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大根は「無色透明」です。でも、なぜ「白色」に見えるのでしょうか?
大根を、分光測色計で「反射/透過測定」してみた結果をご紹介。
また、デジタルマイクロスコープで撮影もしてみました。
このカタログについて
ドキュメント名 | 大根は「白色」ではない? |
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ドキュメント種別 | 事例紹介 |
ファイルサイズ | 2Mb |
取り扱い企業 | コニカミノルタジャパン株式会社 (この企業の取り扱いカタログ一覧) |
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このカタログの内容
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大根は「白色」ではない?
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大根は「無色透明」です。
より正確には、大根は、微小部分を見ると「無色透明」ですが、全体を見ると「白色」です。
大根は「白い」色素を持っていません。
「透明」に近い細胞や繊維質、水分で構成され、また、目では見えないほどの
小さな小さな無数の穴があいていて、表面もデコボコで覆われています。
そして、その間には空気が含まれています。よって、このような生の大根に外
光があたることにより、光があらゆる方向に乱反射して、結果、人の目には
「白く」見えているのです。
輪切りにした大根をデジタルマイクロスコープで撮影してみました。
Emspira3
デジタルマイクロ
スコープ
大根
撮影ご協力:日本電計株式会社様 関西コーティングジャパン(塗料・塗装設備展)展示ブースにて撮影
ライカ マイクロシステムズ株式会社様 デジタルマイクロスコープ
大根を煮ると、中の空気が
外に出て水がしみこむので、
「透明」な色になって見え
るというわけですね。
無色透明な大根が白く見えることは、
無色透明な結晶から成る食塩や白砂糖
が白く見えることや、無色透明な氷の
結晶から成る雪が白く見えること、無
色透明な毛を持つ白熊(北極熊)が白く
見えること、などと同じ現象なのです。
乱反射であり、粉体反射も同様です。
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大根の断面の拡大画像
撮影ご協力:日本電計株式会社様 関西コーティング ジャパン(塗料・塗装設備展)展示ブースにて撮影
ライカ マイクロシステムズ株式会社様 デジタルマイクロスコープ
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大根を「反射/透過測定」してみました!
反射 透過 反射 透過
大根を1cmの厚さに切断して測定
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大根を「反射/透過測定」してみました!
厚さ1cmの大根を
Φ30mmの測定径で
反射測定
分光反射率グラフ
厚さ1cmの大根を
Φ20mmの測定径で
分光透過率グラフ 透過測定
観察条件 D65/10°
モード 測定径 測定方法 L* a* b*
SCI 85.50 -0.98 9.15
反射 φ30mm
SCE 85.35 -1.01 9.22
透過 φ20mm di:0° 34.72 0.53 17.15
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大根を「反射/透過測定」してみました!
厚さ1cmの
大根を
色と光沢を同時に
Φ17mmの
測定可能!
測定径で
厚さ1cmの 透過測定
分光反射率グラフ 大根を
Φ25.4mmの
測定径で
反射・光沢
測定
分光透過率グラフ
黒バック 白バック
観察条件 D65/10°
モード 測定径 測定方法 L* a* b*
SCI 85.81 -1.11 8.88
通常の挟み込み
(簡易な黒バック)
SCE 85.66 -1.09 8.99
SCI
黒バック 85.54 -1.11 8.88
反射 φ25.4mm
ゼロ校正ボックス
SCE 85.38 -1.11 9.00
SCI
白バック 86.64 -0.62 10.27
白色校正板
SCE 86.49 -0.61 10.38
透過 φ17mm 透過測定 di:0° 33.70 -0.14 17.08
60°光沢度 10×8mm(楕円) 白バック 白色校正板 2.2 GU
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半透明の試料は下地の影響を受けます。
大根のように、半透明の試料は、下地の影響を受けるので注意が必要です。
大根の下地が、黒バック(透過した光が戻ってこない)と白バック(透過した
光が白色板に反射して返ってくる)の違いで測定値が変わる場合があります。
黒バック 白バック
内容 測定方法 L* a* b*
SCI 85.54 -1.11 8.88
黒バック
ゼロ校正ボックス
SCE 85.38 -1.11 9.00
SCI 86.64 -0.62 10.27
白バック
白色校正板
SCE 86.49 -0.61 10.38
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もう少し詳しく、光学的にご説明すると
大根を煮ると、中の空気が外に出て水がしみこむので、
「透明」な色になって見えるというわけですね。
ご参考までに、上記を光学的に説明するなら、下記のようになります。
「大根の組織の大部分は水と空気であり、多くの微小な面で水と空気が
接触しています。
大根を照明した白色光が、大根内部を進むとき、水から空気、または空
気から水に進むと、水と空気の屈折率の違いにより(水の屈折率は1.333、
空気の屈折率は1.000)、その境界(これを界面といいます)で必ず反射が
起こります。(フレネル反射です。)
多くの微小な界面の間で瞬時に多重反射を繰り返した後、大根の外へ、
様々な方向にほぼ均等に進みますので、白色の拡散光となり、光沢の低
い白色の拡散反射試料として観察されます。
水に大根を入れて煮ると、微小な空気の部分が水に置き換わり、水だけ
となりますので、水と空気の界面が無くなり、界面での反射光が無く
なって透過光だけになり、透明に見えるようになります。」
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「色」や「光沢」など
外観品質評価で
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