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トルク計測の要求仕様や設備の安全仕様を確認し、トルク計・負荷装置・治具・安全装置などを組み合わせたシステムを選定・設計する方法を解説したガイドシートの応用編です。はじめに基本編で、トルク計・ブレーキ・コントローラ・ソフトウェアの選定をしてから、本書で治具・安全装置やその他の機器選定を行ってください。
このカタログについて
ドキュメント名 | モータトルク計測システム機器選定ガイド(応用編) |
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ドキュメント種別 | ハンドブック |
ファイルサイズ | 941.2Kb |
登録カテゴリ | |
取り扱い企業 | 株式会社東陽テクニカ (この企業の取り扱いカタログ一覧) |
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このカタログの内容
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モータトルク計測システム 機器選定ガイド 応用編
■ 概要
本書は選定ガイドの基本編に続く応用編です。はじめに基本編で、トルク計 ・ ブレーキ ・ コントローラ ・ ソフトウェアの選定をしてから、
本書で治具 ・ 安全装置やその他の機器選定を行ってください。
■ 選定ステップ 1 : モータ固定台
モータの固定方法は主に2通りで、L型固定台でモータの取付け穴を用いるか、V型固定台でモータの外周を押さえて固定するかです。
固定したモータとの芯ずれを測って調整するための軸合わせ治具もアクセサリとして販売しています。
L型固定台 V型固定台 軸合わせ治具
上下・水平調整、スライドキー溝で前後調整 上下・水平調整、スライドキー溝で前後調整 2つの軸間の芯ずれ計測
面板交換で複数モータ対応 最小目盛り10μm
L型固定台 V型固定台
軸合わせ 偏心は50μmや10μmなど高精度に調整可能 モータを交換する毎に軸合わせが必要
同じインローサイズのモータは毎回の軸合わせが不要 モータの外形によっては軸が水平にならない
モータ軸が水平になる
対応するモータ形状 取付穴のあるモータのみ モータの外周を押さえるため、形状の制約は少ない
面板とインローで軸中心を合わせる場合はインロー寸法
が違うと複数の面板が必要
■ 選定ステップ 2 : カップリング
弊社ではモータ・トルク計・ブレーキともにベースに固定する方式を推奨しています。
カップリングは、偏心と偏角を許容することができるダブルディスクタイプ(2自由度)が最も適しており、次にベローズやオルダムなど自由に
動くカップリングが適しています。 ベース固定された軸間には、1自由度しかないシングルディスクカップリングは使わないでください。
ダブルディスク
ベローズ、オルダム
ダブルディスクカップリング ベローズクカップリング
Magtrol MICシリーズ Magtrol BKCシリーズ
固定
カップリングの選定には、トルク、回転数、締結する軸径の仕様を確認します。
まず、価格面を考えて数千円程度の日本製カップリングが使えるかを確認します。
トルク5Nmや10Nmでは回転数10000rpmや20000rpm程度、1Nm以下で20000rpmや30000rpmのものがあります。
さらに回転数が高くなると特注で許容回転数を上げる動バランス取りが必要になり、Magtrol社などからの輸入品があります。
締結できる軸径は、カップリングごとに最小何mmから最大何mmと決まっていますので、 1
軸径が大きく異なる場合は注意が必要です。また、インチ寸法の加工に対応していない製品もありますのでご確認ください。
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モータトルク計測システム 機器選定ガイド 応用編
■ 選定ステップ 3 : ベース板 ・ スライドキー ・ ブレーキ固定台 ・ トルク計固定台
弊社では数Nmの小型の装置にはT溝付きベースプレートPTシリーズをおすすめしています。
Tスロットナットを用いて自由な位置に治具の固定ができます。
PTシリーズ
25mm間隔のT溝、幅375mm、厚さ20mm、材質アルミ
長さ400mmから1500mmまで、長さ100mmごとのラインナップ
トルクや回転数が高く、PTシリーズでは振動が大きくなる場合は、厚い鉄板のベースで設計します。
スライドキーがあるとトルク計やモータ固定台をベースに対して水平に移動でき、軸合わせ後のカップリング取付が容易になります。
また、複数台のトルク計やブレーキを載せ替えて使う場合も交換が作業が容易になる利点があります。
スライドキー
幅32mm h7公差、 ベース高さ5mm
水平移動
スライドキーを使う場合は、 ピン
トルク計固定台やブレーキ固定台にキー溝を付けます。
キー溝
キー溝 ピン
水平調整
アルミフレームのテーブルを用意すると棚板に計測機器を配置でき、
装置全体の設置スペースを小さくすることができます。
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モータトルク計測システム 機器選定ガイド 応用編
■ 選定ステップ 4 : 安全カバー、インターロック
安全カバーを堅牢にするほど装置の操作性が悪くなる傾向にありますので、安全性と操作性のバランスを考えて選定します。
①回転部分だけをカバー
カップリングやヒステリシスブレーキのロータ部分をカバーします。
カップリングカバーには隙間があり、指が入る場合があります。
回転中に故意に指を入れることのない運用が必要です。
②全体をカバー
装置が動作中に触れられないようにするためには、全体をカバーします。
モータの取付けができるように、モータ側は開閉式にします。また、カバー開閉検出のリミットスイッチを取付けて、カバーが開いたらモータ
電源の出力をOFFにするように配線して安全を確保します。
カバーにリミットスイッチが付いているだけでは回転中に開けることができますので、故意に開けることのない運用が必要です。
リミットスイッチ
③全体をカバー、さらに回転中は施錠 (インターロック)
カバーのリミットスイッチを電磁ロックに変更し、ロック/解除の制御をするインターロックボックスを用意することで、安全性が高まります。
例えば、回転がすぐには停止しない惰力回転の状態になる装置の場合は、軸の回転数を検出するインターロックの機能を付けます。
インターロックボックス
装置全体の安全を管理するための上位の制御器です。非常停止、安全カバーのロック/解除、モータ駆動用電源のON/OFF、
各種の異常/正常の状態監視の機能があります。
⚫ 非常停止 :モータ駆動用電源のシャットダウン
※ ブレーキは回転を止める働きをするため、非常停止時にブレーキ電源を切る動作は不要
⚫ 運転準備 :装置の安全が確保されたらボタンを押せる → モータ電源ON
⚫ 安全カバー :カバーが開いたら運転準備状態OFF → モータ電源OFF
⚫ 回転数検出 :回転数がゼロになったら電磁ロック解除
⚫ その他機能 :モータ電源のON/OFF、被試験モータやブレーキの温度モニタ、装置の異常検出
TIBX-03 Interlock Box
常 停
非 止
通電
運転準備
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モータトルク計測システム 機器選定ガイド 応用編
■ 選定ステップ 5 : 電力計 (計測オプション)
被試験モータやドライバ(モータ駆動回路)の電流・電圧・効率を測るには、追加で電力計を選定します。
M-Test7やTMTソフトを用いて電力計のデータを収集する場合、ソフトが対応している電力計は主に横河計測製と日置電機製です。
具体的な対応型番については弊社へお問合せください。
電力計を選定するには、被試験モータをどのように回すか、どこを測るか、必要な電流・電圧・電力の仕様を確認します。
入力 出力
W ドライバ W モータ
入力電源 ドライバがあるかどうか モータ入力
DC / 単相AC / 3相AC ドライバの入力を測定するか DC / 単相AC / 3相AC
ドライバの出力を測定するか
次に、どの型番の電力計が使えるかを選定します。
⚫ サンプリング周波数:ブラシレスDCモータ等に使われる高周波の電圧を測るための高速サンプリングの製品と、DCや誘導モータなど
数百Hz以下を測る製品があります。
⚫ チャンネル数:どこを測るかによって、チャンネル数1から6まで必要な数を選定します。
⚫ 電流計測:測定する交流電流のピークよりも大きなレンジのものを選定します。接続方法は、直接入力(測りたい線を切って間に
電力計の計測端子を挟む)と、センサ入力(センサの穴に測りたい線を通す)があります。
■ 選定ステップ 6 : その他の計測オプション
モータのトルク・回転や電力計測に加えて様々な計測を複合的に行うことも可能ですので、弊社へお問合せください。
⚫ モータ駆動用電源の制御、モータ駆動用に任意波形発生器の制御
⚫ 温度計測、汎用的なアナログ電圧の計測、デジタル信号の計測
⚫ 振動計測、 音計測(防音箱付き)
⚫ モータの温度環境制御(恒温槽)
⚫ 減速機の計測 (入出力のトルク・減速機効率、バックラッシュなど)
⚫ 負荷側にモータを用いた装置(4象限計測、誘起電圧、コギング計測、トルクリップル計測)
⚫ モータ着脱・試験実行・合否判定を全自動化する生産ラインでの検査
株式会社 東陽テクニカ 機械計測部 Magtrol担当
〒103-8284 東京都中央区八重洲 1-1-6
TEL. 03-3279-0771 FAX. 03-3246-0645 Email: web-car@toyo.co.jp
http://www.toyo.co.jp/magtrol/
大阪支店 〒532-0003 大阪府大阪市淀川区宮原1-6-1 (新大阪ブリックビル) TEL. 06-6399-9771 FAX. 06-6399-9781 4
名古屋支店 〒460-0008 愛知県名古屋市中区栄2-3-1 (名古屋広小路ビルヂング) TEL. 052-253-6271 FAX. 052-253-6448
宇都宮営業所 〒321-0953 栃木県宇都宮市東宿郷2-4-3 (宇都宮大塚ビル) TEL. 028-678-9117 FAX. 028-638-5380
本書に記載された商品の機能・性能は断りなく変更されることがあります。