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【よく分かる】プレス機械加工の仕組み・マシンの種類・安全対策

ホワイトペーパー

工場で活用されるマシンの基本が分かる1冊

【目次】
1. プレス機械とは? 定義や原理・関係資格について
(1) プレス機械の概要とメリット・デメリット
(2) プレス加工の原理と加工できない素材
(3) プレス機械に関わる国家資格
2. プレス機械の種類とそれぞれの仕組み
(1) 機械プレス
①C型プレス
② ストレートサイドプレス
③ トランスファプレス
④高速精密自動プレス
⑤ サーボプレス
⑥粉末成形プレス (メタルパウダープレス)
⑦ インクリメンタルフォーミング機
⑧冷間鍛造プレス
⑨熱間鍛造プレス
⑩0 スクリュープレス
(2) 液圧プレス (油圧プレス)
① 汎用油圧プレス
②汎用ターボプレス
③ ファインプランキングプレス
④ ダイスポッティングプレス
⑤ ハイドロフォーミングプレス
3. プレス機械の事故事例・安全対策について
(1) プレス機械の事故事例
①事故事例 1. プレス機械の金型に挟まれ死亡
②事故事例 2. 材料を取り出そうとしたときにスライドが下降し挟まれ事故
③ 事故事例 3. プレス機械に頭を挟まれて死亡
(2) プレス機械の安全対策

【キーワード】
プレス機械、機械加工、マシン、安全対策
Team Cross FA、チームクロスエフエー、TXFA
株式会社FAプロダクツ、FAP、JSS

このカタログについて

ドキュメント名 【よく分かる】プレス機械加工の仕組み・マシンの種類・安全対策
ドキュメント種別 ホワイトペーパー
ファイルサイズ 2.4Mb
取り扱い企業 株式会社FAプロダクツ (この企業の取り扱いカタログ一覧)

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このカタログの内容

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プレス機械とは?加工の仕組み・マシンの種類・安全対策 株式会社 FA プロダクツ 植地 祐奈
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プレス機械とは?加工の仕組み・マシンの種類・安全対策 プレス機械は自動車やパソコンの部品、医療機器、ロボット製作など、あらゆる日本製品 の製造に使用される機械です。21 世紀に入ってからは、省資源・省エネルギーの「地球 環境にやさしい加工方法」としても注目されるようになりました。そんなプレス機械の概 要や仕組み、プレス機械の種類、安全対策について解説します。 目次 1.プレス機械の定義・原理・関係資格 ⑨熱間鍛造プレス (1)概要とメリット・デメリット ⑩スクリュープレス (2)加工の原理と加工できない素材 (2)液圧プレス(油圧プレス) (3)プレス機械に関わる国家資格 ①汎用油圧プレス 2.プレス機械の種類と仕組み ②汎用ターボプレス (1)機械プレス ③ファインブランキングプレス ①C 型プレス ④ダイスポッティングプレス ②ストレートサイドプレス ⑤ハイドロフォーミングプレス ③トランスファプレス 3.プレス機械の事故事例・安全対策 ④高速精密自動プレス (1)プレス機械の事故事例 ⑤サーボプレス ①プレス機械の金型に挟まれ死亡 ⑥粉末成形プレス(メタルパウダープ ②材料を取り出そうとしたときにスラ レス) イドが下降し挟まれ事故 ⑦インクリメンタルフォーミング機 ③プレス機械に頭を挟まれて死亡 ⑧冷間鍛造プレス (2)プレス機械の安全対策 1
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1. プレス機械とは?定義や原理・関係資格について プレス機械(鍛圧機械)とはその名前のとおり、ワーク(加工対象物)に対してプレスに よる圧力をかけることで加工を行う機械です。プレス加工は自動車を始めとする製造業で は欠かせない加工方法であり、日本が世界に誇れる技術の一つでもあります。日本産業規 格(旧日本工業規格)である JIS で定義されている内容は次のとおりです (JISB0111)。 2 個以上の対をなす工具を用い、それらの工具間に加工材を置いて工具に関係運動を行わ せ、工具によって加工材に力を加えることによって加工材を成形加工する機械で、かつ工 具間に発生する力の反力を機械自体で支えるように設計されている機械である。 (引用:日本産業標準調査会) (1) プレス機械の概要とメリット・デメリット プレス機械は必ず金型とセットで使用します。金型の形状によって、プレス加工の結果が 変化します。代表的なプレス加工は次のとおりです。 曲げ加工 プレス機の加圧によってワークを曲げたり凹ましたりすることで、目的の形へ変形させる 加工。 穴あけ加工 丸形や四角などのあらかじめ決まっている形の穴を開ける加工。 くり抜き加工 丸形や四角などあらかじめ決まっている形をくり抜く加工。 絞り加工 1 枚の金属の板から、円柱や円すい、角柱などの底付きの容器に似た形のものを製造する 加工。もっとも難易度が高い。 プレス機械による加工は、ワークを削る切削作業のような切り屑や切断部分が出にくいた め、素材の歩留まりが良好な点がメリットです。また「上下から圧力をかける」というシ ンプルな加工は、ほかのワーク加工作業よりもスピードが速く生産性が高くなります。そ の単純な動きのおかげで自動化を進めることも比較的容易です。他にもプレス機械の金型 によって製品の寸法・形状などは決まっていることから、誰が操作しても製品の品質が安 1
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定している点もメリットといえます。プレス加工のデメリットとしては、金型の制作費や 金型製作のノウハウなどが必要になる点が挙げられます。さらにプレス作業は重大なケガ や死亡のリスクを含んでいるため、安全な作業環境と従業員への安全教育も課題になるで しょう。 (2) プレス加工の原理と加工できない素材 プレス加工は、別名で塑性加工とも呼ばれます。ある一定以上の力を素材に加えると、変 形してもとに戻らないという、素材の「塑性(そせい)」を利用した加工です。例えば薄 い金属板を想像してみてください。薄い金属板は軽く曲げたり人間の力で押したりして形 が変わっても、すぐに元に戻るはずです。しかしさらに強い力で 90 度曲げると、今度は 曲がったままの状態が維持されて元に戻りません。こうした永久的な変形を塑性と呼びま す(戻る状態は弾性)。プレス機械は、セットしたワークに対して、上下から圧力を加え ます。強力な圧力がかかったワークは弾性と塑性の境目である降伏点を超え、最後は永久 的に変形したままになるのです。これがプレス加工の大まかな原理になります。プレス加 工でよく用いられる素材(被加工材)は下記のとおりです。 ⚫ ステンレス鋼 ⚫ 銅 ⚫ アルミニウム ⚫ チタン 上記に挙げたような「変形性」「変形抵抗の高さ」「切削性」「熱処理耐性」などが優れ ている素材が、プレス加工で加工しやすいものです。金属(製鉄・非鉄)が主な種類とな ります。反面、ガラスなどすぐに壊れてしまうものや、塑性がない素材についてはプレス 機械による加工はできません。また板厚が薄すぎたりサイズが大きすぎてプレス機械に収 まらなかったりするなどでも加工は難しくなります。 (3) プレス機械に関わる国家資格 大ケガや死亡のリスクから危険度が高いといわれるプレス機械には、管理・技術力の証明 としてさまざまな関連資格が存在します。主な資格は下記のとおりです。 プレス機械作業主任者 プレス機械や安全装置、異常時の措置など安全な作業環境を 確保する責任者 金属プレス加工技能士 プレス機械加工に関する一定以上の知識・技術を要すると 認められた者 2
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工場板金技能士 金属板の加工に関する一定以上の知識・技術を要すると 認められた者 日常的にプレス機械による加工を行っている場合は、技術者・指導者を育成する意味でも 資格取得を推奨するも一つの職場改善です。 2. プレス機械の種類とそれぞれの仕組み 日本鍛圧機械工業会や日本産業規格の規定によると、プレス機械の種類は主に「機械プレ ス」と「液圧プレス」に分かれます。それぞれの特徴を表にまとめました。 機械プレス 液圧プレス 生産速度 速め 遅め ストロークの長さ そこまで長くできず調整も 比較的長めにでき、簡単に 難しい 調整 できる 最大加圧の大きさ 50~80,000kN まで 200,000kN ほど 加圧力の調整・保持 難しく保持もできない 簡単に調整可かつ保持もで きる 保守関係 液圧プレスより簡単 手間がかかる (参考:一般社団法人 日本金属プレス工業協会) 以下では、機械プレスと液圧プレスのそれぞれの種類をご紹介します。 (1) 機械プレス 機械プレスとは、機械式の機構によって駆動するプレス機械の総称です。電動モータによ る回転運動を、スライドの直線運動やその他の運動に変換してプレス加工を行います。以 下より、機械プレスの主な種類をご紹介します。 ① C 型プレス C 型プレスとは、横から見たときフレームの形が C になっているプレス機械です。プレ ス機械の中ではもっとも汎用性が高く、作業性に優れています。 ② ストレートサイドプレス ストレートサイドプレスとは、プレスの本体を 4 本の柱で支えている構造のプレス機械 です。門型・四柱式とも呼ばれます。剛性の高さが特徴です。 3
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③ トランスファプレス トランスファプレスとは、一台のプレス機械のなかにさまざまな単工程の金型がセットさ れているプレス機械です。トランスファ装置によって連続的なプレス加工が可能となって います。 ④ 高速精密自動プレス 高速精密自動プレスとは、高速で加工を可能にしたプレス機械です。高い剛性と精度を備 えています。 ⑤ サーボプレス サーボプレスとは、サーボモーターの駆動よって自由にスライドの速度やモーションを設 定できるプレス機械です。そのコントロールのしやすさから、加工が難しい素材の取り扱 いや加工物の品質管理、最適な作業スピードへの調整など、さまざまな応用利用を可能と しています。 ⑥ 粉末成形プレス(メタルパウダープレス) 粉末成形プレス(メタルパウダープレス)とは粉末状の金属を金型に入れて成形・圧縮す るプレス機械です。既存の金属板のプレス加工と比べ、より複雑な形を作れます。 ⑦ インクリメンタルフォーミング機 インクリメンタルフォーミング機とは、金属 NC データをもとに棒状の工具をワークに 押しつけて加工するプレス機械です。「上下から圧力をかける」というこれまでのプレス 機械の構造と一線を画し、移動する成形工具を逐次的に押し付けて整形していくという形 になります。金型を使用しないのが特徴です。 ⑧ 冷間鍛造プレス 冷間鍛造プレスとは、常温で金属を塑性変形させるという冷間鍛造の技術を用いて加工を 行うプレス機械です(金属鍛造における冷間とは常温のこと)。常温で成形することで、 成形精度を高くできたり後加工の労力が少なくなったりなどのメリットがあります。しか し、常温で整形する分だけワークの硬度も高いため、非常に大きな成形圧力と技術・経験 が必要になります。 ⑨ 熱間鍛造プレス 熱間鍛造プレスとは、加工が難しい難加工品を扱う場合や複雑な形状の加工が必要な場合 に、素材を 800~1,200 度という高温まで熱して成形を行うプレス機械です。熱をかける 4
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ことで金属が柔らかくなるため、プレス加工がやりやすくなります。ちなみに、ばね成形 専門の場合は熱感ばね成形プレスと呼びます。 ⑩ スクリュープレス スクリュープレスとは、フレームの中でネジを回転させ、そこで加圧力を発生させるタイ プのプレス機械です。 (2) 液圧プレス(油圧プレス) 液圧プレスには「水圧式」と「油圧式」が存在します。ポンプで送り込んだ水もしくは油 の圧力を利用して、ワークの塑性加工を行うプレス機械です。2021 年現在では、ほとんど の現場で油圧式のプレス機械が導入されています。 ① 汎用油圧プレス C 型や門型などのフレームを持つ、一般的な油圧プレスです。 ② 汎用ターボプレス 汎用ターボプレスとは、サーボモーターによって油圧ポンプを駆動させて圧力をかけるプ レス機械です。 ③ ファインブランキングプレス ファインブランキングプレスとは、精密なブランキング(抜き打ち加工)を行うためのプ レス機械です。プレスによる加圧でワークを塑性変形させるプレス加工よりも、ワークの 置き場・ワーク・加圧部の隙間を極力なくし、上下から加圧を行います。一般的なプレス では難しい、ミクロン単位での精密な加工が可能です。 ④ ダイスポッティングプレス ダイスポッティングプレスとは、金型の製作・調整・修正・点検などの作業を安全かつス ピーディーに行える機能を持ったプレス機械です。 ⑤ ハイドロフォーミングプレス ハイドロフォーミングプレスとは、曲げや口絞りといった予備成形を済ませたパイプに液 体を入れ、内側からの液圧で膨らませるという原理で加工するプレス機械のことです。パ イプのような形状でしか利用は難しいですが、「ワークの凹ますのではなく膨らませる」 という新しい発想の加工方法といえます。 5
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3. プレス機械の事故事例・安全対策について プレス機械は単純な構造だからこそ作業者の油断を招いてしまい、現在も年に何度か死亡 事故の原因になっています。実際にその危険性から、労働安全性製法で「プレス機械又は シャーの安全装置構造規格」として、安全装置や機械部品の強度について細かく定められ ているほどです。プレス機械の起動中に機械に巻き込まれてしまうと、高い確率で身体の 欠損や死亡事故につながります。機械の所有者ならび使用する現場作業員は、安全な作業 を心がける必要があるでしょう。 (1) プレス機械の事故事例 古いデータではあるものの、厚生労働省の「プレス機械による労働災害の防止におけるリ スクアセスメントの必要性」によると、災害の 93.1%がはさまれと巻き込まれだったとい う結果が出ています。原因としては、「防護装置の欠陥」「故意的な安全装置の無効化」 「機械の不全をそのままにしていた」などが挙がっていました。以下より、具体的な事故 事例を見ていきましょう。 ① 事故事例 1.プレス機械の金型に挟まれ死亡 動力プレス機械を使用した金属加工作業中に発生した死亡事故。プレス機械の金型に材料 をセットする作業員と、プレス機械を操作する作業員に分かれていたプレス機械を操作し ていた作業員が突然動かなくなった機械を確認すると、もう 1 人の作業員が金型に挟まれ ていた。当時、プレス機械の安全装置が故障していた。そのため、何らかの原因で金型の 間に体を入れた作業員に反応して動き出したプレス機械に挟まれた。10 年前に設置され たものにもかかわらず、一度も特定自主点検を行っていなかったことが原因です。プレス 作業主任者の資格者は在籍していましたが、災害現場においては実質的な管理業務は行わ れていませんでした。また 4 ヶ月・日系二世の作業員に対して、作業・安全に関する特 別教育を実施していなかったとのことです。 ② 事故事例 2.材料を取り出そうとしたときにスライドが下降し挟まれ事故 プレス機械で製造中の家電部品の加工品を取り出す際に、プレス機のスライドが降下して きて挟まれた事故。作業中、意図的に安全装置オフにしていたことにより発生しました。 被害にあったのは設備を所有していた会社の社員ではなく、プレス加工を委託されていた 別会社の作業員でした。安全装置を停止していたこと、外部作業員の作業標準の協議が十 分でなかったことなどが原因と考えられます。 6
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③ 事故事例 3.プレス機械に頭を挟まれて死亡 死亡事故は 2020 年の 12 月にも発生しています。金属加工会社の作業員が、部品製造用 のプレス機械に頭を挟まれているところを発見され、死亡が確認されました。周囲に他の 作業員が存在せず、1 人で作業しているときに誤って挟まれたものと思われています。プ レス機械を操作する際は、万が一に備え監督者や他の作業員を含めた 2 人以上の作業を 必ず行いましょう。 (2) プレス機械の安全対策 プレス機械作業の安全を確保するには、次のような安全対策が考えられます。 ⚫ プレス機械に対する自主的な安全点検を怠らないこと ⚫ 安全装置に異常が見られたときは必要な措置を取ること ⚫ 1 年以内に 1 回特定自主点検を実施すること ⚫ 作業員への安全教育は必ず行うこと ⚫ 一動作一確認で作業に当たること ⚫ 監督者をおき、金型の取付や調整作業を直接指導させること ⚫ 作業中は他の作業者がプレス機械に近づけないようにすること など 上記に挙げた対策以外にも、労働安全衛生法に定められた内容の遵守や現場で隠れている 危険箇所の抽出・改善も必要になるはずです。日本鍛圧機械工業会のページにてプレス機 械の労働安全衛生法が一覧でまとめられたページがあります。ぜひ参考にしてください。 参考:一般社団法人 日本鍛圧機械工業会|プレス機械の労働安全衛生法一覧表 4. 設備のメンテナンス・リプレース・オーバーホール 株式会社 FA プロダクツでは、既存設備のメンテナンスや一部リプレース、オーバーホー ルに対応しております。下記のようなお困りごとをお持ちの際は、ぜひ一度ご相談くださ い。 【お困りごと】 ・設備の保守メンテナンスを定期的に実施できていない ・設備が老朽化し、修繕や交換、改造等の対応が必要 ・自社製品の保守サポート対応人材が足りていない 装置のメンテナンスは株式会社 FA プロダクツにお任せください! 7
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