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ものづくり現場のDX推進【第1回】

ハンドブック

DXの取り組みを推進するための勘所を、事例を交えながらご紹介します。

「DXの基礎知識」「DX推進のシナリオ」 「DXを円滑に進めるための施策」「DXは人材育成の格好の場」「DX推進時にぶち当たる壁を 乗り越える」等を中心に、全10回シリーズでお届けしてまいります。

このカタログについて

ドキュメント名 ものづくり現場のDX推進【第1回】
ドキュメント種別 ハンドブック
ファイルサイズ 2Mb
登録カテゴリ
取り扱い企業 ミツイワ株式会社 (この企業の取り扱いカタログ一覧)

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このカタログの内容

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ものづくり現場のDX推進 第一回 DXとは ものづくりテラス 林 芳樹 著 © 2024 mitsuiwa corporation
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はじめに みなさま、こんにちは。 前回シリーズ(このロボット導入バイブルがすごい!)では、「ロボット・自動化設備 導入ガイド ブック」として15回シリーズでお届けしてまいりました。 今回あらたに「ものづくり現場のDX推進」をテーマに、「DXの基礎知識」、「DX推進のシナリオ」、 「DXを円滑に進めるための施策」、「DXは人材育成の格好の場」、「DX推進時にぶち当たる壁を 乗り越える」等を中心に、10回シリーズでお届けしてまいります。 アカデミックな内容は他のコラムにお任せし、本コラムはできるだけ実際に実践して感じたことや、 事例を中心にお届けしてまいります。 第一回目のテーマは「 DXとは」 です。 ものづくり現場のDX推進 【第一回】DXとは 1 >> ロボット・自動化のソリューションはこちら <<
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01 DX(デジタルトランスフォーメーション)とは まだDXに取り組んでいない方にとっては、「D」は理解できたとしても「X」はなんなのだと思われ るでしょう。DXは「デジタル技術を駆使し、既存業務全体をTransformation(変革)させる」こと を示します。 図表1にそのイメージを示しました。これで「X」の意味もおわかりいただけるでしょう。 Digital技術 Transformation 生産性向上 製造実績入力画面 受注No 納期 製品名 治具No. 製造指示数 治具名 作業者 ▼ ▼ 既存業務の変革 原価低減上 閉じる 意思決定の迅速化 業務スピード向上 一般的な英語圏の表記では Transを「X」と略すことが一般的 変化変動への対応力強化 意思決定の迅速化 大事なのはこのTransformation 働き方の改革 Digital技術はあくまでもTransformationを ・・ 実現するための手段 ・ 図表1 DXのイメージ DXの狙いは既存業務、ビジネスそのものを変革させ、生産性向上や意思決定の迅速化等、経営 効果をもたらすことです。 ものづくり現場のDX推進 【第一回】DXとは 2 >> ロボット・自動化のソリューションはこちら <<
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02 言葉の整理 DXもさることながら、ITやIoT、デジタイゼーションやデジタライゼーションと、似たような言葉 が飛び交い、何がどう違うのだと思う方もいらっしゃるでしょう。 ここで少しことばの整理をしてみましょう。 (1)I oT(Internet of Things) IoTはあらゆるものをネットでつなぎ、スムーズな情報のやりとりをはかるものです。これによっ て機械設備や家電等の稼働状況の見える化や遠隔操作がはかることを実現しています。 (2) デジタイゼーション(Digitization)、デジタライゼーション(Digitalization)、DX もういろいろと横文字が並び、なかなかよくわかりませんね。 経済産業書のDXレポート2では図表2のように示されています。 図表2 DXフレームワーク(経済産業省DXレポート2 より引用) ものづくり現場のDX推進 【第一回】DXとは 3 >> ロボット・自動化のソリューションはこちら <<
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02 言葉の整理 もう少し加筆してみます。 考え方 取組み事例 既存の業務そのものは変化させない。 デジタイゼ―ション ある工程で効率化のためにデジタルツールを ・紙情報の電子化 導入するなど部分的なデジタル化。 ・設備稼働情報の収集・見える化 既存の価値をデジタル化しながら新たな価値 ・ワークフロー全体のデジタル化 デジタライゼ―ション を生み出す。特定工程、特定作業だけでなく、 ・IoTやロボットを活用し、業務全体をオン 個別の業務、製造プロセスをデジタル化する。 ライン化、「今が見える」しくみを構築 意思決定の迅速化を実現 組織横断/全体の業務・製造プロセスのデジタ DX ル化、「顧客起点の価値創出」のための事業や ・デジタル技術を活用し、ビジネスモデル ビジネスモデルの変革をおこす。 だけでなく、組織全体の最適化をはかる ものづくり現場のDX推進 【第一回】DXとは 4 >> ロボット・自動化のソリューションはこちら <<
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03 DX概要 DX推進の全体イメージを図表3に示しました。初回ですので、推進ステップ概要ならびに各ステッ プの留意点・主なポイントを中心に考察していきます。 ・ 意思決定の迅速化 ・ 激しいビジネス環境への対応力強化 ・ 業務プロセスのスピードアップ化 ・ より付加価値の高いビジネスの展開 ・ フロントローディングによる開発 ・ 競争上の優位性の確保 ありたい姿 スピード向上、コストダウン ・ 生産性向上 ・ 属人化の排除 ・ 省人化 DX推進は利益に結びつく活動 デジタル技術を徹底活用 あ り 現状の問題点・課題の摘出と対策の推進 経営手動での推進 た い 改善による「余力の捻出」 DX推進体制での構築 ギャップ 姿 に 業務フローの再見直し DX人材の育成 向 け 新たなしくみづくり、見える化 DX推進に向けた余力捻出 て の 標準化、ルール化、役割/責任分担の明確化 DX推進を支える企業文化 取 り 現状 組 デジタル技術の活用、 DX推進を支えるしくみ、 み DXツールの導入 体制の構築 図表3 DX推進の全体イメージ (1) ありたい姿を描く DXは従来の延長上ではなく、事業の変革を進めていくものです。DX推進によって何の実現を めざすのか、実現後の風景がどのようなものになるのかを描きます。 ありたい姿は経営者が描く必要があり、推進中、目的・目標をぶれさせない、関係者全員のベク トルを合わせるために必須の要件です。 (2) 現状をしっかりと把握する 現在の自社の強み、弱み、保有資源、実力値(例. 付加価値作業比率、品質レベル 他)、現状の問 題点等を把握し、可視化します。この実力値を踏まえた目標値、マイルストーンの設定を行うこと が肝要です。 ものづくり現場のDX推進 【第一回】DXとは 5 >> ロボット・自動化のソリューションはこちら <<
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03 DX概要 (3) 課題の明確化 ありたい姿と現状とのギャップが「課題」となります。 図表3に示すように、課題解決向けて新たな仕組みづくり、デジタルツール活用等による作業効 率化、組織構造の見直し等さまざまなテーマが浮かびあがります。 ここで留意いただきたいのは、DXツールはあくまでもありたい姿に向けた支援ツール(手段)で あり、その導入自体は目的にはなり得ないことです。 (4) DX推進を支えるしくみ、体制の構築 ① 経営主導での推進 DX推進の成否の鍵は、経営者がDXを理解し、経営主導で進めるかにあります。 DXは従来の組織の壁、意識の壁、情報の壁をぶち破り、従業員の意識の変革をも求めていくも のです。当然現場の抵抗感は強いものがあります。 仮に部長職が推進責任を担った場合、「どうして他の部門長から自部門のあり方を変えろなど、 とやかく言われなければならないのか」といったレベルの問題から対応していく必要があります。 この壁を乗り越えるには、経営者の明確な方針、推進に向けた強い信念が不可欠です。どうし ても部長職等の人材に推進を任せる場合、経営者の権限委譲も添えることが必須要件です。 ② DX推進体制の構築 DX推進は全社関連部門を組み込んだ推進体制を組むと同時に、専任の推進組織を設ける必要 があります。DX技術が求められるというとことでITリテラシーを有する情報システム部門が主宰 することも少なくないでしょう。 ただDX推進の難しさは「総論なんとなく賛成」、「各論大反対」の現場と向き合い、粘り強く会話 を進め、説得し、ありたい姿に向かって牽引していくところにあります。改革に向けて強い思いを もった人を推進責任者に充てることが望まれます。 本シリーズではこの推進体制についても考察していきます。 ものづくり現場のDX推進 【第一回】DXとは 6 >> ロボット・自動化のソリューションはこちら <<
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03 DX概要 ③ DX人材の育成 DXを推進する上で、「システムやサービス設計に関する知見」、「ITやデジタル技術に関する知 見」、「プロジェクトマネージメントに関する知見」、「AIやIoT、クラウドといった先進技術に関す る知見」、「データサイエンス領域の知見」を有する人材が求められるという記事等を見受けます。 もしそうであるならば、大企業ならいざ知らず、中堅・中小企業でこれらの人材を確保するのは 極めて難しく、DX推進を諦めざるを得ない企業が続出することになります。そのようなことがあっ てはなりません。 私はDX推進にあたっては「改革を進める意欲を持った人材(変革を起こせる人材)」、「プロジェ クトマネージメント力を持った人材」がいるかが重要であり、多くの企業内に内在していると考え ています。この人材を核に推進し、ITやデジタル技術・その他については当面外部企業の支援の もとに進めればいいと考えています。   ④ DX推進パワーを捻出する DX推進しようにも余力がないと嘆いていても始まりません。人手不足の中、採用で余力を生み 出すのは難しいため、持てる資源(人、モノ、金、情報)の付加価値を高めて余力を生み出していく ことを指向すべきと考えています。この方法も本シリーズで実例をもとにご紹介してまいります。 ⑤ DX推進を支える企業文化 冒頭に「DXはデジタル技術を活用し、事業の変革を求めていくもの」と記しました。これは従来 業務の延長線上ではなく、新たな方向性を見いだし、挑戦をしていく取組みとなることを示して います。そこには失敗や大きな壁を前に思うように進まないこともあるはずです。 ただこの失敗や遅延を糾弾するようなことがあると変革に挑む人材が萎縮し、やがてチャレンジ する人材が出なくなる可能性もあります。 果敢に挑戦する人材を引き出し、失敗を個人の責任に帰結させず、その経験をも自社の財産とし て共有化していく企業文化の醸成がDX推進を支えるといっても過言ではありません。 ものづくり現場のDX推進 【第一回】DXとは 7 >> ロボット・自動化のソリューションはこちら <<
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おわりに 本シリーズでは上記で示した内容について、さらに詳しく述べるとともに、多くのDX推進事例を 記載し、考察していく予定です。 新しくスタートした本シリーズもどうぞご愛読くださるようよろしくお願いします。 ものづくり現場のDX推進 【第一回】DXとは 8 >> ロボット・自動化のソリューションはこちら <<
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04 ミツイワ工場簡易診断サービスのご紹介 (1) はじめに 中堅・中小製造業において、生産現場での働き手不足が日に日に深刻化しています。また、円安 による部材の高騰や、国際的な政情不安にともなうサプライチェーンの寸断による度重なる生 産調整など、不確実性が著しく高まってきています。 このような中、環境変化に対応できる「ものづくり基盤の確立」が急務となっています。一言でも のづくりの基盤確立といっても、 ● 工場のスマート化を指示されているが、進め方がわからない。 ● 工場に問題が山積みで、何から手を付ければよいかわからない。 ● 生産能力を高めたいが、人手不足、部材の高騰    …どう対処したら良いかわからない。 ● 新工場をローコスト生産体制にしたいが、実現方法がわからない。 このようなお悩みがあると思います。ミツイワではそれらの改善、改革の契機となる工場簡易 診断サービスをご提供しています。 ものづくり現場のDX推進 【第一回】DXとは 9 PR >> ロボット・自動化のソリューションはこちら <<
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04 ミツイワ工場簡易診断サービスのご紹介 (2) 工場簡易診断サービスとは お客さまに極力ご負担をかけずに、短期間で診断結果をご報告する簡易サービスです。 現在の「ものづくりの現場」すなわち「工場」を半日で視察させていただき、第三者の目線で業 務分析と課題の洗い出しを行います。工場の現場で得られた情報を基に、課題解決への考え方 や方向性を診断結果として報告させていただきます。 開示可能な情報をあらかじめ ご提供いただきます。 【例】 組織図 / 業務フロー / 工程流れ図 製造現場レイアウト図 / 製品情報 情報システム構成 / 重要課題 改善活動状況 / 今後の事業展開計画 工場簡易診断の範囲 本活動フェーズ 機密保持 工場簡易診断 モノづくりの課題 改善改革に向けた 契約 事前検討 工場見学 サービス 解決方法 具体的な 締結 提示 提案 全体統括 課題の体系化 図表1 工場簡易診断サービスの流れ 「工場簡易診断サービス」にて、みなさまの工場のスマート化を推進し、環境変化に対応できる 「ものづくり基盤確立」のお手伝いができることを楽しみにお待ちしております。 ものづくり現場のDX推進 【第一回】DXとは 10 PR >> ロボット・自動化のソリューションはこちら <<
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著者プロフィール 【氏名】林 芳樹(はやし よしき) 【所属】ものづくりテラス 代表 【資格等】 ● 日本生産管理学会 正会員 ● 産業カウンセラー ●( 独)中小企業基盤整備機構チーフアドバイザー 【略歴】 ● 1973年 富士通株式会社入社 システムエンジニアとして開発業務に従事 ● 富士通子会社のパナファコム(現 株式会社PFU)へ転籍 自社工場の生産管理システム構築やしくみ改善に従事 ● 1997年から再度システムエンジニアとして 電機、精密、機械、食品製造業の経営改革、生産革新の取り組みを支援 ● 2008年 独立して「ものづくりテラス」設立 企業の仕組みづくり、従業員の意識改革 【実績】製造業全般ならびにソフトウェア開発企業等の支援 ● 生産管理 ● 原価管理 ● 製造支援 ● ロボット制御 ● 作業者の意識改革 ● 業務改革、業務改善 【発行元】 ミツイワ株式会社  ファクトリーイノベーション推進部 〒141-0001 東京都品川区北品川五丁目1番18号 住友不動産大崎ツインビル東館11階 TEL:03-3407-2183(部門直通)  E-Mail:SmartFactory@mitsuiwa.co.jp URL : https://www.mitsuiwa.co.jp/sf/data/sf_url_2