例に「トヨタ生産方式」の 7 つのムダがあります。
⚫ 加工のムダ
⚫ 在庫のムダ
⚫ 造りすぎのムダ
⚫ 手待ちのムダ
⚫ 動作のムダ
⚫ 運搬のムダ
⚫ 不良・手直しのムダ
この中でも、段取り替えに直接関係があるムダは「手待ちのムダ」「動作のムダ」です。
先ほどの治具の事例で考えてみましょう。「治具を探す」という動作は、外段取りで事前
に準備されていれば発生しなかったムダなので「動作のムダ」です。一方、もし治具の交
換作業を 2 人で行っているとしたら、「治具を取りに行く」期間中は残り 1 人の作業者
は何もすることがなく手待ちになるため「手待ちのムダ」が発生しているのです。
(2) 作業の標準化
作業の標準化とは、各作業による成果物の標準レベルと作業の進め方を決めて、作業者に
よる仕上がりや作業時間のばらつきを減らすことです。作業の標準化ができていれば、た
とえ作業者が変わったとしても、決められた手順でムダなく作業ができます。段取り替え
においても、外段取りや内段取りが属人化してしまっていると、段取り時間にばらつきが
出てしまい、想定外のロスが発生してしまいます。内段取りと外段取りの作業標準化がで
きていれば、段取り替えの時間が安定し、ロス率を想定したオペレーションが可能となる
でしょう。
3. 自動化による段取り改善の方法
段取り替えによるロスの改善は、地道なムダの抽出と作業標準化の繰り返しによって行わ
れるのが一般的でした。しかし、現在は自動化によって段取り替えを改善することもでき
ます。ここでは、自動化によって段取り替えを改善する方法について紹介します。
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(3) 製品に合わせた治具の導入
製品に合わせて自動で治具の段取り替えが行えれば、人による治具の交換時間を大幅に削
減できます。例えば、フライス盤や旋盤などの加工機の場合、加工方法に合わせて治具を
交換しなければいけません。しかし、マシニングセンタのような自動工具交換機能がある
機械ならば、必要な治具が全てセットされたパレットとパレットチェンジャーさえあれ
ば、工程に合わせて即座に目的の治具に切り替えて加工ができます。また、自社特有の作
業であっても、専用の自動化治具を開発・製造することで、人の手での改善に限度があっ
た段取り替えのさらなる改善も期待できます。
(4) 単機能なロボットセル設備の導入
繰り返し同じ動作を行うような作業に関しては、人が行うよりも産業用ロボットを活用し
た方が段取り改善につながるでしょう。とはいえ、多機能なロボットは導入コストが高
く、作業によっては過剰な機能になる恐れがあります。しかし、「掴む」「運ぶ」など単
純な動作のみができるロボットならば、組み替えによって人が行う作業を飛躍的に効率化
することもできます。例えば、スマラボ東京で紹介された「DX 型ロボットジョブショッ
プ」のように、治具レスかつ位置決めレスという単純な機能に限定されたロボットアーム
と AGV による自動搬送を組み合わせた構成のものがあります。
4. 段取り替えを自動化できるツール
段取り改善には自動化が有効であることを説明しましたが、ここでは具体的な段取り替え
の自動化ツールを紹介します。
(1) 専用治具
自動化ツールのひとつが専用治具です。治具は加工物を固定し、高い品質の製造品を作れ
るようにサポートする器具を言います。治具を導入するときは、工場の自動化をサポート
するメーカーに問い合わせ、制作依頼をするのが一般的です。株式会社 FA プロダクツで
は、お客間の工程に合わせてさまざまな専用治具の製造・導入事例があります。
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① 書き込み治具の製造事例
OA 機器業界向けに、ROM への書き込み工程を自動化する機器を開発しました。以下の
4 工程を一つの治具で自動化することで段取り替えによるロスを大幅に削減しています。
⚫ トグルを引いて製品をセット
⚫ トグルランプを引く
⚫ ピンが製品の基盤に接触
⚫ デバッカーを用いて ROM に書き込みを行う
② 基盤検査治具の製造事例
家電業界向けにインターネットルータの内部基盤の機能検査を行う治具を開発・導入して
います。機器の動きは以下の 3 つで、お客様に合わせた設備構成で設計されています。
⚫ 基盤をセット
⚫ スタートボタンを押すと通電
⚫ 実装された部品が正常か確認
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(2) 多品種対応ハンド
多品種対応ハンドとは、その名のとおり、多様な品種に対応したロボットハンドのことで
す。例えば OnRobot では、さまざまな単純動作に対応したロボットハンドを、目的の機
能別に単体購入できます。これにより、自社の作業工程における段取り替えのロス分析に
よって改善すべき工程があれば、その工程に合わせてロボットハンドを購入し、組み替え
などを行うことでフレキシブルな自動化を進めることが可能になります。もちろん、ロボ
ットハンドの導入に際しては SIer などプロへの相談が最も近道です。
① 2 指グリッパー(例:OnRobot・RG2 グリッパー)
2 本指で挟み込む柔軟なグリッパーで、さまざまな形状や幅広い部品サイズに対応してい
ます。
② 3 指グリッパー(例:OnRobot・3FG15 3 指グリッパー)
3 本指で挟み込むグリッパーで、大きなストロークによってさまざまな部品サイズに適用
します。センター位置調整機能が正確で、最小限のプログラミングでも生産効率の向上に
貢献します。
段取り替えは製品のロス率を大きく左右する作業です。トヨタ生産方式の 7 つのムダの
中でも特に手待ちや動作のムダにつながり、製造工程改善による収益改善のためには欠か
せないポイントです。現在は、人の手による段取り替えをロボットハンドや専用治具など
による自動化によって、革新的な工程改善につなげているケースも珍しくありません。株
式会社 FA プロダクツでは、複雑なロボットハンドの開発は検証機を使用しての要素検証
ができます。お客様のご要望に合わせて段取り替えの改善提案と、自動化装置の開発・製
造が可能です。お悩みの方は、お気軽にご連絡ください。
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装置導入に関するお悩みは FAP へ
こんなお悩みはありませんか?
・生産工程の自動化をしたいがノウハウがない
・複数社への発注、スケジュール管理の手間がかかる
・どのメーカーの製品を選べばいいか分からない
・他社の SIer から「専門外なので対応できない」と言われてしまった
そんな時はぜひ、関東最大級のロボット SIer である株式会社 FA プロダクツにご相談くだ
さい。
FAP の強み
加工から出荷まで、生産ライン全体の最適化にまとめて対応
エンジニアによる一貫生産体制で、高品質・低価格を実現
取引先 400 社以上の豊富な実績
省人化・省力化をご検討の際はお気軽に 050-1743-0310 までお問い合わせください。
(受付時間:平日 9:00~18:00)
企業概要
社名:株式会社 FA プロダクツ(FA Products Inc.)
Web サイト:https://jss1.jp/
所在地:
つくばベース 茨城県土浦市卸町 2-13-3 TEL: 050-1743-0310 E-mail: jss_sales@jss1.jp
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