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第1回 ロボット・自動化設備推進ステップと現状の課題
「ロボット・自動化設備導入の円滑化をはかる」をテーマに、その取組みを阻害している要因、円滑化をはかるための施策等について全15回シリーズでお届けする連載コラムです。
このカタログについて
ドキュメント名 | 連載コラム「このロボット導入バイブルがすごい!」 |
---|---|
ドキュメント種別 | その他 |
ファイルサイズ | 2.7Mb |
登録カテゴリ | |
取り扱い企業 | ミツイワ株式会社 (この企業の取り扱いカタログ一覧) |
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このカタログの内容
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【確定】第一回_このロボット導入バイブルがすごい!、【確定】第一回_このロボット導入バイブルがすごい!_02
このロボット導入バイブルがすごい!
第一回
ロボット・自動化設備推進ステップと現状の課題
ものづくりテラス 林 芳樹 著
© 2021 mitsuiwa corporation
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はじめに
みなさま、はじめまして。
前回は「ものづくりの現場改善」をテーマに、全11回シリーズでお届けしてまいりました。
今回あらたに「ロボット・自動化設備導入の円滑化をはかる」をテーマに、その取組みを阻害し
ている要因、円滑化をはかるための施策等について全15回シリーズでお届けすることになりま
した。
第一回目のテーマは「ロボット・自動化設備推進ステップと現状の課題」です。
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【第一回】ロボット・自動化設備推進ステップと現状の課題 1
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01 ロボット・自動化設備導入において
発生している問題点
生産性向上、省人化などを目的に、今やロボット・自動化設備は大企業のみならず、中堅・中小
企業にも数多く導入されてきています。これから導入しようと検討されている企業も少なくない
でしょう。導入に必要な投資額は、数百万円から、大きいものだと1億円を超えるものになり、決
して小さなものではありません。導入するからには最大限の効果を上げ、かつ長く運用したい
ものです。
ロボット・自動化設備の導入には、次のような問題を抱えるケースも少なくありません。
● 短期間で仕様検討を行ったために、後で見直しが発生してしまい
多大な費用と時間を要した。
● 導入により当該作業の省人化は実現したが、データ整備や保守点検などに
人手がかかり、かえって作業者が増加した。
● ラインが抱えている問題点に手をつけないまま導入を進めたため、導入した
工程の効率化は図れたが、他工程の作業に引きずられ、ライン全体の生産性は
上がらなかった。
● 新しい製品を製造しようと思ったが、設備がワークの変化に対応できなかった。
● ロボット・自動化設備の本体やシステムの技術を持った社内人材が転職した
ために、調整の度に時間がかかってしまい稼働率が向上しない。
● 問題が発生したときの対応内容や体制を十分に詰めないまま運用に入り、
故障したときの復旧に相当な時間がかかってしまう。
体制見直しや設備改造で対応できるならまだしも、場合によっては導入したロボット・自動化設
備では対応が難しい事態も発生しかねません。ましてや遊休資産化してしまうことなど、ぜひと
も避けなければなりません。
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【第一回】ロボット・自動化設備推進ステップと現状の課題 2
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01 ロボット・自動化設備導入において
発生している問題点
(1) 導入の各フェーズにおいて行うべき作業内容を理解し、実施する。
図表1は、ロボット・自動化設備を導入する流れを示したものです。
・ ロボット/自動化設備導入の目的・狙い
ロボット・自動化設備導入構想 ・ 求める能力、効果
・ 仕様検討
・ レイアウト設計
・ 付帯設備との連携
メーカからの仕様、見積取得 ・ 仕掛品/在庫の保管方法、運搬
・ 安全対策
・ 推進体制
・ 他
費用対効果の策定
導入機種の選定
SIer、メーカーとの細部打合せ
Sler、メーカ選定
稟議
・ 設備機器/システム構築契約
・ 導入作業
・ 教育支援契約
・ 保守契約
Sler、メーカーとの契約 ・ 他
・ 運用設計
・ 作業手順書作成
導入作業 導入準備作業 ・ 作業者教育
・ 関連データの整備
・ 他
導入・試運転
・ ティーチング
・ 調整作業
・ ワーク変更対応
本稼働 ・ ライン変更対応
・ 他
予知保全 メーカ支援体制 ・ 機器状態監視によるトラブルの未然防止
・ トラブル発生時の対応の明確化
図表1 ロボット・自動化設備導入の流れ
仕様検討から契約、導入準備、導入、稼働、保守までさまざまな取組みが必要となります。全体
で見るとかなり広範な知識・スキルが必要となることがおわかりいただけると思います。
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【第一回】ロボット・自動化設備推進ステップと現状の課題 3
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01 ロボット・自動化設備導入において
発生している問題点
大企業の多くは生産技術部門が中心となってこれらの取組みを進めています。しかし、中堅・中
小企業の場合、生産技術部門を有していない企業がほとんどだと思います。この場合、工場長や
製造部門長など、ロボット・自動化設備を運用する部門が中心となって導入を進めていることが
少なくありません。このことは全く否定するものではありません。しかし、問題なのは、検討する範
囲が推進者の得意とする分野中心となり、他の検討すべきものが抜けてしまう恐れがあることで
す。
例えば、製造部長が主宰される場合を考えてみます。製造部長なので、製造ラインや製造形態の
検討が中心となるでしょう。その結果、図表1で示した他の検討テーマまで目配りできなくなる恐
れがあるのです。
ほかに問題となることとして、検討テーマに対するスキルを有しているか否かがあります。その
背景として考えられるのが、「何を検討すればいいのかがわからない」ということです。
例えば失敗事例として、「ワークが変わったら対応できなくなった」というのがあります。ロボット・
自動化設備の寿命期間内に出現するワークを見通すのは、非常に難しいことです。ただ、こうい
った問題が発生することを事前に認識していたなら、「ライン内のロボット・自動化設備が取り扱
えるワークの制約条件」をあらかじめ営業や設計部門へ提示しておき、ロボット・自動化設備に
見合った受注や製品開発につなげることができたはずです。
ここで私たちが意識すべきなのは、ロボット・自動化設備の導入での一連のフェーズにおいて、
当該フェーズで検討しておくべき事案をそのタイミングでしっかりと押さえておくことです。その
検討が抜けたり、おろそかになったりすると、後で再検討が必要になり、コスト増や本稼働運用
の遅延が発生する可能性が高くなってしまいます。
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【第一回】ロボット・自動化設備推進ステップと現状の課題 4
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01 ロボット・自動化設備導入において
発生している問題点
(2) 自社の要件(ありたい姿)をしっかりと描く。
ロボット・自動化設備導入にあたって留意すべき点は「、導入そのものが目的になることではな
い」ということです。本来は、ライン全体の生産性を上げたい、3K作業からの解放を行いたい、
など経営サイドから見た大きな目的があり、その実現を支援する手段としての導入のはずです。
大きな投資を行うからには、その目的実現に向けて必要な取組み内容を「要件確認書」として
とりまとめ、ありたい姿を関係者全員が共有していくことが大切です。
要件確認は、自社の現状の問題点の明確化、ロボット・自動化設備導入の目的、ねらい、事業目
標や推進スケジュール、推進体制、おおよその投資予算等を明確にします。
もちろん内容については、社内コンセンサスをしっかりとっておくことが条件となります。この
内容の明確化が、以降のロボットシステムインテグレータ(以下、ロボットSIerと記します)と進
める要件定義作業をスムーズに進める要因にもなります。図表2に記載内容のイメージを示し
ます。
図表2 要件確認書イメージ
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【第一回】ロボット・自動化設備推進ステップと現状の課題 5
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01 ロボット・自動化設備導入において
発生している問題点
(3) ありたい姿実現に向けた「じならし」を行う。
皆様が住宅を建てる際、地面の障害物を取り除いたり、地盤を強固なものにしたり、など「じなら
し」を行われるはずです。ロボット・自動化設備の導入においても同様です。現状の問題点の改
善、基礎データの整備、基準類・標準類の再整備、組織の役割の見直しなどを行うことが、導入
効果を上げるとともに、長く運用することにつながります。
この「じならし」が円滑な運用、寿命の長期化のカギを握っているといっても過言ではありませ
ん。
この取組みの内容の詳細は、当コラムの第八回、第九回で示していく予定ですが、ロボット・自
動化設備導入の際、必要不可欠な取組みであるとの認識を行っていただきたいのです。
ありたい姿(要件確認書記載内容)
じならし
現状の問題点・課題の摘出と対策の推進 ロボット等の機器導入による対応
業務フローの見直し
ギャップ!!
しくみづくり、データ整備
標準化、ルール化、役割/責任分担の明確化 システム化支援
業務間のインタフェースの見直し
旧態依然とした意識
現状の問題点 導入推進阻害要因 旧態依然とした組織のしくみ
現状
現状のしくみ、実力値
図表3 じならし
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【第一回】ロボット・自動化設備推進ステップと現状の課題 6
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01 ロボット・自動化設備導入において
発生している問題点
(4) 要件定義作業をしっかりと行う。
ロボット・自動化設備導入の失敗の約8割は、要件定義作業の不備に起因すると言われていま
す。要件定義作業を自社で行うこともあるかもしれませんが、多くの企業はロボットSIerとともに
行っています。
この作業は現状、ロボットSIerの商談活動の一環として無償で行われている場合もありますが、
本来は有償契約で行うべき作業です。
ビルや住宅を建築する際「、設計」を無償で行うことはまずありません。ロボット・自動化設備の
導入をする際の要件定義はそれに比類する大切な作業であり、この費用を惜しむと、後で大き
な費用負担を伴うリスクを負うことになることを理解いただきたいのです。
要件定義は、導入企業によって作成される要件確認を踏まえ、実現に向けて具体的な検討を進
める作業です。
要件定義作業は契約の段階では到達目標が設定できないため、通常「委任契約」の形態で進め
られます。
要件定義
1. システム概要
2. 導入の背景・経緯
3. 導入の目的
4. システム全体のイメージ
5. 設置レイアウトイメージ
6. 処理対象
7. 処理プロセス
8. 要求事項と実現方法
図表4 要件定義
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【第一回】ロボット・自動化設備推進ステップと現状の課題 7
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01 ロボット・自動化設備導入において
発生している問題点
図表4にその作成項目のイメージを示します。
「要件定義契約」と「構築作業契約」に分離して行うことにより、
● 構築作業の見積精度が向上する。
● 要件定義で全体像を認識した上で、構築すべき内容の明確化がはかれる。
ことが可能となります。
要件定義作業 構築作業
構築作業
要件定義作業の 正式見積
契約
検討
要件定義作業
構築作業 システム構築作業
・「あるべき姿」と、実現に向けた推進ステップの策定を行います。 契約 ・要件定義作業時に作成した「システム基本仕様書」に基づき
システムの対象範囲、開発方針、導入設備、ラインレイアウトや システム構築を推進します。
運用体制、必要となる各種データ、イレギュラー時の対応等に ・Sler等のベンダーによる構築作業と並行し、導入企業での
ついて取りまとめていきます。 整備案件(インフラ、各種データ類、運用体制)についても
スケジュールを明確にし、取組みを推進することになります。
1.要件定義作業ご報告 1.システム機能仕様書
2.システム基本仕様書 2.システムテスト仕様書
3.操作説明書
成果物 成果物
図表5 有償化による要件定義作業の推進
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【第一回】ロボット・自動化設備推進ステップと現状の課題 8
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02 次回テーマ
【次回 第二回目 推進に向けて必要なスキル : 生産技術力(1)】
ロボット・自動化設備の導入を主宰する場合、ロボットSIerであれ、ロボット導入企業の方であ
れ、生産技術力が必要となります。生産技術部門がない企業もありますが、次回から2回にわた
ってロボット・自動化設備の導入プロセスにおいて、どのような生産技術力が求められるかを
中心にご説明してまいります。
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【第一回】ロボット・自動化設備推進ステップと現状の課題 9
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【確定】PR原稿_02
03 ミツイワ 工場簡易診断サービスのご紹介
(1) はじめに
中堅・中小製造業において、生産現場での働き手不足が日に日に深刻化しています。また、
感染症拡大や国際的な政情不安にともなうサプライチェーンの寸断による度重なる生産調整
など、不確実性が著しく高まってきています。
このような中、環境変化に対応できる「ものづくり基盤の確立」が急務となっています。一言でも
のづくりの基盤確立といっても、
● 工場のスマート化を指示されているが、進め方がわからない。
● 工場に問題が山積みで、何から手を付ければよいかわからない。
● 生産能力を高めたいが、人手不足、感染症対策
…どう対処したら良いかわからない。
● 新工場をローコスト生産体制にしたいが、実現方法がわからない。
このようなお悩みがあると思います。ミツイワではそれらの改善、改革の契機となる工場簡易
診断サービスをご提供しています。
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【第一回】ロボット・自動化設備推進ステップと現状の課題 10
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03 ミツイワ 工場簡易診断サービスのご紹介
(2) 工場簡易診断サービスとは
お客さまに極力ご負担をかけずに、短期間で診断結果をご報告する簡易サービスです。
現在の「ものづくりの現場」すなわち「工場」を半日で視察させていただき、第三者の目線で業
務分析と課題の洗い出しを行います。工場の現場で得られた情報を基に、課題解決への考え
方や方向性を診断結果として報告させていただきます。
開示可能な情報をあらかじめ
ご提供いただきます。
【例】
組織図 / 業務フロー / 工程流れ図
製造現場レイアウト図 / 製品情報
情報システム構成 / 重要課題
改善活動状況 / 今後の事業展開計画
工場簡易診断の範囲 本活動フェーズ
機密保持
工場簡易診断 モノづくりの課題 改善改革に向けた
契約 事前検討 工場見学
サービス 解決方法 具体的な
締結 提示 提案
全体統括 課題の体系化
図表1 工場簡易診断サービスの流れ
「工場簡易診断サービス」にて、みなさまの工場のスマート化を推進し、環境変化に対応できる
「ものづくり基盤確立」のお手伝いができることを楽しみにお待ちしております。
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著者プロフィール
【氏名】林 芳樹(はやし よしき)
【所属】ものづくりテラス 代表
【資格等】
● 日本生産管理学会 正会員
● 産業カウンセラー
●( 独)中小企業基盤整備機構チーフアドバイザー
【略歴】
● 1973年 富士通株式会社入社
システムエンジニアとして開発業務に従事
● 富士通子会社のパナファコム(現 株式会社PFU)へ転籍
自社工場の生産管理システム構築やしくみ改善に従事
● 1997年から再度システムエンジニアとして
電機、精密、機械、食品製造業の経営改革、生産革新の取り組みを支援
● 2008年 独立して「ものづくりテラス」設立
企業の仕組みづくり、従業員の意識改革
【実績】製造業全般ならびにソフトウェア開発企業等の支援
● 生産管理
● 原価管理
● 製造支援
● ロボット制御
● 作業者の意識改革
● 業務改革、業務改善
【発行元】
ミツイワ株式会社 スマートファクトリービジネス推進部
〒150-0002
東京都渋谷区渋谷三丁目12番18号 渋谷南東急ビル12階
TEL:03-3407-2183 E-Mail:060500_sf_info@mitsuiwa.co.jp
URL : https://www.mitsuiwa.co.jp/sf/data/sf_url_2