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このホワイトペーパーでは、食品製造業における人手不足を解決するために、ロボットをどのように導入し、活用していけばいいかをまとめています。
第2回となる今回は、初めて産業用ロボットの導入を検討するにあたって、何をどのようなステップで検討すればよいのかと、各ステップでのポイントをご説明します。なお、今回のレポートは、食品製造業だけでなく、初めてロボットの導入を検討するあらゆる製造業様で参考にしていただけます。
1.ロボット導入を検討するときの壁
2.ロボットの導入ステップ
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このカタログについて
ドキュメント名 | ロボットは食品工場の人手不足を解消できるのか?- ②初めてのロボット導入ステップ - |
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ドキュメント種別 | ホワイトペーパー |
ファイルサイズ | 1Mb |
登録カテゴリ | |
取り扱い企業 | エプソン販売株式会社 (この企業の取り扱いカタログ一覧) |
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このカタログの内容
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White Paper
ロボットは食品工場の人手不足を解消できるのか?
- ②初めてのロボット導入ステップ -
このホワイトペーパーでは、食品製造業における人手不足を解決するために、ロボットをどのように導入し、活用していけばいいかをまとめています。第 2
回となる今回は、初めて産業用ロボットの導入を検討するにあたって、何をどのようなステップで検討すればよいのかと、各ステップでのポイントをご説明し
ます。なお、今回のレポートは、食品製造業だけでなく、初めてロボットの導入を検討するあらゆる製造業様で参考にしていただけます。
このホワイトペーパーの要点
初めてのロボット導入では、まず自動化したい工程の当たりをつけ、採用する FA ソリューションを決める。
ロボットの導入にはロボットシステムインテグレーターとの協力が必要。
ロボットは周辺機器との組み合わせ(システム)として設計することが必要。
が大きい」工程です。
1.ロボット導入を検討するときの壁
具体的には例えば、下記のいずれか、あるいは複数の特徴をもつよう
このホワイトペーパーをお読みいただいている方の多くは、自社の工場 な工程です(表1)。これらの要素を満たす工程を洗い出し、自動化
にロボットを導入したことがないか、あるいは導入した経験が少ないけれど 候補となる工程の当たりをつけていくことが、ロボット導入に限らず、工程
も、工場の人手不足解消や生産工程の効率化の方法を検討なさって の自動化を進める最初のステップになります。
いる方かと思います。 表 1 自動化・ロボット導入に適した工程
初めてロボットの導入を検討する際、よくぶつかる壁は次の 3 つです。
①人手がかかっている • 複数名で同じ作業をしているほど、
人手不足解消の効果が大きい
何から始めればよいのかがわからない ②稼働時間が⾧い • 24時間稼働している工程などは
人手不足解消効果が大きい
どの工程を自動化すればよいのかわからない
③繰り返し作業が多い • ロボットの調整・カスタマイズの手
どのようなロボットを採用すればよいのかがわからない 間やコストが少なく済む
④他の会社の工場でも • 既に実績があると、導入コストを
同じような工程がある 低く抑えやすい
本稿では、これらの課題を意識しながら、初めてロボットを導入する場
合のステップと、その際のポイントを説明します。 ちなみに、特に食品工場でロボット導入による自動化が行いやすいのは
包装・充填の工程です。(詳しくは前回のレポートをお読みください)
■②採用する FA ソリューションを決める
2.ロボットの導入ステップ
自動化できそうな工程の当たりを付けたら、次はその工程の自動化に
■ロボットの一般的な導入ステップ 適した FA ソリューションを決めます。もっと簡単に言うと、「そもそもその工
まずは、ロボットを導入して運用するまでの一般的なステップを確認し 程の自動化にロボットを使うのか、専用機を使うのか、その他の自動化
ましょう。ロボット導入を検討しはじめて、運用するまでには、一般的には 機械(コンベアと人手作業等の組み合わせ等)にするのか」など、適切
大きく 6 つのステップがあります。それは、①自動化したい工程の当たりを な解決策を決めていきます。
つけること、②FA ソリューションを決めること、③仕様の決定・提案を依 当然ですが、自動化の手段はロボットだけではありません。作業の特
頼すること④提案を受けて導入の判断をすること、⑤システムとしてイン 性や商品によっては、すでに専用機(包餡機・撹拌機など)が存在す
テグレーション(統合)すること、⑥運用と管理をすること、です。順に簡 る工程もありますし、ロボットにするとむしろ作業効率が落ちるため、コン
単にみていきましょう。 ベアなどを導入しながらも人手を残したほうがよい工程もあります。これら
■①自動化したい工程の当たりをつける の選択肢の中から、ロボット化に適した工程に絞り込みます。
まずは、(ロボットを採用すべきかどうかにかかわらず、)生産性向上 ロボットの導入や自動化に慣れていない場合、このステップでは、ロボッ
の余地がある工程(業務)を洗い出します。どのような工程を洗い出せ トメーカーなどが公開している事例集を見て似ている工程を探していく
ばいいかと言うと、「導入のハードルが低くて」「自動化による効率化効果 か、あるいは直接ロボットシステムインテグレーター(SIer)と呼ばれる
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White Paper
企業に声をかけて、自動化できそうかを聞いてしまうほうが早いでしょう。 せん。次回以降のホワイトペーパーで、ロボット導入の費用対効果の考
■③仕様の決定・提案を依頼すること え方を詳しく解説する予定なので、そちらもご参考にしてください。
ロボットを既存の製造ラインに組み込むためにはシステムインテグレーシ ■⑤システムインテグレーション(統合)する
ョン(統合)が必要です。自社でロボットを製造ラインに組み込むことは いよいよロボットを導入する段階となります。事前に決定した仕様に基
難しいため、ロボットシステムインテグレーターの支援を受けて行うことにな づいて、必要な機器を調達し、ロボットを含めたシステムを構築します。
ります。そのため、自動化したい工程と FA ソリューションが決まれば、該 元の製造ラインに、完成したシステムを統合し、動作確認やユーザーテ
当する製品や事例を公開しているメーカーやロボットシステムインテグレー スト(実運用に則した検証)が終了すればロボットの導入は完了で
ターに問い合わせを行いましょう。 す。
そもそもシステムインテグレーションという言葉に馴染みがない方も多い ■⑥運用と管理をする
のではないでしょうか。システムインテグレーションとは「ロボット導入の目 ここまでの工程が済んだら、ロボットを稼働して製品を製造していくこと
的・要件事項を整理し、そのために必要なロボットや周辺装置の組み合 になります。しかし、初めてロボットを導入した事業者では、ロボットの導
わせを設計し、製造ラインへ組み込むこと」です。ここで、提案前にロボッ 入された工場を管理できる人材の確保が必要です。初めてロボットを導
トシステムインテグレーターが実施する作業を紹介しましょう。 入する企業では、ロボットに知見のある人材がいないことがボトルネックで
① 要件の定義 あると感じているのではないでしょうか。しかし、心配はいりません。ロボット
ロボット導入の目的、ロボットに求める作業内容・加工品質、 メーカーなどが提供している人材育成プログラムが多くあり,それらを活用
想定される運用方法など要件を定義します・ することにより、社内にロボットの知見を持った人材を育成することが可能
② 工法の検討、システムの構想 です。
定義した要件を満たすために必要なロボットや周辺機器の組
み合わせ(システム)を検討します。 表 2 ロボットの導入ステップ
③ 仕様決定
3D 図面ツールなどを用いて、検討したロボットを含むシステム 自
社 ①自動化したい工程にあたりをつけること
の具体的な運用方法や調達先を決定します。 で
検
■④提案を受けて導入の判断をすること 討 ②FAソリューションを決めること
先ほどの 3 つのステップを経て、ロボットシステムインテグレーターは仕
様を決定し、提案をすることとなります。提案を受けいれ、決済に進むか S ③仕様の決定・提案を依頼すること
否かの判断をするために必要なことは費用対効果の算出です。ロボット I
導入時には、ロボット本体の価格に加えて、関連・周辺装置やシステム e ④提案を受けて導入の判断をすること
r
インテグレーションのコストなど大きな投資額が必要となります。また、導 と ⑤システムとしてインテグレーションすること
入後には人材育成やメンテナンスが必要となります。そのため、しっかりと 協
メリット・デメリットを整理したうえで、導入コストに見合った効果が期待で 力 ⑥運用と管理をすること
きるのかを慎重に見極める必要があります。
費用対効果の算出で不明点があればロボットメーカーに相談してみま ※SIer:ロボットシステムインテグレーターのこと
しょう。実際には、ロボット導入によるメリットはコスト削減だけではありま
工場の自動化・ロボット導入に関するお困りごとがあればご相談ください。
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