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「アクティブ除振は何故必要なのか」を分かりやすく解説しています
掲載内容
1.パッシブ除振台の限界
2.アクティブ除振台の原理
3.VAAVの特⻑
4.VAAVの除振効果 (振
このカタログについて
ドキュメント名 | アクティブ除振は何故必要なのか |
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ドキュメント種別 | ホワイトペーパー |
ファイルサイズ | 865.7Kb |
登録カテゴリ | |
取り扱い企業 | 株式会社昭和サイエンス (この企業の取り扱いカタログ一覧) |
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このカタログの内容
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アクティブ除振は
何故必要なのかSHOWA SCIENCE
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アクティブ除振は何故必要になるのか
1.パッシブ除振台の限界
パッシブ除振台は、質量をばね系で⽀え、ダンパで振動を抑える、簡単な構成で優れた効果を得られる除振⽅法です。特に空気
ばね式除振台は、簡単に低い固有振動数が得られ、自動レベル調整器と組み合わせることにより、荷重変化があってもレベル変動
が少ないため、広く使用されています。ところが、この空気ばね式除振台でも対応できない問題が生じる場合があります。
パッシブ除振台は、共振現象を生じます。この周波数領域では、除振対象の振動が床の振動より⼤きくなり、除振効果が得られ
なくなってしまいます。一般的に、「床面には、低い周波数の振動が少ない」ため、なるべく低い固有振動数の空気ばねを用いること
により、共振現象の悪影響を小さくすることが可能です。しかし、低い固有振動数の空気ばねも問題を生じることがあります。
低い固有振動数は、ばね定数を小さくすることで得られますが、このことは、除振対象が小さな外⼒で⼤きな変位を生じることを⽰し
ています。更に、振動の減衰時間が増⼤します。ステージのような移動荷重が作用する場合、除振台がふらふらと動いて⽌まらなか
ったり、空気ばねの許容変位を越えるような変位が発生し、接触等により、振動が生じたりすることがあります 。
2.アクティブ除振台の原理
アクティブ除振台は、振動や位置変動のセンサを設置し、発生している振動や位置変動を小さくするようにアクチュエータを動作させ
ます。これをフィードバック制御(FB制御)と言います。その結果、パッシブ除振台では必然的に生じていた共振現象が無くなります。
(図2参照)外部から与えられた振動の影響を短い時間に減衰させることができます。また、アクチュエータの出⼒をバランスさせること
により、定盤に与えるねじり荷重を減少できます。
更に一歩進んで、床振動が伝達されて除振対象を振動させるのと同時に、床側に置かれたセンサの出⼒に応じた⼒をアクチュエー
タから出⼒させることにより、除振台上の振動を減少させることができます。これをフロアフィードフォワード制御(FFF制御)と言い
ます。FB制御と併用すると除振台上の振動を更に減少させることができます。(図2参照)
除振台上にはステージのような移動物を搭載することが多くあります。⼤きな質量の移動は、質量と距離の積に⽐例した回転モー
メントを発生させます。また、質量と加速度の積に⽐例した加振⼒も発生させます。移動物の位置と加速度が分かれば、それに⽐
例した⼒とモーメントを発生させることにより、除振対象物の移動荷重の影響を⼤幅に低減できます。これがステージフィードフォワー
ド制御(SFF制御)です。VAAVアクティブ除振台はこの3つの制御を同時に⾏うことができます。(図1参照)
図1 アクティブ除振台の各種制御⽅式 図2 振動伝達率
3.VAAVの特⻑
VAAV空圧タイプは、アクチュエータとして空気ばねとサーボバルブの組み合わせを採用しました。この構成は、⼤きな⼒を容易に得られる
特⻑があります。リニアモータのように発熱や磁界を気にすることなく、VAAV-550からVAAV-30000まで、同一のコントローラで制御
することが出来ます。⾼速の応答が必要な場合には、⼤流量の⾼速応答バルブも用意されており、同一のコントローラに接続できます。
制御⽅式もFB制御、FFF制御、SFF制御を標準で用意しており、⾼性能DSPの性能を生かして、お客様のニーズに合わせて組み
合わせることができます。
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4.VAAVの除振効果 (振動伝達率)
図2にVAAV の除振効果を振動伝達率で⽰します。標準シリーズのVAAVは、ばね定数を⾼めにして固有振動数が約5Hzの
空気ばねを使用しています。これは、後述のステージ等の除振台上に存在する加振⼒に対し、⼤きな変位を生じさせない効果があ
ります。位置FB制御のみで浮上させたときには、約5Hzのパッシブ除振台と同等になり、共振点を持ちます。
加速度FB制御を⾏うとアクティブ除振台としての機能を発揮します。共振点が存在しないアクティブ除振台になります。このため、や
や⾼めの固有振動数を設定しても悪影響が少なく、良好な除振性能が得られます。更にFFF制御を⾏うと、低周波から⼤きな減
衰効果が働きます。VAAV-Lシリーズは、固有振動数の低い空気ばねをアクティブ化することにより、低周波領域の振動伝達率
の減少と、制御帯域の低周波数化を⾏い、振動に弱い機器を含む除振対象をソフトに制御することで、より⾼性能の除振が得られ
ます。
5.VAAVの制振効果 (ステージ移動荷重に対する定盤の応答)
図3、4にVAAVの制振効果をステージ移動荷重に対する定盤の応答回転変位と応答回転振動で⽰します。ステージ移動荷重
の作用は⼤きく分けて2つあります。1つ目は、ステージ質量とステージ位置変化量の積に⽐例する回転モーメントです。2つ目は、
ステージ質量とステージ加速度の積に⽐例する加振⼒です。これらは、ステージ質量、ステージ位置変化量、ステージ加速度が⼤き
いと⼤変⼤きな応答変位を発生させます。柔らかいパッシブ除振台で⽀持する時には、その揺れは空気ばねの許容変位量を超えて
接触を生じる場合もあります。
1.5 10
FB制御 FB制御
1
SFF制御 SFF制御
パッシブ 5 パッシブ
0.5
0 0
-0.5
-5
-1
-1.5
-10
0 1 2 3 4 5 6 7 8
0 1 2 3 4 5 6 7 8
時間(sec)
時間(sec)
図3 応答回転変位測定例 図4応答回転振動測定例
アクティブ除振台のFB制御効果は、加速度FB制御が振動を小さく、短い時間に収束させます。このため、装置の位置決め精度の
向上やタクトタイムの短縮が計れます。(図4参照)
更に、ステージ位置変化量とステージ加速度のリアルタイム測定値をVAAVコントローラにアナログ接続することにより、SFF制御を⾏
うことが出来ます。ステージが発生させる回転モーメントと加振⼒に⽐例した制御⼒が、ステージ応答変位を激減させるのが分かりま
す。(図3参照)VAAVのSFF制御は、理論的に単純で無理が無く、簡単に⼤きな効果が得られます。2軸までのステージに対
応してSFF制御ができます。
ステージ位置変化量とステージ加速度のリアルタイム信号値の例を図5、6に⽰します。±9Vの範囲のアナログ信号で伝達します。
アナログ信号生成装置とVAAVコントローラのアース電位は、同一である必要があります。
1.5 10
1
5
0.5
0 0
-0.5
-5
-1
-1.5 -10
0 1 2 3 4 5 6 7 8 0 1 2 3 4 5 6 7 8
時間(sec) 時間(sec)
図5 ステージ位置信号例 図6 ステージ加速度信号例
変位(mm)
電圧(V)
加速度(cm/sec2)
電圧(V)
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パッシブ除振台 アクティブ除振台 防振装置
各種防振ゴム 制振材 吸音材
除振工事 防振工事 制振工事
除振コンサルタント 振動測定及び解析 定盤
光学機器 計測機器
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